2010/10/29up
中学国語指導案詩・草に寝て…立原道造
授業記録/2年2組東京書籍・09年4月21日第一時
・09年4月23日第二時
<第一時>
・範読。5回音読。ありの巣を塗る。
・視写。終わったら微音読。ありの巣を塗る。これでほぼ10回。
(板書)(1)私たちは何をしているのか?
・題名を一人に読ませる。
発問1
私たちは何をしているのですか。
・①寝ている
・寝ると眠るの違いを問う。
・一連を一人に読ませる。
発問2
私たちは何をしているのですか。一連の中から二つ探しなさい。
・班隊形で相談。班長が発表。
・②小鳥の唄を聞いている
・③まどろんでいる
・まどろむの意味を問う。うとうと。
・二連を一人に読ませる。
発問3
私たちは何をしているのですか。二連の中から探して、10字で書きなさい。
・持ってこさせる。
・④空と雲をながめている
<第二時>
・音読2回。
発問1
私たちは考えごとをしているのです。
私たちが考えごとをしている、ということが分かる言葉を書きなさい。
・言葉すくなく
・しあわせはどこにある、ではない。
発問2
どんな考えごとをしているのですか。
・しあわせはどこにある
発問3
しあわせはどこにあるのですか。3字で書きなさい。
・持ってこさせる。
・空と村
発問4
14行の詩の中で、一番大事な言葉はなんですか。
机、いすのような短いことばです。(単語だ)
・全員に書かせる。詩の中から選べばいいのだから。
・一列指名。四人に言わせて、それ意外の者を立たせて更に言わせる。
・友だち・草地・私たち・しあはせ・空・心・希望
発問5
この中から、一番大事ではないというものを一つ選びなさい。消します。
・一つずつ消していく。
・「友だち・しあはせ・心」が残る。
発問6
三つの中で、一番大事だと思うものを一つ選びなさい。
・友だち=18人・しあはせ=2人・心=0人
・「友だち」と「しあはせ」の二つに絞られる。
発問7
なぜ、大事なのか理由を書きなさい。
・持ってこさせる。ほめて丸つけて返す。
指示1
全員発表します。
・指名なし発表。
・「手はあげなくていい。早く立った人から。」
・同時は、教師がパッと決定。指名なし初めてだが成功。次々出て勢いが良い。
・友だち=一番最後に書いてある。そこまでの内容をまとめている。
(が主流。私たちが友達だととらえている)
・しあはせ=寝ながらしあはせのことを考えているから
(一人だけだが)
・もう一度挙手させると全員「友だち」になる。
説明1
正解は「しあはせ」です。(エー)
あなたたちは読み違いをしています。私たちは友達ではありません。
発問8
私たちは何人ですか。
・100人。8人。15人。
発問9
2人です。私たちとは誰と誰ですか。
・たまたま会った人。私とそこいらの人。男と女。
発問10
この詩はみんなが思っているより大人の詩です。
・夫婦・・・惜しい。カップル・・・そうです。
・詩を読み聞かせる。
発問11
何が友だちだったのですか。
・山、これが出ない
・5分間視写と、授業の感想を書かせて終了。
<生徒の授業感想>
○楽しかった △まあまあ ×つまらなかった
◆ ○ユニークな意見がたくさん出ておもしろかった。
◆ ○言いかけっこ?みたいでとても楽しかったです。
色々な答えがあっておもしろかったです。
◆ ◎話はとても楽しいし、盛り上げ方がうまい。
そして先生のじゅぎょうは、じかんがはやくかんじる。
◆ ○おくがふかくて楽しかった。みんなの意見とかきけて良かった。
◆ ○あまりやったことのない授業のしかたで楽しかった。
◆ ○色々な意見が出て、みんなの考えが分かったから。
◆ ○去年の授業よりも、詩とか文章について深く考える授業で楽しかったです。
◆ △なんかよくわかんないけど、びみょうでした。
でも、最後の視写競走はたのしかったです。
◆ ○クラスみんなが考えて、一番大事なのは友だちだと思ってたのに、
0ひょうのしあわせだったから。
◆ ○発表とか自分のペースで言うことができるし、
こういういようなものができておもしろいから。
◆ ○理由はけっこう問題が難しいやつもあったけど、
思ってもいいない答えがきたりして、けっこうおどろいて、
とてもおもしろくもありました。
◆ △もう少しゆっくりしゃべってほしかった。
◆ ○意見を考えたり、この紙(視写)のゲームみたいのだったり、
色々なことをして楽しかった。
◆ △ふつうの授業だから、仕方ないけど、早口言葉のが頭によくてたのしかったから、
そういうのが好きです。私は。
◆ ○指名なし発表で、先生が何も言わなくても全員がスムーズに発表していて、
とてもいい雰囲気でした。
◆ ◎みんなが言った言葉とかがおもしろかった。
◆ ◎みんなの、個せいがある意見などがきけて、みんなの考えかたがわかった。
◆ ○みんなの思った意見などが聞けたし、ノートに写すのが好きだから、
いっぱい書けた。
◆ ○授業がとっても明るくて、先生とうちらの話がおもしろかった。
◆ △たのしくないってゆうとたのしくないし、
つまんなかったってゆうと、そーでもないから。
<国語科O先生が参観して下さいました>
(2組でなく4校時の1組)
◆生徒が本当に反応よく問いに向かっていく姿に圧倒されました。
テンポがよくて、生徒がいきいきと思考し、活動しているのが、
「あぁ、子どもってこんなに夢中になって学習に取り組めるんだ…」
ということを感じさせてくれました。
私も生徒たちにこんな体験をさせてあげたいと、強く感じています。
先生の発問が、短く、簡潔で明確な上、
「できたらどうするのか」という指示もはっきりしているので、
生徒たちは目の前の問いに集中し向かっていけるのだとわかりました。
また、時間を区切ったり、班単位で全員が自分の答えを持てたか確認したりという方法で、
「全員、一人ひとりが自分の考えを持つ」
ということを、無理なく、リズムに乗るような形で進められていたのも
いいなぁと思いました。
「最も大事な言葉は?」→「私たちとは?」→題の……は?」
という問いの流れも、きっととても教材研究をなさったんだな、
ととても勉強になりました。どうもありがとうございました。
(本文)草に寝て
草に寝て…… 六月の或る日曜日に
立原道造
それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であつた 小鳥らの
たのしい唄をくりかへす 美しい声が
まどろんだ耳のそばに きこえてゐた
私たちは 山のあちらに
青く 光つてゐる空を
淡く ながれてゆく雲を
ながめてゐた 言葉すくなく
─しあはせは どこにある?
山のあちらの あの青い空に そして
その下の ちひさな 見知らない村に
私たちの 心は あたたかだつた
山は 優しく 陽にてらされてゐた
希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた
中学国語指導案詩・草に寝て…立原道造
授業記録/2年2組東京書籍・09年4月21日第一時
・09年4月23日第二時
<第一時>
・範読。5回音読。ありの巣を塗る。
・視写。終わったら微音読。ありの巣を塗る。これでほぼ10回。
(板書)(1)私たちは何をしているのか?
・題名を一人に読ませる。
発問1
私たちは何をしているのですか。
・①寝ている
・寝ると眠るの違いを問う。
・一連を一人に読ませる。
発問2
私たちは何をしているのですか。一連の中から二つ探しなさい。
・班隊形で相談。班長が発表。
・②小鳥の唄を聞いている
・③まどろんでいる
・まどろむの意味を問う。うとうと。
・二連を一人に読ませる。
発問3
私たちは何をしているのですか。二連の中から探して、10字で書きなさい。
・持ってこさせる。
・④空と雲をながめている
<第二時>
・音読2回。
発問1
私たちは考えごとをしているのです。
私たちが考えごとをしている、ということが分かる言葉を書きなさい。
・言葉すくなく
・しあわせはどこにある、ではない。
発問2
どんな考えごとをしているのですか。
・しあわせはどこにある
発問3
しあわせはどこにあるのですか。3字で書きなさい。
・持ってこさせる。
・空と村
発問4
14行の詩の中で、一番大事な言葉はなんですか。
机、いすのような短いことばです。(単語だ)
・全員に書かせる。詩の中から選べばいいのだから。
・一列指名。四人に言わせて、それ意外の者を立たせて更に言わせる。
・友だち・草地・私たち・しあはせ・空・心・希望
発問5
この中から、一番大事ではないというものを一つ選びなさい。消します。
・一つずつ消していく。
・「友だち・しあはせ・心」が残る。
発問6
三つの中で、一番大事だと思うものを一つ選びなさい。
・友だち=18人・しあはせ=2人・心=0人
・「友だち」と「しあはせ」の二つに絞られる。
発問7
なぜ、大事なのか理由を書きなさい。
・持ってこさせる。ほめて丸つけて返す。
指示1
全員発表します。
・指名なし発表。
・「手はあげなくていい。早く立った人から。」
・同時は、教師がパッと決定。指名なし初めてだが成功。次々出て勢いが良い。
・友だち=一番最後に書いてある。そこまでの内容をまとめている。
(が主流。私たちが友達だととらえている)
・しあはせ=寝ながらしあはせのことを考えているから
(一人だけだが)
・もう一度挙手させると全員「友だち」になる。
説明1
正解は「しあはせ」です。(エー)
あなたたちは読み違いをしています。私たちは友達ではありません。
発問8
私たちは何人ですか。
・100人。8人。15人。
発問9
2人です。私たちとは誰と誰ですか。
・たまたま会った人。私とそこいらの人。男と女。
発問10
この詩はみんなが思っているより大人の詩です。
・夫婦・・・惜しい。カップル・・・そうです。
・詩を読み聞かせる。
発問11
何が友だちだったのですか。
・山、これが出ない
・5分間視写と、授業の感想を書かせて終了。
<生徒の授業感想>
○楽しかった △まあまあ ×つまらなかった
◆ ○ユニークな意見がたくさん出ておもしろかった。
◆ ○言いかけっこ?みたいでとても楽しかったです。
色々な答えがあっておもしろかったです。
◆ ◎話はとても楽しいし、盛り上げ方がうまい。
そして先生のじゅぎょうは、じかんがはやくかんじる。
◆ ○おくがふかくて楽しかった。みんなの意見とかきけて良かった。
◆ ○あまりやったことのない授業のしかたで楽しかった。
◆ ○色々な意見が出て、みんなの考えが分かったから。
◆ ○去年の授業よりも、詩とか文章について深く考える授業で楽しかったです。
◆ △なんかよくわかんないけど、びみょうでした。
でも、最後の視写競走はたのしかったです。
◆ ○クラスみんなが考えて、一番大事なのは友だちだと思ってたのに、
0ひょうのしあわせだったから。
◆ ○発表とか自分のペースで言うことができるし、
こういういようなものができておもしろいから。
◆ ○理由はけっこう問題が難しいやつもあったけど、
思ってもいいない答えがきたりして、けっこうおどろいて、
とてもおもしろくもありました。
◆ △もう少しゆっくりしゃべってほしかった。
◆ ○意見を考えたり、この紙(視写)のゲームみたいのだったり、
色々なことをして楽しかった。
◆ △ふつうの授業だから、仕方ないけど、早口言葉のが頭によくてたのしかったから、
そういうのが好きです。私は。
◆ ○指名なし発表で、先生が何も言わなくても全員がスムーズに発表していて、
とてもいい雰囲気でした。
◆ ◎みんなが言った言葉とかがおもしろかった。
◆ ◎みんなの、個せいがある意見などがきけて、みんなの考えかたがわかった。
◆ ○みんなの思った意見などが聞けたし、ノートに写すのが好きだから、
いっぱい書けた。
◆ ○授業がとっても明るくて、先生とうちらの話がおもしろかった。
◆ △たのしくないってゆうとたのしくないし、
つまんなかったってゆうと、そーでもないから。
<国語科O先生が参観して下さいました>
(2組でなく4校時の1組)
◆生徒が本当に反応よく問いに向かっていく姿に圧倒されました。
テンポがよくて、生徒がいきいきと思考し、活動しているのが、
「あぁ、子どもってこんなに夢中になって学習に取り組めるんだ…」
ということを感じさせてくれました。
私も生徒たちにこんな体験をさせてあげたいと、強く感じています。
先生の発問が、短く、簡潔で明確な上、
「できたらどうするのか」という指示もはっきりしているので、
生徒たちは目の前の問いに集中し向かっていけるのだとわかりました。
また、時間を区切ったり、班単位で全員が自分の答えを持てたか確認したりという方法で、
「全員、一人ひとりが自分の考えを持つ」
ということを、無理なく、リズムに乗るような形で進められていたのも
いいなぁと思いました。
「最も大事な言葉は?」→「私たちとは?」→題の……は?」
という問いの流れも、きっととても教材研究をなさったんだな、
ととても勉強になりました。どうもありがとうございました。
(本文)草に寝て
草に寝て…… 六月の或る日曜日に
立原道造
それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であつた 小鳥らの
たのしい唄をくりかへす 美しい声が
まどろんだ耳のそばに きこえてゐた
私たちは 山のあちらに
青く 光つてゐる空を
淡く ながれてゆく雲を
ながめてゐた 言葉すくなく
─しあはせは どこにある?
山のあちらの あの青い空に そして
その下の ちひさな 見知らない村に
私たちの 心は あたたかだつた
山は 優しく 陽にてらされてゐた
希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた