きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

2月28日のイソップ童話 足を怪我したふりをするロバとオオカミ

2010-02-28 11:24:53 | Weblog

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2月28日のイソップ童話



足をけがしたふりをするロバとオオカミ



足を怪我したふりをするロバとオオカミ


♪音声配信


 ロバがまきばで草を食べていると、オオカミがやって来るのが見えました。
 ロバは、足を怪我したふりをしました。
 オオカミが寄ってきて、
「どうして、足を引きずっているの?」
と、尋ねました。
「垣根(かきね)を飛び越えようとして、イバラに足をついてトゲを刺してしまったからです。
 あなたはぼくを食べるつもりでしょうけれど、その前に、トゲをぬいてくれませんか?
 そうすれば、口にトゲが刺さる心配なしに、ぼくを食べる事が出来るでしょう」
 オオカミは、なるほどその通りだと思いました。
 オオカミがロバの足を持ちあげて、一生懸命にひづめを調べているのを見すましてロバは、
 ガツーン!
と、オオカミの口を思いっきり蹴飛ばしました。
 おかげでオオカミの歯は、全部折れてしまいました。

 ひどい目にあったオオカミは、言いました。
「おれがバカだったんだ。親父から仕込まれた仕事は肉屋なのに、医者の真似なんか、どうしてする気になったのだろう」

 この様に、自分に出来もしない仕事をやろうとする人はへまをして、ひどい目にあうのが当たり前です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → バカヤローの日
きょうの誕生花 → みすみそう(ゆきわりそう)
きょうの誕生日 → 1978年 菊川怜 (タレント)



きょうの日本昔話 → クラゲのおつかい
きょうの世界昔話 → 大きなカブ
きょうの日本民話 → 人形のお嫁さん
きょうのイソップ童話 → 足をけがしたふりをするロバとオオカミ
きょうの江戸小話 → おれじゃない


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2月27日のイソップ童話 ライオンの皮を着たロバとキツネ

2010-02-27 07:00:20 | Weblog

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2月27日のイソップ童話



ライオンの皮を着たロバとキツネ



ライオンの皮を着たロバとキツネ


♪音声配信


  ロバがライオンの皮をかぶって歩きまわり、動物たちをおどかしていました。
  そのうちに、キツネが来たので、
「あいつも、おどかしてやろう」
と、考えました。
  ところがキツネは声を聞いて、すぐにロバの声だとわかりました。
「おあいにくさま。ぼくだって、お前の鳴き声を聞いた事がなければ、震えあがっただろうけどね」

  頭が空っぽの人でも、きれいに着飾ってふんぞりかえっていると偉そうに見えますが、いったん話をし始めると、たちまち正体がばれてしまうものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 新撰組の日
きょうの誕生花 → サキシフラガ(くもまぐさ)
きょうの誕生日 → 1969年 富田靖子 (俳優)



きょうの日本昔話 → 二月の桜
きょうの世界昔話 → わすれな草
きょうの日本民話 → 牛になるまんじゅう
きょうのイソップ童話 → ライオンの皮を着たロバとキツネ
きょうの江戸小話 → ふとん


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2月26日のイソップ童話 旅に出たディオゲネス

2010-02-26 06:32:55 | Weblog

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2月26日のイソップ童話



旅に出たディオゲネス



旅に出たディオゲネス


♪音声配信


 ディオゲネスはギリシャの哲学者で、するどい皮肉な事を言うのが上手な人でした。

 ディオゲネスが旅に出て歩いていきますと、川の岸につきました。
 川の水はまんまんと、あふれそうです。
 ディオゲネスは、はたと困って、岸に立ったまま途方に暮れていました。

 この川のそばに住んでいて、旅人たちを助けて川を渡らせるのを仕事にしている男がいました。
 ディオゲネスが困っているのを見たこの男は、そばへ寄って来て、ディオゲネスを自分の肩に乗せました。
 そして向こう岸まで、親切に運んでくれたのです。
 無事に川を渡る事が出来たディオゲネスは、親切な男にお礼をしたいと思いましたが、とても貧乏なのでお礼が出来ません。
「ああ、こんなに貧乏でなければ、この人にたっぷりお礼が出来るのに」
と、残念に思いました。
「どうやって、感謝をあらわせば良いだろう」
 ディオゲネスは、すっかり考え込んでしまいました。
 ディオゲネスがこうやって考え込んでいるうちに、相手の男は川の向こうに別な旅人が来たのを見つけると、さっさと川を渡って向こう岸へ戻りました。
 そして、さっきと同じ様に肩に乗せて渡してやりました。
 それを見たディオゲネスは、男に近づいて、こう言いました。
「わたしは、もうあなたにお礼をしたいとは思いませんよ。わたしがディオゲネスだとわかったから、親切にしてくれたと思ったのに、そうではなくて、あなたはただ、誰かれなしに川を渡らせるのが趣味なのだから」

 このお話しは、誰にでも親切にする人は、親切な人だと感謝されるよりも、変わった人だと思われる方が多いという事を教えています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 咸臨丸の日
きょうの誕生花 → スノードロップ
きょうの誕生日 → 1956年 桑田佳祐 (ミュージシャン)


きょうの新作昔話 → スズメがお米を食べる理由
きょうの日本昔話 → ひっぱりあいず
きょうの世界昔話 → 軍馬と粉屋
きょうの日本民話 → 竜になった娘
きょうのイソップ童話 → 旅に出たディオゲネス
きょうの江戸小話 → 七の字


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2月25日のイソップ童話 家柄比べをするキツネとサル

2010-02-25 07:39:10 | Weblog

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2月25日のイソップ童話



家がらくらべをするキツネとサル



家柄比べをするキツネとサル


♪音声配信


 キツネとサルが一緒に旅をしながら、どちらの家柄が立派かについて、言い争っていました。
 めいめい、先祖がどんなに偉かったという話をくどくどしているうちに、ある場所にさしかかりました。
 サルはそのあたりをながめ回して、急に泣き始めました。
「どうしたのです?」
と、キツネが尋ねますと、サルはそこに並んでいるお墓を指差してこう言いました。
「これが泣かずにいられましょうか。だってこの墓は、わたしの先祖に仕えた召使いや奴隷たちの墓なのですから」
「へーえ、なるほど」
と、キツネが言いました。
「お前さん、つきたいだけうそをつくがいいさ。そのお墓に入っている連中は、誰もあそこから出てきて、お前がうそをついていると言えないのだから」

 うそつきは、うそがばれる心配のない時ほど、おおぼらをふくものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 夕刊紙の日
きょうの誕生花 → カランコエ
きょうの誕生日 → 1972年 有野晋哉 (芸人)



きょうの日本昔話 → カニにまけたネコ
きょうの世界昔話 → やまのおかしら
きょうの日本民話 → よっぱらったスズメ
きょうのイソップ童話 → 家がらくらべをするキツネとサル
きょうの江戸小話 → まんじゅうこわい


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2月24日のイソップ童話 酔っぱらいとおかみさん

2010-02-24 07:41:00 | Weblog

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2月24日のイソップ童話



よっぱらいとおかみさん



酔っぱらいとおかみさん


♪音声配信


 亭主が大酒飲みで、とても困っているおかみさんがいました。
 何とかして酔っぱらいのくせを治そうとさんざん考えて、1つの作戦を思いつきました。

 亭主がいつもの様にグデングデンに酔っぱらって、死んだ様に眠り込んでいる時を狙って、おかみさんは亭主の肩をかついで墓地まで行きました。
 そして、囲いの中のお墓の間に寝かせて、自分は家へ帰りました。

 しばらくして、そろそろ酔いが覚めかけたと思う頃、おかみさんはまた墓地に戻って、囲いの戸をドンドン叩きました。
「誰だ?! 戸を叩いている奴は?」
と、酔っぱらい亭主が言いました。
「死んだ人たちに、食べ物を運ぶものであるぞ」
と、おかみさんは、重々しい声で言いました。
 すると、酔っぱらい亭主は、
「食べ物なんかいりません。どうぞ、わたしに酒を持ってきて下さい。食べ物だけで酒がないとはひどいです」
と、言うではありませんか。
 おかみさんは、胸をかきむしって叫びました。
「ああ、何となさけない事だろう。お前さんには、せっかくの作戦も全然効き目がないんだからねえ。こりるどころか、ひどくなるばっかりだよ。酔っぱらう事がくせなんかでなくて、まるで生まれつきの性質みたいになってしまっているのだから」

 このお話しは、良くない事を繰り返し繰り返していると、知らないうちに習慣が身に付いてしまって治らなくなるから気をつけなければいけないと、教えています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 月光仮面の日
きょうの誕生花 → クロッカス
きょうの誕生日 → 1967年 コージー冨田 (タレント)


きょうの新作昔話 → 一人ぼっちのコウモリ
きょうの日本昔話 → 鼻かぎ権次(ごんじ)
きょうの世界昔話 → 橋の上の幸福
きょうの日本民話 → 爺婆かぼちゃ
きょうのイソップ童話 → よっぱらいとおかみさん
きょうの江戸小話 → 小男のねがい


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2月23日のイソップ童話 山賊とクワの木

2010-02-23 06:58:38 | Weblog

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2月23日のイソップ童話



山賊とクワの木



山賊とクワの木


♪音声配信


 山賊が街道で1人の旅人を殺しましたが、近くにいた人々が追いかけてきたので、手が血で血まみれになったまま逃げました。
 ところが、向こうからも旅人たちがやって来て、
「おや、あなたの手はどうして、そんなに赤く汚れているのですか?」
と、尋ねました。
「いえ、何、今、クワの木に登って、実を取っていたものですから」
 クワの実は、赤い色をしています。
 山賊がこう言ってごまかしている時、追っての人たちが追いついて山賊を捕まえると、クワの木にしばり首にしました。
 その時、クワの木が山賊に言いました。
「お前をしばり首にするのに役に立って、わたしはうれしいよ。だって、お前は人を殺したくせに、手についた血をわたしのせいにしたのだからね」

 生まれつき心のやさしい人でも、悪い奴に濡れ衣を着せられれば、その相手に対して手厳しい事を言ったりするものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 税理士の日
きょうの誕生花 → じんちょうげ
きょうの誕生日 → 1956年 野口五郎 (歌手)



きょうの日本昔話 → ひろったさいふ
きょうの世界昔話 → かしこいグレーテル
きょうの日本民話 → 四郎と猫
きょうのイソップ童話 → 山賊とクワの木
きょうの江戸小話 → 負け惜しみ


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2月22日のイソップ童話 トビとヘビ

2010-02-22 03:46:13 | Weblog

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2月22日のイソップ童話



トビとヘビ



トビとヘビ


♪音声配信


 トビがヘビをさらって、空高く舞い上がりました。
 ヘビはトビに巻き付いて、噛みました。
 トビもヘビも、高い空から落ちました。
 そして、トビは死にました。
 ヘビは、死んで行くトビに言いました。
「なぜお前は、何もお前に悪い事をしていない者を、いじめるようなおろかな真似をしたのだ? わたしをさらった罰に、この通り死ぬ事になったじゃないか」

 やりたい放題に弱い者いじめをする人は、いつか自分より強い者に出くわして、それまでやった悪い事の罪ほろぼしを受ける事でしょう。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 猫の日
きょうの誕生花 → アフェランドラ
きょうの誕生日 → 1948年 都はるみ (歌手)


きょうの新作昔話 → アマガエルが鳴く理由
きょうの日本昔話 → つめときばをとられたネコ
きょうの世界昔話 → おばあさんと山のヤギ
きょうの日本民話 → しじみの恩返し
きょうのイソップ童話 → トビとヘビ
きょうの江戸小話 → 外からエヘンエヘン


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2月21日のイソップ童話 カラスと白鳥

2010-02-21 08:18:53 | Weblog

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2月21日のイソップ童話



カラスと白鳥



カラスと白鳥


♪音声配信


 カラスが白鳥を見て、その羽の色をうらやましがりました。
 あんなに白くなるのは、水で体を洗っているからだと思い、いつもエサを拾っている神殿を離れて、池や川のそばに住む事にしました。
 ところが、いくら体を洗ってみても羽の色は変わらず、それどころか神殿にいる時の様に食べ物が落ちていないため、とうとう飢えて死んでしまいました。

 暮らし方で、生まれつきの物は変わりません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 日刊新聞創刊の日
きょうの誕生花 → ひがんざくら
きょうの誕生日 → 1964年 モモコ (漫才師)



きょうの日本昔話 → 二宮金次郎(尊徳)
きょうの世界昔話 → カモシカになった弓の名人
きょうの日本民話 → おかしな手紙
きょうのイソップ童話 → カラスと白鳥
きょうの江戸小話 → ネズミおろし


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2月20日のイソップ童話 クジャクとカラス

2010-02-20 10:04:41 | Weblog

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2月20日のイソップ童話



クジャクとカラス



クジャクとカラス


♪音声配信


 鳥たちが王さまを選ぶ為に、相談していました。
 クジャクが、
「わたしは美しいから、王さまになるのが当然でしょう」
と、言いました。
 鳥たちは、
「なるほど。そうだな」
と、思って、クジャクを王さまにしようとしました。
 その時、カラスが叫びました。
「ちょっと待った! クジャクくん、あんたが王さまになった時に、ワシが襲いかかって来たら、あんたはどうやってわたしたちを守ってくれるのかね?」
「・・・。わたしは、美しいから」
「あんたの美しい羽が、ワシを追い返してくれるのか?」
「・・・」

 リーダーになる人は、表面的な美しさよりも、みんなの危険を予想出来る人がふさわしいと、このお話しは教えています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 歌舞伎の日
きょうの誕生花 → おうばい
きょうの誕生日 → 1950年 志村けん (タレント)



きょうの日本昔話 → 火事の知らせ方
きょうの世界昔話 → 幽霊の子守り
きょうの日本民話 → 千亀女(せんかめじょ)
きょうのイソップ童話 → クジャクとカラス
きょうの江戸小話 → 話半分


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2月19日のイソップ童話 壁と釘

2010-02-19 06:51:18 | Weblog

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2月19日のイソップ童話



壁とくぎ



壁と釘


♪音声配信


 乱暴に釘で穴を開けられた壁が叫びました。
「どうして、ぼくに穴を開けるの! ぼくはきみに、何も悪い事をしていないのに!」
 すると、釘は、
「きみをいじめているのは、ぼくではないよ。ぼくのお尻をガンガン叩く奴が悪いんだ」

 あなたに危害を加えている人を、すぐに責めてはいけません。
 その背後で、別の誰かがやっている場合もあるのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → プロレスの日
きょうの誕生花 → すみれ
きょうの誕生日 → 1966年 薬丸裕英 (歌手)


きょうの新作昔話 → 負けず嫌いのアマガエル
きょうの日本昔話 → ふたをとらず
きょうの世界昔話 → 月の夜の訪問者
きょうの日本民話 → トラのあぶら
きょうのイソップ童話 → 壁とくぎ
きょうの江戸小話 → なべや


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