きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

10月31日のイソップ童話 ライオンとワシ

2009-10-31 10:05:37 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 10月のイソップ童話


10月31日のイソップ童話



ライオンとワシ



ライオンとワシ


♪音声配信


 ワシがライオンのところに飛んできて、なかまになりたいといいました。
 するとライオンは、いいました。
「それはいっこうさしつかえありません。しかし、あなたが約束をやぶらないしるしに、そのつばさにある長い羽をわたしにあずけませんか。地面の上にいてくれなければ、どうして信用のできる友だちになれましょう」
「わかりました、そうしましょう」
 ワシがライオンに自分の羽をぬいてさしだしたとたん、ライオンはとべないワシをおそって食べてしまいました。

 まだ友だちになっていない人を、むやみに信用してはいけません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → ハロウィン
きょうの誕生花 → まゆみ
きょうの誕生日 → 1967年 江戸家まねき猫(声帯模写)



きょうの日本昔話 → まつりに参加したキツネ
きょうの世界昔話 → しあわせの王子
きょうの日本民話 → 幽霊の足あと
きょうのイソップ童話 → ライオンとワシ
きょうの江戸小話 → いたみどめ


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10月30日のイソップ童話 おばあさんと目医者

2009-10-30 06:36:05 | Weblog

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10月30日のイソップ童話



おばあさんと目医者



おばあさんと目医者


♪音声配信


 あるおばあさんが目の病気にかかり、目が見えなくなって寝こんでいましたが、友だちに、どんな目の病気でも治すという、名医の目医者がいると聞いたので、おばあさんはその目医者を呼んで、きちんとお金はらうから、どうか目をなおしてほしいとたのみました。
 目医者はたしかに名医で、おばあさんの見えない目は、だんだん見えてくるようになりましたが、じつはこの目医者はドロボウでした。
 おばあさんの家にきて手あてをしますが、くるたびに、ちりょうでおばあさんが目をつぶっているすきに、部屋にある家具を、1つずつ、こっそり持ってかえっていたのです。
 家じゅうの家具を、次々にぜんぶぬすみおえたとき、おばあさんの目は完全に見えるようになりました。
 医者は、
「目の治療がすんだから、約束の金をはらえ」
と、おばあさんにいいました。
 すると、おばあさんは、
「いいえ、お金をはらうわけにはいきません」
と、いいました。
 医者はおこって、裁判官のところへ、おばあさんをひっぱっていきました。
 裁判官に、
「なぜ、目の治療がすんだのに、約束どおり、お金をはらわないのか」
と、聞かれると、おばあさんは、
「たしかにわたしは、『目をなおしてくれたらお金をはらう』と、いいましたよ。だけどわたしの目は、まだなおっていません。だって、うちの中の家具が、なにひとつ見えないのですから」

 このお話しのように、人をだましてよくばったことをする人間は、自分自身で罪の証拠(しょうこ)を作ってしまい、その結果、自分のおかした罪をつぐなうはめになるのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 香りの記念日
きょうの誕生花 → ペチュニア
きょうの誕生日 → 1979年 仲間由紀恵(俳優)


きょうの日本昔話 → 二本のロウソク
きょうの日本昔話 → どうもと、こうも
きょうの世界昔話 → サヤエンドウじいさん
きょうの日本民話 → ほらふき村は子どもまで
きょうのイソップ童話 → おばあさんと目医者
きょうの江戸小話 → 貧乏医者


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10月29日のイソップ童話 鳥刺しとマムシ

2009-10-29 05:20:04 | Weblog

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10月29日のイソップ童話



鳥刺しとマムシ



鳥刺しとマムシ


♪音声配信


 鳥刺しがモチとモチざおを持って、鳥をつかまえにいきました。
 まもなく、高い木の上にツグミが1羽とまっているのを見つけました。
「よし、あれをつかまえよう」
 鳥刺しは、モチざおを長くつなぎ合わせて、ねらいをつけました。
 木の上のツグミに、全身の注意をあつめています。
 こうして、ずっと上ばかり見ていたので、鳥刺しは足もとにマムシがねむっているのに気づかず、マムシをふみつけてしまいました。
 ふまれたマムシは、かま首をもちあげて、鳥刺しの足にガブリとかみつきました。
 鳥刺しは、マムシの毒がまわって死にましたが、死ぬまぎわにこう言いました。
「ああ、なさけない話だ。えものをとろうとむちゅうになっていて、自分が死に神のえじきになりかけていたこと気づかないなんて」

 このように、人を不幸にしようとたくらむ人間は、あいてより先に自分が不幸になるものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → ホームビデオ記念日
きょうの誕生花 → いちょう
きょうの誕生日 → 1968年 つんく♂(音楽プロデューサー)



きょうの日本昔話 → 右手を出した観音像
きょうの世界昔話 → わるがしこいクモ
きょうの日本民話 → ネコ女房
きょうのイソップ童話 → 鳥刺しとマムシ
きょうの江戸小話 → はやく走る


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10月28日のイソップ童話 とじこめられたライオンとお百姓

2009-10-28 06:49:31 | Weblog

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10月28日のイソップ童話



とじこめられたライオンとお百姓



とじこめられたライオンとお百姓


♪音声配信


 ライオンが、農家のかちく小屋にまよいこみました。
 主人のお百姓(ひゃくしょう)はつかまえてやろうと考えて、小屋の戸をしめてしまいました。
 ライオンは外に出られないので、まずヒツジを食べ、次にウシを食い殺しました。
 お百姓は、こんどは自分がやられるのではないかと思うと、こわくてたまらないので、戸をあけてライオンを逃がしました。
 ライオンがいなくなった後で、お百姓におかみさんがいいました。
「こうなるのがあたりまえだよ。遠くで見かけただけでも、用心しなければいけないおそろしいけだものを、なんであんたは、とじこめようと思ったのかね」

 自分より強い人を、わざとおこらせるようなことをする人は、バカなおこないのむくいをうけることになります。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 速記記念日
きょうの誕生花 → しそ
きょうの誕生日 → 1982年 倉木麻衣(歌手)


きょうの新作昔話 → リンゴの枝とタンポポ
きょうの日本昔話 → たのきゅう
きょうの世界昔話 → 金髪姫
きょうの日本民話 → ダイコンおろしストーン
きょうのイソップ童話 → とじこめられたライオンとお百姓
きょうの江戸小話 → 還暦の祝い


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10月27日のイソップ童話 ねむっているイヌとオオカミ

2009-10-27 09:52:36 | Weblog

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10月27日のイソップ童話



ねむっているイヌとオオカミ



ねむっているイヌとオオカミ


♪音声配信


 一匹のイヌが、ある農家の前でねむっていました。
 オオカミがそれを見て、えじきにしようとおそいかかりました。
 するとイヌは、
「いま、ぼくを殺すのはやめて下さい」
と、あわてていってから、そのわけを説明しました。
「ぼくはいま、ごらんのとおり、ガリガリにやせているでしょう。けれど、すこし待って下さい。もうじき、この農家で結婚式があるのです。そのときは、ぼくもたくさんごちそうを食べられるから、ふとって、ずっとおいしいえものになりますよ」
 オオカミは信用して、立ちさりました。
 しばらくたって、オオカミがまたやってきました。
 見るとイヌが、農家の二階でねむっています。
 オオカミは下から、
「おーい、イヌくん。このあいだの約束を、おぼえているだろう」
と、さけびました。
 するとイヌは、
「やあ、オオカミくんか。いいことをおしえてあげよう。これから先、ぼくが家の前でねむっているのを見たときは、結婚式まで待つのはやめることですね」

 りこうな人は、一度危険をまぬがれたら、それをよくおぼえていて、二度とくりかえさないように用心するものだと、このお話しはおしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → テディベアの日
きょうの誕生花 → ななかまど
きょうの誕生日 → 1966年 高嶋政伸(俳優)



きょうの日本昔話 → テングの羽うちわ
きょうの世界昔話 → ふしぎなブドウ
きょうの日本民話 → 洪水から村をすくった若者
きょうのイソップ童話 → ねむっているイヌとオオカミ
きょうの江戸小話 → 鬼のたまご


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10月26日のイソップ童話 神さまとカメ

2009-10-26 06:43:28 | Weblog

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10月26日のイソップ童話



神さまとカメ



神さまとカメ


♪音声配信


 むかしむかしのことです。
 ある神さまが、お嫁さんをもらうことになりました。
 神さまは結婚式に、この世の全ての動物を呼びました。
 結婚式は、それははなやかで、たいへんにぎやかなものでした。
 動物たちみんなにおめでとうをいわれて、神さまはニコニコしていました。
 でも、カメだけが来ていないことに気づきました。
 次の日、神さまはカメにたずねました。
「どうして、わたしの結婚式に来てくれなかったのかね」
 するとカメは、こう答えました。
「はい、わたしはにぎやかなところへいくのがきらいなのです。家は静かで落ちつきます。家にいるのが一番です」
「そんなに家が好きなら、これからずっといっしょにいたまえ」
 おこった神さまは、カメに魔法をかけました。
 カメの背中に、大きな甲羅(こうら)ができたのです。
 カメの背中に甲羅があるのは、そのせいなのです。

 このカメと同じように、人と何かをするよりも、自分の家でしずかに生活したいと思う人はたくさんいます。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → サーカスの日
きょうの誕生花 → ピラカンサ
きょうの誕生日 → 1971年 千秋(タレント)


きょうの新作昔話 → 白カタツムリ
きょうの日本昔話 → キツネのしかえし
きょうの世界昔話 → クマの子ハンス
きょうの日本民話 → おばばが消えた
きょうのイソップ童話 → 神さまとカメ
きょうの江戸小話 → 長者の最後


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10月25日のイソップ童話 3頭のウシとライオン

2009-10-25 04:26:27 | Weblog

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10月25日のイソップ童話



3頭のウシとライオン



3頭のウシとライオン


♪音声配信


 3頭のウシが、いつもなかよくいっしょに草を食べていました。
 このウシたちを、ライオンがえじきにしようとねらっていました。
 でも、いつも3頭いっしょにいるので、おそいかかることができませんでした。
 そこでライオンは、ウシたちを仲たがいさせようと思って、それぞれのウシに、
「きみのなかまは、きみの悪口をいっていたぜ」
と、作り話しをいってまわりました。
 なかよしだったウシたちは、そのために、もういっしょに草を食べるのはやめて、1頭ずつバラバラにいるようになりました。
 これを見すましたライオンは、じゅんばんにおそいかかって、ウシたちをぜんぶ食い殺してしまいました。

 悪いやつの言葉を信じて、仲間を見捨ててはいけません。
 悪いやつはこのライオンのように、あなたたちをバラバラにしようとしているのかもしれません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 民間航空記念日
きょうの誕生花 → ういきょう
きょうの誕生日 → 1959年 ラッキィ池田(振附師)



きょうの日本昔話 → ネコがネズミをおうわけ
きょうの世界昔話 → 悪魔をだましたイワン
きょうの日本民話 → からいもと盗人
きょうのイソップ童話 → 3頭のウシとライオン
きょうの江戸小話 → おない年


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10月24日のイソップ童話 オオカミとヤギ

2009-10-24 06:12:00 | Weblog

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10月24日のイソップ童話



オオカミとヤギ



オオカミとヤギ


♪音声配信


 オオカミが、高くつきでた岩の上で草を食べているヤギをみつけました。
 そこまであがっていくことができないので、オオカミは下からヤギに呼びかけて、
「おーい、ヤギさん。おりていらっしゃいよ。うっかりふみはずすと、あぶないですから。それに、ぼくのいまいる下の野原のほうが、花がいっぱい咲いていて、すてきですよ」
 しかし、ヤギは首を振って答えました。
「下の野原の草を食べにこいというのは、わたしのためではなくて、食べ物がなくてこまっているあなたのためでしょう」

 このように、相手が悪いやつだと知っている人たちには、悪人のわるだくみは通用しません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 国際連合デー
きょうの誕生花 → コトネアスター(べにしたん)
きょうの誕生日 → 1973年 ゴリけん(芸人)



きょうの日本昔話 → タヌキとキツネ
きょうの世界昔話 → 魔術の本
きょうの日本民話 → 弘法井戸
きょうのイソップ童話 → オオカミとヤギ
きょうの江戸小話 → ネズミの嫁入り


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10月23日のイソップ童話 同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ

2009-10-23 09:55:15 | Weblog

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10月23日のイソップ童話



同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ



同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ


♪音声配信


 ロバラバがならんで、歩いていました。
 ロバは自分がはこんでいる荷物と、ラバの荷物とが同じなのを見て、
「これはひどいなあ。ラバくんは、ぼくの二倍もエサをもらっているのに、荷物はぼくと同じだなんて、不公平だなあ」
と、ぶつぶついいました。
 けれどもしばらくいくうちに、ロバひきは、ロバがひどくつかれているのに気がついて、ロバの荷物をすこしラバの背なかにうつしました。
 またしばらくいくうちに、ロバがまえよりもいっそうつかれているのを見たロバひきは、ロバの荷物をまたへらして、ラバにうつしました。
 そしてしまいには、ロバの荷物ののこりぜんぶを、ラバにうつしてしまいました。
 そのとき、ラバはロバの顔を見て、
「どうだい。ぼくがきみの二倍のエサをもらうのは、とうぜんだと思わないかい」

 わたしたちも他人を判断するときは、はじめだけでなく、おわりまでよく見てからにしましょう。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 電信電話記念日
きょうの誕生花 → あけび
きょうの誕生日 → 1973年 はしのえみ(タレント)


きょうの新作昔話 → 小クラウス、大クラウス
きょうの日本昔話 → 化け上手
きょうの世界昔話 → ロバの王子
きょうの日本民話 → しょうじにうつる大ギツネ
きょうのイソップ童話 → 同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ
きょうの江戸小話 → ウシ


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10月22日のイソップ童話 恋するライオンとお百姓

2009-10-22 05:21:43 | Weblog

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10月22日のイソップ童話



恋するライオンとお百姓



恋するライオンとお百姓


♪音声配信


 あるライオンが、お百姓(ひゃくしょう)の娘を好きになりました。
「おたくの娘さんを、どうぞぼくのお嫁さんに下さい」
と、ライオンはお百姓にたのみました。
 お百姓は、すっかりこまってしまいました。
 かわいい娘を、おそろしいライオンのお嫁さんにするなんて、とんでもない話しです。
 でも、あいてはライオンですから、こわくてことわることもできません。
 さんざん考えたあげく、お百姓はひとつの計画を思いつきました。
 毎日毎日
「娘さんを下さい」
と、いってくるライオンに、
「そりゃあ、あなたなら娘のむことしてもうしぶんありません。よろこんでお嫁にやりたいのですが。ただひとつ、心配なことがあるのです。あなたのその大きなキバをぬいていただけませんか。それから、爪をみじかく切っていただけないでしょうか。じつは娘が、あなたのキバと爪がこわくてたまらないというものですから」
 ライオンは娘にむちゅうでしたから、すぐに、いわれたとおりにしました。
 こうなると、お百姓にとって、ライオンはこわい動物ではありません。
 次の日、ライオンがたずねてきたときには、棒でなぐって追い返してしまいました。

 人のいうことをかるがるしく信用して、自分の武器をすててしまうと、それまで自分をこわがっていたあいてにも、やすやすとまかさせてしまうということを、このお話しはおしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → パラシュートの日
きょうの誕生花 → みせばや
きょうの誕生日 → 1973年 イチロー(野球)



きょうの日本昔話 → ものいうかめ
きょうの世界昔話 → トム・ティット・トット
きょうの日本民話 → 愛犬が知らせた山くずれ
きょうのイソップ童話 → 恋するライオンとお百姓
きょうの江戸小話 → 春の空気


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