きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

2月28日のイソップ童話 足をけがしたふりをするロバとオオカミ

2009-02-28 06:36:01 | Weblog

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2月28日のイソップ童話



足をけがしたふりをするロバとオオカミ



足をけがしたふりをするロバとオオカミ


♪音声配信


 ロバがまきばで草を食べていると、オオカミがやってくるのが見えました。
 ロバは、足をけがしたふりをしました。
 オオカミが寄ってきて、
「どうして、足をひきずっているの?」
と、たずねました。
「垣根(かきね)をとびこえようとして、イバラに足をついてトゲを刺してしまったからです。あなたはぼくを食べるつもりでしょうけれど、その前に、トゲをぬいてくれませんか。そうすれば、口にトゲが刺さる心配なしに、ぼくを食べることができるでしょう」
 オオカミは、なるほどそのとおりだと思いました。
 オオカミがロバの足を持ちあげて、いっしょうけんめいに、ひづめをしらべているのを見すまして、ロバは「ガツーン!」と、オオカミの口を思いきりけとばしました。
 おかげでオオカミの歯は、ぜんぶ折れてしまいました。
 ひどい目にあったオオカミは、いいました。
「おれがバカだったんだ。おやじからしこまれた仕事は肉屋なのに、医者のまねなんか、どうしてする気になったのだろう」

 このように、自分にできもしない仕事をやろうとする人は、へまをして、ひどい目にあうのがあたりまえです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → バカヤローの日
きょうの誕生花 → みすみそう(ゆきわりそう)
きょうの誕生日 → 1978年 菊川怜 (タレント)


きょうの新作昔話 → まこもが池のオシドリ
きょうの日本昔話 → クラゲのおつかい
きょうの世界昔話 → トラになった王さま
きょうの日本民話 → カッパのわび証文
きょうのイソップ童話 → 足をけがしたふりをするロバとオオカミ
きょうの江戸小話 → おれじゃない


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2月27日のイソップ童話 ライオンの皮を着たロバとキツネ

2009-02-27 06:14:53 | Weblog

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2月27日のイソップ童話



ライオンの皮を着たロバとキツネ



ライオンの皮を着たロバとキツネ


♪音声配信


  ロバがライオンの皮をかぶって歩きまわり、動物たちをおどかしていました。
  そのうちに、キツネがきたので、
「あいつも、おどかしてやろう」
と、考えました。
  ところがキツネは声を聞いて、すぐにロバの声だとわかりました。
「おあいにくさま。ぼくだって、おまえの鳴き声を聞いたことがなければ、ふるえあがっただろうけどね」

  頭がからっぽの人でも、きれいに着かざって、ふんぞりかえっていると、えらそうに見えますが、いったん話をしはじめると、たちまち正体がばれてしまうものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 新撰組の日
きょうの誕生花 → サキシフラガ(くもまぐさ)
きょうの誕生日 → 1969年 富田靖子 (俳優)


きょうの新作昔話 → 大アワビの怒り
きょうの日本昔話 → 旅は道連れ
きょうの世界昔話 → わすれな草
きょうの日本民話 → カッパと伝次の約束
きょうのイソップ童話 → ライオンの皮を着たロバとキツネ
きょうの江戸小話 → ふとん


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2月26日のイソップ童話 旅に出たディオゲネス

2009-02-26 06:01:54 | Weblog

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2月26日のイソップ童話



旅に出たディオゲネス



旅に出たディオゲネス


♪音声配信


 ディオゲネスはギリシャの哲学者で、するどい皮肉なことをいうのがじょうずな人でした。
 ディオゲネスが旅に出て歩いていきますと、川の岸につきました。
 川の水はまんまんと、あふれそうです。
 ディオゲネスは、はたとこまって、岸に立ったまま、とほうにくれていました。
 この川のそばにすんでいて、旅人たちを助けて川をわたらせるのを仕事にしている男がいました。
 ディオゲネスがこまっているのを見たこの男は、そばへ寄ってきて、ディオゲネスを自分の肩にのせました。
 そして、むこう岸まで親切にはこんでくれたのです。
 ぶじに川をわたることができたディオゲネスは、親切な男にお礼をしたいと思いましたが、とてもびんぼうなので、お礼ができません。
「ああ、こんなにびんぼうでなければ、この人にたっぷりお礼ができるのに」
と、ざんねんに思いました。
「どうやって、感謝をあらわせばよいだろう」
 ディオゲネスは、すっかり考えこんでしまいました。
 ディオゲネスがこうやって考えこんでいるうちに、あいての男は、川のむこうにべつな旅人がきたのをみつけると、さっさと川をわたってむこう岸へもどりました。
 そして、さっきと同じように、肩にのせてわたしてやりました。
 それを見たディオゲネスは、男に近づいて、こう言いました。
「わたしは、もうあなたにお礼をしたいとは思いませんよ。わたしがディオゲネスだとわかったから、親切にしてくれたと思ったのに、そうではなくて、あなたはただ、だれかれなしに川をわたらせるのが趣味なのだから」

 このお話しは、だれにでも親切にする人は、親切な人だと感謝されるよりも、変わった人だと思われる方が多いということをおしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 咸臨丸の日
きょうの誕生花 → スノードロップ
きょうの誕生日 → 1956年 桑田佳祐 (ミュージシャン)


きょうの新作昔話 → 大平長者
きょうの日本昔話 → ひっぱりあいず
きょうの世界昔話 → ソバとゆうだち
きょうの日本民話 → おたつ女郎
きょうのイソップ童話 → 旅に出たディオゲネス
きょうの江戸小話 → 七の字


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2月25日のイソップ童話 家がらくらべをするキツネとサル

2009-02-25 19:29:30 | Weblog

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2月25日のイソップ童話



家がらくらべをするキツネとサル



家がらくらべをするキツネとサル


♪音声配信


 キツネとサルがいっしょに旅をしながら、どちらの家がらがりっぱかについて、いいあらそっていました。
 めいめい、先祖がどんなにえらかったかという話をくどくどしているうちに、ある場所にさしかかりました。
 サルはそのあたりをながめ回して、急になきはじめました。
「どうしたのです?」
と、キツネがたずねますと、サルはそこにならんでいるお墓をゆびさしてこう言いました。
「これが泣かずにいられましょうか。だってこの墓は、わたしの先祖につかえためしつかいやどれいたちの墓なのですから」
「へーえ、なるほど」
と、キツネがいいました。
「おまえさん、つきたいだけうそをつくがいいさ。そのお墓に入っている連中は、だれもあそこから出てきて、おまえがうそをついているといえないのだから」

 うそつきは、うそがばれる心配のない時ほど、おおぼらをふくものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 夕刊紙の日
きょうの誕生花 → カランコエ
きょうの誕生日 → 1972年 有野晋哉 (芸人)


きょうの新作昔話 → さかな売りとキツネ
きょうの日本昔話 → カニにまけたネコ
きょうの世界昔話 → やまのおかしら
きょうの日本民話 → よっぱらったスズメ
きょうのイソップ童話 → 家がらくらべをするキツネとサル
きょうの江戸小話 → まんじゅうこわい


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2月24日のイソップ童話 よっぱらいとおかみさん

2009-02-24 14:26:23 | Weblog

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2月24日の日本の昔話


よっぱらいのばけものたいじ



よっぱらいのばけものたいじ


♪音声配信


 亭主が大酒のみで、とてもこまっているおかみさんがいました。
 なんとかして、よっぱらいのくせをなおそうと、さんざん考えて、1つの作戦を思いつきました。
 亭主がいつものようにグデングデンによっぱらって、死んだようにねむりこんでいる時をねらって、おかみさんは亭主の肩をかついで、墓地までいきました。
 そして、かこいの中のお墓のあいだにねかせて、自分はうちへかえりました。
 しばらくして、そろそろよいがさめかけたと思うころ、おかみさんはまた墓地にもどって、かこいの戸をドンドンたたきました。
「だれだ、戸をたたいているやつは?」
と、よっぱらい亭主がいいました。
「死んだ人たちに、食べ物を運ぶものであるぞ」
と、おかみさんは、おもおもしい声でいいました。
 すると、よっぱらい亭主は、
「食べ物なんかいりません。どうぞ、わたしに酒を持ってきて下さい。食べ物だけで酒がないとはひどいです」
と、いうではありませんか。
 おかみさんは、むねをかきむしってさけびました。
「ああ、なんとなさけないことだろう。おまえさんには、せっかくの作戦もぜんぜんききめがないんだからねえ。こりるどころか、ひどくなるばっかりだよ。よっぱらうことがくせなんかでなくて、まるで、生まれつきの性質みたいになってしまっているのだから」

 このお話しは、よくないことをくりかえしくりかえしていると、知らないうちに習慣が身に付いてしまって、なおらなくなるから気をつけなければいけないと、おしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 月光仮面の日
きょうの誕生花 → クロッカス
きょうの誕生日 → 1967年 コージー冨田 (タレント)


きょうの新作昔話 → 長者の森
きょうの日本昔話 → よっぱらいのばけものたいじ
きょうの世界昔話 → 橋の上の幸福
きょうの日本民話 → 爺婆かぼちゃ
きょうのイソップ童話 → よっぱらいとおかみさん
きょうの江戸小話 → 小男のねがい


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2月23日のイソップ童話 山賊とクワの木

2009-02-23 14:35:53 | Weblog

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2月23日のイソップ童話



山賊とクワの木



山賊とクワの木


♪音声配信


 山賊がかいどうで1人の旅人を殺しましたが、近くにいた人々が追いかけてきたので、手が血で血まみれになったまま逃げました。
 ところが、むこうからも旅人たちがやってきて、
「おや、あなたの手はどうして、そんなに赤くよごれているのですか?」
と、たずねました。
「いえ、なに、いまクワの木にのぼって、実をとっていたものですから」
 クワの実は、赤い色をしています。
 山賊がこう言ってごまかしているとき、追っての人たちが追いついて、山賊をつかまえると、クワの木にしばり首にしました。
 そのとき、クワの木が山賊にいいました。
「おまえをしばり首にするのに役に立って、わたしはうれしいよ。だって、おまえは人を殺したくせに、手についた血をわたしのせいにしたのだからね」

 生まれつき心のやさしい人でも、悪いやつにぬれぎぬをきせられれば、そのあいてに対して手厳しいことをいったりするものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 税理士の日
きょうの誕生花 → じんちょうげ
きょうの誕生日 → 1956年 野口五郎 (歌手)


きょうの新作昔話 → 踊る三毛猫
きょうの日本昔話 → ひろったさいふ
きょうの世界昔話 → かしこいグレーテル
きょうの日本民話 → 黒ギツネの霊カ
きょうのイソップ童話 → 山賊とクワの木
きょうの江戸小話 → 負け惜しみ


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2月22日のイソップ童話 トビとヘビ

2009-02-22 15:40:11 | Weblog

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2月22日のイソップ童話



トビとヘビ



トビとヘビ


♪音声配信


 トビがヘビをさらって、空高く舞い上がりました。
 ヘビはトビにまきついて、かみました。
 トビもヘビも高い空から落ちました。
 そして、トビは死にました。
 ヘビは死んでいくトビにいいました。
「なぜおまえは、なんにもおまえに悪いことをしていないものを、いじめるようなおろかなまねをしたのだ。わたしをさらった罰に、このとおり、死ぬことになったじゃないか」

 やりたいほうだいに弱いものいじめをする人は、いつか自分より強いものに出くわして、それまでやった悪いことの罪ほろぼしをうけることでしょう。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 猫の日
きょうの誕生花 → アフェランドラ
きょうの誕生日 → 1948年 都はるみ (歌手)


きょうの新作昔話 → 一枚のうろこ
きょうの日本昔話 → つめときばをとられたネコ
きょうの世界昔話 → おばあさんと山のヤギ
きょうの日本民話 → イノシシを退治した侍
きょうのイソップ童話 → トビとヘビ
きょうの江戸小話 → 外からエヘンエヘン


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2月21日のイソップ童話 カラスと白鳥

2009-02-21 14:47:02 | Weblog

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2月21日のイソップ童話



カラスと白鳥



カラスと白鳥


♪音声配信


 カラスが白鳥を見て、その羽の色をうらやましがりました。
 あんなに白くなるのは、水でからだを洗っているからだとおもい、いつもエサをひろっている神殿をはなれて、池や川のそばにすむことにしました。
 ところが、いくらからだを洗ってみても羽の色は変わらず、それどころか神殿にいるときのように食べ物が落ちていないため、とうとう飢えて死んでしまいました。

 くらしかたで、生まれつきのものはかわりません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 日刊新聞創刊の日
きょうの誕生花 → ひがんざくら
きょうの誕生日 → 1964年 モモコ (漫才師)


きょうの新作昔話 → 山童(やまわらべ)
きょうの日本昔話 → 死に神のつかい
きょうの世界昔話 → ウサギどん キツネどん
きょうの日本民話 → おかしな手紙
きょうのイソップ童話 → カラスと白鳥
きょうの江戸小話 → ネズミおろし


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2月20日のイソップ童話 クジャクとカラス

2009-02-20 14:27:17 | Weblog

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2月20日のイソップ童話



クジャクとカラス



クジャクとカラス


♪音声配信


 鳥たちが王さまをえらぶために、相談していました。
 クジャクが、
「わたしは美しいから、王さまになるのがとうぜんでしょう」
と、いいました。
 鳥たちは、なるほどそうだなと思って、クジャクを王さまにしようとしました。
 そのとき、カラスがさけびました。
「ちょっと待った! クジャクくん、あんたが王さまになったときに、ワシがおそいかかってきたら、あんたはどうやってわたしたちをまもってくれるのかね?」
「・・・。わたしは、美しいから」
「あんたの美しい羽が、ワシを追いかえしてくれるのか?」
「・・・」

 リーダーになる人は、ひょうめんてきな美しさよりも、みんなの危険を予想できる人がふさわしいと、このお話しはおしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 歌舞伎の日
きょうの誕生花 → おうばい
きょうの誕生日 → 1950年 志村けん (タレント)


きょうの新作昔話 → 絵から抜け出した子馬
きょうの日本昔話 → 火事の知らせ方
きょうの世界昔話 → リスとマツの木
きょうの日本民話 → おぶさりてえ
きょうのイソップ童話 → クジャクとカラス
きょうの江戸小話 → 話半分


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2月19日のイソップ童話 壁とくぎ

2009-02-19 14:19:37 | Weblog

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2月19日のイソップ童話



壁とくぎ



壁とくぎ


♪音声配信


 らんぼうに、くぎで穴をあけられた壁がさけびました。
「どうして、ぼくに穴をあけるの! ぼくはきみに、なんにも悪いことをしていないのに!」
 すると、くぎは、
「きみをいじめているのは、ぼくではないよ。ぼくのお尻をガンガンたたくやつが悪いんだ」

 あなたに危害を加えている人を、すぐにせめてはいけません。
 そのはいごで、別のだれかがやっているばあいもあるのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → プロレスの日
きょうの誕生花 → すみれ
きょうの誕生日 → 1966年 薬丸裕英 (歌手)


きょうの新作昔話 → 白ギツネの恩返し
きょうの日本昔話 → ふたをとらず
きょうの世界昔話 → 月の夜の訪問者
きょうの日本民話 → トラのあぶら
きょうのイソップ童話 → 壁とくぎ
きょうの江戸小話 → なべや


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