きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

8月31日のイソップ童話 病人と医者

2008-08-31 04:55:18 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 8月のイソップ童話


8月31日のイソップ童話



病人と医者



病人と医者


 医者から、
「ぐあいはどうです?」
と、聞かれた病人が、
「ひどく汗をかきました」
と、答えると、医者は、
「それはけっこうです」
と、いいました。
 その次にまた、
「いかがです?」
「寒けがして、ひどくふるえました」
「それはけっこうです」
 三度目に、また医者がきて、
「どんなぐあいですか?」
「下痢(げり)をしました」
「それは、ますますけっこうです」
 その後で、親せきの人がお見舞いにいきました。
「ご病気はいかがですか?」
 すると、病人はいいました。
「どうやらわたしは、いつもいつもけっこうで、けっこうすぎで死にそうです」

 実際にこんな医者が、数多くいます。
 下手な医者とは、すぐにえんを切りましょう。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 野菜の日
きょうの誕生花 → サルビア
きょうの誕生日 → 1961年 ANRI(杏里)(シンガー)


きょうの新作昔話 → 百物語から一年目(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → 山ナシとり
きょうの世界昔話 → 仙女
きょうの日本民話 → タマゴから生まれたお坊さん
きょうのイソップ童話 → 病人と医者
きょうの江戸小話 → 来年は同じ


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8月30日のイソップ童話 少年と肉屋

2008-08-30 06:30:42 | Weblog

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8月30日のイソップ童話



少年と肉屋



少年と肉屋


 二人の少年が、同じ店に肉をかいに来ました。
 肉屋が向こうを向いて仕事をしているすきに、一人がぞうもつをぬすんで、もう一人の少年に持たせました。
 肉屋はこちらにむきなおって、ぞうもつがなくなっているのに気がつきました。
「おまえたちだな、ぬすんだのは」
 肉屋は、少年たちにつめよりました。
 すると、ぞうもつをぬすんだ少年は、
「このとおり、ぼくはもっていないよ」
と、いいましたし、もう1人は、
「ぼくは持たされただけで、ぬすんだんじゃあないよ」
と、いうのです。
 肉屋は二人にいいました。
「ごまかして、わたしからは逃げられたって、悪いやつはきっと神さまから罰をうけるからな」
 それを聞いた二人の少年はこわくなって、ぞうもつをその場において逃げていきました。

 どんなにうまく悪知恵をはたらかせても、神さまをだますことはできません。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 冒険家の日
きょうの誕生花 → かやつりぐさ
きょうの誕生日 → 1948年 井上陽水(シンガー)


きょうの新作昔話 → 三つ目の大入道(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → キツネのさいなん
きょうの世界昔話 → パーベルじいさんの小石
きょうの日本民話 → だまされたオオカミ
きょうのイソップ童話 → 少年と肉屋
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8月29日のイソップ童話 マムシとキツネ

2008-08-29 06:09:43 | Weblog

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8月29日のイソップ童話



マムシとキツネ



マムシとキツネ


 マムシイバラの束にのって、川を流されていきました。
 とおりかかったキツネが、大きな声でからかいました。
「にくまれもののイバラの船に、にくまれもののマムシが船頭だから、ちょうどよかったな」

 このお話しは、すぐにいやみをいう、いやな人をたとえたものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 焼肉の日
きょうの誕生花 → けいとう
きょうの誕生日 → 1950年 八代亜紀(歌手)


きょうの新作昔話 → 見たな!(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → 天井に現れた大目玉
きょうの世界昔話 → 騎士と水の精
きょうの日本民話 → 死神の魂袋と扇
きょうのイソップ童話 → マムシとキツネ
きょうの江戸小話 → はっぱの手紙


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8月28日のイソップ童話 羽根を切られたワシとキツネ

2008-08-28 05:41:52 | Weblog

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8月28日のイソップ童話



羽根を切られたワシとキツネ



羽根を切られたワシとキツネ


 ある日、一羽のワシが人間につかまりました。
 つかまえた人はワシの羽根をみじかく切って、とりごやの中に入れ、ニワトリといっしょにかっておきました。
 羽根を切られたワシは、あまりにも悲しいので、しょんぼりと首をたれ、エサも食べられないありさまでした。
 まるで、生けどりにされた王さまのようでした。
 ところが、べつの人がこのワシを買い取ってくれたのです。
 こんどの人はワシのいたんだ羽根をぬいて、薬をぬり、あたらしいじょうぶな羽が生えるように手あてをしてくれました。
 元気に飛べるようになったワシは、ウサギをつかまえて親切なご主人にもって行きました。
 それを見て、キツネがいいました。
「きみ、次のえものは初めの人のところへ持っていけよ。前のこわい主人のごきぜんをとる事も必要だぜ。またつかまって羽根を切られるといけないから」

 親切にしてくれた人には、たっぷりと恩返しをしなければなりません。
 でも、いじわるな人からまたいやなめにあわないよう、用心することも大切です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → バイオリンの日
きょうの誕生花 → ききょう
きょうの誕生日 → 1955年 宮川花子(漫才師)


きょうの新作昔話 → 鬼女になった、弥三郎の母(夏の怖い話し特集)
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きょうの日本民話 → 子どもの好きな地蔵さん
きょうのイソップ童話 → 羽根を切られたワシとキツネ
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8月27日のイソップ童話 金のたまごをうむニワトリ

2008-08-27 06:07:29 | Weblog

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8月27日のイソップ童話



金のたまごをうむニワトリ



金のたまごをうむニワトリ


 あるところに、一羽のニワトリをかっている貧しい男がいました。
 ある日のこと、このニワトリが金のたまごをひとつうみました。
 男はビックリして、さけびました。
「これはすごい! 高く売れるぞ!」
 ニワトリは次の日も、金のたまごをうみました。
 また次の日も、また次の日も、毎日一つずつの金のたまごをうみました。
 おかげで貧しかった男はあたらしい家に住み、おいしいものを食べ、きれいな服を着ることができました。
「おれもずいぶんお金持ちになった。でも、おれよりも大きい家に住み、おれよりも高い服を着ているやつはおおぜいいる。ニワトリがもっとたくさんのたまごをうんでくれればいいのだが。・・・まてよ。あのニワトリの腹の中には金の固まりがあるにちがいない。そうだ、それを取り出せば、おれはもっと金持ちになれるぞ」
 男はそう思って、すぐにニワトリのおなかを切り開きました。
 でも、金の固まりなど出てきません。
 ニワトリは死んでしまい。男はすぐにお金がなくなって、また貧乏になってしまいました。

 このお話しは、よくばるのはほどほどにして、いま自分が持っているものでまんぞくしないと、いま持っているものも失うことになることを、おしえています。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 仏壇の日
きょうの誕生花 → ふよう
きょうの誕生日 → 1947年 田中星児(歌手)


きょうの新作昔話 → 逆立ち幽霊(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → 山姥の顔をしたかんぴょう
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きょうの日本民話 → 三日月の滝
きょうのイソップ童話 → 金のたまごをうむニワトリ
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8月26日のイソップ童話 ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス

2008-08-26 05:34:13 | Weblog

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8月26日のイソップ童話



ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス



ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス


 ゼウスは、ギリシャの神がみの中で一番えらい神。
 プロメテウスは、ゼウスから火をぬすんで、人間にさずけたといわれる神。
 アテネは、学問の女神です。
 この三人の神が、あるときコンクールをしました。
 ゼウスがつくった雄牛と、プロメテウスがつくった人間と、アテネがつくった家との中で、どれが一番よくできたかを、くらべようというわけです。
 審判官には、モモスがえらばれました。
 モモスは、不平や悪口ばかりいう神です。
 モモスは、ゼウスたちがつくったものを見て、ねたましくなりました。
 それでまず、ゼウスの雄牛について、
「これは失敗ですね。雄牛の目は角(つの)の先につけなければだめですよ。角でつくときにどこをつくか、ちゃんと見さだめるには、目は角の先になくてはね」
と、いいました。
 次にプロメテウスの人間をさして、
「だめだめ、人間の心は外側につけなければ。心が外についていれば、わるだくみがまるみえで、かくしようがないでしょう。だれもかれも、心の中で思っていることをちゃんと見せるように、心は外側でなくてはね」
 アテネがつくった家については、
「ふーむ。家をつくるなら、車つきにすべきでしたね。となりにいやなやつがこしてきたら、すぐべつのところへうつれるように、家にはちゃんと車をつけてほしかったですな」
 いやみばかりいうモモスにたいして、ゼウスはすっかり腹を立てて、神がみの山オリンポスから追い出してしまいました。

 このお話しは、どんなによくできたものでも、けちをつけようとする人が見れば、必ずなにかしら欠点がみつかるものだということをおしえています。
 そして、その様にけちをつける人は、相手にしない方がいいでしょう


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → レインボーブリッジの日
きょうの誕生花 → へちま
きょうの誕生日 → 1964年 つちやかおり(俳優)


きょうの新作昔話 → ちんちんこばかま(夏の怖い話し特集)
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8月25日のイソップ童話 キツネとヤギ

2008-08-25 05:43:11 | Weblog

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8月25日のイソップ童話



キツネとヤギ



キツネとヤギ


 キツネが井戸に落ちていると、のどのかわいたヤギがとおりかかって聞きました。
「この井戸の水は、おいしいですか?」
 キツネはこまっているくせに、
「こんなにおいしい水はないから、きみもおりておいで」
と、ヤギをさそいました。
 するとヤギはよく考えもしないで、井戸の中におりていきました。
 そして水を飲みおわると、キツネにたずねました。
「ところで、どうやって井戸の外に出ましょうか?」
「かんたんだよ。きみが後ろ足で立ってハシゴになるのさ。ぼくはそれをつたって上へあがり、そのあと、きみをひっぱりあげてやるからさ」
 ヤギはキツネにいわれたとおりにしました。
 キツネは「しめしめ」と、ヤギをつたってあがり、井戸の外に出ると、はくじょうにもさっさとどこかへいこうとしました。
 あわたヤギが、
「おーい、キツネくん。約束がちがうよ。はやくぼくをひっぱりあげてくれよ」
「へっへっへっ、ヤギさん。きみがそのあごひげの数ぐらいたくさんの知恵があれば、あがり方も考えずに井戸の底におりたりはしなかったろうにねえ」

 なにかをする前には、まず後のことを考えないといけないというお話しでした。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 歯茎の日
きょうの誕生花 → ひおうぎ
きょうの誕生日 → 1948年 きたろう(タレント)


きょうの新作昔話 → 大うなぎのたたり(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → はなよめになりそこねたネコ
きょうの世界昔話 → いつまでも友だち
きょうの日本民話 → ニワトリの恩返し
きょうのイソップ童話 → キツネとヤギ
きょうの江戸小話 → ゆうれいの命もこれっきり


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8月24日のイソップ童話 ヘルメスとテイレシアス

2008-08-24 07:05:56 | Weblog

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8月24日のイソップ童話



ヘルメスとテイレシアス



ヘルメスとテイレシアス


 テイレシアスは目が見えない人でしたが、うらないの名人として知られていました。
 ヘルメスの神は、テイレシアスがひょうばんのとおりに、うらないが上手かどうか、ためしてみようと思いました。
 そこで、テイレシアスの実家でかっているウシをぬすんでおいてから、人間に姿をかえて、知らん顔をして町にあるテイレシアスの家をたずねました。
 ウシをぬすまれたことを知ったテイレシアスは、ヘルメスといっしょに家を出て、町はずれにいきました。
 ウシどろぼうがどこにいるか、うらなうためでした。
 テイレシアスは、
「すみませんが、どんな鳥が見えるか、いって下さい」
と、ヘルメスにたのみました。
 はじめに見えたのは、左から右へ飛んでゆく、1羽のワシでした。
 ヘルメスがそうおしえますと、テイレシアスは、
「その鳥は、ぬすまれたウシとは関係がありません」
と、いいました。
 次にヘルメスは、1羽のカラスが木の枝にとまっているのを見ました。
 カラスは目を空のほうにあげたり、うつむいて地面を見たりしていました。
 ヘルメスがテイレシアスにこのことをおしえると、テイレシアスは、
「ふーむ、なるほど。そのカラスは、わたしのウシがとりもどせるかどうかは、あなたしだいだと、天と地にむかって、ちかいっているのです」

 このお話しは、どろぼうをいましめるためのお話しです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 大噴火の日
きょうの誕生花 → おいらんそう(宿根フロックス)
きょうの誕生日 → 1879年 瀧廉太郎 (作曲家)


きょうの新作昔話 → 魔物のふろしきつつみ(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → 大ムカデの妖怪
きょうの世界昔話 → イボンとフィネット
きょうの日本民話 → カエルのお坊さん
きょうのイソップ童話 → ヘルメスとテイレシアス
きょうの江戸小話 → 消えた小判


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8月23日のイソップ童話 ゼウスと〈よいこと〉のつまった樽

2008-08-23 06:10:50 | Weblog

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8月23日のイソップ童話



ゼウスと〈よいこと〉のつまった樽



ゼウスと〈よいこと〉のつまった樽


 ゼウスの神は、樽(たる)に、〈よいこと〉をいっぱいつめ、しっかりとふたをして、ある人にあずけました。
 その人は、樽のなかみが知りたくてたまりませんでした。
 そこで、こっそり樽のふたをすこし持ちあげて、中をのぞこうとしました。
 とたんに、中にはいっていた〈よいこと〉は、ぜんぶ、そのすきまから出て、空高く舞い上がり、神がみのいるところへもどっていってしまいました。
 そのとき樽の底には、希望だけがのこっていました。

 だから人間は、逃げていってしまった〈よいこと〉を、いつかはとりもどせるという、希望だけは持っているのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 白虎隊の日
きょうの誕生花 → げっかびじん(月下美人)
きょうの誕生日 → 1972年 山咲トオル(漫画家)


きょうの新作昔話 → こんな暗い晩(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → なぞなぞばけもの
きょうの世界昔話 → あなたの大切な物
きょうの日本民話 → にぎりめしをとられたさむらい
きょうのイソップ童話 → ゼウスと〈よいこと〉のつまった樽
きょうの江戸小話 → ひとえのゆうれい


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8月22日のイソップ童話 イヌと貝

2008-08-22 05:17:55 | Weblog

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8月22日のイソップ童話



イヌと貝



イヌと貝


 タマゴを食べるくせのあるイヌが、貝を見て、てっきりタマゴだと思いました。
 そこで、パクリと飲みこんでしまいました。
 ところが冐がもたれて、重くるしくて、気持ちが悪くなりました。
 イヌは後悔して、
「ぼくが悪かったんだ。まるいものなら、なんでもタマゴだと思ったからいけないんだ」
と、つぶやきました。

 よく考えないで、見さかいなしになにかをやりはじめると、思いがけないこまったことがおこるものです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → チンチン電車の日
きょうの誕生花 → アガパンサス(むらさきくんしらん)
きょうの誕生日 → 1944年 みのもんた(司会者)


きょうの新作昔話 → ろくろ首を退治した坊さん(夏の怖い話し特集)
きょうの日本昔話 → 卵のような顔
きょうの世界昔話 → カメの遠足
きょうの日本民話 → 白い衣の神さま
きょうのイソップ童話 → イヌと貝
きょうの江戸小話 → へなへなへな


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