きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

6月30日のイソップ童話 人間とセミ

2008-06-30 04:51:32 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 6月のイソップ童話

6月30日のイソップ童話

人間とセミ

人間とセミ

 ある人が畑を食いあらすイナゴをとっては殺していましたが、セミも一匹つかまえました。
 そして殺そうとしたので、セミがいいました。
「わたしを殺しても、なんにもなりませんからおよしなさい。わたしは畑を食いあらしたりしません。それどころか、わたしはすずしい歌を歌って、つかれた旅人をなぐさめています」
 それを聞いた人間は、なるほどと思い、セミを逃がしてやりました。

 虫とはいえ、人間に害をあたえないものを殺すのはよくないことです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → みその日
きょうの誕生花 → びようやなぎ(ヒペリカム)
きょうの誕生日 → 1975年 ラルフ・シューマッハー(F1レーサー)

きょうの新作昔話 → ドロボウの名人
きょうの日本昔話 → 野ギツネ
きょうの世界昔話 → バラ色の泉の水
きょうの日本民話 → ものを言うネコ
きょうのイソップ童話 → 人間とセミ
きょうの江戸小話 → ちかづきのしるし

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6月29日のイソップ童話 シカとブドウの木

2008-06-29 05:55:59 | Weblog

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6月29日のイソップ童話

シカとブドウの木

シカとブドウの木

 猟師に追われたシカが、ブドウの木のかげにかくれました。
 猟師はシカがかくれていることに気がつかないで、そのブドウの木をとおりすぎていきました。
「やれ、助かった。もうだいじょうぶ」
と、思ったシカは、ブドウの葉をむしゃむしゃ食べ始めました。
「ガサガサ、ガサガサ」
と、ブドウの葉が音を立てます。
 その音を聞いて、猟師はふりかえりました。
 風もないのに、ブドウの葉がゆれているのです。
「さては、えものがかくれているな」
と、考えた猟師は、戻ってきてシカを撃ち殺しました。
 死ぬ前にシカは、こう言いました。
「わたしが殺されるのはあたりまえかもしれない。だって、自分を助けてくれたブドウの葉っぱを食べるなんて、そんなひどいことをしたのだから」

 このお話しは、恩人に対して悪いことをする人は、ひどいしうちが待っていると言うことをおしえています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 星の王子様の日
きょうの誕生花 → あじさい
きょうの誕生日 → 1959年 引田天功(2代目・奇術師)

きょうの新作昔話 → 縁起かつぎ
きょうの日本昔話 → かじかびょうぶ
きょうの世界昔話 → 白いウマ
きょうの日本民話 → コウノトリの恩がえし
きょうのイソップ童話 → シカとブドウの木
きょうの江戸小話 → いれ目

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6月28日のイソップ童話 漁師とマグロ

2008-06-28 05:43:37 | Weblog

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6月28日のイソップ童話

漁師とマグロ

漁師とマグロ

 漁師(りょうし)たちが漁に出て、長いあいださんざん苦労しましたが、一匹も魚がとれませんでした。
 みんなはつかれてがっかりし、船の中に座り込んでしまいました。
「しょうがないや」
と、みんなが思っているその時、何かに追いつめられた一匹のマグロが、自分から船の中に飛び込んできました。
 漁師たちはさっそくつかまえて、町へ売りにいきました。
 マグロは、たいへん高いねだんで売れました。

 こんなふうに、いくらいっしょうけんめいやってもうまくいかないことが、ちょっとしたぐうぜんから、あっさりとできてしまうことがよくあります。
 ものごとは、さいごまであきらめてはいけません。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → ニワトリの日
きょうの誕生花 → ざくろ
きょうの誕生日 → 1971年 藤原紀香(女優)

きょうの新作昔話 → シカとオオカミとヒツジ
きょうの日本昔話 → イモころがし
きょうの世界昔話 → ビンの中のお化け
きょうの日本民話 → お花とごんべえ
きょうのイソップ童話 → 漁師とマグロ
きょうの江戸小話 → 急病

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6月27日のイソップ童話 父親と2人の娘

2008-06-27 05:53:44 | Weblog

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6月27日のイソップ童話

父親と2人の娘父親と2人の娘

父親と2人の娘

 2人の娘のいる父親が、1人を野菜作りの農家に、もう1人を陶芸家(とうげいか)にお嫁にいかせました。
 しばらくして、父親は農家のお嫁さんになった娘をたずねて、
「どうだ、元気か、仕事はうまくいっているか」
と、聞きました。
「なにもかも、うまくいっていますよ。ただひとつ、神さまにお願いしたいのは、雨をたくさん降らせていただきたいことですわ。野菜にたっぷり水をやりたいから」
 その後まもなく、父親は陶芸家のところにお嫁にいった娘をたずねて、
「どうだ、うまくいっているかい」
 すると娘は、
「ええ、うまくいっていますよ。でも、たった1つ望ましいのは、お天気がつづいて、日がよく照ることです。陶器がよくかわくようにね」
「さて、さて。おまえは晴れの日を望み、ねえさんが雨を望むのでは、お父さんはいったい、どっちといっしょに神さまにお願いしたらいいのだろう」

 こんなふうに、正反対のふたつのことになやまされるのは、よくあることです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 日照権の日
きょうの誕生花 → びわ
きょうの誕生日 → 1980年 優香(タレント)

きょうの新作昔話 → なわ一本で大金持ちに
きょうの日本昔話 → カッパのねんぐ
きょうの世界昔話 → 世界のはじまり
きょうの日本民話 → 身投げ石
きょうのイソップ童話 → 父親と2人の娘
きょうの江戸小話 → 病人がへた

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6月26日のイソップ童話 ロバのかげ

2008-06-26 05:30:38 | Weblog

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6月26日のイソップ童話

ロバのかげ

ロバのかげ

 ある人が、遠くの町へ行くために、ロバロバ引きをやといました。
その日は太陽がカンカンで、とても暑い日でした。
旅人は、一休みしようとロバを止め、日差しから逃れるために、ロバのからだのかげへと、もぐりこみました。
しかしあいにく、ロバのかげは、一人分のスペースしかありません。
すると、馬方がいいました。
「あんたに貸したのはロバだけで、ロバのかげは、あんたにかしてない。かげはわたしの物だ」
すると旅人も。
「そんなことはない。ロバをかりたと一緒に、ロバのかげもかりたのだ」
「いや、かしてない!」
「いや、かりた!」
口げんかは、そのうちに、なぐりあいのけんかになりました。
  するとロバは、
「やれやれ、今のうちに逃げよう」
と、けんかのすきに、どこかへ逃げて行ってしまいました。

 ささいなことであらそっているうちに、大切な物を失うことは、よくあることです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 雷記念日
きょうの誕生花 → グロリオーサ
きょうの誕生日 → 1928年 中松義郎(Dr.中松・発明家)

きょうの新作昔話 → おしゃべりな王さま
きょうの日本昔話 → 船ゆうれい
きょうの世界昔話 → おやゆび小僧
きょうの日本民話 → 村をおおった大木
きょうのイソップ童話 → ロバのかげ
きょうの江戸小話 → 川の字

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6月25日のイソップ童話 ノミと人間

2008-06-25 05:36:42 | Weblog

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6月25日のイソップ童話

ノミと人間

ノミと人間

 一匹のノミがある人にたかって、むずむずさせていました。
 その人は、ノミをつかまえて、
「なんだおまえは。やたらにあちこち刺して、おれのからだぜんたいを食いものにするとは、まったくけしからん」
 すると、ノミはいいました。
「でも、これがわたしのくらしかたなんです。わたしを殺さないで下さい。たいして悪いことをするわけではないのですから」
 人間は笑いだして、
「それでもやっぱり、おまえを生かしてはおけない。いま、この手で殺してやる。悪いことには、小さいも大きいもない。とにかく悪いことがおこらないように、ふせがなくてはいかんのだ」
「プチッ」

 強い弱いに関係なく、悪い人に同情してはいけないと、このお話しはおしえています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 住宅デー
きょうの誕生花 → ゆり
きょうの誕生日 → 1986年 松浦亜弥(歌手)

きょうの新作昔話 → 海の落ちたピアノ
きょうの日本昔話 → 幸運をまねくネコ
きょうの世界昔話 → 十三匹のハエ
きょうの日本民話 → 一つおぼえ
きょうのイソップ童話 → ノミと人間
きょうの江戸小話 → 昼寝

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6月24日のイソップ童話 旅人とオノ

2008-06-24 05:01:31 | Weblog

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6月24日のイソップ童話

旅人とオノ

旅人とオノ

 2人の男が、いっしょに旅をしていました。
 そのうち、1人が道に落ちているオノをひろいました。
 それをみて、もう1人が、
「ぼくたちは、オノをひろった」
と、いいました。
 すると、ひろった男がいいました。
「ぼくたちは、ひろったではなくて、きみはひろったと、いえよ」
 しばらくすると、そのオノを落とした男が2人を追いかけてきました。
 その男は盗賊で、ぬすんだオノを落としてしまったのです。
「ああ、もうだめだ。ぼくたちがオノをよこどりしたと思っている。ぼくたちはもう助からない」
 オノをひろった男がなげくと、もう1人の男がいいました。
「ぼくたちは助からないじゃなくて、ぼくは助からないといえよ。だって、さっきオノをひろったときに、きみはぼくをなかまに入れなかったのだから」

 よいことがあったときに、友だちをのけ者にする人は、不幸な目にあったときに、その友だちに助けてもらえるはずがない。
と、いうことを、このお話しはおしえています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → UFOの日
きょうの誕生花 → すいせんのう
きょうの誕生日 → 1964年 野々村真(タレント)

きょうの新作昔話 → 不思議な火打ち石
きょうの日本昔話 → じょうるり半七
きょうの世界昔話 → お百姓と悪魔
きょうの日本民話 → 竜宮へ行った海女
きょうのイソップ童話 → 旅人とオノ
きょうの江戸小話 → 早業

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6月23日のイソップ童話 ライオンとプロメテウスとゾウ

2008-06-23 05:15:34 | Weblog

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6月23日のイソップ童話

ライオンとプロメテウスとゾウ

ライオンとプロメテウスとゾウ

 動物たちをつくったのは、プロメテウスの神だとされています。
 この神さまのところへ、ライオンがたびたび泣き言をいってきました。
「プロメテウスの神さま。たしかに、あなたはわたしのからだを大きく、りっぱにつくってくれました。キバも爪もつけてくれて、おかげでわたしは、どんな動物よりも強くなっています。でも、それでもまだ、わたしはニワトリがこわくて、こわくて、たまらないのです」
「それがわたしのせいだなんて、かるがるしくいうな」
 プロメテウスの神は、ライオンをしかりました。
「おまえには、できるかぎりすぐれたからだをあたえてやったのだ。ニワトリがこわいのは、心の持ち方のせいだぞ」
 こう言われて、ライオンはすっかり落ち込んで、
「ぼくは、いくじなしなんだなあ」
と、なげきました。
 考えれば考えるほど、なさけなくなって、いっそ死んでしまおうと思うほどになりました。
 ライオンがこんな気持ちでいると、向こうからゾウがやってきました。
「こんにちは、ゾウくん」
と、ライオンはあいさつして、立ち話しをはじめました。
 話しながら見ると、ゾウはひっきりなしに耳をうごかしています。
「きみ、どうしたの? きみの耳は、どうしてじっとしていないの」
「だって、きみにも見えるだろう」
と、ゾウはいいました。
 なるほど、一匹のカが、ゾウのまわりを飛び回っています。
「ブンブンいう、このちっぽけなやつが見えるだろう。もしこいつがぼくの耳の中に飛び込んだらとおもうと、もう、こわくてこわくて」
 ゾウがこう言うのを聞いて、ライオンは考えました。
「ぼくは、死ななくてもいいな。だって、ぼくより大きなゾウくんが、ニワトリよりも小さなカをこわがっているのだから」

 このお話しは、「よわむしの人も、自分よりもよわむしの人を見れば、安心するのです」と、おしえています。
 でも、自分よりもよわむしを見て安心するのではなく、強い心を持つようにがんばりましょう。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 踏切の日
きょうの誕生花 → みやこわすれ
きょうの誕生日 → 1967年 南野陽子(女優)

きょうの新作昔話 → うそつきの落ち橋
きょうの日本昔話 → なぞかけあねさま
きょうの世界昔話 → 大きな家と小さな家
きょうの日本民話 → キツネの毒キノコ
きょうのイソップ童話 → ライオンとプロメテウスとゾウ
きょうの江戸小話 → でき心

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6月22日のイソップ童話 ライオンとクマとキツネ

2008-06-22 06:41:23 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 6月のイソップ童話

6月22日のイソップ童話

ライオンとクマとキツネ

ライオンとクマとキツネ

 ライオンとクマが、一匹の子ジカをみつけて、うばいあいのケンカをしていました。
 むちゅうになってたたかったので、しまいには両方とも目がまわり、ばったりとたおれて、うごけなくなりました。
 そこヘ、キツネがやってきました。
 見ると、ライオンとクマがまるで死んだようにのびていて、そのまん中に子ジカがいます。
「ごちそうさま」
と、キツネは子ジカをくわえて、ライオンとクマのあいだをとおりぬけていきました。
 ライオンとクマは、おきあがる力もなく、キツネを見おくりながらつぶやきました。
「おれたちはバカだなあ。これではキツネにえものをやるために、たたかっていたようなものだ。さいしょから、はんぶんこすればよかった」

 ものをうばいあいするまえに、はんぶんこできないか考えてみてください。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → ボウリングの日
きょうの誕生花 → かんぞう(やぶかんぞう)
きょうの誕生日 → 1964年 阿部寛(俳優)

きょうの新作昔話 → 衣の値打ち
きょうの日本昔話 → こんにゃくえんま
きょうの世界昔話 → 3匹のクマ
きょうの日本民話 → 大火事を知らせた男
きょうのイソップ童話 → ライオンとクマとキツネ
きょうの江戸小話 → おたばこいれ

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6月21日のイソップ童話 黒イタチ

2008-06-21 05:13:52 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 6月のイソップ童話

6月21日のイソップ童話

黒イタチ

黒イタチ

 クツをつくるのを商売にしている男が、色の白いイタチをかっていました。
 そのイタチは、その家にたくさんいたネズミを、毎日一匹ずつとっていました。
 あるとき、このイタチがうっかりして、クツ屋が皮を黒くそめるための染料の中に落ちて、まっ黒になってしまいました。
 さて、ネズミたちはイタチが坊さんのような黒いすがたになったので、これはたぶん、改心して肉を食べないことにしたのだろうと考えました。
 そこでイタチをこわがらずに、その家じゅうを走りまわりました。
 ところがイタチは、
「これはこれは、えものがたくさん出てきたぞ」
と、いつもよりも多くのネズミをつかまえました。
 ほかのネズミはみんな逃げてしまいましたが、イタチが坊さんの着物をきてから、どうして前よりもざんこくになったのかと、ふしぎに思いました。

 なかみは同じでも、ちゃんとしたりっぱな着物を着れば、あいての対応も変わってくることを、このお話しはおしえています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → スナックの日
きょうの誕生花 → さつき
きょうの誕生日 → 1963年 青山剛昌 (漫画家)

きょうの新作昔話 → ロバと年老いたヒツジ飼い
きょうの日本昔話 → 百目
きょうの世界昔話 → ほらふき男爵 ワニとライオン退治
きょうの日本民話 → ナマズを食べない村
きょうのイソップ童話 → 黒イタチ
きょうの江戸小話 → おいはぎかご

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