きょうのイソップ童話

子どもから大人まで楽しめるイソップ童話をイラスト付きで毎日配信。

3月31日のイソップ童話 アリとキリギリス

2008-03-31 04:24:45 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月31日のイソップ童話

アリとキリギリス

アリとキリギリス
♪音声配信

 夏のある日、キリギリスが野原で歌を歌っていると、アリたちがぞろぞろ歩いてきました。
「おい、アリくんたち。そんなに汗をびっしょりかいて、なにをしてるんだい」
「これはキリギリスさん、わたしたちは食べ物を運んでいるのですよ」
「ふーん。だけど、ここには食べ物がいっぱいあるじゃないか。どうして、いちいち家に食べ物をはこぶんだい。おれみたいにおなかがすいたらその辺にある食べ物を食べて、あとは楽しく歌を歌ったり、あそんだりしていればいいじゃないか」
「でもね。キリギリスさん。いまは夏だから食べ物がたくさんあるけど、冬が来たら、ここも食べ物はなくなってしまいますよ。いまのうちにたくさんの食べ物をあつめておかないと、あとでこまりますよ」
 アリたちがそういうと、キリギリスはバカにしたようにハハハハハハッと笑って。
「まだ夏が始まったばかり。冬のことは冬が来てから考えればいいのさ」
 そう答えると、また歌を歌い始めました。
 さて、それからも毎日キリギリスは陽気に歌ってくらし、アリたちはせっせと家に食べ物を運びました。
 やがて夏がおわり、秋が来ました。
 キリギリスは、ますます陽気に歌を歌っています。
 そしてとうとう、さむいさむい冬がやってきました。
 野原の草はすっかり枯れ果て、キリギリスの食べ物は1つもなくなってしまいました。
「ああ、おなかがすいたな。こまったな。どこかに食べ物はないかなあ。・・・あっ、そうだ。アリくんたちが食べ物をたくさんあつめていたっけ、よし、アリくんたちに何か食べさせてもらおう」
 キリギリスは急いでアリの家にやってきましたが、アリは家の中から。
「だから、食べ物がたくさんある夏のあいだに食べ物をあつめておきなさいといったでしょう。家にはかぞく分の食べ物しかないから、悪いけど、キリギリスさんにはあげることができません」
と、いって、げんかんをあけてくれませんでした。
 キリギリスは雪の降る野原のまん中で、寒さにふるえながらしょんぼりしていました。

 いま楽をしているなまけ者は、そのうち痛い目にあうというお話しです。

※この「アリとキリギリス」は、もとの寓話である「セミとアリ」から変化したお話しです。
 「アリとキリギリス」以外にも、「セミとアリ」から変化したお話しは多くて、「アリとコガネムシ」「アリとコオロギ」「トンボとキリギリス」などがあります。
 セミが他の昆虫に変化した理由は、お話しの伝わった国に、その昆虫がいなかったり、お話しを伝えた人が、勝手に昆虫を変えたりしたからです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → エッフェル塔の日
きょうの誕生花 → はまかんざし(アルメリア)
きょうの誕生日 → 1970年 宮迫博之 (芸人)

きょうの日本昔話 → こまったむすこ
きょうの世界昔話 → シンデレラ
きょうの日本民話 → 花散る下の墓
きょうのイソップ童話 → アリとキリギリス
きょうの江戸小話 → ちょっとおかりします

hukumusume.com サイト一覧


3月30日のイソップ童話 ヘビとカニ

2008-03-30 06:25:24 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月30日のイソップ童話

ヘビとカニ

ヘビとカニ

♪音声配信

 ヘビとカニが、同じ場所にくらしていました。
 カニはヘビに対して、いつもそっちょくでやさしくしていました。
 けれどもヘビは、いつもひねくれて、いじわるでした。
 カニはヘビをいましめて、
「あなたも、もっと心をまっすぐにして、すなおになりなさい。わたしがあなたにしているように、やさしくなりなさい」
と、いいましたが、ヘビはぜんぜんいうことを聞きません。
 しまいにカニはがまんできなくなって、ある日、ヘビがねむっているときに、のどをハサミでしめて殺してしまいました。
 ながながとのびて死んでしまったヘビを見て、カニはいいました。
「やれやれ、死んでからまっすぐのびたって、しかたがないでしょう。わたしが注意していたときにまっすぐになっていたら、死なないですんだのに」

 カニのやり方もどうかと思いますが、このお話しは、いっしょうけんめいつくしてくれる人にいじわるする人は、そのうち痛い目にあうことを教えています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → マフィアの日
きょうの誕生花 → カルセオラリア(きんちゃくそう)
きょうの誕生日 → 1966年 村上里佳子(タレント)

きょうの日本昔話 → サルの恩返し
きょうの世界昔話 → 家の精
きょうの日本民話 → オオカミばあさん
きょうのイソップ童話 → ヘビとカニ
きょうの江戸小話 → ふだん用のネコ

hukumusume.com サイト一覧


3月29日のイソップ童話 ヒツジ飼いとオオカミの子

2008-03-29 05:09:00 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月29日のイソップ童話

ヒツジ飼いとオオカミの子

ヒツジ飼いとオオカミの子

♪音声配信

 ヒツジ飼いがオオカミの子をみつけて、だいじにそだてました。
「こうしておけば、こいつらが大きくなったときに、おれのヒツジの番をしてくれるだろう。いやそれだけでなく、よそのヒツジもさらってきてくれるだろう」
と、考えたからです。
 ところが、この子オオカミたちは大きくなると、すきを見て、まっさきにヒツジ飼いのヒツジたちにおそいかかりました。
 ヒツジ飼いは、さんざんに食いあらされたヒツジたちを見て、うめき声をあげました。
「なんていうことだ。子どもだからといって、オオカミを助けたとは。なんとバカなことをしたものだ」

 悪い人を助けるのは、じつは、その人たちがまっさきにわたしたちをいじめることができるように、せっせと力をつけてやるのと同じことです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → マリモの日
きょうの誕生花 → アリッサム
きょうの誕生日 → 1982年 滝沢秀明 (タレント)

きょうの日本昔話 → むこのひとつおぼえ
きょうの世界昔話 → ネズミとゾウ
きょうの日本民話 → 大工の神さまと天人
きょうのイソップ童話 → ヒツジ飼いとオオカミの子
きょうの江戸小話 → 手品の種

hukumusume.com サイト一覧


3月28日のイソップ童話 オオカミと仲なおりしたイヌ

2008-03-28 04:59:43 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月28日のイソップ童話

オオカミと仲なおりしたイヌ

オオカミと仲なおりしたイヌ

♪音声配信

 オオカミがイヌにいいました。
「きみたちは、すがたかたちがぼくらとそっくりなのに、どうしてぼくらと兄弟のようになかよくしないのかい。じっさい、きみらとぼくらは、ぜんぜんちがわない。ちがうのはただ、考え方だけだ。ぼくらオオカミは自由に生きている。しかしきみたちは人間に手なずけられて、どれいみたいになっている。人間になぐられてもがまんして、首輪をつけられてヒツジの番をさせられている。しかもきみらの主人は自分だけうまいものを食って、きみたちには骨しかくれないじゃないか。だから、ぼくたちを信用して、ぼくたちにヒツジをぜんぶひきわたしたまえ。そうして、みんなでたらふく食おうじゃないか」
 イヌたちはオオカミのいうとおりだと思って、さんせいしました。
 するとオオカミは、ヒツジとイヌのいる穴ぐらに押しいってきて、まずはじめにイヌたちを食い殺してしまいました。

 自分のなかまをうらぎる人は、みんな、このイヌと同じ目にあうでしょう。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → シルクロードの日
きょうの誕生花 → たつたそう
きょうの誕生日 → 1975年 神田うの (タレント)

きょうの日本昔話 → 大工と鬼六
きょうの世界昔話 → 美しい妹と九人のにいさん
きょうの日本民話 → 娘のお百夜まいり
きょうのイソップ童話 → オオカミと仲なおりしたイヌ
きょうの江戸小話 → ちっとも変わらん

hukumusume.com サイト一覧


3月27日のイソップ童話 ロバとキツネとライオン

2008-03-27 05:29:47 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月27日のイソップ童話

ロバとキツネとライオン

ロバとキツネとライオン

♪音声配信

 ロバとキツネがなかまになって、猟(りょう)に出かけました。
 とちゅうで、ゆくてにライオンがあらわれました。
「これはあぶない」
と、思ったキツネは、ひとりだけ、わざわざライオンに近づいて、
「もし、わたしを安全にとおらせると約束して下されば、あのロバのやつを、あなたにひきわたしましょう」
 ライオンが約束したので、キツネはロバをおとし穴のところへ連れていって、つきおとしました。
 ライオンはロバが逃げられないことをたしかめると、まずはじめにキツネをつかまえて、それからロバにむかっていきました。

 このように、なかまをワナにかける人は、知らないうちに自分自身も同じワナにはまってしまうことがおおいものです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → さくら(桜)の日
きょうの誕生花 → しょうじょうばかま
きょうの誕生日 → 1970年 マライア・キャリー (歌手)

きょうの日本昔話 → 金のナスビ
きょうの世界昔話 → 水の妖精
きょうの日本民話 → 早業競べ
きょうのイソップ童話 → ロバとキツネとライオン
きょうの江戸小話 → 故郷に錦をかざる

hukumusume.com サイト一覧


3月26日のイソップ童話 ガチョウとまちがえられた白鳥

2008-03-26 04:56:39 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月26日のイソップ童話

ガチョウとまちがえられた白鳥

ガチョウとまちがえられた白鳥

♪音声配信

 あるお金持ちが、ガチョウと白鳥をいっしょにかっていました。
 ただし、ガチョウはいつか殺して食べるために、白鳥はなきごえを楽しむためにかっていたのです。
 さて、いよいよガチョウをしめ殺す事になりましたが、その時は日がくれてあたりはまっ暗でしたから、2羽の鳥のうちどちらがガチョウか見分けがつきませんでした。
 それで、白鳥がガチョウのかわりにつかまってしまいました。
 しかし、白鳥はひときわ大きくなきました。
 死にぎわの白鳥は、とりわけ美しくなくといわれています。
 その美しい鳴き声を聞いて、つかまえた人はすぐにまちがいに気がつきました。
 こうして、白鳥は美しい声のおかげで命びろいしました。

 このお話しは、ひいでた特技は自分の身を助けるという話です。
 なにか習い事をしている人は、がんばって上手になれば、きっといいことがありますよ。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → カチューシャの歌の日
きょうの誕生花 → しゅんらん
きょうの誕生日 → 1975年 石塚義之 (芸人)

きょうの日本昔話 → 八匹のウシ
きょうの世界昔話 → 月の見ていた話 二夜
きょうの日本民話 → 大ムカデ退治
きょうのイソップ童話 → ガチョウとまちがえられた白鳥
きょうの江戸小話 → 入りにくい

hukumusume.com サイト一覧


3月25日のイソップ童話 人とサチュロス

2008-03-25 04:48:17 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月25日のイソップ童話

人とサチュロス

人とサチュロス

♪音声配信

 むかしある男が、腰から上は人間で、腰から下がヤギのからだという、半人半獣のサチュロスと友だちになりました。
 冬が来て寒さが身にしむようになると、男は両手を口のところへ持っていって、フウフウ息を吹きかけました。
「どうして、そんなことをするのかい?」
と、サチュロスがたずねました。
 男は、
「手がつめたいから、息であたためているんだ」
と、答えました。
 その後、食事がはこばれてきました。
 とても熱い料理でした。
 男はすこしずつとりわけて、口のところへ持っていって、フウフウ息を吹きかけました。
「どうして、そうするのかい?」
と、またサチュロスがたずねました。
「あんまり熱いから、息でさましているんだ」
と、男は答えました。
 するとサチュロスは、
「いやはや、なんてことだ。ぼくは、きみの友だちをやめるよ。同じ口から熱さと冷たさをはきだすなんて、そんな人と友だちになってはいられないよ」

 わたしたちも、得体の知れない人とは、友だちにならないようにしましょう。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 電気記念日
きょうの誕生花 → おうれん
きょうの誕生日 → 1959年 嘉門達夫 (シンガー)

きょうの日本昔話 → 酒を買いに行くネコ
きょうの世界昔話 → アイリーのかけぶとん
きょうの日本民話 → 昆布買い
きょうのイソップ童話 → 人とサチュロス
きょうの江戸小話 → 自分であがる

hukumusume.com サイト一覧


3月24日のイソップ童話 いっしょに狩りにいったライオンとロバ

2008-03-24 06:08:25 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月24日のイソップ童話

いっしょに狩りにいったライオンとロバ

いっしょに狩りにいったライオンとロバ

♪音声配信

 ライオンとロバが相談して、いっしょに狩りにいきました。
 野生のヤギがたくさんいるほら穴までくると、ライオンは入り口に陣どって、ヤギが出てくるのを待ちかまえました。
 ロバはほら穴の中に入って、ヤギたちのあいだを飛び回りながら大きな声でないて、ヤギを追い出しました。
 ライオンは出てくるヤギを、次々につかまえました。
 多くのヤギがつかまったとき、ロバはほら穴から出てきて、
「どうです。わたしがゆうかんにたたかったおかげで、ヤギを追い出すことができたじゃありませんか」
と、ライオンに自慢(じまん)しました。
 するとライオンは、
「まったくだ、おまえがロバだと知っていなければ、わしだってふるえあがっただろうよ」

 自分の実力を知っている人の前で自慢話をすれば、からかわれるのがあたりまえです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → マネキン記念日
きょうの誕生花 → かたくり
きょうの誕生日 → 1970年 原田泰造 (芸人)

きょうの日本昔話 → だまされたどろぼう
きょうの世界昔話 → 銅の国、銀の国、金の国
きょうの日本民話 → じゃんじゃん
きょうのイソップ童話 → いっしょに狩りにいったライオンとロバ
きょうの江戸小話 → なりたてのどろぼう

hukumusume.com サイト一覧


3月23日のイソップ童話 サヨナドリとツバメ

2008-03-23 06:18:05 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月23日のイソップ童話

サヨナドリとツバメ

サヨナドリとツバメ
♪音声配信

 ツバメが、サヨナドリにいいました。
「あなたもわたしと同じに、人の家ののき先に巣を作って人間となかよくすればいいのに。ぜひともいらっしゃいよ」
 サヨナドリはいいました。
「わたしはむかし、人間にひどいことをされたので、人間を見ればそれを思い出してしまいます。いやなことを思い出すところにわざわざ住む気にはなりません。わたしが人間のいない寂しいところでくらしいてるのは、そのためなんです」

 このお話しは、いちど悲しい目にあった人は、その場所まできらいになって近づこうとしない事をおしえています。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 世界気象の日
きょうの誕生花 → ベルゲニア(ヒマラヤゆきのした)
きょうの誕生日 → 1967年 七瀬なつみ (俳優)

きょうの日本昔話 → ほんとうの母親
きょうの世界昔話 → おじいさんとまご
きょうの日本民話 → スズメとキツツキ
きょうのイソップ童話 → サヨナドリとツバメ
きょうの江戸小話 → やぶ先生のぐち

hukumusume.com サイト一覧


3月22日のイソップ童話 オオカミとヒツジ飼い

2008-03-22 06:33:54 | Weblog

福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話

3月22日のイソップ童話

オオカミとヒツジ飼い

オオカミとヒツジ飼い

♪音声配信

 一ぴきのオオカミが、ヒツジの群れの後を、おとなしく、なんにも害をくわえずに、ついていきました。
 ヒツジ飼いは、はじめはオオカミを敵だと思って、びくびくしながら見はっていました。
  けれども、オオカミがずっとおとなしくついてくるだけで、ヒツジにおそいかかる気配がちっともないので、ヒツジ飼いは、
「どうやら、このオオカミは敵ではなくて、ヒツジの味方らしい」
と、思いました。
  ちょうど、ヒツジ飼いは町にいく用事があったので、ヒツジたちをオオカミのそばにのこして町へ出かけました。
  するとオオカミは、
「しめた。いまこそチャンスだ」
と、ヒツジにおそいかかり、だいぶぶんのヒツジを食い殺してしまいました。
  町からもどってきて、殺されたヒツジたちを見たヒツジ飼いはさけびました。
「おれがバカだった。オオカミにヒツジをあずけるなんて、どうかしているよ」

  人間でも同じことです。
  欲ばりの人にだいじなものをあずければ、とられてしまうのがあたりまえです。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → 放送記念日
きょうの誕生花 → れんぎょう
きょうの誕生日 → 1977年 松本リカ (タレント)

きょうの日本昔話 → まゆにつば
きょうの世界昔話 → オオカミになった弟
きょうの日本民話 → キツネがついた幸助
きょうのイソップ童話 → オオカミとヒツジ飼い
きょうの江戸小話 → 剣術指南

hukumusume.com サイト一覧