「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの山登り:初秋の高尾山

2013年10月16日 | 日帰りの山登り



にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 私にとって、10月上旬から中旬に、高尾山に出かける楽しみが二つあります。その楽しみの一つは、ヤマノイモの栄養繁殖器官であるムカゴを採ることであり、二つ目は、この山域で、ある昆虫に出会うことです。夏の草木の花が終わり、さまざまな木々の紅葉には少し間があるこの時期、特徴的な自然の季節感からすれば、少し物足りない時期でもあります。

 色彩の多様さという点では、草木の花々よりも、晩秋の木々の紅葉の方が、遥かに多彩です。散る間際に見せる、一瞬の美とでも言える木々の紅葉は、見る者の心の琴線に触れ、人それぞれの音色を奏でるように、微かに振動させ続けることでしょう。高尾山の本格的な紅葉は、11月中旬から12月初めにかけてです。


ツリバナ

 10月14日(体育の日)、今回のルートは、高尾山口駅から、稲荷山コースを経由して高尾山・城山・景信山と歩き、明王峠手前で陣馬高原下バス停への下山路を選択しました。予定では、私の高尾山定番ルートである、高尾山口駅~高尾山~城山~景信山~明王峠~相模湖駅という予定で
した。しかし、明王峠へ向かう手前の下山路分岐点で、ふと思いたち、この下山ルートを初めて選択しました。


サラシナショウマ

 さて、先ほど名前を濁した、出会うことを楽しみにしている昆虫のことです。この昆虫とは、あるチョウのことで、チョウであるにもかかわらず、海を越えて「渡り」をする特殊なチョウです。この名を知っていますか。知っている方は、昆虫に興味のある方です。その名は、「アサギマダラ」と言います。以前このブログで、何回か取り上げたことがあります。興味ある方は、以下のブログをご覧ください。


アサギマダラ

マッキーの随想:自然は不思議なことばかり…秋の山の話

マッキーの随想:生きる力を学ぶ…チョウや植物から


ノハラアザミ

 高尾山系では、北高尾にアサギマダラが多く見られ、年によっては群れ飛ぶ姿を見ることができます。この山域全体に、アザミを含むキク科の植物が咲いている時期です。これから渡りを開始するために、これらの花から栄養を補給する目的で集まってくるようです。

 今年は、高尾山の主脈を歩いたので、アサギマダラと出会うことは、期待できませんでした。ところが、その予想に反して、登山路で頻繁にアサギマダラを見かけることができました。大型のチョウで、鷹揚にヒラヒラとゆっくりと舞い飛び、人間が近づいても逃げようとしません。風格のあるチョウです。

 多くの登山者は、このアサギマダラを知らないようです。海を渡る珍しいチョウであることを、もしも知っていたら、その出会いをとても嬉しく感じることでしょう。



 どうしたんだろう? 上の画像のように、とても羽が傷んだアサギマダラ!・・・これでは海を渡れません。一般的にアサギマダラは、秋に日本本土から南西諸島や台湾へ「渡り」をします。しかし、ごく稀ですが初夏から夏に、逆コースで北上する「渡り」の個体があるそうで、もしかしたらこのチョウは、既に渡りを経たチョウかも知れません。

 また、このアサギマダラの幼虫が食べるガガイモ科の植物は、毒性のアルカロイドを含みます。このアルカロイドを体内に取りこみ、体を毒化して敵から身を守っていると考えられています。アサギマダラは鮮やかな体色をしていますが、これは毒を持っていることを知らせる警告色と言われています。


【警告色について】・・・ウィキペディアより抜粋
 警告色を持つ代表的な動物にはテントウムシ、アカハライモリ、モウドクフキヤガエル、サンゴヘビ属などがいる。

 アシナガバチやスズメバチは、いずれも黄色と黒の縞模様である。このように、有毒な種が複数いて、それらが共通した派手な模様を持っている場合、これらをミュラー擬態という。これは、複数種が同じ姿をすることで、敵に覚えてもらうモデルの数が少なくなり、また痛い目をする体験の確率も相対的に高くなることが利点であると考えられる。

 また有毒ではないものの、有毒な動物の警告色に自分の体色を似せることで、撃退の効果を肖ろうとしている形態もいる。これをベイツ型擬態(標識的擬態)という。トラカミキリやウシアブなどがハチに似せ、あたかも毒を持っているように見せかけることに成功している。

 ハナアブはどこにでも生息する大変身近な昆虫で、花に飛来したり、飛ぶ際に「ぶんぶん」という音を放つなど習性や外見がミツバチと似ている。よく花壇などで「ハチがいる」などと警戒されるものの多くは実はハナアブであったりもする。


トネアザミ

 この時期は、ホトトギスやタマアジサイの花も、既に終わっていました。ノハラアザミ・アズマヤマアザミ・トネアザミなどのアザミの花が目立ちました。ムカゴは、風が強い日が数日あったことと、ちょっと時期的に遅かったことなどを考慮すると、採れるかどうか不安がありました。 

 
けれども、今年はヤマノイモの当たり年だったらしく、その生育状況は、例年に比べてとても良く、随所に特徴的なハート型の葉を茂らせていました。条件の良い所では、大きなムカゴが採れ、風通しの良い所では、多くは風で落ちてちょっと小さめのムカゴでしたが、大きな器いっぱいの量を収穫できました。

 大きめのムカゴは、水に塩と少量の醤油入れたフライパンで数分間茹でました。茹でムカゴは、ビールのつまみになります。小さめのムカゴは、むかごにして食べます。ムカゴ・・・季節を感じる食材といえるでしょう。


【ムカゴなどの栄養繁殖について】・・・ウィキペディアより抜粋
 栄養繁殖とは、植物の生殖の様式の1つ。栄養生殖とも呼ぶ。胚・種子を経由せずに根・茎・葉などの栄養器官から、次の世代の植物が繁殖する無性生殖である。

 
野菜(蔬菜)・果樹・花(花卉)の園芸各分野や、ガーデニング(家庭園芸・造園)で栄養繁殖による増殖が広く行われている。前記の栄養繁殖器官を種苗として用いるほかにも、挿し木(葉挿しを含む)、取り木、茎伏せ(圧条法)、株分け、接ぎ木などの手法がある。

 
接ぎ木は、果樹など種子での増殖が難しい木本植物の増殖にも用いられる。このような木本植物の接ぎ木は、一種の人為的な栄養繁殖と捉えることができる。


ムカゴ

 高尾山系には、2ヶ月に1回ほど、多い年は毎月の割合で登ります。新宿御苑にも、これと同じようなペースで訪れています。私の性格なのでしょうが、飽きること無く同じことをやり続けることに、あまり問題を感じません。私にとって、高尾山系も新宿御苑も、出かける度に新たな発見と喜びに出会える場所であることは確かです。

【標準的な歩程】

高尾山口駅~1.30~高尾山~1.00~城山~1.00~景信山~1.10~分岐点~0.55~陣馬高原下バス停(計5時間35分)



早速、昨日の弁当は、むかご飯。
今朝の台風26号で、山のムカゴは吹き飛ばされて、地に落ちるでしょう。
今回が、今年ムカゴ採りの最後のチャンスでした。


※10月16日朝現段階、台風26号が関東地方に接近していますが、外の様子は、天気予報ほど暴風雨になっていません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 頭の体操・その7:発想力が... | トップ | マッキーの随想:故郷新津の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日帰りの山登り」カテゴリの最新記事