「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの学習指導法:今年の雙葉中学校入試問題「算数」・・・その2

2016年07月13日 | 学習指導法



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 今春の中学入試に出題された、男女御三家の算数の問題を取り上げ、その傾向と対策について幾つか問題をピックアップして分析しています。今日は、下のブログに続いて雙葉中学校の解説二回目です。前回は、問題【4】を取り上げました。今日は、最後の問題【5】について、解説しましょう。

マッキーの学習指導法:今年の雙葉中学校入試問題「算数」・・・その1


【問題5】

 あるバス停には、A駅行きのバスとB駅行きのバスが来ます。A駅行きは午前7時11分から17分間隔で来ます。B駅行きは午前6時35分から4分、7分、4分、7分、・・・・の間隔で来ます。バスの停車時間は考えません。

(1)このバス停に午前11時以降で最初に来るバスは、午前11時何分の何駅行きですか。

(2)このバス停に2種類のバスが初めて同時に来るのは、午前何時何分ですか。

(3) (2)を1回目とします。6回目にこのバス停に同時にバスが来るのは何時何分ですか。午前、午後も答えましょう。


【解説・解答】

 バス停に等間隔で到着する複数の行き先のバス時刻に関する問題です。等差数列・公倍数などの理解を問う問題で、一般的な問題と言えるでしょう。

 ただし、この問題は、一方のバスが4分、7分、4分、7分という周期的な間隔で運行している点が、考慮できるかどうかがポイントとなります。4分と7分の和の11分周期としてまずは考えるべきでしょう。

(1)の問題です。A駅行きは、午前7時11分から17分間隔ですので、A駅行きバスで11時過ぎに最初に到着する時刻を計算します。

(11-7と11/60)÷17/60=13と8/17
よって、7時11分+17分×14=11時9分

同様に、B駅行きは午前6時35分から11分間隔周期としてまずは計算します。

(11-6と35/60)÷11/60=24と1/11
よって、6時35分+11分×25=11時10分

4分、7分の周期を考慮して、ひとつ前のバスは、11時10分-7分=11時3分

よって、午前11時3分B駅行きバスが正解です。


(2)A駅行き・・・午前7時11分から17分間隔、B駅行き・・・午前6時35分から4分・7分周期の間隔という変則的な条件を考えます。

A駅行きのバスとB駅行きの周期の最初の4分のバスとが初めて同時に到着する時刻・・・(ⅰ)と、A駅行きのバスとB駅行きの周期の後の7分のバスとが初めて同時に到着する時刻・・・(ⅱ)両方を書き並べて調べますが、そんなに時間はかかりません。


(ⅰ)は、7時45分に最初に同時に到着します。
(ⅱ)は、8時36分最初に同時に到着することが分かります。

よって、このことから求める答えは、7時45分となります。


(3)は、(2)で求めた7時45分を1回目として、6回目にこのバス停に同時にバスが来る時刻を求める問題です。(2]ができていれば、そんなに難しい問題ではありません。

(2)の(ⅰ)のB駅行きバスとA駅行きバスは、7時45分から17と11の最小公倍数の187分を公差とする等差数列の時刻で同時に到着します。・・・この手の問題は一般的な問題!

また、(ⅱ)のB駅行きバスとA駅行きバスは、8時36分から187分間隔で同時に到着します。

この条件から、6回目に同時にバスが来る時刻を求めます。

(ⅰ)のB駅行きバスとA駅行きバス・・・7時45分、10時52分、13時59分・・・
(ⅱ)のB駅行きバスとA駅行きバス・・・8時36分、11時43分、14時50分・・・

以上の結果から、14時50分=午後2時50分が求める答えとなります。


 公倍数・最小公倍数と、規則的な周期を考える問題です。「数の性質」を使う問題は、改訂された高校数学Aに「整数の性質」として加えられたことでも分かるように、重要な学習課題です。減少傾向にあった数の性質の問題は、中学入試においても近年出題の割合が増加している分野です。しっかりと学習しておきましょう。


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