「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの学習指導法:今年の雙葉中学校入試問題「算数」・・・その1

2016年07月03日 | 学習指導法



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 今年度の中学入試で出題された算数の問題について、問題傾向と対策を学校別に綴っています。今日は、女子御三家の三番手として雙葉中学の算数を取り上げます。

 今年の雙葉中学算数問題は、問題【1】が小問4題構成で、計算1題・割合の問題1題、旅人算1題、混合算1題の出題となっています。いずれも基本的な問題です。

 問題【2】は、仕切りのある水槽に、水を入れる管と、水が出ていく栓が取り付けられている設定で、この問題も一般的な問題と言えます。ただし、この容積に関する問題は、様々に条件を変形することができ、グラフを絡めた問題としても出題されます。

 問題【3】は、黒と白の碁石を正六角形に交互に並べていく問題です。規則性を見つけると、等差数列になっていることに気付くはずです。(2)と(3)はそのことを前提として、問題を発展させた出題となっています。

 問題【4】は、今回解説する問題です。図の中の斜線を付けた部分の面積を求めるのですが、ちょっとした基本事項・・・このブログでも繰り返し指摘している事項を、しっかりと理解していれば、比較的簡単な問題と言えるでしょう。

 問題【5】は、次の回に取り上げる問題です。2種類のバスの発車時刻の問題で、最小公倍数・公倍数を用いる一般的な問題です。しかし、一方のバスの発車時刻が、等差数列ではなく、4分・7分という間隔をくり返すことにより、だいぶ難しく感じられる問題に変化させています。注意深く条件を整理し、しっかりと書き上げて求める必要があります。こうした問題は、御三家らしい問題と言えるでしょう。


【問題】

下の図は、正方形と直角二等辺三角形と円を組み合わせたものです。
かげをつけた部分の面積は何平方cmですか。円周率は3.14です。



【解説・解答】

 一辺が20cmの正方形を、等しい辺の長さが5cmの直角二等辺三角形と、一辺が5cmの正方形、それに中心に位置する円の三つの図形に注目して解きます。

 かげをつけた部分の面積を求めるために、直角二等辺三角形の数を数えると12個。正方形の数は5個。しかしよく見ると、円から内接する正方形を除いた4つの弓型の面積を、それらの合計から引く必要があります。

 さて、中心にある円の半径は出ていません。半径の長さは、実際には「2分の5ルート2cm」となります。公立中学校3年生で出てくる「三平方の定理」を学習するまで、この数値は出すことができません。ただ、かつて私の教室に通っていた小学4年生が、こうしたルートの入った数値を出すことができました。「中学3年生の数学まで学習したの?」・・・「いいえ、高校2年生まで学習しました。」

 この生徒は、その後開成に合格しましたが、こうした特別な力を持つ生徒と同様の学力を要求している問題ではありません。

「半径が出ていなかったら、半径×半径の数値が出せないかを考える。」

 この考えは、実は基本的なことです。円に内接する正方形の面積は、「一辺×一辺」で求めることができますが、正方形はおうぎ形の仲間ですので、「対角線×対角線÷2」でも求めることができます。

 このことから、対角線=直径=半径×2ですので、

 円に内接する正方形の面積は、(半径×2)×(半径×2)÷2=半径×半径×2=5×5、となることが分かります。

 よって、半径×半径=12.5という数値が出てきます。

 よって求める面積は、

 5×5÷2×12+5×5×5-(12.5×3。14-5×5)
 =150+125-14.25
 =260.75平方センチメートル

 今回の問題のように、問題の解法パターンを覚えておく事が必要な問題があります。以前に、そうした問題を昨年度の入試問題から集めて、「マッキーの一問必答」というタイトルで、(1)回から(13)回に分けて綴りました。興味ある方は、ネットで検索して御覧ください。

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