漢字の学習 その2
「漢字の教え方」と言う本を見つけました。副題には、「日本語を学ぶ非漢字系外国人のために」と有りますので、私の希望通りのもののようです。
一般的に言って、アルファベット等の「文字」は、形と音が有り、それが結びついたようになっていますが、「漢字」の場合は、形・音・義(けい・おん・ぎ)と、三つになります。しかし、非漢字系外国人が勉強する場合、「義」が欠落していて、却って難しくしているのではないかという考えです。
要するに、漢字の読みから勉強に入りますと、読みが複数あったりして、頭の中が混乱して、憶え難かったり、嫌になったりするのではないかと言う考え方から、音は後回しで、先に、形から意味を、イメージして入って行くのはどうかというわけです。
そもそも、訓読みの起こりからしまして、輸入したままの音では、覚えられないので、漢字の意味を、大和言葉を使って付けたルビが、訓読みになったそうですので、同じようなストーリーではないでしょうか。
西洋の学問では、漢字も文字の一部と捉えて、その中に表意文字、表音文字と分類し、そしてそれが一般的な考えになっていますが、それが禍しているのでしょう。そうではなく、別の分類にして、漢字の形は図形と捉えた方が適切ではないかということです。
則ち、脳科学的にも、ひらがな・カタカナは左脳を使って処理し、漢字は、右脳を使って処理しているそうです。何故なら、右脳に損傷を受けた方は、ひらがな・カタカナの読み書きができても、漢字については出来ないそうで、左脳に損傷を受けた方は、全く逆のことが起こっているそうです。
我々日本人の読書の状態を考えますと、決して、一々声を出して読んでいるわけでは有りません。黙読して、理解し納得しています。脳科学的にも、理解するということは、文字を一字一句理解しているのではなく、イメージとして、「アッ!! 分かった!!」と言うことになります。漢字の学習には、このへんがヒントになりそうです。
漢字を憶える場合、「区別できるか?」「区別しやすいか?」がポイントだそうです。
字画が1画の、「ノ・フ・レ・ヘ」を使って実験しますと、却って紛らわしくなり、読み分けが困難だったそうです。ところが、最初に、鳥、馬、魚の絵を見せ、bird, horse, fish と言わせ、その絵を漢字に近い単純化した形で示して区別させることは然程難しくはなく、少し練習すれば直ぐ出来るようになり、しかも間違いが起こらないそうです。
また、「魚」を分解して得られる、争・急・色・胃・思・男・焦・照等は、複雑な漢字が更に小さい単位の組み合わせたものだということが分かりますと、その複雑性は解消してしまうそうです。そうして、逆に、複雑だからこそ、分かり易く、見分けやすいということに変質してしまうそうです。
絵から図形への法則(漢字の成り立ち)
1. 図形全体の骨組だけを残す。
ただ中国で創りだされたもので、中国の自然、文化、風俗や習慣が基礎になっている。(山は、連なっているので、ピークが三つ。さしずめ、日本なら富士山をイメージして一つでは・・・)
2. 曲線は直線にする。(真直ぐな直線か、反った直線か)、円形は、四角に
3. 線の書き方は、全て上から下、右から左。
4. 縦型か横型にする。(基本的に、斜めはない)
その他に、上は遠くを表し、下は近くを表している。沢山を表す時は、三つ使う。
森は、木が三本で、沢山の木を表し、上の木は遠くを表しています。)
憶えやすいであろう漢字
カタカナは、お坊さんが、お経を、読むのが難しいので、漢字の一部を取り出してルビを付けたことが起源になっていると聞いています。だったら、カタカナは漢字の一部分を構成している筈です。
学習者が、漢字が、多種類のパーツが組み合わさって出来ているということを認識してくれた場合、カタカナを前もって習得していてくれれば、漢字の勉強に入っていく場合、ハードルが低くなるのではないでしょうか。
著者かカタカナの画数表というのを整理され、憶えやすそうな漢字をリストアップしてくれています。
1画・・・ノフヘレ
2画・・・アイカクコスセソナニヌハヒマムメヤユヨラリルワン
3画・・・ウエオキケサシタチツテミモヨロ
4画・・・ネホ
カタカナ1字・・・工、才、力、夕、千、二、又、八、口
カタカナ2字・・・加、化、回、外、刈、兄、穴、元、江、功、公、左、仁、舌、双、多、台、竹、比、仏、弁、友、札
カタカナ3字・・・沿、花、活、完、況、空、芸、佐、治、祝、伝、品、乱、労、
カタカナ4字・・・宮、受、侵、浸
カタカナ5字・・・営
片仮名1字と漢字1字から成るもの……安、休、取、如、召、神、雪、男、知、抻、反、和
片仮名2字と漢字1字から成るもの……架、学、急、始、宿、努、突、倍、保、勇、雄、話
片仮名3字と漢字1字から成るもの……覚、協、混、菜、深、尋、桑、窓、乳、浮、符、落
ある程度上記のような、インフォメーションが、前以て、有りますと、多少とも、取り付き易く、入りやすくなるのではないでしょうか。そして、メアリー・シスク・野口さんの分析的なアプローチも生きてくるのではないでしょうか。
又、私自身、上記のように、漢字1語だけ示されてもなかなか興味が湧いてきません。そこで、上記を踏まえて、使用頻度の高そうな「熟語」を探し出して、提示してはいかがでしょうか。比較的簡単に、使える漢字が増えるのではないでしょうか。又、用言は、大抵、送り仮名を付ける(大抵、訓読みになり、意味が捉え易い)ことが出来ますので、会話で憶えた大和言葉の単語と結びつきやすいと考えます。すなわち、いつも、口頭で使っている単語は、書き表しますと、実はこうなんですというように・・・・。
カタカナの習得
→漢字を構成するパーツの理解
→カタカナ(パーツ)を使った漢字
→身近な送り仮名のついた漢字(漢字が持っている意味、漢字に含まれている意味)
→簡単な漢字同士の熟語
「漢字の教え方」と言う本を見つけました。副題には、「日本語を学ぶ非漢字系外国人のために」と有りますので、私の希望通りのもののようです。
一般的に言って、アルファベット等の「文字」は、形と音が有り、それが結びついたようになっていますが、「漢字」の場合は、形・音・義(けい・おん・ぎ)と、三つになります。しかし、非漢字系外国人が勉強する場合、「義」が欠落していて、却って難しくしているのではないかという考えです。
要するに、漢字の読みから勉強に入りますと、読みが複数あったりして、頭の中が混乱して、憶え難かったり、嫌になったりするのではないかと言う考え方から、音は後回しで、先に、形から意味を、イメージして入って行くのはどうかというわけです。
そもそも、訓読みの起こりからしまして、輸入したままの音では、覚えられないので、漢字の意味を、大和言葉を使って付けたルビが、訓読みになったそうですので、同じようなストーリーではないでしょうか。
西洋の学問では、漢字も文字の一部と捉えて、その中に表意文字、表音文字と分類し、そしてそれが一般的な考えになっていますが、それが禍しているのでしょう。そうではなく、別の分類にして、漢字の形は図形と捉えた方が適切ではないかということです。
則ち、脳科学的にも、ひらがな・カタカナは左脳を使って処理し、漢字は、右脳を使って処理しているそうです。何故なら、右脳に損傷を受けた方は、ひらがな・カタカナの読み書きができても、漢字については出来ないそうで、左脳に損傷を受けた方は、全く逆のことが起こっているそうです。
我々日本人の読書の状態を考えますと、決して、一々声を出して読んでいるわけでは有りません。黙読して、理解し納得しています。脳科学的にも、理解するということは、文字を一字一句理解しているのではなく、イメージとして、「アッ!! 分かった!!」と言うことになります。漢字の学習には、このへんがヒントになりそうです。
漢字を憶える場合、「区別できるか?」「区別しやすいか?」がポイントだそうです。
字画が1画の、「ノ・フ・レ・ヘ」を使って実験しますと、却って紛らわしくなり、読み分けが困難だったそうです。ところが、最初に、鳥、馬、魚の絵を見せ、bird, horse, fish と言わせ、その絵を漢字に近い単純化した形で示して区別させることは然程難しくはなく、少し練習すれば直ぐ出来るようになり、しかも間違いが起こらないそうです。
また、「魚」を分解して得られる、争・急・色・胃・思・男・焦・照等は、複雑な漢字が更に小さい単位の組み合わせたものだということが分かりますと、その複雑性は解消してしまうそうです。そうして、逆に、複雑だからこそ、分かり易く、見分けやすいということに変質してしまうそうです。
絵から図形への法則(漢字の成り立ち)
1. 図形全体の骨組だけを残す。
ただ中国で創りだされたもので、中国の自然、文化、風俗や習慣が基礎になっている。(山は、連なっているので、ピークが三つ。さしずめ、日本なら富士山をイメージして一つでは・・・)
2. 曲線は直線にする。(真直ぐな直線か、反った直線か)、円形は、四角に
3. 線の書き方は、全て上から下、右から左。
4. 縦型か横型にする。(基本的に、斜めはない)
その他に、上は遠くを表し、下は近くを表している。沢山を表す時は、三つ使う。
森は、木が三本で、沢山の木を表し、上の木は遠くを表しています。)
憶えやすいであろう漢字
カタカナは、お坊さんが、お経を、読むのが難しいので、漢字の一部を取り出してルビを付けたことが起源になっていると聞いています。だったら、カタカナは漢字の一部分を構成している筈です。
学習者が、漢字が、多種類のパーツが組み合わさって出来ているということを認識してくれた場合、カタカナを前もって習得していてくれれば、漢字の勉強に入っていく場合、ハードルが低くなるのではないでしょうか。
著者かカタカナの画数表というのを整理され、憶えやすそうな漢字をリストアップしてくれています。
1画・・・ノフヘレ
2画・・・アイカクコスセソナニヌハヒマムメヤユヨラリルワン
3画・・・ウエオキケサシタチツテミモヨロ
4画・・・ネホ
カタカナ1字・・・工、才、力、夕、千、二、又、八、口
カタカナ2字・・・加、化、回、外、刈、兄、穴、元、江、功、公、左、仁、舌、双、多、台、竹、比、仏、弁、友、札
カタカナ3字・・・沿、花、活、完、況、空、芸、佐、治、祝、伝、品、乱、労、
カタカナ4字・・・宮、受、侵、浸
カタカナ5字・・・営
片仮名1字と漢字1字から成るもの……安、休、取、如、召、神、雪、男、知、抻、反、和
片仮名2字と漢字1字から成るもの……架、学、急、始、宿、努、突、倍、保、勇、雄、話
片仮名3字と漢字1字から成るもの……覚、協、混、菜、深、尋、桑、窓、乳、浮、符、落
ある程度上記のような、インフォメーションが、前以て、有りますと、多少とも、取り付き易く、入りやすくなるのではないでしょうか。そして、メアリー・シスク・野口さんの分析的なアプローチも生きてくるのではないでしょうか。
又、私自身、上記のように、漢字1語だけ示されてもなかなか興味が湧いてきません。そこで、上記を踏まえて、使用頻度の高そうな「熟語」を探し出して、提示してはいかがでしょうか。比較的簡単に、使える漢字が増えるのではないでしょうか。又、用言は、大抵、送り仮名を付ける(大抵、訓読みになり、意味が捉え易い)ことが出来ますので、会話で憶えた大和言葉の単語と結びつきやすいと考えます。すなわち、いつも、口頭で使っている単語は、書き表しますと、実はこうなんですというように・・・・。
カタカナの習得
→漢字を構成するパーツの理解
→カタカナ(パーツ)を使った漢字
→身近な送り仮名のついた漢字(漢字が持っている意味、漢字に含まれている意味)
→簡単な漢字同士の熟語