ばばちゃんのおっちゃんの日本語の先生への道

日本語の先生になろうと一念発起いたしました。

その108漢字の学習

2017-04-08 06:55:44 | 6.私の感想・考え
漢字の学習
 或る方が、留学先で、日本語を教えていて、その時の経験から、日本での小学校の漢字の教え方に疑問をお持ちになり、「小学校の学年別漢字配当はムチャクチャな教え方だ」と述べておられます。
 国立マドリード語学校の日本語科の主任教授が常用漢字を偏や旁で分類した一覧表を作成していたそうで、その辺からのお考えと推測します。

 しかし、どなたかのご指摘では、小学生は、まだ、未熟で成長途中でありますが、日本語学習者は、大部分は、すでに教養も備わった大人なので、比較するのはおかしいのではないかとの指摘です。小学生には、小学生なりの配分が必要でしょうとのお考えのようです。

 ということで、それでは、我々が担当しています、日本語の指導において、大人に対する教え方は確立されているのでしょうか。我々末端の指導者には伝わってまいりませんし、ボランティア教室では、全く教え方を学んだことのない方が相当、担当したりしています。と言うことで、てんで、無秩序、バラバラの教え方をしているのではないでしょうか。

 文型とかの教え方は、皆さんいろいろ考えておやりのようですが、漢字の教え方をどうしているのでしょう。日本語学校でのやり方は、我々には伝わってまいりませんので、様子が分かりませんが、特別なやり方をやっているのでしょうか。
 私の推測では、非漢字圏の方は、投入時間の半分は漢字の習得に費やしていらっしゃるようなので、それを何とかできないかと考えます。


「漢字の習得」の項で、いろいろ述べましたが、結局は、こんな考え方、あんな考え方が有りますよ、と言うところにとどまっており、どうぞ参考にしてくださいと言っている程度で、所詮、学習者任せになっています。

 今回試みようとしていますのは、どうしても時間が掛かるものなら、漢字習得に充てる時間を、ご自身の細切れの自由時間から捻出できないかという考えからです。

 そして、ついでに、こんなアプローチの仕方は、いかがですかと言う訳です。すなわち・・・・・・・・
 私の小学生時代の漢字の勉強方法に、漢字を何十回も書いて覚え、次に、覚えた漢字を使った熟語を面白がって、一生懸命集め、書き出したりしていました。恐らく、耳から聞き知っている言葉と、漢字とを結び付けていたのではないか推測します。

 ネイティブは、「ことば」の定義・概念はすでに習得していますので、単にそれらを結びつけるだけの1ステップの習得の仕方で良いわけですが、ノン・ネイティブになりますと、「ことば」の定義・概念と漢字の熟語と、2ステップ同時の習得が必要になり、これは、厳しいでしょうね。何か工夫が必要ですね。
 そこで、見知らぬ漢字を使った熟語ではなく、同じ配分同士や前の学年の配分の漢字を使った熟語を提示して上げれば、同じ漢字の目に触れる回数が増え、記憶に残りやすいのではないかと考えたわけです。

 そして、ネットのデータでは、1年生配分漢字80個に対し380の熟語の組合せを習って(?)いるようです。同様に、2年生(160/1,610)、3年生(200/2,482)、4年生(200/2,668)、5年生(185/2,863)、6年生(181/2,161)となり、もしそうだとしますと、語彙と言う面から見ますと、結構勉強しているんですね。
 そして、累計して見ますと、驚くなかれ、1年生(80/380)、2年生(240/1,990)、3年生(440/4,472)、4年生(640/7,140)、5年生(825/10,003)、6年生(1,006/12,164)となります。

 もしかしますと、語彙を増やすアプローチの仕方としまして、漢字→熟語→語彙の増加と言うスタイルも、有りかも知れません。
 漢字個々の定義・概念を知っていますと、熟語の定義・概念も推測し易いかも知れません。「かな」からことばの定義・概念を頭に入れるのと、「(かな付き)熟語」からことばの定義・概念を入れるのを比較しますと、「かな」からの場合は、我々が英語の単語を覚えるのと全く同じで、ゼロから覚えなければなりませんが、 それに引き換え、「漢字→熟語」から入って行きますと、我々が中国語文を読んだり、漢字交じりハングル文を読むのに似て、「引っ掛かり→関連」が有るので、推測・想像力を発揮でき、理解・習得が速くなるのではないでしょうか。
 漢字の「読み」を覚えるのも、個々の漢字の複数の読みを覚えようとするよりは、熟語や送り仮名とと一緒に覚える方が身に付くかもしれません。漢語読み、和語読み、重箱読み、湯桶読みを、あまり気にせず、却って、正しく身に付くかもしれません。長文の読解も、漢字がその助けになるという話も有りますので、それらを信じて・・・・・・・・・

 フラッシュカードを制作していて、気が付きましたのは、漢字としては、小学1年生の配分同士の熟語ですが語彙としては、N2,N1扱いの言葉が結構沢山出てくるのです。
 従いまして、取り纏め方として、N3取得を目指す熟語の語彙がN3までのグループと、それ以降のグループに分けて制作したいと考えます。
 あとのグループでは、低学年で履修の漢字の熟語でも、高次の定義・概念を表す熟語が、結構、沢山有ると言うことを知っていただきたいと考えます。

 難しいことばかりやるのが脳ではなく、簡単な所、結び付きのあるところをしかり固めるのも、近道の一つではないでしょうか

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