昨日は『川崎亭遊歩十周年記念興行』の落語会を楽しんできました。
人づてに聞いて、ちょっと覗いてみようくらいの軽い気持ちですから、予備知識は何もありません。
会場で配られたチラシを見ると、『川笑一座』というアマチュア演芸集団の団員さんらしいです。
演者のプロフィールを読んで驚きました。
川崎亭遊歩さんは、脳梗塞の後遺症で入門当初は滑舌が悪く、片耳も不自由で何を喋ってるか分からなかったとのこと。
それを克服しての入門十年記念興行だったわけです。
最初は『南京玉すだれ』の出し物。
仕草や、喋りや、小道具で存分に笑わせてくれました。
続いて、お師匠さんで川笑一座座長の川崎亭好調さん。
本職は学校の先生だとか。数々の大会で受賞の経験をお持ちのようです。演題は『松竹梅』
もう一人のゲストは宗像落語会会長の粗忽家酔書(ヨイショ)さん。演題は『だくだく』
お二人とも素人の域を超えた見事な芸です。
何で素人がこんなに上手いんだ!と舌を巻きました。
酔書さんは巧みな話術で『紙切り』の芸も披露してくれます。「玄人はだし」とはこういうことかな?
テレビに出る人ばかりが名人じゃないんですね!
さてメインの川崎亭遊歩さんは仲入りを挟んで『堪忍袋』と『子はかすがい』の二席を演じられました。
『子はかすがい』は、じっくり聴かせる人情噺。
登場人物(父、母、子)の演じ分けが秀逸で、ホロリとさせたり笑わせたり、とてもハンディをお持ちの方だとは思えません。
もう感動でした。十年の努力と熱意に敬服です。
又、機会があれば聴きに行きたいと思います。
人間、生きていればどん底にも堕ちます。
堕ちたままで終わるか、いかに這い上がるか、人間の価値はそこじゃないかと、帰る道すがら考えたことでした。