hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Kindred

2024年05月02日 | 洋書
 現代に生きる黒人女性が、奴隷時代のアメリカ南部にタイムスリップしてしまい過酷な体験をしながらも、自分の尊厳を保ち闘い続ける物語。
 主人公はずっと過去にとどまるのではなく、何度も行ったり来たりを繰り返します。その理由がなんとも理不尽。
 作者の描写の為せる技か、追体験をしてるような感じで読み進めていけるほどの臨場感に溢れる作品でした。

 8 out of 10

 同作家の作品は以前に Blood Child を読んでいるのですが、あまりに斬新な設定とメッセージ性に衝撃を受けたものです。
 それに比べると、もちろん人種差別、女性蔑視とたくさんの問題を考えさせられる内容となっていますが、エンタメ性の高い作品に感じたところが意外でした。
 ただ、映像化もされたようですが、創作側がエンタメに舵を切りすぎたのか失敗に終わったみたいです。私もトレーラーを観て「え?同じ本を読んだ?」と多くの人と同じ感想を持ちました。
 映像化といえば話はズレますが、私が昨年酷評したtattooist が最近映画化されたようです。
 こちらはトレーラーの出来がとても良く、きっと原作の何倍も良い作品になっている予感がします。
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