hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Life after Life

2017年03月25日 | 洋書
主人公女性が何度も生まれ変わる話。
何度も生まれ変わって色々な場所、色々な時代などを経験する女性の話だと勘違いしていたのですが、

何度も同じ人物として生まれ直す話でした。

生まれ直すということはその前には死ぬということです。
何度も生まれ直すということは何度も死ぬということです。
そう、何度も死の場面を読まなければならないのです、、、、、、色々な形の死ぬ場面を、、、、、

まずは生まれてすぐに何度か死にます。何度もです。
その度に同じ描写の出産シーンも何度も読まなければなりません。
4歳くらいで溺死。また出産シーンから読み直し。
5歳で二階の窓から落ちて死亡。また生まれた日から読み直し。
8歳で何度か疫病で死にます。子供ながら前世の事を虫の知らせ程度に感じ、避けようとするのですが結局病死。
もう一度生まれます。今度は なんとか16歳まで生き、ホッとしたのも束の間、レイプされ、違法堕胎で死にかけ、意外にも生き残りますが(もうこの時点でこんな感覚),家族への後ろめたさから、家から逃げるように最初に親しくなった男と結婚。相手がとんでもなく嘘つきな上いろいろ問題があり、散々暴力を受け虐げられた挙句、最後は撲殺される。
もう一度生まれます。
今度はレイプもうまく避け、順調に20代に突入するも不倫そして戦争で何度も爆撃を受けて死にます。
何回か生まれ変わった内の一度はドイツに渡って結婚して子供をもうけるものの、そちらで戦争体験。あまりの悲惨さに娘と心中。とにかく全編悲惨だけど、ここのシーンはやるせなさがマックス、、、、、
50代まで生き延びた時はある日頭が痛くなり、眠ったまま帰らぬ人に。脳卒中かくも膜下?


この作品、、、、、、どう思います?
読み始めたのはなんと2014年。何度も挫折し投げ出し、読み直したので出産シーンは実際書いてある回数の2倍くらい読んでますよ、、、、そう、主人公が生まれ直した回数と同じくらい読み直し、彼女が死んだ回数と同じくらい挫折し、、、、、、

でも今これを読んでいるあなたも気になるでしょう?こんな状態で最後はどうなるのか。
そうなのです。こんな depressive な内容の本を読み続けたんだもの、このまま終わるわけにはいかないでしょう、こっちだって!

最後数ページ過去のシーンが蘇り、恋していた近所の男の子といい感じになったり、断片的な記憶を頼りに問題を回避するのですが、、、、、ハッピーエンドと言えばそうなんだけど、なんかそんなんじゃ気がおさまらないんですけど?

5 out of 10

プロットにオリジナリティがあったり、作家の文章力が高かったりとか色々素晴らしいところがあるのかもしれないけれど、そんなこと考えていられないくらい depressive 私にとってはもうそれだけ。
お勧めしません!
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While we're young

2017年03月21日 | 映画
ドキュメンタリー映画監督のジョッシュと妻のコーネリアは、子供には恵まれなかったが二人で満たされた生活を送ってきているつもりだった。
ある日何にも捉われず自由に「物作り」をしている若いカップル、ジェイミーとダービーに出会い、彼らの斬新な生き方や思想に、夫婦そろって感化されていく。
それと同時にこれまでの生活リズムや二人の関係が揺るぎ始め、また周囲との距離も顕著に現れるように。

コメディのはずなのにメッセージが難しいなぁと思ったら、Noah Baumbach という監督の作品でした。
もう、彼の作る作品をコメディとカテゴライズするの辞めたらどうですか?と声を大にして言いたい。
以前は「 Greenberg」で苦戦。それでもなんとなく「わかる気がする」とは思ったのでマシ。「Margot at the wedding」は何を伝えたくて作られたものなのかさっぱりわからず、さらに遡ると The life Aquatic....は中では何やら盛り上がってるみたいですけど、話が全く入って来ないし、クスりとも笑うシーンが見つからず。とにかく相性が悪いしなかなか理解できていない作品ばかり。
ただ今回のはこれまでの中では一番共感できるし、メッセージも伝わってきたかな。

頑固で凝り固まった発想から抜け出せないため成功が遠のいていっているベン・スティラー演じるジョッシュと伸び伸びとした発想で臨機応変に発想の転換のできるジェイミーの対比は、まさに現代社会の縮図。
昔ながらのしきたりや社会のルールを重んじるばかりに押しつぶされそうになりがちな私たち世代と、「個性を大切に!」と周りが変わっていった時代に育ったゆとり世代。
ジョッシュに同情すれども若い子の柔軟さがまぶしい。



ジェイミー役は最近活躍中のアダム・ドライバーという俳優さん。私が初めて見たのはつい最近の「沈黙」のマーティン・スコセッシ版「サイレンス」のトレイラー。見た目が強烈でこれからよく見かけるだろうなぁと注目していました。演技というか佇まいが只者じゃない雰囲気があって、売れっ子になりそう。ちょっと私の好きなポール・ダノと役を争いそうなポジションかも!

3 out of 5
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The Rosie Project

2017年03月19日 | 洋書
39歳大学教授のドンはそろそろ生涯のパートナーを見つけたいと思いながらも、出会いの場を求めて、デートして、合わないとわかってガッカリして、とのプロセスを踏むのはもうこりごりだと考えた。
そこで思いついたのが、アンケートをとって事前に自分に合っている可能性のある女性にだけコンタクトをとるということ。
さてさて、ドンは理想のパートナーを見つけることができるでしょうか。


評判通りとっても面白かったです。
字がかなり大きめで老眼鏡が手元になくても読めるという利点もあり、サクサクっと読めました。
変わり者の科学者ドンの視線で書かれているので、やや難しい単語や言い回しもありますが、非常に読みやすい作品でした。
もう、とにかくニヤニヤしてしまったりクスッとしたりで、外出先でコーヒー片手に読んでいた私も周囲には変わり者に見えたこと間違いなし。

ここ数年日本で使われている「空気を読む」とか「上から目線」とかいう言葉や感覚が大嫌いな私は、ホントこの作品の内容やメッセージになんだか救われた気持ちになります。
他人のことを「あの人,空気読めないよね〜」やら「空気、読みなよ」とかって言う人、なんで自分が「読んでいる」それが正しいと自信持ってるんだ?とか思うわけですよ、私は。
もちろん世の中には場の雰囲気を飲み込めなかったり、そぐわない言動をしてしまう人がいるでしょう。多かれ少なかれ誰だってそう。だけど、なんだって偉そうに批判をしたがるのさ?と。
上から目線、って、あんたのいるところが中間地点だと誰が決めたのか?とかね(笑)

それと、ちょっと自分と違う言動をする人を病気扱いする人の多いこと、多いこと。
自閉症の多様性が広く認知され、ヘルプの手が増えている事はとても良いことなのに、理解する方向ではなく、差別する方向や逆に極端に「素晴らしい個性」扱いする方向に向かっていっている気がしてならないのは、私の日本の情報がネット上に偏っているせいなのかもしれないけれど、なんというか自然じゃないなぁと。
この私の意見をまた「外国かぶれで日本を上から目線で批判」とか思う人もいるだろうし、「いやいや、あんたも今思いっきり他人を批判しているでしょうが!」とかねぇー、ハッハッハ。イタチごっこだよね。

この作品の登場人物たちはそれぞれ曲者ですが、他の人間の言動に対してアドバイスはするけれど、そのまま受け入れたりサポートしたりで決して否定や批判はしません。そこが魅力ですよね。
私は基本「自分はこう思う」を持っているしはっきり言う方だけど、討論は嫌い。これまで周りも同じ感じできていたのが、最近付き合いのある人が、自分の意見と違うと食ってかかってくる人で、めんどくさい。
「別に良くない?それぞれ感じ方があって考え方があるんだからさー」と心の中では思っているけど、面倒くさいので、「そお?あー、そうかもね〜」と手のひら返したように適当に向こうに合わせておくんだけど、とにかく逃してくれない。すご〜いストレス!
それぞれに生き方があって、考え方があって、受け入れてくれる人も受け入れられない人もいて、いいじゃん、それで!
でも愛する人がいたら、大切に思う友人がいたら、自分をちょっと変えて寄せていったり、でも無理はせずに、って、そういうことです、はい。

9 out of 10 巻末にドンの作ったアンケート用紙もついているところがまたユニーク。

ちなみにちょっと薀蓄披露しますが、かのダーウィンも「理想の結婚相手」の条件を紙に書いてリストアップしたんですよ。科学者ってそんな感じなのかもね〜と思ったけれど、ダーウィンもドンも普通に結婚相談所のしていることを個人でやってしまった、というだけの話かも!

勝手にキャスティングコーナー

この作品は出版されてから直ぐ人気があって映画化も予定されていたのが頓挫したんですよね。その時決まっていたのがジェニファー・ローレンスをロージー。さすが、ピッタリだったと思うなぁ。なので残念。
この作品はとても楽しんだけれど、どの役も誰がやってもいいかも。
絞り出すと、ロージーをエマ・ロバーツ、ドンは雰囲気はスティーブン・マーチャントもいいんだけど、彼だとweird 度が強すぎて、「服装と言動以外は結構ハンサム」という設定にはマッチしないか、、、、
もう少し昔だと、黙っていればハンサムなコメディ俳優は結構いたよね。ベンスティラーとかスティーブカレルとか、ベン・アフレックとか。40前後で見た目よいのに残念な人、誰だろう?オーランド・ブルーム?トビー・マクガイア?
うーむ、、、、でも誰でもいいから(後でケチはつけるけど)映画化実現して欲しい!

メッセージ to *jonathan*さん
ポール・ラッドがありかもと思ったら、あの人思いのほかおっさんだったのね!年齢調べてびっくりした。
ちなみに名前一発で出てきました、ついに。
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The IT Crowd

2017年03月12日 | テレビ
今から10年以上も前、2006年から大人気の British sitcom を見始めました。
クリス・オダウドとリチャード・Ayoade 出演なのに何故か今まで意地になって見ないで来ました。
なぜか、とは言いましたけど、理由はなんとなくわかっています。
多分あの爆発的に人気のあった「Office」と同じようなノリだと思ったからです。私はあれは実はそんなに好きじゃなかったんです。

で、シリーズ1のエピソード1はかなり面白くて声をたてて笑いました。
クリスはともかく、リチャードのコメディってもっとシュールでクセのあるものかと勝手に思い込んでいたのですが、別に彼が書いてるわけでも演出してるわけでもないですもんね、なんかどうしょうもないくらい王道の使い古したようなギャグやらボケやらのオンパレード。例えていうなら、ドリフの全員集合的な、次のボケも最後のオチも丸わかりの安心感。
2話目は1話ほど面白くはないけど、残念に思うほどつまらなくもないという、、、、
まぁ、気の向いた時にのんびり数話ずつ見ていこうかなっと思っています。
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映画 Room

2017年03月11日 | 映画
数年前に原作を読んで、その内容、言葉の使い方、キャラクター描写、全てにショックを受けたこの作品を一体どうやって映像化したのか興味津々で待ちわびていました。
わかりやすくまとまっていましたね。良かったです。
特に「賭けに出る」シーンは、読書中のザワザワした気持ちを思い出しながらも、やっぱり映像の力強さに魅了されました。
でもそれと同時に私が頭の中で映像化していたのと風景もぴったりマッチしていて、いかに作者の描写力が優れていたかを再確認もしたのです。
母親役、息子役、どちらの演技も素晴らしかったです。

3.5 out of 5 後半の時間の進み方がやや遅過ぎたかな

原作の評価は 9 out of 10 なので、未読の方には今からでもお薦めします。
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