hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Ghost Whisperer

2010年09月30日 | テレビ
 「死後の世界」つながりで、こちらのドラマについて書きます。

 メリンダは死者と交流することのできるギフトの持ち主。
 この世に思い残すところあって成仏できないでいるゴーストたちを助け、安心してクロスオーバーさせることを使命に思っている。

 大好きなドラマです。
 最初のシリーズから、毎回涙しながら観ています。
 根本に流れるテーマはもう「人を思う気持ち」につきます。家族への気持ち、友人への気持ち、恋人へ、同僚へ・・・
 もう毎週、力いっぱい「お涙ちょうだいもの」なのですが、天の邪鬼の私も泣かされっぱなしです。
 そのくせ、結構オカルト的な部分も強く、ホラー映画なみに怖いこともしょっちゅう。

 一番の魅力はなんといってもハズバンドが素敵
 真面目で仕事熱心、理解力があって、包容力があって、ロマンチックでね~
 見た目のくどさも私はOKですし。
 
 番組制作に関して言えば、どういうわけか複雑な構造にしようとしておかしな路線に進むことが多々あるのですが、いつも途中で「なかったこと」になり、辻褄が合わないことはしばしば。そこをなんとも強引に無視して、どんどんシリーズが進んでいっているところはあっぱれ、お見事。何年も経った流れでも何でもないのに、友人の小学生の息子がある日突然高校生になっていても何の説明もなし!「何事もなかった」ように進行しています。
 現在放映中のものもなんとか複雑にしようとしている感がありありなのだけれど、もうわりきって「毎回一話完結、困っているゴーストを助ける」ことだけに集中した方がいいと思うんですけれど。そしてそれで視聴者が離れて行ったら、もう終わりにすればいい。
 
 主役のメリンダの体形の変化とファッションのチェックもまた面白いですよ。

   
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The Great Blue Yonder

2010年09月29日 | 洋書
 映画館が昼間なのにひんやりするのは、決してエアコンのせいじゃありませんよ。
 それは、この世に unfinished business のあるゴーストたちが午後から映画を観に来ているからなのです。

 You'll be sorry when I'm dead!

That's what Harry said to his sister before the incident with the lorry. And now he is just that-dead.
And he wishes more than anything that he hadn't said it. He wishes he could say sorry.

 お姉ちゃんと口げんかして家を飛び出し、ダンプに轢かれて死んでしまったハリー。
 一言でいいから謝りたい、お姉ちゃんにそのことは気にしなくていいと伝えたい、と強く願います。
 
 主人公ハリーが非常に子供らしく素直で、好感が持てるところがこの本の良さでしょう。 内容は特に目新しいものではないのですが、彼の一人称で語られるユーモアたっぷりの「あちらの世界」の様子や、思いを遂げるために戻ってきた「こちらの世界」での様子、彼の心の変化などが、丁寧に描かれています。
 子供の死をテーマにしていますが、前半は主人公のさっぱりとした受け止め方のおかげで、ゆったりとした気持ちで読めます。
 ところが、後半家族を訪れたところから、主人公の気持ちが揺れて揺れて、雰囲気がガラリと変わります。でもこれが自然な流れではあります。

 薄さの割には行間が狭く字がびっしりで一瞬ひるむのですが、内容的にも王道的な児童書ですし、とにかく語り口が軽く楽しく始まり、後半に向かって深いところに引き込まれるようなので、難なく読み進めるでしょう。

 10歳のハリーとものすごく気が合うな~なんて思いながら読んだ私(精神年齢が同じくらいとみた)の評価は 8 Out of 10

 「子供が読む児童書」としてはかなり完成度が高いとは思うのですが、「大人も楽しめる児童書」としては「Skellig」や「The Curious Incident of the Dog in the Night-time」などに比べると、行間からにじみ出てくるものがあまり感じられないという意味でちょっと低めに。
 読んでいる最中はハリーと共にありましたが、評価の時だけは一応大人目線で(笑)
 
  
 

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Judy Moody Gets Famous

2010年09月28日 | Nancy 10 読書
 学校の図書館で見つけてきたそうです。
 アメリカでは女の子に人気のシリーズなのかな?

 Judy Moody's in the mood for fame!

Good moods, bud moods, can't-stand-Jessica-Finch moods-Judy has a mood for every occasion!
Right now, she's in a jealous mood-jealous of Jessca Finch, who has got her picture on front page of the newspaper.
So Judy sets off in pursuit of her own fame and fortune. But all her efforts could just end up making her more infamous than ever!

 娘が読んだこの本はシリーズ2冊目のようです。
 クラスの女の子が新聞に載ったので、自分もなんとか有名人になろうと色々やってみるけれど、どれもこれも失敗に終わる女の子ジュディが主役です。

 137ページもありますし、ページごとにイラストがあるわけでもありませんが、字が大きく行間が広いので、小さいお子様でも読みやすいデザインになっています。
 何より次から次へと面白いことを思いつくジュディのキャラクターが魅力的みたいですね。夢中で一気読みしていましたよ。

 作者はジュディに自分を重ねて書いているようですし、イラストレーターはジュディが自身の娘と重なり、とてもイメージしやすいと語っていました。

 うちの娘は多少不思議チャンなところはあるのですが、全くと言っていいほど moody ではないので、親としては助かっていますし、他の女の子のお母さん、大変そうだなーと常日頃思っています。頑固で言うことを聞かない点では苦労もありますがね(苦笑)
 それに jealous person でもないですね。お友達に何かいいことがあると素直に喜んでいます。
 なので、私も作者たちと一緒にこの本に共感しながら読めるかどうかは謎ですね~
 いやー、私と違ってできた人間ですよ、Nancy は。ハハハ

 
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The White Tiger 読了

2010年09月27日 | 洋書
 The White Tiger 読み終わりました。
 実は読み始めたのは5月だったのですが、あまりに面白くてあちらこちら持ち歩いているうちに紛失。最近買いなおして一気に読み切ったのでした。

 低い身分で貧しい家庭出身、親に boy と呼ばれるだけで、名前すらつけてもらえなかった主人公。学校へ行って先生に初めて名前をつけてもらうのですが、それも「仕えるもの」という意味のもの。しばらくは生まれた町で身分相応の仕事をこなしていましたが、大きな町へ出て裕福な家の運転手になることに。
 そんな彼が主人を殺し、盗んだお金でビジネスを成功させるに至った過程を、中国の首相に宛てた書簡の中で明らかにする、という話。

 何が起こったか、が作品の中心ではなく、そこに至るまでの主人公の生活ぶり、心情の変化などを丁寧に書いたものです。次に何が起こるかワクワク、ドキドキというのとは違うけれど、どうしょうもなくグイグイと引っ張られる文体には驚きます。
 とても特徴的なのは主人公がものすごく観察力のある人物で、自分自身のことであるにも関わらず離れたところから客観視しているような思考をするところです。
 前半は彼の暮らしぶり、主人の家族の横暴ぶりが描かれており、我慢に我慢を重ねて、ついにキレてしまい殺人に手を染める過程が描かれているのかと思うのですが、不思議なことにそれもまた違うんですね。「その時」はフラリとやってくるのです。
 
 読者はフィクションではありますがインドの一面を知り、驚愕し、切なく思い、それでも明るく真っ直ぐに生きる主人公に安堵し、彼のユーモアのセンスに微笑み、血なまぐさい場面に眉間にしわを寄せ、お金を手に入れた主人公の変わりようを残念に思い、最後にしんみり・・・と、ここでまた一行面白い文があってプッと吹き出してしまうんですけど。
 読み終わった後に、色々な思いを抱くことでしょう。
 私の評価 迷うところなく 10 out of 10

 ちょっとインド人とカーストについての脱線話を。
 今でこそどこに住んでいるのかわからなくなるくらいインド人に囲まれて暮らしていますが、子供たちが就学する前はお付き合いしているインド人が二家族でした。とても対称的なP家とB家。
 P家はママは医者、祖父は法廷弁護士、パパは・・・開業準備中?
 話の流れで「医者か弁護士と結婚しなくても良かったの?」と訊ねたら、「Patel同士だったので祝福してもらえた」とのこと。名前やカーストって大事なんだなーと。
 一方、B家は掃除機も洗濯機もなく、教育もままならないビレッジ出身者(同じカースト)同士での結婚。そこの奥さんがこう言いました。

 「カーストは上下じゃないよ。貧富の違いでもない。ただグループが違うだけ」
 
 White Tiger の主人公を始め、登場人物はカーストは明らかに上下、貧富ととらえています。同じ低いカーストながらも、個人の下についてその差を思い知らされる毎日を過ごしている者とそうではない人たちの違いなのでしょうか。

 その友だちは、インドでは教科書を渡されただけで英語教育を受けたことがなかったけれど、とても頭のいい子で、こちらで英語を習ったらものすごい速さで上達していました。
 彼女のようにたくさんの賢い子が教育を受けられずにいるのかと思うと残念でなりません。だけど彼女と話していると、そういう風に考えること自体もなんだか違うのかな、という気もしてきました。
 
 今後読む予定のある方は、ぜひ私の持っているこの表紙の本を買ってみてください。
 The White Tiger タイトルも表紙のイラストもとても象徴的で素晴らしいです。
 一つだけ気になるのが裏表紙の内側。作者の顔写真がアップで載っているのがちょっと・・・上の部分がおでこまでで切れるくらいのどアップにした意味はなんだろう、って。

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Esio Trot

2010年09月26日 | Nancy 10 読書
 Mr Hoppy really loves his neighbour Mrs Silver, and Mrs Silver really loves her tortoise, Alfie. One day Mrs Silver asks Mr Hoppy how to make Alfie grow, and suddenly Mr Hoppy knows the way to win her heart. With the help of a magical spell and some cabbage leaves, can Mr Hoppy be happy at last?

 ダールの作品にしてはめずらしく?ほのぼのとしているお話。
 私がずい分前に読んだ時には、恋愛ストーリーだし、いくつくらいの子が喜んで読むのかなーなんて考えていたのですが、うちの二人はどちらも6歳、7歳に最初に読み、何度も読み返しているようなので、小さい子でも楽しんで読めるようです。
 ところで、この本のタイトル、フランス語かなー、それともアブラカタブラのような呪文なのかなーと気づかずにいたのですが・・・・
 英語です。ヒントはふたりの間をとりもったアルフィーが逆立ちしたら・・・

 ところで、ヒントってアメリカ英語なんだろうか?
 うちの子供たちはいつもクルーといいます。


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James and the Giant Peach

2010年09月25日 | Captain R 13 読書
An enormous escaped rhinoceros from London Zoo has eaten James's parents. And it gets worse! James is packed off to live with his two really horrible aunts. Sponge and Spiker. Poor James is miserable, until something peculiar happens and James finds himself on the most wonderful and extraordinary journey he could ever imagine...


 相変わらず出だしから衝撃的ですねー。ジェイムスの両親はサイに食べられちゃったんですか!
 こちらは Year 5 最初のグループリーディングの本でした。何を今さらこのレベルの本?と思ったけれど、ページ数やイラストの多さにしては、文字がぎっちりで、確かに Year 3 の Nancy には難関そう。実際彼女は15冊セットが届いた時、タイトル名や表紙絵に魅かれて一番最初に手にしていましたが、一日で挫折していました。(時間と忍耐力があれば十分に7才でも読めるのですが)

 今年からリーディングフォーカスはやめたらしく、実際グループでどんなことをやっているのかさっぱりわかりません。
 しかも一日で読み切っていった息子は先生に叱られたそうですよ。同じグループの子たちが何人か私に報告してくれました。
 ミーティングでは毎週本を変えるようなことを言っていたくせに、もう何週も同じ本を持たされています。一体何をやっているんだか・・・・
 なぜ私がこんな不満げなのかというと、

 担任の先生、やめるそうです!

 理由は遠くから仕事に通うのがうんざりしてきたから、だそうです。

 だったら最初っから、今年度の担任を持つな! と言いたい。

 新学年が始まって一カ月もたたないうちにこれですからね。もう少し人生、計画性を持って生きようよ。
 学校側も結構子供のこと考えない人事をしていると常日頃から思っていたのですが・・・例えば明らかに数ヵ月後に産休に入る人に担任を持たせるとか。

 Disorganised and irresponsible

 こういうのがまかりとおる世界なんだよなー、この国。

 
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Crepe,Ballet and Golf

2010年09月22日 | 日記
 日曜日我が家は Boys と Girls に分かれて行動しました。
 私と娘はバレエを観に行きました。
 恒例の Trocadero Monte Carlo です。
 世界中の素晴らしいバレエが観ることのできるこの地で、私が毎回必ず行っているのが、このバレエ団の公演です。
 面白くて病みつきなんですよ!
 カーテンが開く前のアナウンスから、大爆笑。
 笑いどころも満載ですが、それでいてはめをはずしすぎず、技術の面でも手は抜かないところが大好きです。
 前回は2年前ですが、その年は多少「俺たちコメディだけじゃないぜ!テクニックで勝負だってできるんだ!」的なところが出すぎていたような気がしましたが、今年はその辺が抑え気味で、好感がもてました。
 私の好きなダンサーは、顔(メイク)もスタイルもとっても女性的で素敵なのに、毎年胸毛だけはしっかり出して踊る人。彼は、最後の演目でこの上メガネまでかけていました。こういう細かい芸に弱いです。
 
 バレエに行く前にクレープの屋台へ行きました。
 何十分も並んだので、本当は一つでいいところ二つ買いました(この気持ちわかる?)。ところが、娘は日本のお祭りで食べた安っちいクレープが食べたかったらしく、がっかりしていました。顔も一張羅もチョコレートだらけ・・・・
 

 男子はゴルフ。本来留守番をすべきところ、どうしてもゴルフに行きたいゴル吉(父)は、周りのヒンシュクを覚悟して、かなり強引に Captain をコースデビューさせました。
 なかなかのプレイだったらしく(うそうそ)、危うくニアピンも獲りそうな勢いだったそうです(こっちは本当)。


 家族全員地味にしっかり本を読んでいますが、記録する気力が nothing であります。
 放課後には息子が来年願書を出す学校の見学会や、私の胃が反回転するほど大変な娘のバレエの特訓などで、バタバタしています。
 やっと落ち着いたと思ったらクリスマスシーズン到来かぁ・・・・・

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青の炎

2010年09月19日 | 映画
 17歳の櫛森秀一は、女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に再婚しすぐに別れた男が現れ、居座って傍若無人に振る舞い出した。
 警察も法律も家族の幸せを獲り返してはくれないことを知った秀一は自らの手でその男を葬ることを決意する。
 完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。

 ずい分前に原作を読みました。
 映画化になり、二宮が主役ということが始めから分かっていたので、そのつもりで読んでいたし、まぁ雰囲気も合っているのではないかと思っていたのですが・・・
 全体的にキャスティングが全くダメダメだったと思います。特に勝手に上がり込んできた男役が山本カンサイって・・・・でも、死に方は結構やるじゃん、と思わされましたが。
 二宮はきっと蜷川監督と舞台からの間柄だったせいで、きっと監督の期待に応えようとあのような演技だったのではと想像するのですが、感情を表に出しすぎる点が原作のイメージとかけ離れていました。殺しのシーンは(二度もあるのですが)なかなかイメージ通りで良かったのですが・・・
 死に方と殺し方に高い評価を下している私はちょっと変かも。
 原作での主人公はあまり感情を表に出しません。自分の心の奥底で怒りをためこみ、緻密な完全犯罪を静かに丁寧に計画していきます。だからこそのタイトル「青の炎」。このタイトルには彼の内から放たれる怒りと、殺人の決定的な方法から発するもの、の二つをかけていると思います。
 1人だけイメージ通りだったのは刑事役の中村梅雀。人の良さそうな柔らかいあたりのわりには、シャープな目を持っていて、じわりじわりと秀一の完全犯罪の綻びからくいこんでいき、真実をつきとめて行きます。
 全体的には無駄なシーンを省き、よいまとめ方ができていると思いましたが、自転車に乗っている秀一にもう少し語らせるとか、絵具を使ったトリックなどキーとなった部分ももう少し描写して欲しかったかな。
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日本の映画を数本

2010年09月16日 | 映画
 今日は日本映画を数本。たいしたこと書かないので、今日訪問してくれた人、ごめんなさい。一応面白かった順。


「20世紀少年」シリーズ

 先が気になって仕方なくなる、という意味で成功した作品でしょう。
 細かーいディテイルが時折ノスタルジックになりたくなるおじさんとおばさんの心をくすぐりました。
 全体的に上手に社会問題をとりいれていると思いましたが、最後に懐かしのお葬式ごっこと、言葉はしりませんが、「存在の抹殺」的いじめを盛り込んだのも時代的なものを象徴していて良かったのですが、「ともだち」君のキャラ設定が第一章から最終章への過程でかなり変わりすぎているのが強引で、無理があったのが気になりました。
 キャスティングもほぼ良かったのですが、常盤貴子を他のメンツの同級生にするのは、かなり誰かのわがままが反映しているのでは、と思いました。
 カンナ役の子、なかなかいい演技をしていたと思うし、すごーく綺麗な顔していましたが、その後活躍していないんでしょうか?見かけませんね。


「カイジ 人生逆転ゲーム」

 マンガ、ですね。
 カイジみたいに勢いに気圧されてフラフラ深みに嵌ってしまったり、簡単に人を信じてしまったりなど、私も同じようなタイプなので、見ていて辛くなることも。でもまぁ悪くはなかったし、原作は面白いんだろうな、と。
 藤原竜也の魅力ってなんでしょうね。よく分からないのですが、個人的には熱くなって語っているシーンなんかは、宿題したくなくて泣きわめいているキャプテンを思い出して嫌でした。


「アカルイミライ」

 松ケンチョイ役つながりで。彼はだれている高校生集団の1人でした。
 私はこの映画について語れるほど、若者の気持ちがわかるわけでも、映画ツウでもないので、オダギリジョーがカッコいいってことと、クラゲが綺麗だったということだけ書いておきます。


「恋空」

 ブラッディ・マンデーでしか三浦春馬を知らなかったので、イメージの違いに驚いた。
 内容は・・・・・もう私には「無理」!
 とにかく「好きな人が別にいるけど、他の人と付き合う女」が嫌い。
 
 えっと、今日はここまで。おしゃべりのしすぎで疲労がピーク。
 明後日に古(!)ボディマッサージをするのが待ちきれない!
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映画「Lovely Bones」

2010年09月15日 | 映画
 私は特に原作のファンではなかったので、期待度ゼロでみたせいもあり、「いいんじゃない、これはこれで」という感想を持ちました。
 それでは、私の好きなシーンを抜き出しながら、書いていこうと思います。

 私は前半部分はとてもよくできているという印象をもっています。
 普通の、というか表面的にはすごく仲の良い家族の姿、でもその実、両親の愛情のウェイトみたいなのがどことなく長女寄りで、次女のリンジーの微妙なポジションや気持ちがカメラのターンだけでよく表現されていたし、幸せで一見なにもかもうまくいっているようなのに母親のどことなく心ここにあらず的な雰囲気もレイチェル・ワイズのたたずまいで伝わってきました。
 ロッカーの前でのレイとのシーンも良かったですね。レイの笑顔というか、八重歯にクラっときました。主人公のレイに対する思いも表情一つ一つでよく描かれていたと思います。
 シェルターの中での犯人との二人の様子をじっくり大事に撮ったところも良いと思います。疑いながらも「知っている人だし」という油断した気持ち、だんだんと不安になっていく様子が主人公の表情から、ひしひしと伝わってきました。
 まぁ、全体的に良かったのはここまでです。

 原作以上に父親が犯人捜しに没頭していった様子がしっかり描かれていた気がします。それはそれはフランティックに犯人を見つけ出そうとしている姿をマークが上手く見せてくれたと思います。マークにお父さん役というキャスティングがなかなか面白かったんじゃないかな。いいかげんギャングと刑事の役ばっかりやっているのもねぇー。
 結局あまりにも抽象的でよくわからないままだったのですが、父親がMrハーベーのテント作りをするシーンは原作のイメージにピッタリで、いいなーと思いました。

 本来この作品のテーマは、スージーが残された家族の再生を願うことと、自分の死を受けとめること。
 の、はずなんですが、私の興味は原作を読んだ時も映画を観た時も、完全にテーマから外れちゃっています。
 一番好きなシーンは、リンジーがボーイフレンドとキスするところを主人公が柱にしがみつきながら見つめる場面。そして念願かなってのレイとのキスシーン。すっごい可愛かったぁ。(キスだけで終わって良かったぁ・・・・詳しくは過去の原作のレビューで)
 私の泣き所は、この二つのシーンでした。
 私はそもそも恋愛映画やロマコメなどには興味のない方なのですが、そうじゃない映画のこういうシーンにはとても魅かれてしまいます。例えば「エリザベス」、大好きな映画ですが、政治的なところよりも、ロバートとの関係に注目してしまったり。

 ダメだしするとキリがないのですが、最後はリンジーの活躍で犯人がわかり、警察がグッと大きく動き出す感じで終わったところもいいと思ったのですが、あの「つらら」が分からない。何かを象徴していたのでしょうかね?飛行機の中で観たので大分削ってあって分からなっただけなのか、意味不明でした。
 Mrハーベーの最期はめっちゃ陳腐だったけれど、監督はとりあえず悪人を成敗しておきたかった? 
 原作ではリンジーの彼氏の存在がものすごく大きかったのですが映画の中ではほとんど存在しなかったことが残念なことと、レイとルースのキャラにもうちょっと肉付けをして欲しかったけれど、時間の関係で無理だよなー。

 結論、演出・脚本とかそういうのどうでもいいくらい、主人公の女の子の演技力と目の青さに助けられた作品でしょう。
 
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small steps

2010年09月14日 | 洋書
 「Holes」の続編。Camp Green Lake で主人公 Stanley と同じ班にいた Armpit が主人公。グループの中でなぜかしらリーダーだった X-Ray も登場します。

 Upon returning to Austin, Armpit set fice goals for himself. Five Small steps.
1. Graduate High School
2. Get a job
3. Save his money
4. Avoid situations that might turn violent. And.....
5. Lose the name Armpit
 Armpit finds all his small steps becoming much bigger than he had anticipated. When he gets mixed up with his old friend X-ray in a ticket scam, things look set to unravel. But this is only the beginning of Armpit's troubles.....

 読み始めは、過去に過ちを犯した少年が、更生していく途中で悪い仲間に誘惑されてまたしても犯罪を犯してしまう、という様なセッティングが嫌というか辛くて、なかなか気分が乗りませんでしたが、すぐに本を置くことができなくなり、ハラハラ、ドキドキしっぱなしでした。なんだか心臓に悪い本ですよ。

 黒人の少年二人を主要人物にし、「Holes」よりもさらに深く人種差別について触れています。ここで少し他と違うのが、この少年たち側が差別を意識しているのではなく、周りが意識しているのですね。えっと、どう言ったらいいのかな、黒人であるArmpit が何とも思っていない、もしくは慣れているので聞き流しちゃっている様な言葉などに、白人の第三者が過剰に反応するのです。本当のところ、それもまた差別なんだけれど、本人たち的には純粋に善意からくる言動なんですよね、難しいところです。でも、結果的にはその人たちを中心に本当によい人たちがたくさん出てくるところが、私のこの本が好きな一つの理由でもあります。
 
 「Holes」の雰囲気をそのままに「集団生活の中でのサバイバルスキル」についてもよく書かれています。あちらこちらに「生きるヒント」となるような素敵な言葉がちりばめられているのも特徴です。
 「Holes」は読んだけれどこちらはまだの方、ぜひ手にとってみてください。   
 
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Cemetary Junction

2010年09月13日 | 映画
 「オフィス」のリッキー・ジャービスとスティーブン・マーチャントが制作したノスタルジックな作品。
 これは一見いかにも私好みの英国映画であります。その証拠に、Captain R が飛行機で、「お母さん、Cemetary Junction 観た?あるよ、ここに」と言ってきました。
「うん、観た観た、一番最初に観たよ。」
 だけどどうして?どうして観たかったこと知っている?
 好きな俳優が出てるわけじゃなくても、写真とあらすじを読んだ感じで、私の好みだと察知したらしいですね。

 ワーキングクラスをなんとか脱出したい主人公フレディ(なぜかポスターでは真ん中にいないのですが)が、ワーキングクラスから這い上がったレイフ・ファインズを崇拝し、彼の経営する会社に勤め、将来に夢をもちます。
 一方、友人二人は「あるがままでいいじゃないか」の信念のもと(もしくは諦めのもと)変わらぬ生活を続けます。
 当然彼らの間にわだかまりが生まれてくるのですが・・・・

 なんだかんだあって、憧れていた世界が決して理想的なものではないことに気づき、フレディは友人二人と一度外の世界に飛び出してみようと決意します。
 ところが、ブルースはそれまで反発してきた父親がいかに自分のことをケアしているかを知り、もう一度関係をとり戻すために残ることにします。もう一人の友人も彼女ができ、地元に残ることにします。
 ここでですよ、「あらら」ということが起こります。これは一人の青年の成長の物語で、自分探し、自分の居場所を探すことへの第一歩を描いた作品だったのではないの?!
 フレディはなんと友だちが行かないならと、乗っていた汽車から降りて帰ろうとするんですよ!なんにも成長してないじゃないの?友だちに依存したままじゃないの!
 で、まぁ、なんとなく消化不良の終わり方をしたため、評価も微妙・・・・・

 これは英語があまり聞き取れなかったので、もう一度字幕つきで見直ししなければならないのですが、今のところ、本篇よりもリッキーとスティーブンとレイフの3人でやっているトレーラーが一番面白いです。必見です。
 レイフがとことんイジラレテいるのですが、気の利いたコメントバックもなし、苦笑いもせず、ひたすらマジ顔でカメラを見つめる姿は演技なのか、ただどうしていいかわからずにいるのか、摩訶不思議。
 えっと、必見です。映画じゃなくて、トレーラー、must-see です。
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原点はこの本「あっぷっぷ」

2010年09月12日 | 我が家のお気に入りの本
 我が家の Very First Book はこちら、永岡書店の「あっぷっぷ」。
 多分どちらの子の時も生後2日目から毎日読んでいたと思います(!)
 早くから読み聞かせをすると頭が良い子になる、本好きになる、なんて考えは全然なく、ただ何か一緒にしたかっただけ。手がかからなかったから、そうでもしていないとおむつ替えを1日20回くらいしちゃいそうだったし。
 ゴル吉には「読んだってわからないのだから、自己満足にすぎない」と言われたけれど、So what? たとえそうだっていいじゃない。

 この本はもう、めっちゃくちゃ面白いですよー!!!
 一ページごと色々な動物が「あっぷっぷ」をする単純なものですが、その表情はそれぞれ豊かで、台詞(?)がそれぞれ個性的で、ここをどう表現するかが、お母さんの腕にかかっています(笑)
 0歳から4歳までたっぷり楽しめますが、飛び出す絵本なので寿命は短いかもしれませんね。


今日の日記:

 今日はNancyのクラスの男の子のバースディパーティでした。
 もとチャーチホールだった煉瓦の建物を、外観はそのままで、中を改装して、モダンでお洒落なシネマでした。貸し切りです、貸し切り!
 お母さんは芸能人じゃないかと疑うくらい可愛くて、うちの学校のプレイグラウンドに存在しているのが嘘のよう。Nancyが転校したての時、あまりの綺麗さにびっくりして、ちょっと恥ずかしいけれど、ほかのお母さんに
 「コビーのお母さんは、just mum なの?」と訊いた私。
 「うん、そうだよ。でもブラザーが俳優みたいよ」ということだったので、今日コビーママの手伝いを甲斐甲斐しくしていた若くてカッコいい男の人は彼女の弟だと決めつけていたのだけれど・・・・
 ボーイフレンドだったみたい。そんな事とは知らずに、いっぱい空席があるにも関わらず普通に隣の隣に座ってしまった私。なんとなくおかしな空気が・・・・
 パーティ終了間近、誰かが彼の方に「コングラチュレーション」と言ったのが聞こえてきて、あれ、やっぱり?と思っていたら、その後この彼が、コビーママのことを「ハニー」と呼んでいた・・・・・なんか、やっちゃったなー。空気読めないとはこのことだ・・・・どおりで他の人たちはその列に座らなかったものねー。
 映画は「Back to the Future」いやー、面白かった。きっと100回でも平気で観れそうだな~
 
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カンナさん、大成功です!

2010年09月11日 | 映画
 鈴木由美子のものって、いくつになって見ても面白いのねー。
 その昔「白鳥麗子でございます!」が大好きでした。
 長年、理想の男性は哲也君でしたよ。(あー、それなのにそれなのに、九州の男と結婚するとは(涙)
 マンガもドラマもどちらも面白かったけれど、ドラマの方、白鳥麗子は鈴木保奈美も松雪も良かったけど、哲也君は断然萩原聖人でしょ?
 
 この作品は全身整形したカンナが、ブスの時にも優しく接してくれた浩介君のそばにいたくて、彼の勤めるアパレル系の会社に就職することからストーリーは始まります。
 セッティングがファッション業界とあって、一つ一つのファッションをチェックするのが楽しかったですよ。
 全くあらすじを知らなかった私は、途中までてっきりしずちゃんが術前で、山田優が術後だと思っていたので、「完全リフォーム」といっても、やっぱり元が多少残るんだなー。だから似ている二人を起用していて上手いなーと感心したのですが、なんか違っていました。
 誰もが振り返る美人に生まれ変わったカンナですが、行動はなかなか「美人的」にはいきません。そんなところからドタバタとホロッとするエピソードが広がります。

 なんかもう、いい年して「そうだ、そうだ、そうだよねー」「うん、わかるわかる」など心の中でめいっぱいうなずきながら見ちゃいましたよ。
 原作者はなんでこんなにブスの、あ、いえ、あまり可愛くない女子の気持ちが分かるんでしょうねー。

 私が常日頃信じていることは「可愛い子は性格もいい!」

 だって卑屈になったり、ネガティブになったりする要素もそうそうないわけじゃない?
 可愛い人が人の悪口言ったり、あれこれケチつけたりしているのって見たことない。
 結局映画の中でも素から美人の菜菜子ちゃんが一番いい子だったと思うし。
 可愛く「作っている人」は知りませんけどね。(←こういうことを言うことが、もうすでにね・・・)
 
 映画の中で、しずちゃん演じるカバ子が「長澤まさみに似ている」という嘘のお世辞を信じて、自信をもち、キラキラ輝いた女の子に変身するところがすごい!
 自信を持つことは最重要だけれど、ポジティブに生きるにはお世辞を信じることも大切だなー、とつくづく考えました。
  
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Dirty Sexy Money

2010年09月10日 | テレビ
 私の大好きなドラマなのですが、視聴率が悪く打ち切りになったはず。
 かなり好きで毎週ワクワクしながらみているのに、なんてこと。
 一人ひとりのキャラクターがしっかりしていて、その点はほかの人気ドラマよりいいと思うんですけどねぇ。
 中でもサイモン役の彼の目の演技がいい。役がらには全く共感できずに憎たらしく思うのですが、なんか魅力的。彼、ショーンコネリー主演の「Just Cause」で無実を訴えた黒人青年だったんですよ。あの時はとても恰好良くて、間違いなく信じてしまうだろう、だったのですが、ちょっと意外な(がっかりな)様変わりをしてしまった今でも、やっぱり惹きつけれられてしまった次第です。
 夏休み中に録りだめしていた分を一気にみたんだけれど、こうして見ると、まぁ、なんていうか、作り方があんまり上手くないんだよね。今週面白くて一気に盛り上がったかと思えば、次の2週はありえないくらいつまらない、なんとか面白くして視聴率をどうにかしようと画策して空回りしているのが見え見え。どうでもいいエピソードを作り上げて、途中で投げ出している場合も。
 でも、それでも大好きなんだ。
 本土ではずい分前にものすごーく中途半端なシリーズの終わり方をしているのだけれど、まさかあのまんま投げるのではないでしょうねー・・・????
 打ち切りでも何でもいいから、とりあえずすっきりさせて!
 最初は「この人が主役ってどうなのよ」と思っていたニックにどうしょうもなく愛着を感じるし、カレンとの関係が気になるー。

 私の記事も真似して、この中途半端でおしまい。


 
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