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韓国、深刻な“債務地獄” 岸田総裁誕生で資金調達の秘策「スワップ再開」の好機逃す

2021-09-30 13:55:30 | 日記

 

「河野推し」青写真の当て外れ…韓国、深刻な“債務地獄” 岸田総裁誕生で資金調達の秘策「スワップ再開」の好機逃す 

 

2021.9.30

 自民党総裁選に強い関心を示していたのが韓国だ。

河野太郎行革担当相が勝てば日本との関係が改善され、経済も回復するという青写真を描いていたようだが、岸田文雄新総裁の誕生で当てが外れた形だ。

岸田氏が安倍晋三政権で外相時代に取り組んだ2015年の慰安婦に関する日韓合意を文在寅(ムン・ジェイン)政権が覆したツケが出ている。

 「河野氏が首相になれば輸出規制解除されるか」。

中央日報は27日、このような見出しで「過去史と経済問題は分離してアプローチするという意志を公式に表明した」などと評価していた。

ハンギョレ新聞も父の河野洋平元副総理を紹介していた。

 朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「韓国が好感していたのはリベラル路線の河野氏だった。

岸田氏は慰安婦合意をまとめるなど、安倍路線を継承しており、関係改善は望めないと考えているはずだ」とみる。

 岸田氏勝利を報じる韓国メディアも、慰安婦合意を文政権が覆したことを伝え、聯合ニュースは「関係改善は依然困難か」との見方を示す。

 一方、朝鮮日報は、岸田氏がアジア・太平洋外交を強調する「宏池会」を継承しており、今年の衆院選と来年の参院選で良い結果を収めて安定すれば、日韓関係について「改善も期待できるかもしれない」との声を紹介している。

 

韓国が日本との関係を気にする背景にあるのが経済問題だ。

新型コロナウイルスの感染収束の気配がみえず、株価も通貨ウォンも下落基調だ。

中国経済に依存し、ドル建て債務が多い韓国は、中国恒大集団の経営危機で露呈した中国の不動産バブル崩壊の懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内テーパリング(資産購入縮小、緊縮)開始の影響を大きく受けている

 企業や家計の債務も深刻で、朝鮮日報は、返済できない可能性の高い融資が230兆ウォン(約21兆6000億円)に達すると報じた。

借金を返済する能力がない自営業者や所得が比較的少ない青年層などの負債が大幅に増えたという。

 松木氏は「コロナ禍で企業は利益を出せず、家計は苦しくなるためにリスクの高い投機に走り、お金の流れが極めて不安定だ」と指摘する。

 韓国の資金調達の“秘策”は15年2月に終了した日本との「通貨交換(スワップ)協定」の再開だ。

だが、三菱重工業に賠償を命じた元女子勤労挺身隊員らによる訴訟をめぐって、韓国地裁が同社の韓国内資産について売却命令を出すなど、信頼関係の構築どころか、関係悪化に向けた行動を取り続けている

 前出の松木氏は「ドル建て債務の多い韓国は、喉から手が出るほどにスワップを再開させたい。

しかし現在の日韓関係では口が裂けてもお願いできない状況にある。

韓国が総裁選に描いていた期待感も水の泡といったところだ」とみる。


半導体メモリー、冬が迫るか、秋を迎えるか

2021-09-29 19:28:00 | 日記

半導体メモリー、冬が迫るか、秋を迎えるか

登録:2021-08-16 10:00 修正:2021-08-16 15:09
供給不足の予想で米半導体株価が反発 
「需要鈍化で在庫増加」悲観論はいまだに
 
モルガン・スタンレー半導体メモリー報告書//ハンギョレ新聞社

 半導体チップ不足が長期化するという分析が提起され、米国の半導体業種の株価が一旦反発した。外国人投資家の半導体株の投売りで衝撃を受けた韓国国内の金融市場が、今週どのような流れを見せるかに注目が集まる。

 13日、サムスン電子、SKハイニックスに続きDRAM市場で3位の米マイクロン・テクノロジーズの株価がナスダック市場で0.95%上がった70.92ドルで取引を終え、4日連続の下落から脱却した。米証券市場に上場された半導体の銘柄で構成されたフィラデルフィア半導体指数も0.67%上がり、7営業日ぶりに反発に成功した。未来アセット証券によると、米国の情報技術専門メディアはこの日、「チップ不足が全般的に悪化しており、来年の第4四半期12月期まで半導体不足現象は消えないだろう」と報じた。未来アセット証券のソ・サンヨン研究員は、「半導体を注文してから納品されるまでの時差が先週初めには20.2週間と過去最長を記録し、一部で主張する需要鈍化の心配は大きくないことが浮き彫りになり、半導体業種が反発し買い優勢に入った」と分析した。

 先週、韓国の金融市場は半導体メモリー業況の悪化を懸念し、KOSPI(韓国総合株価指数)が3100台に急落し、ウォン相場は1ドル1170ウォン近くまでウォン安が進むなど、大きく揺れた。韓国取引所の資料によると、外国人投資家は最近の7営業日(8月5日~13日)で、サムスン電子(優先株を含む5兆8619億ウォン、約5620億円)とSKハイニックス(2兆658億ウォン、約1980億円)を合わせて7兆9277億ウォン(約7600億円)の売り越しを記録した。これは、同期間のKOSPI全体の売り越し額(6兆9249億ウォン)より1兆ウォン以上多い数値だ。言い換えれば、外国人投資家が他の業種の株を買ったということだ。サムスンSDIとLG化学などの2次電池株を中心に、外国人投資家の買い注文が殺到した。「セルコリア」(韓国市場売り)ではなく、「セル半導体」(半導体売り)というわけだ。しかし、サムスン電子(優先株を含めて21.94%)とSKハイニックス(3.23%)がKOSPIで占める割合は25.17%(13日基準)に達する。年頭(30.53%)に比べて割合は減ったものの、指数への影響力は依然として強力だ。米証券市場も同期間、半導体株は急落したが、時価総額1、2位のアップルとマイクロソフトが強気を維持し、指数を最高水準に押し上げた。

 米国の半導体株が反発し、メモリー業況論争も白熱するものと予想される。これに先立ち、台湾の市場調査機関のトレンドフォースは、パソコン向けDRAM価格が第4四半期に最大5%下ちるだろうと見込んだ。メモリーの供給不足を懸念したパソコンメーカー各社は、あらかじめ在庫を増やしたものの、経済活動の正常化によりパソコンのDRAM需要は減少するだろうと見込んだためだ。モルガン・スタンレーも12日、「メモリー業種に冬が到来している」と題する報告書で、「メモリー部門は供給が需要に追いつき、在庫過剰問題が顕著になるだろう」とし、SKハイニックスに対する投資意見を比重拡大から縮小に、目標株価を15万6千ウォンから8万ウォンに大きく引き下げた。サムスン電子の目標株価も9万8千ウォンから8万9千ウォンに下方調整した。さらに、韓国の技術株に対する投資意見を「注意」段階と提示した。

 モルガン・スタンレーの見通しどおりなら、半導体業種の苦痛は始まったばかりなのかもしれない。一方、国内の証券街ではメモリー業況に対する懸念は行き過ぎだという見方が少なくない。KB証券のキム・ドンウォン研究員は「DRAMに占めるパソコン需要の割合は15%にしかならない。サーバー(30%)とモバイル(40%)業者の半導体在庫は増えておらず、急激な供給過剰の可能性は低いだろう」と分析した。

ハン・グァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

伯父の戦争 祖父の人生

2021-09-29 17:39:56 | 日記

 

伯父の戦争 祖父の人生

【注意】戦争のむごさも伝えるサイトです。閲覧にはご注意ください。
伯父は中国とマリアナ諸島テニアン島に出征し、マリアナで戦死したという記録が残っていますが詳細が分かりません。
伯父やマリアナの戦い、ガダルカナルやソロモンについての情報を集めています。

 

 

 

 

 

安達二十三  (第671回)

2019年10月28日 04時57分48秒

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前々回において、いま使っている陸軍の戦史叢書を誰が書いたのかを話題にしました。外にも四冊持っているのに、これだけ気になったのには理由がある。

 

第十八軍が新設されて初代の司令官に任命された安達二十三中将に関する記事。「二十三」は「はたぞう」と読む。該当箇所を引用します。前職は北支というから、うちの伯父と同じころに(一回目の出征)、同じ大陸中国にいたことになる。サラワケットとどちらが寒いんだろう。

 

戸川幸夫「悲しき太平洋」によれば、安達二十三は東京生まれの石川育ち。妻以外の婦人を近付けなかったという武人で、この北支から呼ばれて本土に帰る直前に奥様が急病で亡くなった。出発直前とあってか、副官や幕僚にさえこのことは伏せた。以下は、これは前掲戸川書にも同趣旨の発言が引用されている。

 

 

新十八軍司令官の安達二十三中将は、北支那方面軍参謀長から親補された。十一月十六日動員完結、出陣式が行われた。軍参謀杉山中佐(のち大佐)は、その印象を次のごとく回想している。

 

「出陣式における将軍第一回の訓示には意外なものがあり、極めて印象を深くした。それは『すべては愛をもってせよ』という言葉である。名にし負う猛将だけに、また戦局が戦局だけに、さぞかし勇ましい訓示だろうと、一同固唾をのんでいただけに驚いた。動員を完結し、武装を整え、決意も新たに気負った軍隊に対し、『愛』の一言は反動的に感じやすい当時の将兵の心を深く刺した。

 

これは爾後三年にわたる、第十八軍統帥の背骨を示唆する言葉である。

 

 

この戦史叢書は「作戦の理解」のためのものと「まえがき」にあり、されど上記は狭い意味での軍事作戦の調査研究には、不可欠の内容とはいえないのだろうが(まるでビートルズの歌詞のようです)、執筆者は爾後三年にわたる第十八軍の辛酸を知っている。大勢の若者が戻らなかった。ガダルカナルよりも更に山が深く、遺骨収集も大変だろうと豊田穣が書いている。

 

文中に出てくる参謀杉山中佐(のち大佐)は、作戦主任参謀杉山茂と表中にあり、戦後、執筆者たちと同様、自衛隊に入った。当時防衛庁・自衛隊で語り継ぐべき事柄だったのだ。なお、この異色の一節を読む前に、安達二十三のことは亀井宏「ガダルカナル戦記」で読んでいる。

 

亀井氏も思うところがあったらしく、このガダルカナルの土を踏んではいないはずの軍人に対して、異例の長い文章を、それも「中央」という章の冒頭に掲げている。その内容は、安達の遺書と、それを書くにいたる経緯が中心となっている。途中から一部、引用します。

 

師団単位の兵力が東部ニューギニアに投入され、いちじその数、十万とも十二万とも称せられた。そして、その八十パーセントが終戦までに死んだとされる。安達中将は、昭和二十年九月十三日、ニューギニア・ウエワクにあったオーストラリア第六司令部に出頭して軍刀をわたし、降伏文書に署名したが、その後、戦犯容疑によりムシュ島を経てラバウルの戦犯収容所に護送された。

 

昭和二十二年五月、無期禁固の判決がくだったが、ラバウル法廷におけるすべての判決の終了が告げられた、同年九月十日午前二時ごろ、収容所内で自決した。それも果物用の小刀で腹部を切り、自分で自分の頸部を圧迫して、自己の死を完成するという克己的な手段を選んだ。

 

 

すべての判決が下るのを待ったというのは、軍全員の裁判が終わったということなのだろう。割腹のあとで頸動脈を叩き斬るという凄まじい自決は、乃木希典が殉死に際して選んだ方法だ。また、もう一人、作家の久米正雄の父親が、校長を務めていた学校の火災で御真影が焼けてしまい、同じく古典的な作法で死んだ。まだ日露戦争の前のことなのだ。

 

安達は死の前に、三通の遺書を元部下に手渡した由。宛先は家族、今村均元司令官、上月当時復員局長。軍人への遺書は、まず要職を得たことの感謝に始まり、次に部下の奮闘にも限らず、その職務に応えられずに終わったことへのお詫び。遺書の一部引用というのも芸がないが、長いので全文はどこかでお探しください。

 

 

小官は皇国興廃の関頭に立ちて、皇国全般作戦寄与の為には、何物をも犠牲として惜しまざるを常の道と信じ、打ち続く作戦に疲憊の極に達せる将兵に対し、更に人として堪ゆる限度を遥かに超越せる克難敢闘を要求致候。

 

之に対し、黙々之を遂行し力竭きて花吹雪の如く散り行く若き将校を眺むる時、君国のためとは申しながら、其断腸の思は只神のみぞ知ると存候。当時小官の心中堅く誓ひし処は、必ず之等若き将兵と運命を共にし、南海の土となるべく、たとへ凱旋の場合と雖も淪(かわら)じのことに有之候。

 

 

この続きの中には、「殉国並びに光部隊残留将兵に対する信と愛とに殉ぜんとするに外ならず候」という一文もあって、上掲の出陣式における訓示は、また自身に向けてのものでもあったかと思う。次はかつてどこかで引用したような気もするが、伊藤桂一「兵隊たちの陸軍史」の一節。途中を略して、二つの段落にします。

 

 

ニューギニアにあった部隊は、文字通り刀折れ矢尽きて敗戦した。このニューギニアと硫黄島などの玉砕孤島、及び沖縄の生存者は、多く、戦争についての記憶を語りたがらないといわれる。もってその傷痕と、痛恨の深さを知るべきである。

 

ともかく、いかなる状況下で八月十五日を迎えたにせよ、敗戦は敗戦である。兵隊たちは自分の歴史を深く自らの裡に秘め、流浪し、俘虜の辛酸を嘗めて故郷に帰ったが、かれらがその後、武器なき戦いをどのようにか語ってきたか、現在もなおどのように戦いつつあるかは、かれらのひとりひとりの胸にきいてみるほかない。そして、もし真に平和を語るとすれば、かれらこそもっともよくその価値を知るものといわなければならない。

 

 

安達二十三は故郷に帰ることはなかった。仮に石川に戻っていたら、辻政信の選挙にぶつかったはずで、ただでは済まないぞ、これは。ともあれ胸の裡に秘めていた真の価値は、こうして語り続けていかないと埋もれてしまう。安達の愛読書はダーウィン「種の起源」。豪軍は葬儀のため、捕虜の元日本兵たちに一日作業を休ませた。墓はラバウル花吹山のふもとにある。

 

 

(おわり)

2021-09-29 17:08:19 | 日記

弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です

2019年3月23日

 


自民党総裁選 岸田文雄、河野太郎両氏による決選投票へ

2021-09-29 15:47:55 | 日記

 

自民党総裁選 岸田文雄、河野太郎両氏による決選投票へ

配信

 

 

毎日新聞
 

自民党総裁選の候補者所見発表演説会で発言する河野太郎氏(左)と岸田文雄氏=東京都千代田区の同党本部で2021年9月17日、いずれも竹内幹撮影


右からも左からも叩かれる文在寅政権の「対日政策」 相次ぐ韓国での対日政策「批判本」

2021-09-28 11:28:26 | 日記

右からも左からも叩かれる文在寅政権の「対日政策」 相次ぐ韓国での対日政策「批判本」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

8/26(木) 9:46

 文在寅大統領の任期最後の「8.15(光復節)」演説は日本では不評だった。

「史上最悪」と称される日韓関係の打開に向けた具体策を何一つ示さなかったためである。

 文大統領の対日政策が問題視されているのは何も日本だけではない。

韓国でも日本に対話を呼び掛けるだけで行動が伴っていないことや日韓関係が「史上最悪」のまま放置されていることに保守メディアを中心に批判の声が上がっている。

 リーダーシップを発揮して元慰安婦や元徴用工らへの救済措置を取らないことや2019年7月から続いている日本の輸出厳格化措置に手をこまねいていること、さらには日本との対立を政権浮揚に利用していることに不満が渦巻いている。

総じて、文政権の対日強硬一辺倒政策が何の成果ももたらさず、むしろ事態を悪化させていることへの批判である。

 文大統領の対日政策への批判は韓国ではこれまでは野党「国民の力」など保守勢力の「専売特許」だったが、最近では政府寄りの進歩層の間でも公然と叫ばれるようになった

その象徴が先月出版された進歩派の愛読紙「ハンギョレ新聞」の現職記者が書いた「新冷戦 韓日戦」である。

 

 著者のキル・ユンヒョン氏は「親政府紙」と称されている「ハンギョレ新聞」に2001年に入社したそれなりに名のあるベテラン記者である。

社会部、国際部などを経て2011年に東京特派員となり、安倍政権下の2013年9月まで日本に滞在し、日本の政治情勢や安全保障問題、さらには日韓関係などについて本国に送稿していた「日本通」でもある。

 キル記者は帰国後、同社系列の雑誌「ハンギョレ21」の編集長に転出した後、再び本紙に戻り、国際ニュースキャップを担当し、現在は統一外交チーム長のポストにあるが、2017年には駐日特派員時代の取材を基に「安倍とは誰か」を出版している。

朴槿恵政権から引きずっている元慰安婦問題を巡る日韓葛藤は「これから近寄ってくる強大な不和の序幕に過ぎない」とこの本で予言していたが、日韓関係は今日、まさに彼の予言どおりで収拾のつかない泥沼状態に陥っている。

 「新冷戦 韓日戦」は2015年12月28日の「日韓慰安婦合意」から日韓関係が最悪に至った今日までの推移を克明に追う一方で、文政権登場後の日韓葛藤の原因を多角的に分析し、膠着状態にある日韓関係を改善するには「年老いた原告人への日本企業による謝罪を入り口とした日韓の歴史的な和解が必要である」と、著者なりの打開策を示した本でもある。

 著者は日韓関係悪化の韓国側の責任として文政権及び執権与党「共に民主党」の現状認識や分析が正確な事実に起因しておらず「陰謀論的誤解」に根差していること、日本の意図を不必要に悪魔化していること、興奮のあまり誤った決定を下したことなどを挙げている。

 結論として、1965年の日韓請求権協定を無視した韓国大法院の元徴用工判決に積極的に対応しなかったことや文政権が成功を願う米朝交渉への日本の影響力を軽視、疎外し、ジャパンバッシングに走ったのは失策であると綴っている。

著者が結論としてこの日韓の「戦争」で「韓国は敗北した」と断じたのは何とも興味深い。

 「新冷戦 韓日戦」と同時期に出版されたのが保守派の学者であるInha大学国際通商学科のチョン・スンヨン教授の著書「日本 同行と克服」である。

 「韓日経済比較論」を日本語で出版するなど日本経済専門家と知られているチョン教授は保守派の立場から文政権の対日認識と政策への全面的な批判を展開している。

 京都大学で経済学博士号を取得し、金沢大学で経済学部教授として教壇に立っていたチョン教授は文政権が日本の輸出厳格化措置により勃発した日本との経済戦争に勝ったと自評していることについて「技術国産と対日貿易赤字改善を100メートルのレースに例えるならば、文政権の2年間の努力は僅か5メートルを走ったに過ぎない。

それにもかかわらず、文政権は『我々が勝った』と広報しているのは「欺瞞である」と皮肉っている。

 特に文政権が日本の輸出厳格化措置にGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄で対応し、反日感情を煽ろうとしたのは批判されてしかるべきであると指摘しているが、その理由については「外交安保の側面で日本との摩擦が高潮すれば、東北アジア情勢下で韓国の生存権が脅かされるからである」と論じている。

 チョン教授は著書で過去から現在、未来に繋がる日本との関係を展望し、韓国にとって日本はどういう存在なのか、どう相手にすべきか、キル記者とは別な角度から問題提起しているが、「韓国の経済と安全保障を考えれば、日本との持続的な関係悪化を避け、真に日本と行動を共にすることが望まれる」との点で二人の考えは共通していた。

 文在寅政権を批判したため解職された公務員のハン・ミンホ氏が昨年出版した「なぜならば、そうだから」も「日本と聞けば、反日で条件反射する」と、文政権の対日政策を全面的に批判した著書として保守派の関心を引いている。

 文化体育省に1995年に入省し、解任されるまでは文化体育部政策課長のポストにあった著者は「解任されたのは文政権の原発政策や対日政策に反対したためである」と回顧しているが、怨念もあってか「文政権は亡国罪で断罪されるだろう」と断じていた。

 

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書