拉致家族率いる右派に、懐疑・蓮池透、前‘家族会’事務局長/韓国・ハンギョレ紙 

2009-06-09 22:34:32 | 北朝鮮
http://mgw.hatena.ne.jp/?url=http%3A%2F%2Fwww.cyzo.com%2F2009%2F05%2Fpost_2096.html‘北への強硬制裁’の立場から、‘対話解決’に向かえ。“拉致されて帰ってきた弟に、多くのことを学んで・・”

北韓の日本人拉致問題は、日本社会の‘熱い争点’だ。その中心に、対北韓の(日本)世論の奇怪な現象の核心をなす団体である、‘北韓による拉致被害者家族連絡会’(家族会)と、‘北韓に拉致された日本人を救出するための全国協議会’(救援会)がある。

蓮池透(54・写真)は、1997年から2005年まで、家族会事務局長として、対北強硬制裁の主張の先頭に立った人物だ。

彼が先月、<拉致―左右の垣根を通り越した闘争へ>と言う著作を出し、対話を通した拉致問題解決を提案し‘転向’宣言した。1979年北韓に拉致された2002年10月、日本に帰国した蓮池薫(52・新潟産業大専任講師・韓国語翻訳家)の兄である彼の転向は、日本社会に波紋を引き起こしている。


去る2日、<ハンギョレ>のインタビュウで、彼は“北韓の核実験で拉致問題解決が更に遠くになったが、対話を通して問題を解決しなければならないと言う所信には、変わりは無い。”と語った。彼は、著書で“拉致問題の集会ごとに、日章旗を振ってサングラスを掛けた怖いお兄さん”達が先頭に立ち、家族会は、(その)後を追うのを見て変だと思った。”とし、家族会を支援する団体である救援会の、右翼イデオロギー的運動路線に懐疑を抱くようになったと語った。

救援会の幹部には、日本の核武装と対北先制攻撃を主張する人達が少なくないと、彼は指摘した。また、拉致されて帰ってきた弟、薫の話聞いて、北韓と対話しなければならない必要性を悟ったと語った。


●現在、日本の対北世論は、強硬制裁一辺倒であるが?

“日本社会は、北韓に対して‘日本は正義であって、北韓は悪い’と言う式の、ものすごく感情的な態度を持っている。日本が過去、韓半島でどんな悪い振る舞いをしたのか?に対する認識は無い。日本が近代史教育を、きちんとしなかった為だと見る。”


●家族会事務局長時代、自らも対北強硬主張を拡げなかったか?

“家族会を支援する団体である‘救援会’の意見が、強く反映された。‘救援会’には、北韓崩壊を主張する右翼人士達が多く参加している。彼等の影響のために、拉致問題が北韓を崩壊させようとするイデオロギーに利用された側面がある。”

●本の中で、拉致問題が解決できない状態は、日本政府の責任も大きいと言ったが。

核とミサイル、拉致問題の包括的解決方式を盛ったピョンヤン宣言は、拉致被害者の人権を完全に無視したものだ。ピョンヤン宣言をはじめとして(南北日本人)一時帰国問題や、遺骨返還問題、去年8月の拉致再調査、また一部対北制裁解除等いろんな次例の、北韓と協議して置く事も、日本国内の強硬世論に押されてしまった。北韓も、成果にだけ汲々とするあまり、被害者の人権を粗忽にして、結果的に日本の悪化された対北世論に引張られてしまった。当たり前にしたら、拉致問題も解決されて国交も正常化されたのだ。”


●家族会と決別した事は、北韓に拉致され帰って来た弟の影響もあるのか?

“弟から多くの事を学んだ。日本が昔に犯したことに対し、北韓が酷く憤怒していると言う点も学んだ。弟は‘北韓が、日本は過ぎし日に何十万名の朝鮮人を拉致したのに、日本人10~20名を拉致した事が、どれだけ大きい問題なのか、と言う思いをしているし、日本は昔の事をきちんと謝罪し補償しなければ為らないのに、制裁だけしており、日本と対話する事はできないと考える’とし、‘どんな良くない’国でも、対話しなければ問題解決へ向うことは出来ない’と言う話を聞かせてくれた。

(訳 柴野貞夫 2009年6月9日)

*ここでは「救援会」と訳されているが
いわゆる「救う会」のことです。
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北朝鮮の核実験と元「家族会」蓮池透氏が協調路線に変節した深い理由 - 日刊サイゾー
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。

 北朝鮮が核実験に踏み切ったことが報じられたが、この核実験についてまたもや強硬路線を叫んでいるのが、拉致被害者家族会と救う会の面々だ。だが、その中で一線を画しているのが、前家族会事務局長だった蓮池透氏。

「かつて蓮池さんは家族会の中の"顔"として、マスコミにも頻繁に登場し、過激な主張を繰り返し来ました。『これは戦争だ』などと、日本の核武装にまで言及していた。しかし、事務局長を辞めた頃から、その発言内容は対話路線といった柔軟なものになっていったのです」(北朝鮮問題に詳しいジャーナリスト)

 かつて『噂の真相』でも、家族会の中でも最強硬派の蓮池氏に対し「過激な制裁論だけでは問題は解決しない」と批判してきた。しかしここ数年、その主張は180度転換している。

 さらに蓮池氏は今年5月には『拉致――左右の垣根を超えた闘いへ』(かもがわ出版)を発売、その中でも日本の対北朝鮮への圧力政策に疑問を呈し、政府間の直接交渉による帰国実現という柔軟な対話路線を訴えている。

 これに対し「自分の家族全員が帰国したからだ」という現・家族会事務局長の増元照明現事務局長からの批判の声も上がっているが、蓮池氏のこの転換は一体どういうことなのか。

「確かに、弟一家が全員帰国したこともあるでしょう。しかしそれだけではない。蓮池氏本人も認めていることですが、弟から北朝鮮の実情、そして日本について話し合いを続けてきたことも大きい。 蓮池氏は当初『北朝鮮は狂った国』などと主張し、帰国した弟と激論になったといいます。しかし、真剣に話し合ううち、自分の考えを変えていったようです」(前出ジャーナリスト)

 弟との話し合いにより、過激な洗脳が解かれ冷静に拉致問題の本質を考えられるようになった。拉致家族の中からこうした対応ができる人物が出てきたことは、拉致問題解決にとってもよい方向といえよう。

 さらにもうひとつの鍵が家族会、そして救う会の内情にあるという見方もある。家族会の内情に詳しい北朝鮮ウォッチャーはこう解説する。

「蓮池さんは事務局長時代、マスコミの記者と癒着しているなどと批判をされ、事務局長を辞めたといわれていましたが、実はその頃から、家族会や救う会は内紛のようなことを繰り返し、メチャクチャな状態だった。最近でも佐藤勝巳氏が追放される、という事件も起こるなど主導権争いも酷い。また発足当初から集まった支援金などの経費の不透明さも指摘されていました。そうした利権争いや内紛に嫌気がさしたことも、蓮池さんの"転向"に一役買ったのではないでしょうか」

 蓮池氏は今年行われた講演でも、植民地時代の「過去の清算」を具体化させた上で、一刻も早い拉致被害者救出を訴えている。蓮池氏の冷静な訴えが、家族会にも波及することを願うばかりだ。
(文=神林広恵)


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