1月23日、神奈川県警公安3課による不当逮捕・拘留に抗議します/エコアクションかながわ

2007-01-27 20:04:11 | 社会
1月23日、私たちの仲間が神奈川県警公安3課に不当逮捕され、いまだ拘留が
続いています。ここに抗議の声明ならびに支援の呼びかけを投稿させていただき
ます。

・神奈川県警公安3課の無理矢理弾圧は民主主義の破壊だ

1月23日の早朝5時45分、神奈川県警公安3課は、相模原市に住むのKさんを出
勤途中に「詐欺」容疑で令状逮捕した。と同時に、Kさん宅と他2ヶ所を家宅捜
査した。神奈川県警公安3課がデッチ上げたストーリーは、Kさんがルームシェ
アする人数を偽って賃貸借契約をかわした、これが「詐欺」にあたるというもの
だ。同種の弾圧としては、2005年2月の大阪府警公安3課によるおおさかエ
コムーブの3名に対する逮捕事件がある。3名とも釈放されたが、弁護士の内田
雅敏さんが『「ビラ配りで逮捕」を考える』(岩波ブックレット)で、この事件
を取り上げている。

■「詐欺」にあたるような賃貸借契約違反はなかった
Kさんは、2005年4月から、友人2人とルームシェアリングが可能な物件を
探し、不動産会社と契約を結んで、相模原市内の居室に3人で住んでいた。契約
時には不動産会社の指示で、Kさんら3名が契約者になり、それぞれの親が連帯
保証人となった賃貸借契約書を交わしている。神奈川県警公安3課は、それが詐
欺罪にあたるというのだ。
しかし不動産会社いわく、「昨年末に神奈川県警が何度か訪ねてきて、『過激派
のアジト』だといった話をされたが、特に迷惑を被っていないので被害届けは出
していない。逮捕されたのは契約違反の理由ではないでしょう」。不動産会社と
Kさんたちとの間で契約上のことで何も問題がなかったのは明らかだ。そもそも
不動産会社に紹介された物件の中から現在の居室を最終的に決めた時、たまたま
一人が用事があって出向けず、不動産会社は2人に対して、「もう一人に確認し
ないで決めていいの」とルームシェアを前提に契約している。どこにも詐欺罪な
ど成立しないのである。
被害届けを警察に出さされたのは家主だった。いわく、「貸している物件は部屋
の大きさからいって、2人しか住めないはずだ。契約に違反しているので警察に
おまかせした」。
弾圧の口実を探していた神奈川県警が、ルームシェアを明記した契約を交わして
いることをよく調べもせずに、家主に被害届けを出させたのである。だが契約
時、家主は契約書類をみているはずだ。契約は家主との間で行われるのだから。
まさに罪刑法定主義もかなぐり捨てた弾圧のための弾圧、過激派とかいって公安
予算を獲得するための神奈川県警公安3課のデッチあげ弾圧だ。
契約後、3名の契約者のうちAさんが学業などの都合で部屋を使わなくなった。
どうもそのことをもって公安3課は詐欺と吹聴しているようだ。しかし仮に、賃
貸借契約の条件がかわったとしても、契約当事者との契約解除が行われればそれ
でいいだけの話だ。契約時からルームシェアは確認しているのだから事務的な手
続きなのである。神奈川県警公安3課は血迷っている。部屋を出たのはKさんで
はなくAさんなのだ。Kさんを逮捕する理由など何もないのである。Kさんは誰
に対しどんな詐欺罪をはたらいたというのか。あるのは政治的な弾圧だけだ。

■2008年米軍再編をみこした事前弾圧だ
Kさんはエコアクションかながわに所属している。地元で様々な反戦反基地運動
に取り組んできた市民グループだ。キャンプ座間への米軍司令部移転計画が報道
(2003年)されて以降は、エコアクションかながわは米軍再編に反対する活
動を強め、米軍基地への度重なる申し入れ行動や、街頭での宣伝活動をおこなっ
ている。2005年2月には、第1軍団司令部の移設に反対するハンガーストラ
イキを相模大野駅前で1週間行い、地元メディアにも大きく取り上げられた。
あるとしたら、こうした反基地行動を続けるエコアクションかながわに参加する
Kさんを、過激派とキャンペーンしたでっち上げ弾圧ということだけだ。
2005年10月にも、エコアクションかながわのNさんは厚木基地の監視行動に
参加していた際に、他2名とともに「正当な理由が無いのに他人の建物に入っ
た」として、住居侵入容疑で現行犯逮捕されたことがある(2日後に処分保留の
まま釈放)。
2008年には原子力空母の横須賀母港化や、キャンプ座間への第1軍団移設な
ど、神奈川県内で米軍は大きく再編される。それを前に神奈川県警公安3課は、
反基地運動の一翼を担っているエコアクションかながわの市民団体としての行動
力をそげ落とそうとしているのだ。
心あるみなさんに訴えます。Kさんは、大学院の修士課程をまもなく終えるとこ
ろでした。日本の未来を担う前途豊かな青年です。修士論文を提出し、教授との
最終面談を迎えようとしていたのです。もし勾留が続けば、前途ある若者の将来
も左右されてしまいます。これでも日本は民主主義国家なのでしょうか。あまり
にも悪質な作為的弾圧です。みなさんのKさんの釈放に向けた協力を心から訴え
ます。神奈川県警公安3課は何の罪も犯していないKさんをただちに釈放せよ。
【追記】
逮捕されたKさんは1月24日検察に送られ、検察は勾留請求した。しかし横浜地
裁裁判官は勾留請求を却下した。これに対し検察が準抗告しKさんは再勾留され
ている。地裁が勾留を却下する位だからKさん逮捕の違法性は余りに明らかだ。

・心ある読者のみなさんへ
横浜地検はKさんをすぐに釈放せよ!
横浜地検検事はKさんが1月27日に大学の修士課程最終面接試験を受けねばなら
ないことを知っています。それをネタに事実無根の詐欺罪を認めよ、認めれば釈
放してやるという恫喝を行っています。これは余りにも卑劣な国家権力の横暴で
す。Kさんの勾留がつづけば、Kさんは修士の学位をとることは困難となりま
す。Kさんには途中休学などがあり、4年のタイムリミットが迫っていて、時間
の猶予を持っていません。1月27日午後3時30分よりの教授との面接試験は、修
士課程卒業のため彼に残された最後のチャンスなのです。それを承知で神奈川県
警公安3課はKさんだけを逮捕し、勾留しています。一緒に部屋を借りていた他
の2名は逮捕もされていません。余りにも意図的な弾圧です。国家権力が前途あ
る若者の未来を奪おうとしている暴挙なのです。みなさん抗議の声を私たちとと
もにあげてください。みなさんの協力でKさんの釈放を何としてもかちとりたい
と思います。

・神奈川県警は証拠隠滅している
今回の詐欺事件の核心となるのは、賃貸借契約書の内容です。Kさんは、友人と
ルームシェアをする賃貸借契約を結んでいます。それゆえ、Kさん名義の契約書
と友人名義の契約書が複数存在しています。
神奈川県警は家宅捜索の際、Kさん名義の契約書を押収しています。目録の番号
21には、「賃貸借契約証書○○(注:建物名)K様(黄色封筒入りのもの)」が記
載されていますが、数量は「1袋」となっています。
Kさんの被逮捕の後、同居人がKさん以外の賃貸借者の契約書を探しましたが見
つかりませんでした。内田雅俊弁護士が接見した際、この旨をKさんに尋ねる
と、「押収された袋の中に入っている」と答えました。
そのため内田弁護士が検事に押収品の中身を確認したところ、「Kさんの契約書
しかない」との答えが返ってきました。こんな奇妙なことがあるでしょうか?押
収した際、Kさんの契約書はその数量が「1通」ではなく「1袋」と記載されて
いたのはなぜでしょうか?Kさんはその袋の中に、他の契約者の契約書も入って
いたはずだと主張しています。
さらに不可解なことが続きます。止む無く内田弁護士が不動産屋に赴き、契約書
の複写を求めたところ、既に神奈川県警公安3課が「任意の押収物」として持ち
去ったと言うのです。押収品目録も書かれていません。
神奈川県警公安3課は、刑事訴訟法も刑事訴訟法規則も無視して、違法な捜索押
収を続けているのです。
押収品の目録番号23には、「火災保険証券(保険契約者Kのもの)」があります
が、これも数量が「1袋」となっています。なぜ1通とか1枚ではなく、1袋な
のでしょうか?これでは中に他の証券等が入っていても、押収された記録が残り
ません。
神奈川県警公安3課は、明らかに証拠隠滅をしています。過去にも神奈川県警は
こうした不法行為を繰り返しています。昨年11月以降だけでも、警部補が押収品
の現金を着服したり、交番巡査が民家から現金を盗んだりして4名が逮捕されま
した。
こうした事態を受けて1月神奈川県警は、不祥事予防の担当職員4名を監察官室
に増員配置する人事を発令しています。にも関わらず、公安3課は同じ不祥事、
違法捜査や証拠隠滅を行っているとしかいえません。
心あるみなさんの、Kさん釈放へ向けた協力を訴えます。

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from Eco Action KANAGAWA / エコアクションかながわ

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mail: action@kanagawa.email.ne.jp
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1 コメント

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流石は (盗聴事件で)
2007-01-28 16:47:12
合法性を踏み外した前科のある県警は違いますな!
神奈川って、自民の裏警察直轄でっか!
超北朝鮮的で、こえ~っ!
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