「原発推進」杉並区議は現職の東電社員だった! 議員報酬+東電給料+労組献金で実質年収4千万円
東電ホームページなどを丸写ししたパクリ原発視察報告書で顰蹙(ひんしゅく)を買った杉並区の原発推進派議員(現職)・安斉昭氏が、現在も東京電力に籍を置き、同社から給料を受け取っていることがわかった。東電広報も認めた。議員報酬と東電の給料で3千万円弱、使途が実質自由な労組系献金が1200万円あるため、安斉氏の実質年収は推定で4千万円前後にのぼる。2007年4月の初当選以来、東電社員である事実を安斉氏が公言したことはなく、周囲からはOBだと思われていた。杉並区は東電から割高な「随意契約」で電力を購入しているほか、東電から土地の購入も検討中だ。安斉氏は区監査委員でもあり、契約先の社員として利害関係者そのものであるが、説明責任を果たすどころか、ダンマリを決め込む傲慢ぶりを見せている。
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【Digest】
◇「東電OBじゃない、組織内議員です」
◇「電力総連など普通は知らない」門脇氏
◇安斉議員に東電は給料を払っていた
◇「安斉は荻窪支社で『お客さまサービス業務』をしております」
◇東電社員は区監査委員、杉並マネーは東電へ
◇やっぱり「東電社員」を隠したい安斉議員
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◇「東電OBじゃない、組織内議員です」
杉並区議会議員の安斉昭氏は現職の東電社員だった――この事実を筆者が知ったのは昨年暮れのことである。東電OBだとばかり思っていたし、記事にもそう書いてきたので驚いた。きっかけは駅頭で偶然交わした民主党都議会議員との立ち話だった。
昨年12月26日朝、JR阿佐ヶ谷駅の駅頭で民主党の議員が演説をしている場面に出くわした。増田裕一・杉並区議会議員だった。近くで民主党都議会議員の門脇文良氏がチラシを配っていた。人通りは多かったが受け取る人はいない。「政権交代」を掲げて民主党が人気を誇っていたころがウソのようにさびしい光景であった。筆者は民主党支持者ではないが、気の毒になって門脇氏に近づきチラシに手を出した。
A4版モノクロ両面刷りのチラシの表には「野田総理会見 福島第1原発『冷温停止状態』達成宣言」の見出しがあった。裏面には門脇都議の顔写真とともに「誠実でありたい/初心を忘れない/いつもチャレンジ!」と書かれている。
白けた気分に陥った。冷温停止に失敗し、爆発して暴走した原発が「冷温停止状態」になったからといって宣言するような話なのか。自動車が衝突・炎上し、その消火にめどがついたのを「エンジン停止状態」と宣言したりはしないだろう。つまらぬ宣言よりももっとほかに書くことがありそうなものだ。チラシを誰も受け取らないのは当然だ。そう思いながら筆者は門脇氏にたずねた。
「民主党を支持している電力総連は原発のことをどう考えているんですか」
東京電力労組をはじめとする電力12社の労組は、労使協調路線の延長として原発推進をぶちあげた。この労組の大元締めが電力総連である。東電労組は表裏一体の政治団体「東電労組政治連盟」を通じて活発な政治活動を行ってきた。国会議員や地方議員を多数擁立し、献金を行い、票を集めた。そして民主党を支えた。
民主党政権が原発撤退に消極的な理由のひとつに、こうした原発推進労組の存在がある。民主党が電力総連とどうつきあうのか、または電力総連が原発とどう向き合うのかは、国民の生命にかかわる重大問題である。だからこそ筆者は上の問いを発したのだった。
質問に対して門脇氏は言った。
「電力総連に聞いてください」
真摯な意見が聞けるかと期待した筆者は失望した。とても政治家の水準の答えではない。議論を最初から逃げている。
民主党と電力総連は切っても切り離せない関係にあることは周知の事実だ。その“同志”たる電力総連の原発に対する方針を、民主党都議の門脇氏が知らないはずがない。後に知ったことだが、自身のホームぺージでも、電力総連との蜜月ぶりを披露している。2010年6月15日、門脇氏は東京電力練馬営業センターで開かれた「東電労組第9回荻窪支部定時大会」に出席した報告のなかで、次のように抱負を述べている。
「…東京電力労組の友好議員として、都議会の場でも、電力行政について施策を進めていきます」
東電労組の「友好議員」を自認し、「都議会の場でも、電力行政について施策を進め」ると公言している。他人ごとのように「電力総連に聞いてください」と言った門脇氏は、明らかにシラを切っていた。
◇「電力総連など普通は知らない」と門脇氏
「電力総連」が話題になったとたん、門脇氏の表情に明らかに不快な色が浮かんだ。そしてけげんな顔でこんなことを言った。
「電力総連などよくご存知ですね。普通の人は知らないですよ」
「誰でも知っているんじゃないですか」
筆者は言った。
「いえ、知りませんよ」
門脇氏は筆者の素性を知ろうとしたのかもしれない。
それにしても、電力総連など一般人は知らないと本当に門脇氏が考えているとすれば、国民をバカにした話だった。少々腹が立った筆者は、杉並区の安斉議員のことを持ち出すことにした。電力総連―原発推進―民主党―の構図を象徴する身近な例である。
「電力会社のOBがたくさん議員になっているでしょう、安斉区議もいるし。東電のOBですよね」
この瞬間まで、筆者は安斉議員が東電を退職していると信じて疑わなかった。
安斉議員については、「原発パクリ視察報告書」事件で取材したことがある。「東電お抱えの原発接待旅行参加の民主杉並区議団、8割パクリの『原発必要不可欠』視察報告書を作成」で報告したとおりである。
2009年、安斉氏は民主党の同僚議員とともに、東電のカネと杉並区の政務調査費を使って六ヶ所村などの原発施設を視察した。その際、「原発は必要不可欠」と結論づけた報告書を議長宛に提出したが、じつは青森県作成の冊子や電力会社のHPを丸写しした代物だった。そういう事件である。
この取材のときにも「東電OB」という前提で安斉氏に質問を行い、記事を書いた。事件の報告を収録した著書『日本を滅ぼす電力腐敗』も謹呈した。著書のなかでも安斉氏を「東電OB」と記した。これについて安斉氏から訂正を求める連絡はなかった。
どこからどうみても安斉氏は東電OBにしか見えなかった。昨年4月の区議会議員選挙でも、安斉氏の立候補届には「区議会議員」とだけ書かれている。区選管や監査委員事務局に、安斉氏が東電の現職社員かどうかを問い合わせたこともあるが、現職社員だとの認識はなかった。知り合いの区議数名(少数政党)もすべて「OB」だと思っていた。
だから「(安斉氏が)東電OBですよね」との筆者の発言を門脇氏が否定したときには、いったい何を言おうとしているのかと真意をつかみかねた。
「安斉議員はOBじゃないでしょう。組織内議員ですよ」
門脇氏はそう言ったのだ。
「組織内議員って何ですか? 東電OBでしょう」
「それは自分で調べてください」
門脇氏は含みのある言い方をした。どうして組織内議員などという内輪でしか通用しない言葉にこだわるのか。腑に落ちないまま、「まさか」と思った。
◇安斉議員に東電は給料を払っていた
「まさか、安斉さんはまだ東電に籍があるんですか」
「そんなこと私は知りませんよ」と門脇氏は言った。無責任な口ぶりである。筆者は少しきつく言った。
「OBではない、組織内議員だ、といったのはあなたですからはっきりしてください。公職の身でしょう」
筆者は名刺を渡して言った。門脇氏は名刺を受け取ると、しぶしぶ「東電に籍があるのかないのかは私からお知らせします」と約束した。東電から報酬が出ているのかどうかも知りたかったが、これについては「個人情報ですよ、無理です」と拒んだ。
このやり取りからほどなくして、門脇文良氏から筆者の携帯電話に留守電が入った。録音されていたのは次のメッセージである。
「安斉議員の件ですが、本人に確認したところ、(東電に)籍は…あります。以上、あなたとのお約束は果たしました」
安斉氏はまだ東電に籍があるという。にわかに信じられなかったが、民主党都議会議員の言葉だ。安斉氏本人に確認したとも言っている。情報の信憑性は高い。
東電に籍があるというのはどういうことだろうか。筆者は考えた。まず思いついたのは「休職」の可能性である。東電社員として雇用契約は続いている。しかし議員の間は休職扱いで給料は払われていないという可能性だった。
杉並の区議をやりながらサラリーマンが務まるはずがない。そう思ったからだ。
杉並区の人口は50万人以上、一般会計予算は1500億円規模である。小さな町とは違って議員の仕事が片手間で済むとは到底考えられない。議会開会中や委員会開催日はもちろん、それ以外にも多種多様な議員活動があることだろう。
ましてや安斉議員は区監査委員も兼務している。監査会議もあれば独自に監査をする権限も与えられている。議員や監査委員は多忙で責任は重いとの理屈に立って、年間1000万円以上の議員報酬と、月額15万1000円(年180万円)の監査委員報酬、月額16万円(年192万円)の政務調査費という多額の資金が税金から支給されている。
だからきっと休職しているのだろう。そんな気がした。
ともあれ事実確認が先だ。さっそく安斉氏に電話をかけた。これまで「東電OB」だと書いてきた手前、事実を訂正しなければならない。安斉氏にも「OBではなく現職社員だったのですね。申し訳なかった」とわびる必要がある。そのためにもまず事実確認だ。
「はい安斉ですが…」
受話器の向こうで安斉氏の声がした。
「三宅ですが、安斉さんは東電には在籍されているんでしょうか…」
愛想のよかった声は不機嫌な声に変わった。
「あなたの取材はいっさいお断りします」
質問をさえぎるように安斉氏は一方的に言うと電話を切った。
◇「安斉は荻窪支社で『お客さまサービス業務』をしております」
現在も東電社員であることを安斉氏は知られたくないのだろうか。そんなふうに思えてきた。きっと休職しているのだろうとの考えが薄れた。ことによれば東電から給料が出ているのかもしれない。
本人が口を閉ざしている以上、東電に尋ねるしかない。はたして成功するのか不安だった。心配をよそに、数日後、東電広報部から次のような回答があった。
「お尋ねのあった安斉昭ですが、現在も当社社員です。給料も支給しています
.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
http://www.mynewsjapan.com/reports/1549
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【Digest】
◇「東電OBじゃない、組織内議員です」
◇「電力総連など普通は知らない」門脇氏
◇安斉議員に東電は給料を払っていた
◇「安斉は荻窪支社で『お客さまサービス業務』をしております」
◇東電社員は区監査委員、杉並マネーは東電へ
◇やっぱり「東電社員」を隠したい安斉議員
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◇「東電OBじゃない、組織内議員です」
杉並区議会議員の安斉昭氏は現職の東電社員だった――この事実を筆者が知ったのは昨年暮れのことである。東電OBだとばかり思っていたし、記事にもそう書いてきたので驚いた。きっかけは駅頭で偶然交わした民主党都議会議員との立ち話だった。
昨年12月26日朝、JR阿佐ヶ谷駅の駅頭で民主党の議員が演説をしている場面に出くわした。増田裕一・杉並区議会議員だった。近くで民主党都議会議員の門脇文良氏がチラシを配っていた。人通りは多かったが受け取る人はいない。「政権交代」を掲げて民主党が人気を誇っていたころがウソのようにさびしい光景であった。筆者は民主党支持者ではないが、気の毒になって門脇氏に近づきチラシに手を出した。
A4版モノクロ両面刷りのチラシの表には「野田総理会見 福島第1原発『冷温停止状態』達成宣言」の見出しがあった。裏面には門脇都議の顔写真とともに「誠実でありたい/初心を忘れない/いつもチャレンジ!」と書かれている。
白けた気分に陥った。冷温停止に失敗し、爆発して暴走した原発が「冷温停止状態」になったからといって宣言するような話なのか。自動車が衝突・炎上し、その消火にめどがついたのを「エンジン停止状態」と宣言したりはしないだろう。つまらぬ宣言よりももっとほかに書くことがありそうなものだ。チラシを誰も受け取らないのは当然だ。そう思いながら筆者は門脇氏にたずねた。
「民主党を支持している電力総連は原発のことをどう考えているんですか」
東京電力労組をはじめとする電力12社の労組は、労使協調路線の延長として原発推進をぶちあげた。この労組の大元締めが電力総連である。東電労組は表裏一体の政治団体「東電労組政治連盟」を通じて活発な政治活動を行ってきた。国会議員や地方議員を多数擁立し、献金を行い、票を集めた。そして民主党を支えた。
民主党政権が原発撤退に消極的な理由のひとつに、こうした原発推進労組の存在がある。民主党が電力総連とどうつきあうのか、または電力総連が原発とどう向き合うのかは、国民の生命にかかわる重大問題である。だからこそ筆者は上の問いを発したのだった。
質問に対して門脇氏は言った。
「電力総連に聞いてください」
真摯な意見が聞けるかと期待した筆者は失望した。とても政治家の水準の答えではない。議論を最初から逃げている。
民主党と電力総連は切っても切り離せない関係にあることは周知の事実だ。その“同志”たる電力総連の原発に対する方針を、民主党都議の門脇氏が知らないはずがない。後に知ったことだが、自身のホームぺージでも、電力総連との蜜月ぶりを披露している。2010年6月15日、門脇氏は東京電力練馬営業センターで開かれた「東電労組第9回荻窪支部定時大会」に出席した報告のなかで、次のように抱負を述べている。
「…東京電力労組の友好議員として、都議会の場でも、電力行政について施策を進めていきます」
東電労組の「友好議員」を自認し、「都議会の場でも、電力行政について施策を進め」ると公言している。他人ごとのように「電力総連に聞いてください」と言った門脇氏は、明らかにシラを切っていた。
◇「電力総連など普通は知らない」と門脇氏
「電力総連」が話題になったとたん、門脇氏の表情に明らかに不快な色が浮かんだ。そしてけげんな顔でこんなことを言った。
「電力総連などよくご存知ですね。普通の人は知らないですよ」
「誰でも知っているんじゃないですか」
筆者は言った。
「いえ、知りませんよ」
門脇氏は筆者の素性を知ろうとしたのかもしれない。
それにしても、電力総連など一般人は知らないと本当に門脇氏が考えているとすれば、国民をバカにした話だった。少々腹が立った筆者は、杉並区の安斉議員のことを持ち出すことにした。電力総連―原発推進―民主党―の構図を象徴する身近な例である。
「電力会社のOBがたくさん議員になっているでしょう、安斉区議もいるし。東電のOBですよね」
この瞬間まで、筆者は安斉議員が東電を退職していると信じて疑わなかった。
安斉議員については、「原発パクリ視察報告書」事件で取材したことがある。「東電お抱えの原発接待旅行参加の民主杉並区議団、8割パクリの『原発必要不可欠』視察報告書を作成」で報告したとおりである。
2009年、安斉氏は民主党の同僚議員とともに、東電のカネと杉並区の政務調査費を使って六ヶ所村などの原発施設を視察した。その際、「原発は必要不可欠」と結論づけた報告書を議長宛に提出したが、じつは青森県作成の冊子や電力会社のHPを丸写しした代物だった。そういう事件である。
この取材のときにも「東電OB」という前提で安斉氏に質問を行い、記事を書いた。事件の報告を収録した著書『日本を滅ぼす電力腐敗』も謹呈した。著書のなかでも安斉氏を「東電OB」と記した。これについて安斉氏から訂正を求める連絡はなかった。
どこからどうみても安斉氏は東電OBにしか見えなかった。昨年4月の区議会議員選挙でも、安斉氏の立候補届には「区議会議員」とだけ書かれている。区選管や監査委員事務局に、安斉氏が東電の現職社員かどうかを問い合わせたこともあるが、現職社員だとの認識はなかった。知り合いの区議数名(少数政党)もすべて「OB」だと思っていた。
だから「(安斉氏が)東電OBですよね」との筆者の発言を門脇氏が否定したときには、いったい何を言おうとしているのかと真意をつかみかねた。
「安斉議員はOBじゃないでしょう。組織内議員ですよ」
門脇氏はそう言ったのだ。
「組織内議員って何ですか? 東電OBでしょう」
「それは自分で調べてください」
門脇氏は含みのある言い方をした。どうして組織内議員などという内輪でしか通用しない言葉にこだわるのか。腑に落ちないまま、「まさか」と思った。
◇安斉議員に東電は給料を払っていた
「まさか、安斉さんはまだ東電に籍があるんですか」
「そんなこと私は知りませんよ」と門脇氏は言った。無責任な口ぶりである。筆者は少しきつく言った。
「OBではない、組織内議員だ、といったのはあなたですからはっきりしてください。公職の身でしょう」
筆者は名刺を渡して言った。門脇氏は名刺を受け取ると、しぶしぶ「東電に籍があるのかないのかは私からお知らせします」と約束した。東電から報酬が出ているのかどうかも知りたかったが、これについては「個人情報ですよ、無理です」と拒んだ。
このやり取りからほどなくして、門脇文良氏から筆者の携帯電話に留守電が入った。録音されていたのは次のメッセージである。
「安斉議員の件ですが、本人に確認したところ、(東電に)籍は…あります。以上、あなたとのお約束は果たしました」
安斉氏はまだ東電に籍があるという。にわかに信じられなかったが、民主党都議会議員の言葉だ。安斉氏本人に確認したとも言っている。情報の信憑性は高い。
東電に籍があるというのはどういうことだろうか。筆者は考えた。まず思いついたのは「休職」の可能性である。東電社員として雇用契約は続いている。しかし議員の間は休職扱いで給料は払われていないという可能性だった。
杉並の区議をやりながらサラリーマンが務まるはずがない。そう思ったからだ。
杉並区の人口は50万人以上、一般会計予算は1500億円規模である。小さな町とは違って議員の仕事が片手間で済むとは到底考えられない。議会開会中や委員会開催日はもちろん、それ以外にも多種多様な議員活動があることだろう。
ましてや安斉議員は区監査委員も兼務している。監査会議もあれば独自に監査をする権限も与えられている。議員や監査委員は多忙で責任は重いとの理屈に立って、年間1000万円以上の議員報酬と、月額15万1000円(年180万円)の監査委員報酬、月額16万円(年192万円)の政務調査費という多額の資金が税金から支給されている。
だからきっと休職しているのだろう。そんな気がした。
ともあれ事実確認が先だ。さっそく安斉氏に電話をかけた。これまで「東電OB」だと書いてきた手前、事実を訂正しなければならない。安斉氏にも「OBではなく現職社員だったのですね。申し訳なかった」とわびる必要がある。そのためにもまず事実確認だ。
「はい安斉ですが…」
受話器の向こうで安斉氏の声がした。
「三宅ですが、安斉さんは東電には在籍されているんでしょうか…」
愛想のよかった声は不機嫌な声に変わった。
「あなたの取材はいっさいお断りします」
質問をさえぎるように安斉氏は一方的に言うと電話を切った。
◇「安斉は荻窪支社で『お客さまサービス業務』をしております」
現在も東電社員であることを安斉氏は知られたくないのだろうか。そんなふうに思えてきた。きっと休職しているのだろうとの考えが薄れた。ことによれば東電から給料が出ているのかもしれない。
本人が口を閉ざしている以上、東電に尋ねるしかない。はたして成功するのか不安だった。心配をよそに、数日後、東電広報部から次のような回答があった。
「お尋ねのあった安斉昭ですが、現在も当社社員です。給料も支給しています
.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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