NHK経営委員・長谷川三千子、右翼・野村秋介の朝日新聞社拳銃自殺事件を礼賛/毎日新聞(追記あり)

2014-02-05 09:20:15 | 社会
長谷川三千子(埼玉大学名誉教授)が、「野村秋介追悼二十年 群青忌」の文集に寄稿したもの

 神にささげるお供へもののほとんどすべては、人間がもらつても嬉しいものばかりである。
上等の御神酒は言ふに及ばず、海山の幸やお菓子の類ー。
或るとき神社の奉納のお祭りをごく真近で拝見する機会があつたとき、ちやうどお昼を食べそこねて空腹で、目の前を運ばれてゆく
お供物に思はず腹が鳴って恥ずかしかつた記憶がある。
あゝ、さぞや神さまも美味しく召上るだらうなあ、と思つたものである。

 しかし神にささげることはできても、人間に供することは決して出来ないものがある。
自らの命である。
よく陳腐な口説き文句に「君のためには命をささげる」などというセリフがあるが、言ふ者も聞く者も、そんなセリフを文字通りに信じはしない。
もしも本当にさう言って、女の前で割腹自殺する男がゐたら、(よほどの毒婦でないかぎり)喜ぶ女はゐないであらう。
下手をしたら、精神的打撃をかうむつたと言って遺族に賠償を請求するかも知れない。
人間は、人の死をささげられても、受け取ることができないのである。

 人間が自らの死をささげることができるのは、神に対してのみである。
そして、もしもそれが本当に正しくささげられれば、それ以上の奉納はありえない。
それは絶対の祭りとも言ふべきものである。

 野村秋介氏が二十年前、朝日新聞東京本社で自殺をとげたとき、彼は決して朝日新聞のために死んだりしたのではなかった。
彼らほど、人の死を受け取る資格に欠けた人々はゐない。
人間が自らの命をもって神と対話することができるなどといふことを露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである。

 「すめらみこと いやさか」と彼が三回唱えたとき、彼がそこに呼び出したのは、日本の神々の遠い子孫であられると同時に、自らも現御神であられる天皇陛下であつた。
そしてそのとき、たとへその一舜のことではあれ、わが国の今上陛下は(「人間宣言」が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神となられたのである。

 野村秋介氏の死を追悼することの意味はそこにある。と私は思ふ。
そして、それ以外のところにはない、と思つてゐる。

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この人は、伊勢神宮の森の奥深くに 祠でもしつらえて 幽閉しとくべきだとわたしは思う

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平成二十五年度 野村秋介追悼二十年 群青忌 御案内

【日時】平成25年10月18日(金) 18:30開会~20:00終了(18:00開場)
【場所】四谷区民ホール:新宿区内藤町87番地
【問い合わせ】㈱二十一世紀書院/TEL.090-6300-7075:横浜市南区平楽148-3ダンカンプラザ312
【会場整理費】\3,000-(記念DVD進呈)

<式次第>

読経 塚越慈徳住職 天台宗無常山浄発願寺

開会の辞 隠岐康

追悼20年特別映像 「偲はゆ 野村秋介」上映

来賓挨拶 大原康男様 長谷川三千子様 阿形充規様 盛田正敏様 ヒロ山口様

「天の怒りか地の声か」 朗読 松本佳展

追悼講演 犬塚博英氏 民族革新会議議長

追悼映像 「群青」上映

閉会の辞 蜷川正大

(司会/大熊雄次)

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以下は 群青忌 を 伝えるブログから
http://kunyon.com/shucho/131028.html

長谷川さんは埼玉大学の名誉教授だ。
その言葉には特に衝撃を受けた。
野村さんの自決は、「大いなる言葉」だと言う。
これは夏目漱石の『こころ』で、「先生」が遺言で言っている言葉と同じだ、と言う。
えっ、どうして『こころ』が出てくるんだろうと思っていた。
「先生」は言う。

〈私は今、自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしているのです〉

そんな激しい言葉が、『こころ』にあったのか。気が付かなかった。
それと同じ、激しい気持ちで発した言葉なんです。野村さんの自決は、と言う。
会場にいる皆も、血を浴びせられたのだ。

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毎日新聞記事
http://mainichi.jp/shimen/news/20140205ddm001040205000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140205-00000007-mai-soci
1993年に抗議先の朝日新聞社で拳銃自殺した右翼団体元幹部について、NHK経営委員の長谷川三千子埼玉大学名誉教授(67)が昨年10月、この自殺を礼賛する追悼文を発表していたことが分かった。メディアへの暴力による圧力には全く触れず、刑事事件の当事者を擁護したと読める内容で、NHK経営委員の資質を問う声が出ている。

自殺した元幹部は新右翼「大悲会」の野村秋介・元会長(当時58歳)。警視庁公安部などが銃刀法違反容疑で同氏の自宅などを家宅捜索した。長谷川氏は元幹部の没後20年を機に発行された追悼文集に「人間が自らの命をもつて神と対話することができるなどといふことを露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである」と礼賛。野村氏の行為によって「わが国の今上陛下は(『人間宣言』が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神(あきつみかみ)となられたのである」と憲法が定める象徴天皇制を否定するような記載をしていた。

 また、朝日新聞について「彼らほど、人の死を受け取る資格に欠けた人々はゐない」と不信感をつづっている。

 追悼文は昨年10月18日に東京都内の会合で参列者に配布された。政府は同25日、衆参両院に長谷川氏ら4人をNHK経営委員会委員とする同意人事案を提示、11月8日に正式同意されている。

 長谷川氏は毎日新聞の取材に「非常勤のNHK経営委員には自らの思想信条を表現する自由が認められている。自らの仕事として精神思想史の研究を行ったり、民族主義者の追悼文を書いたりすることは、経営委員としての資格とはまったく無関係のこと。経営委員には番組作りに関与する権限はなく、追悼文を書いたからといって意図的な特集番組を放送することはありえない。経営委員は常にルールに従って行動している」としている。

 NHK経営委員の政治的な発言を禁じる規則はない。しかし放送法31条は、同委員の資格として「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」と定めており、議論になりそうだ。

 ◇資質疑う声も

 経営委員会は事業計画や毎年の予算の議決、会長の任命・罷免などを行うNHKの最高意思決定機関。委員12人(任期3年)は衆参両院の同意を得て首相が任命する。委員には政党役員や同一政党に所属する者が5人以上いてはならない。

 長谷川氏は昨年11月、作家の百田尚樹氏らとともに選ばれ「安倍カラー人事」と言われた。百田氏は3日、東京都知事選で田母神俊雄候補(無所属)の応援演説に立ち、南京大虐殺はなかったなどと歴史認識に関する持論を展開、波紋を広げた。

 放送法では個別番組の編集などに関与することはできないとされている。ただし経営委員会事務局によると、個人の思想・信条に基づいた行動は妨げられないとしている。

 服部孝章・立教大教授(メディア法)は「長谷川氏は言論機関に拳銃を持ち込み、発射したというテロ行為とみなされる刑事事件を何ら批判せず、むしろ礼賛している。このような人物をNHK経営委員に任命した責任を政府は問われなければならないし、国会は同意した責任を問われなければならない」と指摘した。

 作家の柳田邦男さんは「品格と見識を疑われるような言説だ。経営委員は、不偏不党が求められるNHKのあり方を左右する立場だ。その職に、こうした人物が選ばれることに時代の危機を感じる」と語った。

 ◇長谷川三千子(はせがわ・みちこ)

 1946年生まれ。埼玉大名誉教授、哲学者。「2012年安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の代表幹事。少子化対策として、女性が家庭で育児に専念し、男性が外で働くのが合理的という趣旨のコラムを1月に発表、議論になった。

 ◇野村秋介氏拳銃自殺事件

 右翼団体「大悲会」の野村秋介元会長が、自身の政治団体「風の会」を週刊朝日のイラストで「虱(しらみ)の党」とやゆされたとして抗議。
1993年10月20日、朝日新聞東京本社15階応接室で拳銃自殺を図り、死亡した。
以後、同年の文芸春秋社長宅発砲事件など言論テロが続いた。

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朝日新聞 5日 
〈野村秋介氏拳銃自殺事件〉 
「週刊朝日」が漫画で、政治団体「風の会」を連想させる「虱(しらみ)の党」という表現を掲載したことに、同会代表の野村秋介氏が抗議。
1993年10月20日、野村氏は朝日新聞東京本社で社長らと話し合っている最中に「朝日新聞に社会の木鐸(ぼくたく)として、しっかりと日本を指導してもらいたい」「おれは朝日と刺し違える。そう公約したんだ」と言ったあと、「すめらみこと、いやさか」と繰り返し、拳銃で自殺を図った。
野村氏は搬送先の病院で死亡した。
同氏はこの事件で銃刀法違反と火薬類取締法違反の疑いで書類送検された(容疑者死亡のため不起訴)。

〈長谷川三千子氏〉 1946年生まれ。専門は比較思想、日本文化論。選択的夫婦別姓制度に反対し、婚外子の相続差別規定を違憲とした最高裁決定を批判している。今年1月、女性の社会進出が出生率低下の原因であり、少子化対策には女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的とするコラムを発表。議論を呼んだ。

・・・ 追悼文集は、昨年10月18日に東京都内で開かれた野村氏の追悼集会「群青忌」で配るために制作された。発行元は「野村氏の弟子の一人」という蜷川正大氏が代表の二十一世紀書院(横浜市)。機関誌「燃えよ祖国」の発行や野村氏の著書の出版を通じ、野村氏の思想の普及活動をしている。文集は、集会に参加した約500人に配ったという。

 蜷川氏は朝日新聞の取材に「(長谷川氏は)保守論壇で最も尊敬する学者の一人。先生の著書『神やぶれたまはず』を読んだか、は我々の合言葉」と話す。2000年に開かれた群青忌で講演してもらった縁があり、蜷川氏の方から寄稿を頼んだという。

 長谷川氏は朝日新聞の取材に「追悼文は個人の活動で経営委員とは無関係。野村氏と面識はないが、著述を読んで非常に重要な問題提起をしていると思った」と説明。言論機関である朝日新聞社内で野村氏が拳銃を発砲した行為も「メディアに対するテロや圧力でなく、精神的な意味を見いだすべきだ」と話している。・・・

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毎日・続報
http://mainichi.jp/shimen/news/20140206ddm005010034000c.html

5日午前の記者会見で矢面に立たされた菅義偉官房長官は、長谷川氏を起用した理由を「わが国を代表する哲学者、評論家として活躍し、わが国の文化にも精通している」と繰り返し、文書については「承知していなかった」と論評を避けた。

 同じころ、参院予算委員会では民主党の有田芳生氏が同じ経営委員の作家、百田尚樹氏の発言を取り上げた。有田氏は、百田氏が東京都知事選の応援演説で「南京大虐殺はなかった」と持論を展開したばかりか、他の主要候補を「人間のくずみたいなもの」と批判したと指摘。安倍晋三首相の見解をただした。

 首相は「聞いていないから感想を述べようがない」とかわしたが、再三の追及に「延々とこれを補正予算案(審議)の場でやるつもりですか」と声を荒らげる場面もあった。

 ◇民主・榛葉氏「バランス感覚が欠けすぎだ」

 NHKについては、従軍慰安婦などを巡る籾井(もみい)勝人会長の発言が問題になり、政権が沈静化に努めている真っ最中。そこに、首相の肝煎りで起用した長谷川、百田両氏の問題が加わり、火消しは容易ではない。5日、国会内で講演した田中均元外務審議官は「NHK経営委員なる方がいろんなところでいろんなことを言っている。残念なことだが、外国(米国)のイメージは日本の信頼性が落ちているということだ。日本の国益を害している」と苦言を呈した。

 田中氏は昨年6月、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」という首相の国会答弁に毎日新聞紙上で懸念を表明し、首相が自身のフェイスブックで「外交を語る資格はない」と応酬した経緯がある。

 民主党は「あまりにバランス感覚が欠けすぎている。当然、首相に任命責任はある」(榛葉(しんば)賀津也参院国対委員長)と攻勢を強め、長谷川、百田両氏の国会招致を要求する構えだ。政府関係者は「そういう人だと分かっていて選んだのだろうが、たがが外れている」と嘆いた。

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菅義偉官房長官が 「我が国を代表する哲学者、評論家として活躍しており、我が国の文化にも精通している」と 称賛する長谷川三千子先生は こんな方
【長谷川三千子】三島由紀夫・森田必勝両烈士四十三年祭[桜H25/12/2]



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3 コメント

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虱が原因でしたか! (N.O.)
2014-02-05 19:40:52
へえ!
野村秋介さんというのは例の「虱の会」の風刺画を苦にして自殺したのですか。
それを天皇陛下に自分の命を捧げたことにするとか、いやらしさもここに極まれりですね。虱に失礼だと言いたくなります。実態は、血液の循環が悪くなって客観的思考ができない病気だったのかもしれないですね。
追悼文を書いた長谷川三千子さんも、他人に命を捧げるといって自殺したら相手に迷惑がられるだろうとわかっていながら、天皇陛下なら迷惑でないだろうと決め付け、だから天皇は神だとしているところがめちゃくちゃですね。67歳で頭のしっかりした人は大勢いますが、この人はもうボケているのでは。
こんな人たちが結託して天下を取り、我々を支配しているのだと思うと怖いです。
委員長の浜田さんはしっかりしているのでしょうか。どうしてこんな人たちとやっていけるのかと不思議です。
返信する
祭祀の園 (和田)
2014-02-06 12:04:02
マックスウェーバーは前近代的思考を「呪術の園」と呼び、そこから脱却できた西欧と他の地域を比較論考した。東アジアでは祭祀の園が執拗低音を奏で続けている。中国は原始共産制との接続は放棄したが、中国の正統たる儒教を持ち上げ、共産党の存続意義は抗日戦争の正統と中国文化の正統でしかない。金王朝も抗日の正統を王朝正当の根拠とし、自作自演・壇君古墳の捏造も辞さない。日本は、呪術を様式的合理化した祭祀の連続性と一体性論理を血の論理(天皇主義=血縁擬制序列)に重ね合わせる。自然を擬人化し、多神を創作した。 アイヌの熊送り、殷・アズテクの他民族生贄、マヤ・インカの自己犠牲(自己生贄)、神道の奉納、これらすべては態様は異なれ、自然にひれ伏し、神に賄賂を送っていることに他ならない。 長谷川三千子は天皇を自然神に重ね合わせ、マヤ・インカのような自己犠牲を要求している。 米軍の火炎放射器で焼き殺さるべき原始人の思考方法を墨守する日本浪漫派である。
返信する
Unknown (サン)
2014-02-06 21:01:52
野村秋介が自裁に際して「すめらみこと」といったとき、それは昭和天皇を指しているのではないかとおもいます。

長谷川三千子が
「わが国の今上陛下は(「人間宣言」が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神となられたのである」
という、その天皇は、平成の今上陛下を指しているとしか取れませんが、そこには長谷川の解釈がはいっているとおもいますね。その解釈は誰よりも今上陛下その人が嫌がることでしょう。

「こころ」も、様々な読み方ができるとはおもいますが、
代表的な読み方のひとつは、
「先生」は乃木に代表されるような「明治の精神」に殉死することで死に場所を見つけたというものです。そして、「明治の精神」とは、軽々しく否定できるものではないが、かといって大正にはふさわしいものではない。

「こころ」をひきあいに出すのなら、そういう文脈で野村秋介の自裁を評価することもできたであろうに、残念なことです。
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