「慰安婦問題」強制連行資料あった。河野談話時に・・・/東京新聞・特報 ほか(追記関連資料もどうぞ)

2013-06-25 09:52:04 | 社会




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関連資料
15年戦争資料 @wiki 4 スマラン―スマラン慰安婦事件
日本占領下インドネシアにおける慰安婦―オランダ公文書館調査報告― 

白馬事件

強制連行の裏付けがなかったとする二〇〇七年答弁書に関する質問主意書

 「慰安婦」問題 赤嶺氏に回答 政府資料に強制証拠

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従軍慰安婦問題「強制連行」資料あった/東京新聞「こちら特報部」

旧日本軍による慰安婦の強制連行を示す証拠が、政府の発見した資料の中にあった。軍が抑留中のオランダ人女性を強制連行した事件の記録だ。
安倍内閣は、この事実を認める答弁書を閣議決定した。2007年の第一次安倍内閣時の答弁書で「強制連行の資料なし」としたのを、自ら否定した形だ。
強制否定派の最大のよりどころが揺らいでいる。(佐藤圭)

「僕の発言で維新への信頼が失望に変わった」。
東京都議選で惨敗を喫した日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は24日、自身の慰安婦発言の影響を認めざるを得なかった。

慰安婦発言は先月13日に飛び出した。国内外で猛反発を浴びたのは「(慰安婦制度は)当時は必要だった」の部分だが、強制連行の問題でも元慰安婦の気持ちを逆なでしていた。
「暴行、脅迫、拉致をした証拠が出てくれば反省しなければならないが、証拠はないと閣議決定している」

この閣議決定こそが「07年答弁書」だ。

慰安婦問題では、宮沢内閣の河野洋平官房長官が1993年8月の談話で、政府として初めて軍の関与と強制性を認定した。

ところが、第一次安倍内閣が07年3月に閣議決定した答弁書は、河野談話を「継承している」と強調する傍ら、強制性については「政府が発見した資料の中には、軍や官憲による強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」と断じた。

では、「政府が発見した資料」とは何か。

共産党の赤嶺政賢衆院議員が質問主意書で、この点をただした。
安倍内閣が18日に閣議決定した答弁書は、「内閣官房長官が発表した『いわゆる従軍慰安婦問題の調査結果について』に記載されている資料を指す」と説明した。

この調書は91年12月から進められ、92年7月と93年8月に結果が公表された。その中には、旧日本軍による強制連行をズバリと示す資料が含まれていた。
法務省が保管していた「バタビア(現・ジャカルタ)臨時軍法会議の記録」だ。

記録によると、第二次大戦中の44年、日本占領下のオランダ領東インド(現・インドネシア)のジャワ島・スマランで、日本軍将校らがオランダ人抑留所からオランダ人女性を慰安所に強制連行し、脅すなどして売春を強要した。

将校らは戦後、オランダがバタビアで開いたBC級戦犯裁判で強制売春事件として裁かれ、死刑を含む有罪判決が言い渡された。

それでも答弁書は、「強制連行の資料なし」との安倍内閣の認識は「同じである」とする。

赤嶺氏は「強制否定派は、07年答弁書を最大限利用してきたが、政府資料に強制連行の記述はあった。安倍内閣は07年答弁書の『強制連行の資料なし』は誤りであったことを認めて撤回するべきだ」と迫る。

官僚たちは、政府の発見した資料の中に「スマラン事件」が含まれていることを知っていた。

安倍首相が事務局長を務めた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の97年の会合で、内閣官房の審議官は「官憲等が直接加担したことがあった。
慰安所に入れた事例(スマラン事件)だ」と明言した。

民主党政権では、スマラン事件を踏まえた「答弁メモ」を官僚が作成していた。
野田内閣の藤村修官房長官は国会答弁で「強制連行を直接的に示す(日本政府の)公文書は発見されなかった」と述べている。
この表現ならば、オランダの資料は除外される。

一方、07年答弁書は、河野談話を誤った解釈に誘導してきた。
「公文書なし」を「資料なし」とぼやかし、世間の目からスマラン事件を隠した。
さらに安倍首相は国会答弁で「証拠はなかった」と拡大解釈した。
これが広く流布した結果、橋下氏ら一部政治家の「証拠なし」発言が繰り返されている。

慰安婦問題に詳しい吉見義明・中央大教授は「河野談話は、誘拐や人身売買による連行、慰安所での強制使役への軍関与を幅広く認めているが、安倍首相は、強制の問題を軍・官憲による暴行・脅迫を用いた連行に縮小化し、証拠は文書に限定して強制連行はなかったと言っている。
だが、それだけ絞り込んでもスマラン事件という反証がある」と指摘する。

安倍首相ら強制否定派は、河野談話の「ミスリード」にとどまらず、同談話以降に明らかになった資料や証言を無視して取り合わない。

オランダ政府が94年に公表した報告書では、スマラン事件以外にも、未遂を含めて8件のオランダ人女性強制連行事件を挙げている。

日本の裁判所も、軍による暴行・脅迫を用いた強制連行の事実を詳細に認定している。

例えば、中国人慰安婦第一次訴訟の東京高裁判決(04年12月)では「軍構成員によって、駐屯地近くに住む中国人少女や女性を強制的に拉致し、連日強姦すする慰安婦状態にした」と、原告の被害事実を認めた。

元慰安婦からの聞き取り調査を進めてきたノンフィクション作家の川田文子氏は「裁判所の事実認定は元慰安婦の証言に基づいている。
強制否定派が、元慰安婦の証言をウソだと言ったりするのは、残忍な連行や性暴力の事実と向き合いたくないからだ」とみる。

国連の拷問禁止委員会は先月31日、橋下氏らの発言を念頭に、慰安婦問題について「政府当局や公的な人物による事実の否定に反論を」と日本政府に勧告した。
しかし、安倍内閣は18日に閣議決定した答弁書で「勧告に従うことを義務づけているものではない」と突っぱねた。
安倍首相らが「事実の否定」をしているのだから無理もない。

橋下氏も、慰安婦発言について「間違ったことを言ったとは思っていない」と撤回を拒否している。
吉見氏は「国連などからは、慰安所で女性の自由を奪い、性行為を強要したことが性奴隷制度だと非難されている。連行の形だけにこだわる安倍首相らの議論は国際的にまったく通用しない」と警鐘を鳴らす。

川田氏は「安倍首相や橋下氏らの妄言が元慰安婦を一層傷つけている」と批判した上で、「根本的な解決を」と訴える。

「元慰安婦はほとんどが80歳を超えている。訃報も頻繁に伝えられるようになってきた。日本政府の明確な謝罪と補償が急がれる」
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[デスクメモ]
連行先の慰安所に拘束され、本人の意思に反した使役も「強制」だ。
戦時下も犯罪行為だった。
金のために身売りされた公娼制の戦地版として当時は合法的との主張も国際社会から認められない。
公娼制は国内でも「事実上の性奴隷」と人道上から批判され、廃止が強く求められていた。(呂)


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猪俣 良樹さんから/市民社会フォーラム

以前インドネシアへ取材に行ったとき、バリ島にあった日本海軍の慰安所に勤めていたハディ・スカムトさんという人に聞き書きをし、関連の場所に連れて行ってもらったことがあります。
その経緯は小著「日本占領下インドネシア旅芸人の記録」(めこんP186~)に記されています。
既に周知のことかもしれませんが、内容は下記のようなものです。

「スカムト氏の勤めていた慰安所はデンパサールの憲兵隊本部から歩いて数分、カルティニ通りに面した旧オリエンタル・ホテルを改装したもので、私が取材した95年時には、建物は取り壊される寸前だったが、当時の面影は未だ残っていた。
スカムト氏によると、何故慰安所へ来たかについては、話したがらない慰安婦が多かったが、それまでバリに商売女は居なかったから、貧しさが原因であるはずはないと氏は強調した。
親しくなった若干の慰安婦は、兵隊にむりやりトラックに乗せられ、連れてこられたと話していた由。
一番仲の良かった女性の話では、ある日、兵隊がやってきて、軍の施設で働いてもらいたいと言って、いきなり彼女をジープで連れ去ったという。
戦後結婚しバリ島北部のシンガラジャで食堂を開いているその女性にスカムト氏を通してインタヴュウを申し込んだら、承諾してくれたので、シンガラジャまで会いに行った。
腰にサロンを巻いた品のいい老女が出てきた。
いざインタヴュウを始めようとして、ふと気づいたら、どこから聞きつけたのか、店の前は黒山の人だかり。
スカムト氏の判断で話を聞くのを諦め、そのまま戻った」

以上が私の取材体験です。ご参考までに。


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19 コメント

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悪人の手からは水も漏れるw (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2013-06-25 16:57:10
だいたい、証拠隠滅をはかった犯罪者が被害者側に「証拠出してみろよ」と開き直るに等しい弁護論が、国際社会で通用するわけがないことすら理解出来ないバカウヨどもの方こそ、出来ると思うんならアリバイ証明でも出してみせろっちゅうんだよwww

書類焼却や物資の隠匿・横領移転などなど、天皇の軍隊が終戦時に行った証拠隠滅のための組織的悪行は欧米でも有名なんだからねぇwwwwwww
旧日本軍じゃ酒保で売ってるコンドームの使用案内の中などにも軍部の強制慰安加担を物語る証拠の数々があったそうですよ。バカは731問題でも戦後頭隠して尻隠さずを続けていたそうだけど、ホント、ウヨって救いようのないバカですねwww
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買って来ました! (N.O.)
2013-06-25 19:08:41
ありがとうございます
東京新聞、コンビニで買って来ました。
この新聞はなぜこのようなことが書けるのでしょう。
ナベツネさんや中曽根さんとのシガラミがないのでしょうか?
読売や朝日なら「バタビア裁判は戦勝国が行ったものなので効力がない」と著名人にコラムで書かせるのではないでしょうか。自社の責任で書く勇気はないでしょうが・・・
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Unknown (サン)
2013-06-26 02:52:33
いわゆる「白馬事件」のことですね。これについては、慰安婦問題に多少関心のある人なら誰でも常識として知っています。

現地の日本兵が軍規違反をおかした犯罪で、犯人は裁判で死刑となっています。態様としては、売春というより韓国軍がベトナム戦争で犯しまくったというレイプに近いものであり、死刑も当然ですね。そして、日本とオランダとのあいだでもすでに決着のついたはなしです。

なお、韓国のベトナム派兵は1964年から1972年という、大戦後はるかに時間がたち、人道への犯罪という概念も固まりつつあったころですが、そのころ韓国人は、ベトナムで女性を犯しまくりました。一方、韓国国内では売春を外貨獲得のための産業と位置づけていたのですね。

話を戻しますと、強制連行否定派が「強制連行がない」というとき、ふつうは「朝鮮半島において」「軍隊(官憲等)が直接」ということばが省略されています。
河野談話には「官憲等が直接これに加担したこともあった」ということばがありますが、これは「白馬事件」を指すのだと言われています。しかし、あたかも朝鮮半島においても「白馬事件」と同じような強制連行があったように読めるように、わざと曖昧に河野談話は書かれているといわれています。その背景には韓国側との取引があったともいわれていますね。

この曖昧性の解消のためには、あらたな談話が必要だと私などはおもいますが、いずれにせよ、赤旗とか東京新聞が「白馬事件」を十分な説明なくこのようにとりあげることは、慰安婦問題というよりも、赤旗や東京新聞自身を饒舌に物語っています。
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Unknown (Unknown)
2013-06-27 21:16:49
日本を貶める事に血眼になるバカサヨのブログか。
ライダイハンやアメラジアンみたいな証拠がハッキリある性奴隷問題は素通りか。
キムチ臭いブログだな。
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Unknown (N.O.)
2013-06-28 00:44:19
白馬事件は、本来なら、日本の軍事法廷で裁いて処分しなければならない例でしょう。戦争が終わるまで関係者たちが誰も処分されなかったのは、強制連行が罪悪視されていなかったためではないですか。
「強制しなければ女が集まらない」のが実態だったし「どこでもやっているから」というので、大勢いた将校たちも誰も逆らわなかったのでは。
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Unknown (Rawan)
2013-06-28 05:24:39
書き起こし文中、佐藤圭氏の前文が、「デスクメモ」の部分に再記載されていますよ。
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Unknown (Unknown)
2013-06-28 08:20:32
Unknown (N.O.)さんへ

>「強制しなければ女が集まらない」のが実態だったし「どこでもやっているから」というので、大勢いた将校たちも誰も逆らわなかったのでは。


「強制しなければ女が集まらない」のが実態だった根拠は何ですか?本当は強制じゃなく「高額報酬で募集」したのではないですか?

「どこでもやっているから」というので、と言う事なら他にも多くの事例があるはずですからそれらを列挙してください。

大勢いた将校たちも誰も逆らわなかったのでは。という根拠は何ですか?

貴方の憶測や推論だけでは私は理解できない。


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Unknown (サン)
2013-06-28 12:14:17
>>白馬事件は、本来なら、
>>日本の軍事法廷で裁いて
>>処分しなければならない例でしょう

これはその通りです。
当時の戦況的にそれが潜脱されたのであろうと思っています。
また、現在の沖縄米軍をみても明らかなように、
レイプを犯した兵士が実際のところは当の軍隊によってはあまり厳しく罰せられないという現象が普遍的なのかも知れませんね。

詳細については今後の研究を待ちたいと思いますが、とりあえず言えることは
①連行された女性の父のオランダ人が日本軍上層部に強制的な連行と売春の事実を報告したところ、すぐにその訴えが認められ、現地の第16軍司令部はスマラン慰安所を即時、閉鎖させた。→つまり、軍司令部は違法性を認識し最低限の行動はしています。
②裁判では、慰安婦にされた35人のうち25名が強制と認定されている。→つまり、当時の連合国の認識では10名は強制性のない「売春」だったということです。ここは「慰安婦全員が性奴隷」と言っている現在の韓国と異なる点です。
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「白馬事件」を検索したら (N.O.)
2013-06-28 23:07:02
ウィキペディアの「白馬事件」を読んでみると、捕虜のオランダ人女性たちが強制連行され、強姦されたのが2月で、3月1日から毎日客を取らされ、4月末にようやく4箇所の慰安所が閉鎖されたとありますね。父親の1人が捕虜のリーダーだったので、外部から来た高級将校に直接訴えることが出来たのでしょうが、それでも娘が拉致されてから取り返すまで2ヶ月以上かかっています。
前に読んだこの事件についての本によると、実刑に罰せられた将校は10人以上おり、罪状で多かったのは、婦女の誘拐や強姦、強制売春を取り締まらねばならない立場だったのに放置した、というものだったような記憶があります。直接加担していなくても、知らん顔をしていただけで有罪ですから、関係者がみんなシラを切るのも当たり前ですね。
ウィキペディアによれば、スマラン以外にも同様の慰安所が多数あり、200~300人のオランダ人女性が働かされていたといいますから、「組織的」以外の何ものでもないですね。裁判では、他の女性を守るためにみずから身代わりになった人たちは、強制の数には入っていないそうです。

朝鮮人の場合、高額の報酬という謳い文句に釣られたプロの女性も皆無ではないのかもしれませんが、その高額の報酬を約束した募集要項には仕事の内容が具体的に書いてあったのでしょうか?「体が丈夫であること」が条件とされていても、売春目的とは思わない女性が多かったのでは。無知のために「外国では賃金相場が違うので、メイドのような仕事でも貯金が出来るのだ」と思った人もいるでしょう。また、その報酬から各種費用を勝手に差し引かれ、手取りが残らなかった例も多いそうです。
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Unknown (サン)
2013-06-29 04:40:49
>>スマラン以外にも同様の慰安所が多数あり、
>>200~300人のオランダ人女性が働かされていた

このあたりの詳しい知識は私にはないのですが、、
もともとオランダ領であり、オランダには当時公娼制度があり、日本軍がはじめて慰安所をもちこんだわけではないという記述をみたことがあります。娼館の経営者には白人もいたとも。つまり、その記述によれば、もともとオランダ植民地はひとつの社会であり、多様なオランダ人がいて、売春しているオランダ女性もいたということになります。そこに日本軍がはいってきたわけですね。
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