ヨルダンの連続ホテル爆破事件はイラク人と無関係?/アラビア・ニュース

2005-11-14 23:06:21 | 世界
9日にヨルダンのアンマンで起きた連続3ホテル爆破爆破事件の犯人はイラク人4人で、内拘束されたイラク人女性一人はテレビに出演して犯行の模様を語ったが、各方面から疑問の声が沸き起こっている。13日のアラブ自由メディアから一部紹介しよう。
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【バスラ・ネットが掲載したアリー・ムハンマド氏の評論】
 伝えられたように、米国とイスラエルの諜報機関はホテルで秘密会談を開くほど間抜けなのか? 会議室に盗聴装置が仕掛けられていないと誰が保障できるのだ?どんな下っ端のホテル従業員でも仕掛けられるだろうが。

 アルカーイダが秘密会議の目的と出席者を掴んでいたのなら、彼らの悪行を避けるために少なくとも盗聴しようとしなかったのか?ホテル内に手先を見つけることが困難だったからか? しからば、如何にして出席者を特定できたのか?

 世界中の、特にアラブ世界の、どの政権でも同じように、ヨルダン政府もヨルダン人がこの攻撃を実行したとは決して言わず、常に外国勢力のせいにする。ザルカーウィは白紙委任状を差し出す用意があるので、どんな事件でもザルカーウィに擦り付けることは極めて容易だ。思うに、2英国人がイラクのバスラのシーア派聖地に(爆発物で)テロ攻撃実行に成功して、イラク警察に捕まっていなければ、ザルカーウィの罪にされていたであろう。

 より不可思議なことは、米占領軍に対する自爆攻撃がイラクで行われると、米国とイラク現政権は、外国人テロリストが犯人だとするくせに、ヨルダンで起こると、ヨルダン側は3ホテルの爆破実行者をイラク人だと名指しすることだ。

 随分遅れて出されたザルカーウィの声明文を書いた者は、流された報道を元に、「攻撃目標にされたホテルはパレスチナの諜報機関が使っていた」と主張したようだ。
http://www.albasrah.net/ar_articles_2005/1105/aliba_131105.htm

【イラーキ・リーグより】
 爆破事件発生後48時間以内に如何にして、飛び散った四肢から実行犯の国籍が特定できたのか? 彼らは9.11事件のように、爆破にも侵されることが無い不死身のパスポートを所持していたとでも言うのか?

 それともロンドン連続爆破事件でロンドン警察が発表したように、死への旅立ちの彼らは身分証明書をポケットの中に突っ込んでいたのか?

 ヨルダンのテレビに登場して自供したマージダ・ドレイミーとは何者だ? 何故わずか30秒ではなく、事件の全容を語らなかったのだ? また話し方が躊躇せず確信に満ち、(爆死した)夫のことを悲しむ様子も見られず、自分の行く末を恐れている風に見られないのは何故だ。

 この女は本当にホテルを爆破しようとしたのか? アンマンに数万人もひしめくイラク人の中から如何にして24時間以内に逮捕できたのか?

 イラクのサードーン・ドレイミ国防相が事件直後突如アンマンに行った理由は何か? そして彼の第一声が、シリアがイラクに爆発物を持ち込んでいるとの非難であったのは何故か?

 シリアに調査チームを派遣する国連安保理の決議を出させ、その後イスラエルの夢を実現させるために、シリアとアルカーイダ、アンマンのホテル爆破事件を結びつけようとする者がいるのか?

http://www.iraqirabita.org/?do=article&id=2627
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【参考記事】    http://www.cnn.co.jp/world/CNN200511140001.html
アンマン・テロ、「自爆失敗」女性の自供映像が国営テレビに
2005.11.14      Web posted at: 10:28 JST- CNN
アンマン(CNN) ヨルダン国営テレビは13日、アンマンの同時自爆テロで4人目の自爆犯になるはずだったとされるイラク人女性が自白する様子を放映した。女性は黒いガウンの下に爆弾を巻き付けていた。

放送によると、治安当局に拘束されたこの女性はサジダ・アルリシャウィ容疑者(35)。白いスカーフを頭に巻き、黒いガウンで体を包み、ガウンの下には腰にぐるりと爆弾を巻き付けていた。

アルリシャウィ容疑者はカメラの前で、「夫は自分の爆弾を起爆させた。私もそうしようとしたが、失敗した。人々は走って逃げまわっていて、私も一緒に走って逃げた」と話した。

アルリシャウィ容疑者は「夫が全てを計画した」と発言。結婚式場の隅と隅に離れて立って、同時に自爆する予定だったという。夫と自分はイラク・ラマディ在住のイラク人で、11月5日に偽造旅券を使ってヨルダンへ向かったと話した。

「白い車がイラクまで私たちを迎えに来た。運転手と別の乗客がいて、いっしょにヨルダン入りした」と容疑者。アンマンでアパートを借り、夫に爆発物の扱いを教わったと説明した。

国営テレビで放送された映像がどういう状況で撮影されたものか、詳しい情報は明らかにされていない。

ヨルダン当局によると、アルリシャウィ容疑者の夫フセイン・アリ・アルシャマリ容疑者はラディソンSASホテルの結婚式場で自爆し、38人を殺害した。自爆に失敗して逃げたアルリシャウィ容疑者は13日朝、アンマン市内の隠れ家で発見・逮捕された。

ヨルダン当局はこれまでに、アルリシャウィ容疑者のほかに12人を拘束したとしている。

同時テロについてイラク・アルカイダ機構は11日、ウエブサイトに犯行声明を出し、さらに続く声明で実行者について「指導者アブ・ホベイブ、アブ・モアドとアブ・オメイル、さらに4人目はわれわれの良き姉妹オム・アオメイル。彼女は夫に連れ添って殉教の道を歩くことにした」と言及していた。

ヨルダンのムアシェル副首相は、アルリシャウィ容疑者の兄弟が、イラク・アルカイダ機構の指導者でヨルダン人のザルカウィ容疑者の「副官」とされる側近だったと話している。この人物はイラク・ファルージャで殺害されたという。

ムアシェル副首相はCNNに対し、逮捕時のアルリシャウィ容疑者が爆弾ベルトを付けていたわけではないが、近くに爆弾ベルト2つが発見されたと話した。ベルトの片方には高性能爆薬RDX(ヘキソーゲン)、もう片方には殺傷力を高めるためのボールベアリングが詰まっていたという。


【短報】

* イラク軍、女性志願兵を募集 男性応募者だけでは必要人員が確保できないから 「im」

* チャラビ、サドル派を味方につけるため50万ドルの防弾仕様ベンツ車をムクタダ・サドルに贈呈、逮捕状の凍結も約束  「アシャルク・アルアウサト sa」

* 故サダト・エジプト大統領、イスラエル議会で証言前に嘘発見器に掛けられる 「マアーレフ」

* ロバート・フィスク:イラク軍がスンナ派地域を占領する可能性 ワシントンでは「拷問」の代わりに「虐待」を使用 「インディペンデント」

* 英MI5、テロ(ムスリム)監視に800人のムスリム青年のスパイを募集か 「サンデー・タイムズ」

* 選挙後の来年にアラブ諸国がイラクに派兵、抵抗勢力と激戦を予想 「アル・カーデル」

* イラクのシーア、スンナ両派が統一宗教裁定機関設立「イラク法学者集団」を発表 「イラーキ・リーグ」

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗  会員以外の転載希望者は個メールで受付
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