「教育再生会議」人選に疑問の声/世界日報

2006-10-13 23:51:15 | 教育
室長に就任の義家弘介氏 国旗・国歌、改憲などを批判/「教育改革」を政権の最重要課題に掲げる安倍首相が早々にスタートさせた直属の「教育再生会議」(座長=野依良治・国立理化学研究所理事長)。だが、民間有識者十七人で構成する同会議の室長に、横浜市教委の義家弘介・教育委員が充てられた人事には、保守派から「果たしてこのメンバーで、安倍首相が総裁選で掲げた教育再生の具体策を示すことができるのか」と強い懸念の声が上がっている。
(世界日報・教育問題取材班)

「ヤンキー先生」の愛称で知られる義家氏の半生は波乱だ。生後間もなく、両親が離婚。再婚した父のもとで暮らすも家庭内の不和の中で疎外され、やがて不良の仲間入り。進学校に入るが、「弟を殴り、姉を殴り、母を階段から突き落とし、拳に鉄製のナックルと呼ばれる凶器をつけて父を殴り、入院させた」(著書『不良少年の夢』より)。
 さらに担任の教師の髪にライターで火を付けて、退学処分となり、同時に家からも絶縁され、里親に引き取られる。その後、中退者を受け入れる北海道の北星学園余市高校に行き、明治学院大学へ。大学四年の時、バイク事故で危篤状態となるが、恩師が駆け付け必死に励ましてくれたことがきっかけで教職の道を歩む決意を固める。母校の余市高校教師となり、問題生徒を相手に体当たりの指導が映画やテレビドラマとなり脚光を浴びる――。

 義家氏は、昨年四月から横浜市の教育委員に就任。現場の学校を視察する傍ら、複数の新聞・雑誌連載やテレビ、ラジオ番組をこなし、各地で講演活動も行う。十一月も合計二十一本の講演が予定されている。

 教育現場を知り、幅広い人気を持つが、思想的には明確に「左」の立場に立つ。岩波書店が発行する雑誌『世界』平成十六年四月号に「なあ、みんな、学校は好きか?」と題する寄稿で、こう書いている。


「私が学校という教育現場から問いたいのは、出口の見えない暗闇で子どもたちが悲痛な叫びをあげている現実の中で、教育現場に『日の丸・君が代』を持ち込めば、道徳教育を徹底すれば、日本人としての自覚や、国際協調の精神が培われると、文部科学省は本気で思っているのか、ということである。(中略)

 想像してみて欲しい。卒業式の君が代斉唱で起立しなかった大好きな先生が、式の後で処分されたという話を聞かされた卒業生の気持ちを。想像してみて欲しい。『日の丸・君が代』で悩んだ校長が自殺してしまった翌日に、卒業式を迎える生徒たちの気持ちを」

 同様の内容を義家氏は、共産党系の「新婦人の会」でも語っている。また『世界』別冊「もしも憲法9条が変えられてしまったら」(平成十六年十月一日発行)で伊藤真氏と対談して、次のような発言をしている。

 「たとえば俺は生徒にこう言っています。『証拠もなしに人を疑うな』『いかなる場合でも暴力は許されない。話し合いで解決しろ』『強い者に無批判に従うな。自分自身の意見をちゃんと持て』……。

 それがイラク戦争を見てください。それとはまったく正反対のことが行われているんですよ。(中略)社会のあるべき姿を語るものが憲法ですよね。なし崩し的に『現実に合わないから憲法を変える』なんておかしいと思う」

 彼は発言だけでなく、平成十六年三月二十日に行われた「イラク占領NO! 呼び戻せ自衛隊! 私たちは戦争を認めない! 3・20さっぽろピースウオーク」集会の呼び掛け人に名を連ねてもいる。

 また教育再生会議のメンバーには、ほかに文部科学事務次官時代に毎日新聞のインタビューに答えて「『権力を倒すには暴力が必要である』と本気で考え、デモもした」と発言して物議を醸した小野元之日本学術振興会理事長の名もある。

 今月二十二日に正式発足する日本教育再生機構(設立準備室代表・八木秀次高崎経済大教授)はホームページ(HP)で、「社是に『ジェンダーフリー』を掲げる資生堂の池田守男相談役、フェミニスト的子育て論を展開している白石真澄東洋大教授、『しんぶん赤旗』に頻繁に登場するエッセイストの海老名香葉子氏、全日本教職員組合の元組合員で多くの現場教員から『百ます計算』を批判されている陰山英男立命館小副校長、ゆとり教育導入時の文部事務次官で過激な学生運動経験を明らかにしたことのある小野元之日本学術振興会理事長らの人選は、教育再生会議に期待する多くの良識派を失望させるもの」と批判。

 義家氏についても「国旗・国歌や教育基本法をめぐって『しんぶん赤旗』や雑誌『世界』で左翼的主張を繰り返してきた義家弘介横浜市教育委員が、事務局の担当室長に就任したことには強い疑問を抱かざるを得ません。果たしてこのメンバーで、安倍首相が総裁選で掲げた教育再生の具体策を示すことができるのでしょうか」と強い疑問を呈している。

 また、今回「安倍色」の薄い人選となった背景について、ある教育関係者は「官邸が主導権を握ることを恐れて、公明党や官僚がかなり激しい巻き返しをしたのだろう」と語った。

 この件について、義家事務所は「本人が多忙のため、コメントできない」と答えた。

http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/061013/061013.html
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小野文部科学事務次官が本紙に疑惑釈明会見
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/020726/main.html

日本教育再生機構
http://kyoikusaisei.blog73.fc2.com/blog-entry-24.html

義家弘介
http://www.yoshiie-hiroyuki.com/


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