国交省はボディスキャナー導入を中止すべきだ!/No more Capitalismから

2010-03-30 21:14:10 | 社会
本日(30日)午前中に国土交通相で開かれた記者会見で、テロ対策を口実とした空港へのボディスキャナー導入にむけた実証実験を開始すると報告された。(報道発表)すでにマスコミも報じているが、プレスリリースには次のようにその理由が述べられている。

--------------------------
3月13日に開催されたアジア太平洋地域航空保安大臣会合の共同宣言において、昨年末の米国樹テロ未遂事件において、金属探知機では発見できない化学物質が爆薬として使用された事態を受け、「個人のプライバシーや安全を尊重しながら、持ち込みが禁じられている物質を探知し、またそのような物質の機内への持ち込みを阻止するために現代技術を活用する」などが盛り込まれました。
 また、この会合において、各国より金属探知機では発見できない化学物質等の見地のため、ボディスキャナー導入に関する積極的なプレゼンテーションが行われました。
 このような状況を受け、今回大臣会合を主催し、アジア太平洋地域において航空保安の確保について先導的な役割を旗すべき我が国においても、下記のとおり、全身透視型ボディスキャナーの実証実験を実施するとともに、導入に向けた課題を検討することとします。
-----------------------------

実証実験は、7月を目途に、「ミリ波型のボディスキャナーを中心に」(「中心に」ということは他の方式も平行して行うということを意味する)成田で実証実験する。
実証実験の実施準備のために「実施方式や評価手法等を検討するボディスキャナー実証実験実行委員会を4月に設置」するという。
国交省の担当は、航空局管理部航空安全推進課(問い合わせ先は、03-5253-8696)。
3月13日のアジア太平洋地域航空保安大臣会合で、ボディスキャナーの導入は盛り込まれていない。
宣言(PDFファイル)の内容は、ありとあらゆる技術を駆使して個人情報を収集し乗客を監視することを正当化する文言で埋め尽くされている。
それでもなおボディスキャナー導入は明言されていないのである。
にもかかわらずあたかも大臣会合で決まった方針であるかのようにしてボディスキャナーを導入しようというプレスリリースの書き方は、明らかにマスコミをミスリードし、虚構の「外圧」で導入を強引に推し進めようという政府の恣意を感じる。
しかも米国での昨年末の航空機テロ未遂事件は、米国内の諜報機関相互の連携ミスが原因であって空港の監視体制の不備が事件を引き起こしたわけでもなく、オバマ政権の求心力低下を糊塗するための急場しのぎの政策であったことは今では明らかな話である。
こうしたそもそもの米国での導入経緯の問題を一切無視しての導入の決定はまったく理解できない。

このブログでも繰り返し指摘してきたように、ボディスキャナーの人権侵害は明らかだ。
もし金属探知機で探知不可能な物質の探知というならば、この国には地下鉄サリン事件という恰好の先例があった。
しかし、地下鉄にボディスキャナー導入などという話はおろか、金属探知機も身体検査も荷物検査もありはしない。
地下鉄でやらないことなら航空機でやる必要などさらさらないのだ。
逆にテロ対策としての人権侵害的な自由の剥奪と人々に対するテロリスト視は、ますます権力への敵意を煽り、さらに人々の間に「あの人怪しいね」といった相互の疑心暗鬼を助長するだけだ。
たぶん、どのような装置を導入しても「テロリズム」はなくなりはしない。
なぜなら国家自身が歴史的に繰り返してきたテロリズムの元凶であるということを棚にあげて、一方的に反政府的な行動を「テロリズム」として弾圧する不合理な政治にしかなっていないからだ。
監視技術が助長する敵意で得するのは、人々の不安感情をビジネスチャンスにするセキュリティ産業と警察や軍隊など暴力と強制力で「テロ」をねじ伏せることを専門とする部門だ。

他方で、政治や外交のまっとうな筋道を通すことや人々の相互理解や紛争の和解を目指す地道な対話の努力はますます軽視されてゆく。
日本は米国との同盟の証として、日本を訪れる世界中の人々の裸体を米国と共有するそれこそ猥褻この上ない下品な国家になりさがる一方で、アジアの人々からますます孤立する道を選ぶのだろう。

ボディスキャナーについては下記をごらんください。
(声明)空港での全身透視スキャナー導入に反対します
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=28
国連人権理事会で全身スキャンをプライバシー侵害とする報告
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=60
全身盗撮スキャナー導入は本末転倒だ!
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=40
空港での全身スキャン検査(続き)
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=18
空港での全身スキャン検査に批判が広がる
http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=17

No more Capitalism

--------------------------------
ヌード以外も見ておくれ。爆発物は軽くスルーの空港全裸スキャナー(動画)
Nacktscanner bei Markus Lanz

ヌード以外も見ておくれ。爆発物は軽くスルーの空港全裸スキャナー(動画)
掲載日時:2010.02.04 19:00
下着の中まで見透す恐るべき眼力で市民を不安に陥れた全裸スキャナーが、肝心の起爆剤はまるでキャッチできないザル男と判明、市民を二度不安に陥れています。

上の番組は1月にドイツで放映されたもの。赤ネクタイの恰幅のいい男性がいろんなものをあちゃこちゃ隠して全裸スキャンしてもらい、危険物がどの程度検出できるかプロにみてもらう検証番組ですね。

スイスアーミーナイフ、携帯、マイクロフォンは見事検出しました..が、肝心の危ないものは完全スルーです。

それが分かるのは2分07秒から。
いや~出てくる出てくる~。体腔に隠すまでもなし、です。

さらに驚くのが7分35分から。出演者が「さび~」とブルブル震えながら雪の戸外に出ていきますよ? なにやらコンクリートの台の上にフライパンを取り出しました。そう、スキャナーを通過したボトルの内容物をこの上でミックスするんですね。

「そっかー、あの靴下の中のものはこうやって使うんだ!」と分かった次の瞬間には...ひえ~タマヤ~!  残された黒焦げのフライパンには穴が開いちゃってます。


「安全のためなら生きたままの姿を数秒晒したって」とヌーディスト協会は全面支持の全裸スキャナーですが、本当にこれで安全確保できてるんだろか...。


*************************************
住基ネットに「不参加」を!横浜市民の会と
盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会
の共催で以下の集会を開催します。

民主党連立政権がスタートして半年、
野党時代は、監視・管理につながるとして、
盗聴法や住基ネットに反対の立場でした。
今後、現政権の監視・管理体制はどうなっていくのか、
お話を聞いて考えてみます。ご参加下さい。

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★

 民主党連立政権で監視・管理社会はどうなる?

★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★☆ ★

◆講演:小倉利丸さん(富山大学教員)
    「民主党政権下における監視・管理」

◆報告と問題提起:盗聴法と住基ネット関連問題について

◆日時:2010年4月12日 (月) 18時30分から
◆会場:かながわ県民センター 305号室
http://www.juki85.org/Yokohama/parts/KanagawaKenminCenterMap.html

◆参加費:500円
◆共催:盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会
    住基ネットに「不参加」を!横浜市民の会

********************************    
 鳩山政権が誕生して半年が過ぎました。自公政権との違いを
出そうと「政治主導でコンクリートから人へ」と、福祉や教育、
労働問題などでは新しいメッセージを発信しています。
しかし、一方で安全保障面では、国家として国民を管理する
発想のもと、監視・管理を強める傾向にあります。中井洽国家公
安委員長による「取り調べの可視化に伴い、通信傍受の拡充や司
法取引きなど、新たな捜査手法・制度の導入を検討する」発言が
あり、空港への全身透視スキャナーの導入や、納税者番号(国民
一人一人に個別番号を割り振り、所得や税、社会保障の情報を
一元管理する)の導入の検討をはじめています。
 また、東京都豊島区の産業プラザ会議室で監視カメラが配置され、
撮影・録音されていたことが発覚。さらに警視庁はインターネット
カフェ(漫画喫茶)におけるハイテク犯罪防止を柱とする全国初
の規制条例を、春の都議会に提出しようとしています。これら一連
のことは市民の人権やプライバシーを侵害し、言論や行動を制約
するものです。
盗聴法や住基ネットシステムが制定されてから10年が過ぎました。
これらの法案に反対していた民主党と社民党が政権与党になった今、
当時から反対運動をリードしてきた小倉さんからお話を伺い、
この10年を総括して、自由な市民社会をどのように築いていくか、
考えてみたいと思います。

********************************


よろしければ、下のマークをクリックして!
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。