パイプラインとユーロ決済で米国のイラン攻撃は必至/アラビア・ニュース

2006-02-25 10:03:23 | 世界
米国によるイラン攻撃は不可避であるとする評論を22日付のイラク・パトロールが伝えた。イランの対抗策はホルムズ海峡の封鎖しか無いのか?
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 下記URLのこの地図を良く見て欲しい。アフガニスタンとイラクへの侵略はイラン侵略への序曲であった。現在イランは、アフガニスタンとイラク、パキスタン、トルコ、ウズベキスタンと四方を米軍基地に囲まれている。アルメニアやトルクメニスタン、アゼルバイジャン、グルジアは全て米国の同盟国で、空港やその他の施設の使用の便宜をしている。無論アラビア海やホルムズ海峡には米艦隊が遊弋している。

黒の四角印は米軍基地。赤線は既存の石油パイプラインで、緑の点線は計画中の石油パイプラインだ。黒の太線は天然ガスの予定パイプライン。

 イランの北には米国が、アラビア」湾岸地域よりも豊富な産油地帯で今後数十年間米国の需要を満たすと考えているカスピ海がある。南には海の出口であるアラビア湾、ホルムズ海峡、アラビア海、そしてインド洋と続く。これはカスピ海原油を中国や日本、インドネシア、南アジアへ運ぶ最短のルートだ。米国の石油企業は、これらの諸国の、中でも工業の急発展でエネルギー消費が急増している中国の、石油マーケットの支配を狙っている。中国は来る大国であるので、中国への石油供給を握ることが米国の利益である。

 カスピ海からインド洋まで最も安全なパイプライン延長計画を米国は検討した。米国は以前バクーから地中海に面するジーハン港(トルコ)に運び、スエズ運河を抜け、インド洋に出るルートを考えたが、それだと距離が倍で、パイプライン費用が増大する。

 2002年から精力的に検討した結果、最短距離で最小コストのパイプラインは、イランからアラビア(ペルシャ)湾に抜ける(地図上の緑線)という結論で専門家の意見は一致した。

 パイプラインのほかにもイランは、戦争の原因となることを行った。すなわち、欧州との原油取引にドルに代わってユーロによる決済を決めたのだ。眼前に迫った債務増加や経済破綻の危険を抱える米国に痛打となるであろうこの決定は今年の3月から発効する。

 最早イランはいかなる手を打とうとも、米国による戦争計画を止められない。米国は戦争のために準備を始めた。そこで、核施設の査察チームをイランが受け入れざるを得なくするために、イラン問題を国連安保理に付託した。同じことが繰り返される。核査察官の衣服をまとった米国の諜報機関要員が、攻撃目標地点を限定するためにイランを訪問するのだ。

 イランはイラクのように多数の民族と宗教からなるモザイク国家である。米国は、イランの少数民族であるアラブ人(人口の3%。アフワーズなど産油地帯の南西部に居住)、バルーチ人(2%。東部に居住)、クルド人(9%。北西部)などの民族運動の支援活動を開始した。

 イランが取り得る手段には、イラク国内や、恐らく湾岸やレバノン、シリアのシーア派信徒の中に騒擾を起こすと脅迫することしか残されていない。或いはイランは、ホルムズ海峡を閉鎖出来るかもしれない。自国の船舶であれ、複数の船舶に数発のミサイルを発射し沈めれば、石油輸送の大動脈が切断される。

http://www.iraqpatrol.com/php/index.php?s=e78adbbbb2a76bf1e53de8438299cfc1&showtopic=13968
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【参考情報】 シリア、外貨決済を米ドル建からユーロ建に変更
http://jime.ieej.or.jp/htm/sidoku.htm

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗  会員以外の転載希望者は個メールで受付
http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/


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