ペルー・コンガ金鉱山開発計画(事業規模48億ドル)に抗議するデモ「誰もがピサロの史話を知っている」

2011-11-29 21:11:26 | 世界
ペルーの金山開発反対デモ、警察介入=大統領の試金石に

 【カハマルカ(ペルー)25日ロイター時事】ペルー警察は25日、資源大手の米ニューモント・マイニングによるコンガ金鉱山開発計画(事業規模48億ドル)に抗議するデモ参加者を退散させるために催涙ガスを発射した。

 数百人のデモ参加者のうち、1人が負傷した。環境活動家は、同鉱山が周辺の水資源を汚染すると懸念しており、ウマラ大統領が市民との対話集会を開くまで抗議活動を続けると語った。

 抗議行動を指揮しているカハマルカ地区代表のグレゴリオ・サントス氏は、「この計画は実現不可能だ」と述べた。デモ参加者や農民は鉱山開発によって汚染されるほか、山岳のいくつかの湖が人工の貯水池に置き換えられ、それによって農業用かんがい水源が変貌してしまうと警戒している。

 ペルー政府は同計画の環境計画が健全だと主張している。ニューモントも、厳しい基準に基づき、度重なる調査と計画の設計を行ったと述べている。

 同国の鉱山開発史上最大で、数千の雇用を生み出す予定だった同計画は、前政権からも承認されていた。しかし現在でもこのように膠着状態に陥っており、ウマラ政権にとって重要な試金石になっている。

 左派の軍人だったウマラ大統領は選挙運動中、天然資源をめぐる長年の社会的な対立の緩和を公約に掲げた。このような対立は何十億ドルもの対ペルー投資を遅らせてきた。同国は世界最大の資源輸出国の1つだ。

 同大統領は7月の就任以降、産業界を満足させる一方で、地方の貧しい人々の支援もできる仲裁者となるよう努めてきた。しかし、同大統領を長年支持してきた人々の一部は、同大統領が鉱山開発に賛成しており、右寄りに傾き過ぎていると批判している。

 また、鉱山開発に反発する風潮が根強く、地方の意思が中央政府に無視されているという感情が強いペルーのような国では、同大統領が目指す仲裁は簡単には進まないと指摘する向きもある。

 カハマルカ選出議員のホルへ・リマラチン氏は「企業はここに来ては金を採掘して、いずれはいなくなってしまう。まるで植民地時代のようだ。人々はだまされたと感じている」と語った。

 スペインのコンキスタドール(征服者)として知られるフランシスコ・ピサロ(1470年頃?1541年)は500年近く前に当地カハマルカで、インカ帝国の皇帝アタワルパを生け捕りにした。そして1部屋分の金と2部屋分の銀を身代金として要求した。インカ人たちは金銀を手渡したが、ピサロはアタワルパを処刑してしまった。金のあった部屋は現在、カハマルカの博物館の一部として残っている。

 リマラチン氏は「カハマルカでは誰もがピサロの史話を知っている。人々の心の中に深く刻まれているのだ」と語った。[時事通信社](2011/11/28-12:38)

http://www.jiji.com/jc/rt?k=2011112800368r



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