所属する千葉高教組「日の丸・君が代」対策委員会の機関誌『ひのきみ通信5/18号』用に、以下の雑文を書きました。
参考まで。
＊
───────────────────────────────────
「国民栄誉賞」雑感
Ｔ．Ｔ．0513（千葉高教組市川支部「ひょうたん島研究会」）
───────────────────────────────────
基本的にTVは見ないので、5/5(日)に行なわれた「ミスター＆ゴジラのW受賞狂想曲」に、ぼくはそれほどは巻き込まれていない。
居酒屋のカウンターで『日刊ゲンダイ』のクイズを解いてる時にTVで報道（ああいうのを「報道」と言うのか？）されているのを見たが、皆さんが盛り上がってるのに茶々を入れるほど野暮な生き方はしてないつもりだ。
それでも、この賞の「報道のされ方」に違和感をもったので、いくつかの雑感を書く。
＊
『朝日』のスポーツ面というのはほとんど読まないのだが、授賞式翌日の5/6(月)には「見出し」に目が止まったので、思わず読んでしまった。
その「見出し」とは、「愛すべきミスターの空振り」。
編集委員の西村欣也のコラム「EYE」欄のエッセイである。
「空振り」については、前日、上述したように、居酒屋で見た。
このエッセイの冒頭、西村は「国民栄誉賞を政治利用するな。私はその意見に賛成する」。
「賞の批判をしてくれるのかなあ」と期待したのだが、その期待は、一瞬で終わってしまった。
紹介した文に直接続けて、「が、長嶋茂雄が受賞の場にいることは、素直に喜びたい」。
ウ～ン、「素直」－か？
実はぼく、数学の授業の中で、この言葉をよく使う。
例えば、「ｙ＝２ｘ－１にｘ＝０，１，２・・・を代入すると、点が書けるよね。
その点を素直に結ぶと、直線が書けるよね。素直な気持ちって、大事だよね」－
みたいに。
でも、その後にオマケを付けることが多い。
例えば、「２ｘ２＋ｘ－３は２次式、じゃあ、ｘ３＋ｘ２＋５－ｘ３は？」－みたいな。
「素直」なのはとてもいいことだけど、「素直過ぎることは、そんなにいいこと」じゃない。
ものごとってのは、ちゃんと考えて判断しないといけない－なんてことまで喋ると、完全にオジサン・ティーチャーの独り言になってしまうが・・・。
西村のエッセイ、「この日の始球式。左手１本で松井のボールをヒットしようとして空振りしたヒーローの姿に、思わず私のほおが緩んでいた」という文章で終わる。
「同じ場面を見ても、人によって感じ方は違うんだなあ」と、痛感する。
ぼく、居酒屋で見たアノ空振りを見て、こう思った。
「あのミスターをここまで見せ物にしちゃ、あまりにヒドイんじゃないか！」
＊
本当はこの後、何人かの文章についてコメントしようと思ったけど、紙幅がなくなった。
興味深かったものの紹介だけするので、関心があったら、原典に当たってほしい。
斎藤貴男「二極化・格差社会の真相／華やかな表彰式の裏の暗さ、醜さ、薄汚さ」（日刊ゲンダイ5/8号〈5/7午後発売〉）
江戸川夏樹「（TV面）記者レビュー／せっかくの感動だけど」（朝日5/10号）
大藤理子「政治時評／安倍ちゃんの何がコワイって生活に疲れた人々の頭を祝い事で空っぽにするところ」（週刊金曜日5/10号）
＊
・・・と言いつつ、一つだけ書く。
5/6(月)の『朝日』３面に、写真付きで、「96条『熟議必要』／首相、公明にも配慮」という短い記事が載った。
写真には、次の長～いキャプションが付いている。
┌─────────────────────────────────┐
│【背番号の意味は】 │
│ 国民栄誉賞授与へのお返しとして、背番号96のユニホームを贈られた安倍│
│首相。始球式後、憲法96条とは関係なく、「私が96代（首相）だから」と記│
│者団に強調した。 │
└─────────────────────────────────┘
ぼく、ここに書いてあること、大ウソだと思う。
例えばいまこの雑文を読んでくれている人の中で、安倍のオジキである佐藤栄作が何代目の首相か言える人いる？
世の中には「π＝3.14・・・」を何桁も言えるオタッキーな人もいるんだから「佐藤が何代目」と言える人も、中にはいるかもしれない。
でもフツー、何代目の首相かなんて、意識しないよね。
次のような場面って、ぼくには想像できないな～。
ミスター「ねえねえ、ゴジラ。賞をもらって何もお礼をしないわけにいかないよね。何かいいプレゼント、ない？」
ゴジラ「そうですね～？ あ、安倍さん、96代目の首相だから、96番のユニホームを贈るってのは、どうですか？」
ミスター「賛成！」
・・・そんな、アホな！ どうせ、どっかの広告代理店がからんでいるに、決まってるじゃん！（13/05/12未明）
よろしければ、下のマークをクリックして！
よろしければ、もう一回！
参考まで。
＊
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「国民栄誉賞」雑感
Ｔ．Ｔ．0513（千葉高教組市川支部「ひょうたん島研究会」）
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基本的にTVは見ないので、5/5(日)に行なわれた「ミスター＆ゴジラのW受賞狂想曲」に、ぼくはそれほどは巻き込まれていない。
居酒屋のカウンターで『日刊ゲンダイ』のクイズを解いてる時にTVで報道（ああいうのを「報道」と言うのか？）されているのを見たが、皆さんが盛り上がってるのに茶々を入れるほど野暮な生き方はしてないつもりだ。
それでも、この賞の「報道のされ方」に違和感をもったので、いくつかの雑感を書く。
＊
『朝日』のスポーツ面というのはほとんど読まないのだが、授賞式翌日の5/6(月)には「見出し」に目が止まったので、思わず読んでしまった。
その「見出し」とは、「愛すべきミスターの空振り」。
編集委員の西村欣也のコラム「EYE」欄のエッセイである。
「空振り」については、前日、上述したように、居酒屋で見た。
このエッセイの冒頭、西村は「国民栄誉賞を政治利用するな。私はその意見に賛成する」。
「賞の批判をしてくれるのかなあ」と期待したのだが、その期待は、一瞬で終わってしまった。
紹介した文に直接続けて、「が、長嶋茂雄が受賞の場にいることは、素直に喜びたい」。
ウ～ン、「素直」－か？
実はぼく、数学の授業の中で、この言葉をよく使う。
例えば、「ｙ＝２ｘ－１にｘ＝０，１，２・・・を代入すると、点が書けるよね。
その点を素直に結ぶと、直線が書けるよね。素直な気持ちって、大事だよね」－
みたいに。
でも、その後にオマケを付けることが多い。
例えば、「２ｘ２＋ｘ－３は２次式、じゃあ、ｘ３＋ｘ２＋５－ｘ３は？」－みたいな。
「素直」なのはとてもいいことだけど、「素直過ぎることは、そんなにいいこと」じゃない。
ものごとってのは、ちゃんと考えて判断しないといけない－なんてことまで喋ると、完全にオジサン・ティーチャーの独り言になってしまうが・・・。
西村のエッセイ、「この日の始球式。左手１本で松井のボールをヒットしようとして空振りしたヒーローの姿に、思わず私のほおが緩んでいた」という文章で終わる。
「同じ場面を見ても、人によって感じ方は違うんだなあ」と、痛感する。
ぼく、居酒屋で見たアノ空振りを見て、こう思った。
「あのミスターをここまで見せ物にしちゃ、あまりにヒドイんじゃないか！」
＊
本当はこの後、何人かの文章についてコメントしようと思ったけど、紙幅がなくなった。
興味深かったものの紹介だけするので、関心があったら、原典に当たってほしい。
斎藤貴男「二極化・格差社会の真相／華やかな表彰式の裏の暗さ、醜さ、薄汚さ」（日刊ゲンダイ5/8号〈5/7午後発売〉）
江戸川夏樹「（TV面）記者レビュー／せっかくの感動だけど」（朝日5/10号）
大藤理子「政治時評／安倍ちゃんの何がコワイって生活に疲れた人々の頭を祝い事で空っぽにするところ」（週刊金曜日5/10号）
＊
・・・と言いつつ、一つだけ書く。
5/6(月)の『朝日』３面に、写真付きで、「96条『熟議必要』／首相、公明にも配慮」という短い記事が載った。
写真には、次の長～いキャプションが付いている。
┌─────────────────────────────────┐
│【背番号の意味は】 │
│ 国民栄誉賞授与へのお返しとして、背番号96のユニホームを贈られた安倍│
│首相。始球式後、憲法96条とは関係なく、「私が96代（首相）だから」と記│
│者団に強調した。 │
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ぼく、ここに書いてあること、大ウソだと思う。
例えばいまこの雑文を読んでくれている人の中で、安倍のオジキである佐藤栄作が何代目の首相か言える人いる？
世の中には「π＝3.14・・・」を何桁も言えるオタッキーな人もいるんだから「佐藤が何代目」と言える人も、中にはいるかもしれない。
でもフツー、何代目の首相かなんて、意識しないよね。
次のような場面って、ぼくには想像できないな～。
ミスター「ねえねえ、ゴジラ。賞をもらって何もお礼をしないわけにいかないよね。何かいいプレゼント、ない？」
ゴジラ「そうですね～？ あ、安倍さん、96代目の首相だから、96番のユニホームを贈るってのは、どうですか？」
ミスター「賛成！」
・・・そんな、アホな！ どうせ、どっかの広告代理店がからんでいるに、決まってるじゃん！（13/05/12未明）
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