イスラエル軍のガザ支援船襲撃事件での、日本国外務省の姿勢について質問します。

2010-06-08 07:07:35 | 社会
イスラエル軍のガザ支援船襲撃事件での、日本国外務省の姿勢について質問します。

5月31日、イスラエル軍は公海上でパレスチナ・ガザへと向かう救援物資を積んだ船を襲撃し、人道活動家9名を殺害し、船を拿捕し、イスラエルへと連行しました。

パレスチナ・ガザ地区は地中海に面しており、船は地中海から、他の国を通過する事なく、直接到達する事ができます。ガザ支援船も、イスラエルを通過する事なく、ガザに到達する予定でした。それを、隣国であるイスラエルが、公海上で、襲撃し、殺人を犯し、船を奪ったのです。
イスラエルはこの船に対し、なんの権利もありません。
これは国際法に違反した海賊行為である事は明らかです。

また、イスラエルはこの殺人を、「ナイフや棍棒で襲われたので、反撃した」と正当化しています。
ヘリコプターから降下してくる完全武装のイスラエル特殊部隊を、ナイフや棍棒で襲撃する?
果たしてそのような事が可能でしょうか?
また、公海上にある船を拿捕するというような事がそもそもありえましょうか?
このような悪質な冗談のような主張は、イスラエル軍やシオニスト入植者がパレスチナ人を殺す時に常に主張する内容と同じです。今回、イスラエルはこの主張を、外国人の人道活動家殺害についても使用しました。そして、船中の髭剃りや台所の包丁を「証拠」として押収していったのです。

このたび、イスラエルは、イスラエルの政策、つまりガザ地区はイスラエルが完全に封鎖し、ガザ地区に住む人々の生命はイスラエルが握るという事、それに反対するものは誰であれ殺すという事を、国際社会に対し、宣言したのです。

これに対し、国際社会は速やかな反応をしています。
ジュネーブの国連人権理事会は、6月2日、「イスラエルの国際法違反を最大限非難し、真相を究明するため現地に独立した調査団を派遣する」とした決議案を採択しました。
採決は賛成32,反対3、棄権9でした。

日本は国連人権理事会の理事国です。日本はこの決議の「棄権」の9カ国に含まれています。

この日本の国連人権理事会での投票行動は、誰が、いつ、どのように決定したものなのでしょうか?日本で暮らす私たちは、日本がこのような投票行動を行うことについて、なにも知らされていませんし、報告もされていません。
おそらくは外務省の担当部局が判断、決定したものかと思われますが、この判断はいったい、何を以てなされたものでしょうか?
イスラエルの行為は国際法違反ではないのか?
非難すべきではないのか?
真相を究明すべきではないのか?

昨年、国連人権理事会によって派遣されたゴールドストーン調査団は、ガザ攻撃におけるイスラエルの数々の戦争犯罪を指摘しました。それから一年を待たずして、同じ国が重大な人権侵害を指摘されているのです。
もはや、イスラエルが行っている行為が人権侵害であるという事について、それに反対するためにはそれなりの根拠、説明責任を求められて然るべき段階であると考えます。

イスラエルの行為は、特に日本においては、これまで「暴力の連鎖」などという言葉が頻繁に使われれる事で、相対化される傾向があったかと思われます。しかし、現在のパレスチナ現地の状況はどのようなものでしょうか?イスラエル軍やシオニスト入植者はパレスチナ人を自由に殺害する事ができますが、パレスチナ人がイスラエル人を自由に殺害することは出来ない、という状況です。
このような状況を、あたかも「相互に暴力が振るわれている」かのように喧伝し、イスラエルの圧倒的な暴力を相対化しようとするのは、もはや犯罪に荷担するものであると言わなければなりません。
「人道支援船襲撃」というようなあまりにも明らかな事例に際しての「棄権」という投票行動は、日本がイスラエルによる人権侵害を容認していると、国際社会に受け止められるためには十分な行動であると考えます。

私たちは日本に暮らす者として、日本政府・日本国外務省に対し、
1.国連人権理事会での投票行動の内容とその理由を公開する事
2.「イスラエル問題」についての態度の再検討を行う事
3.イスラエルの殺人行為に対し、抗議する事
4.パレスチナの人々を圧殺しようとしているガザ封鎖の解除、土地の強奪、日常的な殺人を停止させる圧力を加える事

を、極めて緊急を要する事態として、要請したいと考えます。

パレスチナニュースレター編集委員会

------------------------------------
パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
E-Mail : y_matsu29@ybb.ne.jp

よろしければ、下のマークをクリックして!
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。