ベネズエラ大統領選でチャベス氏が当選=選挙管理委員会/WSJ

2012-10-08 12:10:10 | 世界
全国選挙評議会(CNE、選管)は10月7日夜、最初の正式な開票結果を発表し、社会主義統一党(PSUV)の大統領候補、ウーゴ・チャベスが54%の獲得で、今後6年間の大統領に選出されたと発表した。
90%の開票率で、744万4082人がチャベスに投票した。これは54.44%に相当する。一方野党統一候補、民主統一会議(MUD)のエンリケ・カプリレス・ラドンスキ候補は、615万1544票、44.97%の獲得であった。
棄権は19.06%、CNE委員長は多くの国民が投票に参加したことを祝福した。200近い団体がCNEとともに選挙監視活動に参加した。(teleSURの報道による)


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以下WSJの記事

【カラカス】7日行われたベネズエラの大統領選の投票で、現職のチャベス大統領が当選、同氏の社会主義革命がさらに6年間継続することになった。

事前の世論調査では、与党ベネズエラ統一社会党(PSUV)が支持するチャベス氏と、幾つかの野党勢力が支持する野党統一候補のエンリケ・カプリレス氏(ミランダ州知事)が大接戦となっていた。 

 多くの有権者は夜明け前に起きて、午前6時の投票開始時間直後に投票した。そのうちの一人、カプリレス氏の支持者でファッションデザイナーのガブリエラ・マルティネスさん(33)は「わたしのように、変化を期待している人は沢山いる。人々がこの国に投資を続け、ここで働くような気になれるような政治になって欲しい」と述べた。 

 これに対し、チャベス大統領の支持者たちも、同様に勝利に自信を持っていた。電気工のネルソン・エルナンデスさん(55)もそのうちの一人だ。彼は首都カラカスの労働者階級の居住区であるサンベルナルディノ地区で、投票所前の長い列に並んだ。カプリレス候補の勝利の可能性を一笑に付し、「わたしは負ける者には決して投票しない」と述べた。そして「選挙の後、この地区の連中はだれも『チャベスに投票した』と言うだろう」と語った。 

 選挙前の世論調査では、チャベス氏が2ケタの大差をつけているとの調査結果も一部にあったが、カプリレス氏がわずかにリードしているとの調査結果もあった。衆目の一致するのは、投票日までの数カ月間、カプリレス氏がチャベス氏との差を著しく縮め、明らかに勢いが増したという点だ。

 野党のカプリレス候補は、大統領になったら、民間石油会社をもっと優遇し、国営石油会社ペトロレオス・デ・ベネスエラを「非政治化」するよう努力すると述べていた。同社はチャベス政権の下で、従業員数が3倍の12万人に膨れ上がり、チャベス大統領の社会プログラムのけん引役になった。 

 チャベス大統領が選挙で敗北すると中南米全体に衝撃が走るとみられていた。過去10年間、この地域では左翼主義者が反米の主導的な声になっており、ワシントンの敵、例えばイランのアハマディネジャド大統領などを支援してきた。チャベス大統領はまた、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、ニカラグアといった諸国でのポピュリスト(大衆重視、大衆迎合主義者)政権の台頭を後押ししてきた。 

 キューバや多くのカリブ海の小国はベネズエラから大半の原油を大幅に値引きした価格で輸入している。中国はチャベス政権に400億ドルの回転基金を供与しており、ベネズエラはロシア製武器の大手購入国となっている。これに対し、カプリレス候補は、キューバに石油をただで輸出するつもりはないし、ロシア製の武器を今後輸入しないと述べており、中国との商業関係を「リセット」すると述べていた。 

 投票にのしかかっているのが、チャベス大統領の健康をめぐる疑問だ。同大統領は過去2年の大半の間、がんと闘ってきた。同大統領は病は完治したと述べているが、政府は彼の健康状態について一切情報を明かしていない。チャベス氏はまた、依然として体調が悪そうで、顔がむくんでいるのは抗がん治療のせいだと専門家が語っていた。 

 多くの有権者は、選挙結果が極めて僅差だった場合、暴力ざたになるのを懸念していた。ベネズエラはチャベス政権下で非常に二極化を強めており、チャベス氏は自分自身を中産・上流階級に対する貧困層の味方だと位置づけている。 

 同大統領は長年、一連の社会プログラムを創設し、スラム街での無料の基礎的医療から、貧困者に対する実質無料の住宅に至るまで、あらゆる政策に資金提供し、絶大な人気を博した。 

 しかし同政権は問題も生んでいる。執拗な高インフレや物価統制で、ミルクや電気など生活に欠かせない物やサービスは不足に陥った。一連の国営化政策で民間部門は空洞化した。そして犯罪率も急上昇した。国連統計によれば、1998年には住民10万人当たりの殺人件数は約19件だったのに対し、2010年には45件に急増し、殺人率が世界でも最も高い国の1つになった。 

 これに対し野党統一候補のカプリレス氏は、チャベス支持者への食い込みに力を注いだ。国民に人気のあるチャベス大統領の社会支出プログラムは維持し、自らも独自の支出プログラムを幾つか導入すると公約した。
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_525620

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ベネズエラではないけど・・・
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5 コメント

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精神科医 (宮地達夫)
2012-10-08 15:09:47
/バルセロナの海老原弘子さんからのMLからの転載です
チャベスは、西欧左翼・リベラル知識人の賞賛の的だ。
袂をわかったのはチョムスキー位か?
しかし、それでは何故、首都カラカスは南アメリカで最も犯罪が多い(多くは麻薬などの薬物取引でのマフィアの暗躍)のか。何故繰り返し、刑務所の内部で反乱が起こり、拷問が告発されるのか? 反対派メディアを法的根拠なく弾圧するのか。何故、インフレがひどく、庶民が生活必需品にアクセスできないのか。
もうすぐ大統領選挙である。シリアの虐殺者アサドを支持するチャベスをまだ支持するんですか。似たもの同士という言葉がある。新社会主義をうたっているが,中身は
旧ソ連と同じスターリン主義。そういえば、アサドを支持している国はロシア、中国などのスターリン主義国家、それにイラン、ヒズボラ、などの独裁国家ないしは独裁団体。washingtonpostに レポートが二つ載った、Chavezの正当性を疑う市民の声で「本当の所ベネズエラは変化が必要だ。この国は完全に崩壊し、橋や高速道路は使い物にならず、患者は病院の待合で放置され、多くの国家プロジェクトは未完成、停電は日常的で、刑務所の暴動はで、毎年数百人が死亡している。選挙が近づいて、庶民は食料を買いあさり、他人の選挙人IDを買っている。腐敗である」と
 西欧のメディアは信用できないようなので、何を言っても始まらないが、ベネズエラの公共放送だけは信用しない方がいい。

washingtonpostに レポートが二つ載った、Chavezの正当性を疑う市民の声で「本当の所ベネズエラは変化が必要だ。この国は完全に崩壊し、橋や高速道路は使い物にならず、患者は病院の待合で放置され、多くの国家プロジェクトは未完成、停電は日常的で、刑務所の暴動はで、毎年数百人が死亡している。選挙が近づいて、庶民は食料を買いあさり、他人の選挙人IDを買っている。腐敗である」と
 西欧のメディアは信用できないようなので、何を言っても始まらないが、ベネズエラの公共放送だけは信用しない方がいい。再び、washingtonpostの論説。MLさんの主張と異なり、ジャーナリスト防衛委員会のレポート(report by the Committee to Protect Journalists,)によると、直接的な政府の介入はないが、Chavezに批判的な記事を書くことはためらわれる。あとで嫌がらせがあるからだ、という。Chavezに投票した人に対しては、3百万の家が提供される。選挙IDには、指紋を押さなければいけないので、人物は特定できる。かって、南アメリカでもっとも豊かだったこの国は、20%のハイパーインフレーション、慢性的的な食料不足、消費物資と、エネルギー不足にさらされており、基幹経済の国営石油工場で-(建物が更新されないので)、過去2ヶ月で爆発があり、50人が殺され、主要高速道路や橋は壊れている。庶民にとって最悪なのは、暴力的犯罪が疫病のように蔓延し、殺人率は、Chavezになってから3倍に増え世界で5番目である。麻薬取引業者は、Venezuelaを米国とヨーロッパへの薬物輸出のハブにしており、Venezuelaの現防衛大臣を含む高級官僚の援助を得ている。
http://www.washingtonpost.com/opinions/venezuela-eyes-change/2012/10/06/8e3e7c54-0e6b-11e2-bb5e-492c0d30bff6_print.html

これでも 西欧のメディアは信用できない?
ならば、ヨーロッパのリベラル・左翼知識人のお好みのVenezuela analysisを読んで最後まで(彼は癌であり、遅かれ早かれお終いであるが)Chavezを応援してください


Unknown (一市民)
2012-10-08 23:50:37
国内で圧倒的多数派の貧困層相手にバラマキやれば当選するのは確実。
それだけのことだ。
精神科医 (宮地達夫)
2012-10-10 04:41:54
貧困層が80% 得票率が54%。これだけ見ても。ばらまきが効果をあげたとはいいがたい。逆に最低の得票率であり、インフレ、麻薬取引、食料不足。都市の貧困、殺人などの犯罪などに対して庶民が見切りをつけたともいえる。
ところで、ベネズエラのシークレットサービスが。ジャーナリストをカラカス空港に軟禁し、カメラの写真を消去したことが暴露された。彼らをスパイだという。
ロシアや中国でおなじみのセンサーだ

http://www.guardian.co.uk/world/2012/oct/09/argentina-journalist-venezuela-detain/print
精神科医                                          精神科医                (宮地達夫)
2012-10-11 19:59:10
independentのレポートです「多くの観察者はベネズエラの経済は、ラディカルな改革なしでは持たないと見ている。これまでは石油収入が外貨獲得の90%を占めてきたがその収入を上回る政府支出が30%増して、2年以内に政府は破綻すると経済学者はみている」「彼は物資の値段と為替相場を固定化したがインフレの増加を抑える事に失敗した。それにもかかわず、企業の国有化を推進したので、企業活動が自由にならず、競争原理が働かない」「一方彼は蔓延する犯罪ー南アメリカでもっとも多いーについて対策に言及していない」「国営放送は反貧困プログラムを宣伝するのに懸命であるが、これには
オーブンやTVなどあらゆる物資に対する補助金が付けられる。対立候補のCaprilesには、金持ちとかセンとリストとかのレッテルが貼られたが、彼はむしろ反貧困プロラムが機能しておらず、これをもっと効果的にしたいと言っているだけだ
http://www.independent.co.uk/news/world/americas/man-of-the-people-chavez-survives-scare-to-extend-rule-8202895.html?printService=print
精神科医                                          精神科医                (宮地達夫)
2012-10-14 08:13:42
Chavezは、貧困層を支持基盤としていると考えられているが、例えば、支持基盤の強いChuaoという漁村では、ペトロドラ-で、漁民の票を「買った」のだ。$698,000 も使って!
Venezuelaのどこでも、Chavezが勝った事を喜んでいないよと漁民はジョークを言う。俺は反対派に投票したよ。ついでにChavezの金ももらっておいた。どうですかUnknown (一市民)さん

http://www.washingtonpost.com/world/the_americas/chavez-petrodollars-fuel-voter-worship/2012/10/12/39d1c90e-1498-11e2-bf18-a8a596df4bee_print.html

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