ワタミ過労死第2回裁判で渡辺美樹氏が初出廷するも遺族と争う構え。/NPO労働相談センター

2014-03-28 16:07:49 | 労働運動
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ワタミ過労死裁判第2回期日に渡辺美樹参院議員が出廷するも遺族と争う構え
遺族側支援者らの傍聴を妨害するワタミの管理職・社員らに抗議の声!

大手居酒屋チェーン「和民」で正社員だった森美菜さん(当時26歳)が入社2カ月後に過労死した問題で、遺族がワタミと当時社長だった渡辺美樹参議院議員らを相手取って起こした裁判の第2回口頭弁論が3月28日、13時半から東京地裁で開かれました。

開廷前にワタミ側が管理職や社員を大勢動員し、法廷のドア付近で遺族側支援者らの入場を妨害。傍聴席を一時占領し、新聞記者らも閉め出される形になり、抗議の声が次々と上がりました。裁判所の仲介で原告・被告双方の弁護士が呼びかけてワタミ側社員の多くは退席しましたが、過労死を出した企業の姿勢として許されざる行為です。

裁判に初めて出廷した渡辺議員は、桑原豊現社長とともに意見陳述を申し出て、「美菜様が自ら絶たれた命の道義的責任について重く受け止め、ワタミ株式会社と共に心より謝罪を申し上げます」と頭を下げました。その一方で「法的責任の見解相違につきまして司法の判断を仰ぐ」と遺族側と争っていく考えを示しました。

実際、ワタミ側が裁判所に出した準備書面では長時間労働の事実も渡辺議員や会社の安全配慮義務違反を全面的に否認しています。過労死した森さんにワタミ側が課していた研修の出席や渡辺議員の著書などのレポート作成、「ボランティア」活動などについても「推奨はしたが、任意だった」「従業員の成長や自己研鑽(けんさん)のため」などとして、ことごとく労働時間から省くべきだという常識外れの主張を展開しています。

また、ワタミで過重労働を生んだ要因として遺族側があげている渡辺氏の「24時間働け」などというワタミ理念集についても「あくまで理念の域を出ない」「従業員の志気を高めるための発言」などと反論しています。渡辺議員が遺族に本当に謝罪する気があるのなら、労働者の命や生活を無視する理念集をまず撤回するべきではないでしょうか。

この日の裁判で、渡辺議員は意見陳述を、孔子『論語』の「予、否(よから)ざる所の者は、天これを厭(す)てん」との引用で締めくくりました。「私の行いに間違いがあれば、天が私を見捨てるであろう」という意味のようですが、渡辺議員がやるべきことは、経営者として足元で起きた過労死を反省し、天ではなく遺族に向き合うべきです。

渡辺議員は意見陳述で何度も謝罪という言葉を使いましたが、結局、いったい何をどのような理由で謝っているのかがまったく不明です。遺族が求めているのは娘がわずか入社2カ月で命を奪われた原因である労働実態の解明をワタミ側と話し合いたいのです。口先の謝罪ではなく、まず遺族側と直接交渉することから始めるべきです。

裁判後、遺族と弁護団、支援者ら約70人は弁護士会館で裁判報告集会を開きました。遺族を支援している全国一般東京東部労組の須田光照書記長は「第1回口頭弁論に渡辺美樹氏が欠席したことで大きな社会的批判を浴びたため今回ようやく出廷せざるをえなくなった」と指摘したうえで、「意見陳述で謝罪しているが、遺族が求めている労働実態の解明はいまだ実現していない。これが二枚舌でなくて何なのかと言いたい。法廷での言葉をそのまま受け入れるわけにはいかない」と話しました。

森さんの父・豪さんは「渡辺氏が出てきたのはバッシングを避けるためのもの。道義的責任と法的責任は本来区別できない。本当の謝罪とは思えない」と話し、母・祐子さんも「口ではどんなことでも言える。『争いを早く終えたい』と言っているが、それは会社の儲けが出ないという理由で言っているに過ぎない」と話しました。

報告集会では、ワタミグループの宅食サービス「ワタミタクショク」が安否確認を怠ったため母親が死亡したとしてワタミ側を裁判で訴えている原告も参加し発言しました。

次回のワタミ過労死裁判第3回口頭弁論は5月19日(月)13時30分から東京地裁631号法廷で開かれます。引き続き遺族への支援のための傍聴をお願いします。

労働相談センター・スタッフ日記


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