緊急直言 胡錦濤主席の早大訪問歓迎せず /水島朝穂

2008-05-08 22:21:02 | 世界
◎ 緊急直言 胡錦濤主席の早大訪問歓迎せず ◎

                                水島朝穂

 日中友好の歴史は、中国の民衆や知識人と早稲田大学との文化・学術交流の歴史で
もある。大隈重信以来、中国のキーパーソンが早大を訪れ、あるいは早大で学び、中
国の政治・経済・金融・文化・学術などさまざまな分野で活躍してきた。

 早大の留学生総数は2721人だが、中国からの留学生は1057人と、全体の4
割近くを占める(2007年11月1日現在)。法学部・法学研究科で法律を学ぶ中
国人留学生は82人おり、何人かを私も教えている。過去・現在・未来に向かって、
中国との文化・学術交流はきわめて重要であり、体制は違っても、重要な隣人である
ことに変わりはない。

 一方、早稲田大学は、学問の自由、進取と在野の精神と、「学の独立」を掲げ、外
に向けて、とりわけアジアに向けて開かれた大学を標榜している。偏狭なナショナリ
ズムとは無縁であり続けている。しかし、大学は常に、誰に対しても開かれているわ
けではない。相手が一国の元首であったとしても、政府・外務省とは違った、大学と
しての立場と見識によって、ゲストとして招くかどうかを自ら決定すべきである。大
学の自治の観点から当然だろう。

 加えて、大学が招待する以上、構成員がこぞって歓迎できる相手であることが望ま
しいし、そうあるべきである。ただ、国家元首や政治家の場合は評価が対立し、それ
ぞれの国における政治動向も反映して、時に反対運動が起こることもまた、思想や言
論の多様性を前提とする大学の場合、ある意味では「日常的」風景といえるだろう。

 早大の歴史のなかで、たくさんの国家元首や政治家が来学したが、それについてこ
の11年間、講演「内容」を理由として、来学に批判的なコメントをすることはしな
かった。しかし、今回は特別である。

 5月8日、中国の胡錦濤国家主席が大隈講堂で講演を行う。結論からいえば、私は
この来学を歓迎しない。むしろ、大学理事会は、大学としての見識を発揮して、これ
を断るべきであった。しかし、理事会は胡錦濤来学を演出し、福原愛選手(スポーツ
科学部)+福田首相vs胡錦濤氏+中国選手の卓球のダブルスまでセットした模様で
ある。

 これで、メディアは和気あいあいムードを演出するのだろうが、内閣支持率19.
8%(共同通信5月2日)の福田首相の起死回生になるとはとうてい思えない。そん
な茶番劇に協力する大学に、情けないを通り越して、悲しみすら覚える。

(つづきは下記http://www.asaho.com/jpn/index.htmlサイトへ)
http://www.asaho.com/jpn/index.html


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1 コメント

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うーん、でも、元々、早稲田って (そういう、長いモノに巻き付く体質。)
2008-05-08 22:45:51
今まで、どんなトコに勤めてる積もりだったのかな?
靖国原理主義与党議員の卵が演説の練習をする伝統の倶楽部とかあったり。
大体、創始者が創始者じゃん?
日本の最大貿易相手国に、食糧危機やドル崩壊を前にして、スカサズ愛想しちゃうのは当然ちゃあ当然。
しかし一方で学内の統制は取れず、秘密主義に走るのも今更じゃないの?
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