水素爆発に雨や雪、被害を拡大〈汚染の広がりを分析〉 ほか/朝日新聞

2011-08-11 08:03:59 | 社会
福島第一原発の事故による放射性物質の汚染について、日本原子力学会放射線影響分科会は、関東を含めた広域の汚染状況をシミュレーションで検討した。陸地に風が向かい事故による放射性物質が流れていきやすかった3月15日、同20~23日に沈着したものがほとんどで、特に2号機の水素爆発で放出が深刻だった15日に、雨や雪が重なったことが汚染拡大につながったと分析している。

 文部科学省は7月末、原発から半径約160キロで航空機を使って測定した放射性セシウムの蓄積量を算出した。1986年のチェルノブイリ原発事故では、1平方メートル当たり555キロベクレルを超えると、強制移住の対象になった。

 同分科会メンバーの山沢弘実・名古屋大教授(環境放射能)は9日、気象庁などのデータを基に、原発からの放射性物質の放出率などを独自に加えたシミュレーションを分科会に報告。近く学会のホームページに概要が公表される。



■3月14日深夜~15日夜

 3月11日の震災後、第一原発では1、3号機で水素爆発があったが、当時の放出は15日より小さく、風はほぼ海側へ流れていた。

 14日夕方、2号機で炉心の露出が起こり、原発周辺の放射線量が上がり始めた。海に流れていた風は15日朝から陸地に向かい始めた。放射性プルーム(放射性雲)と呼ばれる放射性物質を多く含む雲のような固まりが、関東平野に流れる状況が正午ごろまで続いた。

 その間、2号機の格納容器で圧力抑制室の破損が起こった。プルームは原発から約360キロ離れた静岡や関東などへ流れ、各地で放射線量が平常値を超えた。福島県中通りや栃木北部の汚染は午前9時前後の放出の影響と見られる。

 プルームは15日午後から主に福島県内で流れる。白河市、郡山市、福島市など次々と放射線量が上がり始める。夕方になると県内各地で雨や雪が降り始め、そして、現在も蓄積量の高い浪江町や飯舘村などの北西方向へ流れ出した。蓄積した原因について、山沢教授は「大量放出に加え、弱風で放射能濃度が高くなったうえ、山あいの地形、雨や雪の条件も重なり、地表に多く沈着した」と分析する。



■3月20日午前~23日

 16日早朝から20日未明まで海側に流れていたプルームは、再び陸地に流れ、関東地方を東から西に横断した後、夜から方向を変えて南下した。また、20日午後から発生したプルームは北へ流れた。このとき、宮城北部や岩手南部では20日夕方から21日未明にかけて雨が降った。「飛び地」なのは、このときに沈着した可能性があり、この地域の稲わらの汚染も推測されるという。

 21~22日は茨城から北関東を抜け、23日は茨城沿岸から千葉を通り南下。関東地方の多くではこの間、連日雨が降って各地で放射性物質が地表に沈着した。山沢教授は「後に神奈川西部で確認された茶葉の汚染はこの時期の可能性が高い」という。

 震災後、原発の風は海に流れることが多かったが、15日朝から16日早朝まで陸地に流れていた。その間に深刻な事故が重なった。山沢教授は「15日に2号機で起こったことが数日前後していれば、被害はずっと小さかったはず」と指摘している。(石塚広志)



*2011.8.11朝刊


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1 コメント

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斑目春樹教授発言 (原発は危険)
2011-08-11 20:27:54
大失言!【原発儲かる】原子力安全委員長 【最後は金】2005年班目
http://www.youtube.com/watch?v=zKwOxJuMhPs

技術の方はですね、
とにかく分かんないけれどもやってみようが、
どうしてもあります。
で、だめ、危ない、となったら、
ちょっとでもその兆候があったら、
そこで手を打とうと。 おそるおそるですよ。
原子力もそうなんですね。
原子力もそういうところ絶対あります。
だって、例えばですね、
原子力発電所を設計した時には、
応力腐食割れ、SCCなんてのは知らなかったんです。
だけど、あの、まだいろんなそういうわかんないことがあるから、
あの、えーと、安全率っていうかですね、
余裕をたーくさんもって、
でその余裕に収まるだろうなーと思って始めてるわけですよ。
そしたら、SCCが出てきちゃった。
で、チェックしてみたら、
まあこれはこのへんなんか収まって良かった、良かった。
今まで、良かった良かったで、きてます。

ただし、良かったじゃないシナリオもあるでしょうねって
言われると思うんですよ。
その時は、原子力発電所止まっちゃいますね。
原子力発電に対して、
安心する日なんかきませんよ。
せめて信頼して欲しいと思いますけど。
安心なんかできるわけないじゃないですか、
あんな不気味なの。

核廃棄物の最終処分をすることに技術的な問題はなくても、
そこを受け入れる場所が、なければ、今、困っちゃいますもん。
ないですよね、探せても、イギリスまで、うん、ないですよ。
それは、大きな問題じゃないですか。
え、いや、だから、あのー、えーと、基本的に、
その何ていうのかな、 今の路線で、
今の路線がほんとに正しいかどうかは別として、
今の路線かなんかで、
替えがあるだろうと思ってるわけですよ。
というのは、最後の処分地の話は、
最後は結局お金でしょ。

あの、どうしても、その、えーと、
みんなが受け入れてくれないっていうんだったら、
じゃ、おたくには、今までこれこれっていってたけど2倍払いましょ。
それでも手を挙げないんだったら、5倍払いましょ。
10倍払いましょ。どっかで国民が納得することがでてきますよ。
それは、経済的インセンティブと、そのー、
あの、処理費なんてたかが知れているから、えー、たぶん、
その、齟齬は来さないですね。

今、たしか、最終処分地を受け入れてくれる
ボーリング調査させてくれるだけで、
すごいお金流してますね。 20億円ですよ。
あれがたかが知れてるらしいですよ、あの世界は。
そうなんですか。原子力発電所って、
ものすごい儲かっているんでしょうね、
きっとね。 そりゃそうですよ、原子力発電所1日止めると、
1億どころじゃないわけですよね。
だから、そういう意味からいくと、
今動いている原子力発電所をつぶす気なんてアメリカ毛頭ないし、
日本も電力会社、あるものはあるもの、
できる限り使いたいというのがこれが本当、本音ですよ。
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