市民放射能測定所47プロジェクトから、ドイツ紙のインタビュー 他

2011-08-30 08:09:23 | 社会
山梨の47プロジェクトの久松さんからドイツのインターネット新聞、schattenblick紙での岩田さんのスカイプ・インタビューが紹介されました。転送です。

【改訳】市民放射能測定所47プロジェクトから、ドイツ紙のインタビュー があります
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/b7bb7e5d45376ad514e70e42c86eaff6

=====以下転送=====

みなさま

山梨の久松です。今年の4月に、金野さんの発案で、この八ヶ岳の地で、福島の市民の方々にガイガーカウンターで、自ら測量してもらおうと、47プロジェクトを立ち上げましたが、その後47プロジェクトは、自らの被曝も顧みず常住して測量を続けてくれた若い友人、岩田渉さんの菩薩行のおかげで、大きく変身して、現在は、市民放射能測定所の運営を行なっています。現在、47プロジェクトの代表をしている岩田さんが、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)とフランスのCRIIRADに招かれた旅から帰国しました。

原発問題は、日本政府や東電の「嘘」を暴くだけでは解決できず、その背後に世界の原発利権に群がる企業や核保有国のパワー・ポリティクスを至上価値とする態度を変えない限り、相変わらずの状態が続きます。

福島民報は、日本財団主催で、山下氏が、副学長をしている福島医大で
UNSCEAR,WHO,IAEA,ICRPの学者を集めて学会を開くと報じています。

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2011/08/post_1748.html

これでは信じやすい一般市民は、すぐに騙されてしまいます。その結果多くの子どもや市民が、殺されることになります。

こうした状況下で、岩田さんは、福島の実情と福島に暮らす人々の不安や苦悩を詳しく、ヨーロッパの人々に伝えてくれました。

ドイツのインターネット新聞、schattenblick紙での岩田さんのスカイプ・インタビュー;

原文:  http://www.schattenblick.de/infopool/umwelt/redakt/urdi0003.html



先に紹介した核戦争防止国際医師会議(1985年ノーベル平和賞授賞)は、市民放射能測定所に5000ユーロもカンパしてくれ, 運営上の助言とサポートを表明してくれています。今後市民放射能測定所が、IPPNWやECRRやKRIIRADの支援のもとに運営してゆくことになります。また東京や横浜でも、市民放射能測定所を作る動きがあります。

北杜市では、多くの市民が、ネットワークを作り、避難を望む人々を受け入れようと尽力していますが、僕達のローカルな運動だけでは、世界の巨大な利権構造に対抗しえません。
世界の原発利権に群がる企業や核保有国のパワー・ポリティクスを至上価値とする態度に対抗するには、民衆のローカルな活動とグローバルな世界市民への働きかけも必要です。

そしてECRRやIPPNWやCIIRADが、この市民運動に協力・サポートしてくれることは、とても重要なことに思えましたので、MLで紹介しました。             
                           久松拝

schattenblick紙での岩田さんのスカイプ・インタビュー;

原文:  http://www.schattenblick.de/infopool/umwelt/redakt/urdi0003.html

訳文:(久松訳)

2011年8月19日に行われた福島の岩田渉さんとのスカイプ・インタビュー
岩田 渉 :市民放射能測定所

当地のメディアでは、主に、3月11日の地震と津波によって大部分破壊された福島第一原発周辺の放射線量が低下していることについてばかり報道されているが、放射能はどんどん拡散しているので、日本の住民たちは、絶えざる不安の中で生活している。相変わらず破損した原子炉は風雨にさらされ、放射能に汚染された冷却水の量は増え続けており、そしてその間、地下での溶融した炉心と地下水の領域で何か起きているか、誰もわからない。

批評家は、政府と電力会社「東電」の情報政策を、カタストロフィーを助長するものであると述べている。人々は、見殺しにされていると感じている。そう思った人々が、市民主導の「市民放射能測定所」を設立させた。彼らのメンバーは、47のすべての都道府県に食品やその他の商品や人の放射能汚染度を測定する観測所を設立することを望んでいる。

2011年8月15日には、丸森あやさんと岩田渉さんが、市民運動を代表して、ベルリンで記者会見を行ない、そこで彼らは、現地の状況と彼らの願いを語った。
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)という組織は、とりわけ5000ユーロの寄付を持って、日本の市民主導の運動を支持している。さらに、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)と放射線防護協会は、市民測定所の設立と操業に際しての彼らの体験を伝授している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「影へのまなざし」紙編集部(以下SBと記す):岩田さん、あなたは、市民放射能測定所(CRMS)」に関与されていますが、その際どんなことをしているのですか?

岩田:我々の大多数は、見習い(Student)にすぎませんが、ガイガー・カウンターを持って、環境ばかりでなく人体や食品の放射能測定も規則的に行なっています。

SB;あなた方の組織は、今年の3月に地震と津波によって福島第一原発が破壊されるより以前からあったものですか、それともその後に、設立されたものですか?

岩田;それ以前にはありませんでした。電力会社「東電」と東京の政府による、「事故」を過小評価する不十分な情報政策へのリアクションから生まれました。

SB;あなた方の先週の測定からどんなことが言えますか?

岩田;原発事故以来、我々は、当地での環境において、放射線量が持続的に増大していることを確認しています。それは我々の機器ばかりではなく、当地の人びとの諸観察からも言えます。事故で(原発が)破損した日、すぐに「東電」は、福島県沿岸で上昇した放射線量を、一回限りの出来事であり、あとは亀裂の入った機器からの残留物が流出しているものだと説明しようとしました。それがあたっていないことは、放射線量の測定が、ますます高い値を示すようになっているということからも言えます。もともとの事故で、膨大な流出があったと見られているわけですから、勿論、個々の場合に、汚染が当時に由来するものなのか、それとも、より新しい日付けのものなのか、ほとんど確定できないのですが。

SB;しかしそれでも、放射能汚染は総計で増えていると、必ず言えるですか?

岩田:疑いなく増えているのは、福島だけではないのです。我々が、ヨーロッパ旅行から帰ってきたとき、東京では放射線値が高くなっていました。それは、福島自体の状況が、悪化しているかもしれないと、予感させるものでした。「東電」と文部科学省は、大気の放射能測定を1日にたった10分から30分しか行わないことによって、全体を小さく見せかけているのです。これは、福島における清掃作業の責任者たちが、壊れた原発から出る放射性物質をはらんだ蒸気をいつ解き放つのかを、人がさっぱりわからないか、知られないようにするということを意味しています。

SB;もしかすると放射線を含んだ蒸気が抜き取られるか、放射線を含んだ水が、海に送り込まれる前に、定点観測が行われているかもしれませんね。

岩田;ありえますね。とにかく私たちにはまったくわからないのです。なにしろ彼らは、ほんの少しの情報しか公表しないのですから。でも放射線の値が、この福島県ではますます増えていることは、事実です。

SB:あなた方は、正確にどこで測定をおこなっているのですか?

岩田;これまでにわれわれは、福島県で3箇所の測定所を開設することができました。1箇所は、福島市、それに郡山市と相馬市です。

SB;未曾有の大災害の後の一週目に、メディアは、放射線量の特別高い、いわゆるホットスポットの発見について報じていました。どこかでホットスポットが確認されたとき、役所は、どんな措置をとるのでしょうか?彼らは、その地の住民を避難させるのですか?立ち入り禁止ゾーンを明示して、誰もそこに入れないようにするのですか?

岩田:我々は、破損した原発から60キロまで離れた所のあちこちにたくさんのホットスポットを確認しました。さらにはある幼稚園の遊び場では、毎時60マイクロシーベルト以上の放射線量を確認しました。そこでも役所は、何もやリませんでした。ほんの少しの表土が、はがされるだけなのです。というのも、本来は、避難や放射の除去が、必要とされる区域でも、福島県の役所や東京の中央政府や東電にとっては、あまりに費用がかかりすぎるものだからである。

SB;被曝した人は、ちゃんと医療的に配慮されていますか?彼らは、被曝していない住民から隔離され、別個にあつかわれるのですか?彼らは、どんなふうに扱われているのですか?

岩田;彼らは、相変わらず、社会の中に組み込まれています。2,3週間前に、福島県の保健衛生局が、約28000人の放射線犠牲者を対象に、医学的な、追加的検査プログラムを告示しました。そこでは、その該当者は、患者というよりも、実験動物のようにみなされいるようで、残念ながら、我々は、ここで問題になっているのは本来の意味での医学的な看護というよりもむしろ、疫学的な一大プロジェクトであるという印象を持ちました。役所の担当者は、これらの人々は、100ミリシーベルト以上の放射線を受けたわけではないので、おおかたの人は、何も心配することはない、また検査は、もっぱら住民の不安を払拭するために行うものであると言い張ります。すでに健康上の悩みを訴えている人もいるなかで、それは、我々には、単なる「おためごかし」のように響きました。

SB;避難させられ、自分の家から退去しなければならなかった人たちは、どんな境遇にあるのでしょうか?彼らは、引き続き仮の宿泊所で暮らしているのでしょうか?

岩田;ここでは、2つの避難のうねりが関係しています。第一は、地震と津波で、自分の家を失った人たちです。それから原発周辺20キロの立ち入り禁止ゾーンから避難せざるを得なかった人々がいます。ここで話題にしているのは、移住させられた、総計で約300,000人の人々ということになります。たいていの人は、相変わらず、体育館のような仮の宿泊施設で暮らしています。そしてもっと多くの避難が必要になりそうなので、行政当局は、原発周辺の立ち入り禁止ゾーンを拡張することを拒んでいます。そもそも地震と津波で壊れた地域の再建も捗っていないのに、もっと多くの人々を避難させることなんてできないと彼らは言います。短期的な視点にたてば、もっともな議論ということになりますが、彼らは、立ち入り禁止ゾーン周辺の地域では、長期的には、人間一般、とりわけ子どもたちにとって、健康上の大いなる危険があるということを隠しています。

SB:立ち入り禁止ゾーンからきた避難者は、国の厚生省から医療的な看護を受けていますか?

岩田:彼らは、まったく医療的な看護を受けていません。例えば、子どもたちに鼻血のような怪しげな症状が出て、親が医者に連れていった時でさえ、そうなんです。
100ミリシーベルト以下の放射線しか浴びていないのだから、鼻血が、放射能によるものとは言えない、と彼らは言い張ります。

SB;原発事故が起きた最初の日に、福島県では、破壊によって食料品の窮乏に陥ったばかりではなく、業者やトラックの運転手は、被曝への不安から、該当する地域に行きたがらなかったと聞いていますが、この問題は、今では解消したのでしょうか?

岩田:それは、もはや問題でなくなりました。目下の最大の問題は、高濃度に汚染された地域で、いまだに人が暮らしているということなのです。

SB;何回か炉心溶融があってから、2,3週間して、福島第一原発では、高濃度に汚染された水が、3人の作業員のゴム長靴に入ってしまい、彼らは、直ちに応急措置を施されざる得なかったという事故が起きました。この事故は、世界中にセンセーションを巻き起こしました。きっとあなたは、彼らがどうなったのか、知っていると思うんんですが?

岩田:当時その事故については聞いてはいましたが、その3人の男性に、最終的に何が起こったのかについては、知りません。

SB:放射能に汚染された福島県からの農産物については、現在何が起こっているのでしょうか?それらは、引き続き売買され、消費に回されているのでしょうか?それとも、それらは、引き続き、市場に送り出すことができるように、一定の放射線量に抑えるために、他の食料品と混ぜ合わされているのでしょうか?おそらく、多くの食品は、あっさりと破棄されるのでしょうね?

岩田:役所当局の側からは、我々はごく僅かなことしか聞かされていません。しかし我々独自の測定に基づいて、事故を起こした原発から放射性の降下物が、福島県の作付け耕地面積の上に、広範囲にわたって降り注いだことは、分かっています。ただ福島からの農産物のすべてが、放射能に汚染されているとは、言えないのです。温室で栽培された果物や野菜は、当然、まったく汚染からは免れています。放射能に汚染された食品に関して行われていること、つまりそれらの農産物が、いまだ加工されているのか、あるいは破棄されているのか、実際には、我々には、さっぱりわからないのです。当局は、キログラムあたり、500ベクレル以上の高い放射線値を示す食品は、消費に回されてはならないと定めていますが、それ以下にとどまるものは、すべて売買されているのです。

SB:福島産の食品は、安い値で売買され、その結果、比較的裕福な人々は、少々値段が高くても、汚染度の少ない食料を買う一方で、それらの食品は、おそらく貧乏な人たちによって買われ、消費されるなんてことがありえるんではないでしょうか?

岩田:そういうこともないとは言えませんが、これまでのところ、そのことについては何も聞いていません。われわれのいる、ここ福島では、3重の事故の後でも、全般的に言って食品の価格は、安定したままです。それでも、福島からの食品は、日本の他地域で、とても低い価格で提供されている、と一般的には言えるでしょう。

SB:現在のところ、日本における脱原発運動は、どんなことを企画していますか?新たな抗議活動は、準備されているのでしょうか?

岩田:われわれは、10日間のヨーロッパ旅行から帰ったばかりですから、今すぐ詳しくは言えません。それでも原子力産業の威信は、福島第一原発の出来事によって著しく損なわれたことは、否定できないでしょう。以前は、公共の場では多くの人が、日本の核政策への批判、あるいは疑念を表明することを控えていましたが、今日ではもはやそうではありません、このテーマについて、公共の場で、熱く議論されています。核エネルギーの批判者のところには、ものすごい量の人たちが押しかけています。

SB:原発事故から5ヶ月以上が経って、国内の雰囲気はどうなんでしょうか?人々は、福島第一原発に由来する健康への脅威をもはや、それほど感じてはいないのでしょうか。そしてこのテーマについてのメディアの報道は、減っているのでしょうか?

岩田:そのテーマは、相変わらず、素朴なの人々の心を捉えています。ですが、新聞やラジオでは、(原発に)批判的な編集部の個々の報告に至るまで、大メディアの関心は、後退してしまいました。役所の責任者たちと同じように、大メディアの代表者たちは、福島第一原発の状況について、真面目に取り組もうとせず、彼らは、出来れば、機械的にあしらいたいと望んでいます。

SB: まだ5月中だったと思いますが、菅 直人首相は、日本は、原子力産業から方向転換すると公表しました。しかしそれと同時に再生エネルギーへの変換には、長期間かかるだろうことを強調しました。あなたは、菅氏の声明は、真剣なものであると受け取りますか?

岩田:私にはわかりません。たとえ彼が、真剣に言ったとしても、彼が、どのようにして核からの脱出をやってみせるのかが、私にはまったくはっきりしません。いずれにせよ私は、首相の声明に倣ったりなどしません。

SB:日本の核産業に関して、あなたは、この先どうなるとお思いますか?

岩田:巨大な規模の福島第一原発事故を目の前にして、日本の従来の核政策が、簡単には継続され得ないことは、誰にも明らかです。その諸過程からわかるのは、人類は、原子力を制御することはできず、おそらくこれからも決して完全には制御できないであろうということです。原子力産業が生み出す放射性物質をわれわれは、決して厄介払いすることができず、何千年も間、できるだけ安全にそれを保管しなければならないのです。日本で核からの脱出口とエネルギー・シフトを生み出すには、おそらく溢れ出る核・原子炉からの流れ(strom,電流?)を利用する覚悟がいるのでしょう。けれども、根本的には人類にとってその潜在的危険と健康へのリスクは、あまりにも大きいすぎる、テクノロジーの問題です。

SB:今日、福島県沿岸で、新しい大きな地震があったという報告がありました。その地震によって新たに、原子炉の損傷が生じたかどうか、あなたは、ひょっとしたらそれについてなにか聞いていませんか?

岩田:その地震は、ここ福島市で感じられました。私は、その地震が原発に及ぼすかもしれない影響について、大きな不安を抱いています。というのは、例えば、4号炉は、3月11日以来もはや安定していなくて、傾いた状態にあります。それは、一方に傾いています。原子炉建屋が崩壊する危険があります。

SB:岩田さん、理解に役立つ情報をどうもありがとう御座いました。

                   2011年8月22日 

【改訳】市民放射能測定所47プロジェクトから、ドイツ紙のインタビュー があります
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/b7bb7e5d45376ad514e70e42c86eaff6 
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ドイツZDF局-フロンタール21 福島原発事故、その後(日本語字幕)
(2011年8月29日up)
http://www.youtube.com/watch?v=VpdrvozDJJo&feature=player_embedded


http://www.twitvid.com/VXHLS

******* < 以下、ナレーションの内容 > *******


この美しい風景が悪夢の舞台です。

日本屈指の豊かな農地福島県。都会の人の観光地としても人気だ。

原発事故でその広域が汚染されてしまったのだ。

大沢さん(61歳)は本宮の農家。原発からは80キロ離れている。畑で採れたジャガイモ・ナス・ネ
ギを、隣町の市民放射能測定所に持ち込んだ。原発事故以来自分で栽培した野菜は食べていな
い。放射能汚染を恐れたからだ。

「政府の発表はもはや信用できない」「最初から事態を小さく見せようとばかりしている」「直ちに健
康に害がないの繰り返し」「正確な数値も出さない。まともな測定もしない」「汚染問題の中にみん
なを放置した。」

事故後大沢さんはすぐに作物の検査を行政に依頼したが、「畑は20・30キロ圏から遠く離れてい
る」、「検査の必要はない」と断られた。

市民放射能測定所の意見は正反対である。

汚染のない作物はない。特にセシウム137がひどいからだ。「こんな汚染数値の場所は本当は絶
対避難するべきです」

大沢さんのジャガイモも例外ではなかった。原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは、1
キロあたり7000ベクレルの汚染が測定された。

基準値は500ベクレルだ。

「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物です(市民放射能測定所の担当者)。」

汚染調査は本来県の食品衛生検査所の管轄だが、ほとんどパンク状態である。

コンセプトもない、人手も計測器も数も追いつかない。

「一般の方の検査はお断りせざるをえません。我々が選んだサンプルを検査し判断を出しており
ますが、それだけで手一杯の状態です。市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りませ
ん。(福島県の担当者)」

我慢強い日本人もだんだん食品の汚染問題に気付きはじめている。野菜、緑茶に続いて牛肉。

原発を所有する東電の反応は?

今までと同様ノーコメント、管轄外の一点張りだ。

「私達の仕事は原発の中です。測定は国と地方行政の管轄で私達はお手伝いするだけ。ですか
らコメントできません。(東電の担当者)」

大沢さんの農作物検査結果について我々が質問すると、原発担当大臣はうろたえるばかりだった。
危機管理担当の役人達は長々と書類をチェックしたあげく、大臣はついに不備を認めた。

「万全の監視体制のつもりでしたが牛肉問題で検査の強化の必要が認められました。今後汚染
食品が出回ることを防止しなければなりません。(細野原発担当大臣)」

一方グリーンピースは独自の調査結果を発表。魚も汚染されていた。

「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。原発から55キロ離れた所まで調査した
魚の半分が、基準の500ベクレル/キロを大きく上回っていました。汚染が広範囲であることを物
語っています。(グリーンピースの担当者)」

日本人の主食、米も同じ運命のようだ。

大沢さんの田んぼの土は二度検査所に提出された。最初の検査は合格したが二度目の結果は
公表されない。「今年も作付を出来るか知りたかったので、自費で独立の研究所に検査をしてもら
った。」「5万3千ベクレル/キロのセシウム137が検出された。」「基準値の7倍だ。」
「米作りはあきらめた。」

福島市のほとんどの住民はこうした汚染数値を知らされていない。おりしも夏祭り、売られている
物は何でも食べる。空中線量が下がって以来人々は日常生活に戻った。

子供の被曝許容量が20ミリシーベルト/時に引き上げられたことへの怒りも、忘れ去られたよう
だ。

英国クリストファー・バスビーのような専門家は、まさにそのことに警鐘を鳴らす。

「日本政府の無責任ぶりは犯罪的だと思う。子供に平気で高い被曝をさせている。都合がいいと
いうだけで短期間でこれほど基準を変えてしまうとは。この判断は間違いなく多くの子供を死に至
らせるだろう。文明国のやることとは思えない。(クリストファー・バスビー教授)」

だがここはまさに原子力ムラの国なのだ。

権力を握る電力会社、政治家、官僚が原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し、大したことがないよ
うに見せてきた。

何兆円ものビジネスを守るために今回も同じ手段を使おうとしている。

大沢さんはまさに文字通りそれを「身」をもって体験した。

「自分の体がどれくらい放射能被曝しているか検査したかった。だが福島大学には拒否された、市
民の検査はしないと。友人は隣の県の病院に問い合わせた。ところが福島県知事から福島県民
の診察を受け入れないよう指示されているそうだ。」

そのような指示の出された事実はないと当局は言う。しかし大沢さんは農家を捨てなければなら
ない。自宅で毎時90マイクロシーベルトを測定したのだ。9日間でドイツの原発作業員の年間許
容量に達する数値だ。原発から80キロも離れた場所なのに。

「これは人間の想像力を超える惨事です。制御不能の状況であることは当初から明らかだった。
どうしたらいいのか誰にも分からないし簡単な答えもない。これは人類史上最悪の惨事だと思う。
(クリストファー・バスビー教授)」

福島の至る所に人々はひまわりを植えた。土の中の放射能を吸収すると言われている。


ドイツZDF局「フロンタール21」
******* < 以上、ナレーションの内容でした > *******




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