沖縄八重山教科書問題。文科省が竹富町へ「東京書籍版公民教科書」採択の是正命令

2013-10-19 03:08:25 | 沖縄
谷田部 光昭さんから
------------

■許すな!文科省の竹富町への「是正命令」文科省、3月の義家政務官の是正指導から、本日是正命令。今後「違法確認法訴訟」提起も。

本日、文科省は竹富町へ「東京書籍版公民教科書」採択の是正命令を出しました。
育鵬社版教科書採択を強要する、文科省の教育に対するあからさまな政治介入は断じて許せません!
竹富町が是正に従わない場合、地方自治法の改正でことし3月から可能になった自治体に対する違法確認法訴訟の提起をも辞さない構えです。 

地方教育行政法は各市町村に採択権限を与えています、地区ごとの協議会の答申を受けて教科書を採択するのは各教委です。
それを無償給付しない文科省こそ、義務教育の無償をうたった憲法に違反しているし、文科大臣の是正要求はまったく不当です。
 協議会規約にある再協議も成立していない状態で無効である「育鵬社版公民教科書」選定で一本化を求める事は不当であります。

■現地では、22日石垣島での「玉津辞任要求と文科省是正要求するな」の集会の準備がなされていて、今日、記者会見の予定がありました。 
是正要求が出されましたので是正要求白紙撤回要請に切り替え集会が行われます。
集会では不信任決議の立役者、前津究議員の報告もあるそうです。

みなさん、竹富町教委への激励、支援と、「沖縄県教委は文科省の横暴に従うな」との県教委への要請行動で支えていきましょう。
沖縄県民の一丸となった怒りの行動と、本土での連帯した抗議で、文科省の是正命令を白紙撤回させましょう!

不当な是正命令に対し闘う、竹富町教委がんばれ!沖縄県教委は文科省の横暴に従うな!文科省は是正命令を白紙撤回せよ!

■「竹富町への是正命令の白紙撤回をせよ!」と文科省へ抗議、要請のメールを!
文科省ご意見フォーム→ https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry06/  

■竹富町教育委員会へ激励メール・FAXを!
FAX:0980-82-0643
takekyousoumu@town.taketomi.okinawa.jp

■今日の正午のNHKニュースでは冒頭から3番目に報道、「国営放送」なのでもちろん文科省の言い分を一方的に流して、いかにも竹富町がルールを破って勝手に東京書籍版教科書を使っているような報道をしていました。
おそらく本土大手マスコミは「竹富町パッシング」をこれから展開するでしょう。 

■ちなみに沖縄現地紙報道は:

10月18日 琉球新報
下村文科相「ルール守るべき」 県教委に是正要求指示

下村博文文部科学相は18日、八重山採択地区協議会が答申した中学公民教科書と別の教科書を採択した竹富町教育委員会の決定が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう県教育委員会に指示した。
政府が地方自治法に基づいて教育行政に是正要求を発動するのは初めて。
下村氏は「再三にわたって指導、助言をしてきた。法治国家としてのルールを守ってほしい」と述べた。
是正要求をした場合、自治体側に対応を見直す義務が生じるが、従わなくても罰則はない。
 
竹富町が拒否した教科書は保守色が強い育鵬社版。育鵬社版の教科書は沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどの批判がある
下村氏は「来年度以降同じ問題が起こらないように法律の明確化を併せて検討したい」と述べ、無償措置法を改定する考えを示した。
一方、県義務教育課は文科省教科書課から同日午前、メールで是正要求の文書を発送したとの報告を受けた。
23日に開かれる教育委員会の会議で県の対応を協議する。
諸見里明県教育長は18日、「文科相からの是正要求の指示は残念な思いだが、重く受け止める」とのコメントを発表した。

10月18日 琉球新報
竹富・教科書 きょうにも是正要求 文科相、県に指示へ

下村博文文部科学相は17日、沖縄県八重山地方の採択地区協議会が選んだ育鵬社版の中学公民教科書を拒否して別の教科書を使っている竹富町教育委員会が教科書無償措置法に違反しているとして是正を要求するよう県教委に18日にも指示する方針を決めた。
地方自治法に基づき、教育行政に関して是正要求を発動するのは初めて。
竹富町は一貫して違法性を否定しており、要求に従わなくても罰則はないため、町が方針転換する見通しは立っていない。
保守色が強い育鵬社版は、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどとして県内で抵抗があるとされる。
 
文科省は、全国の学校で来春に必要な教科書数がまとまる9月中旬、協議会で決めた教科書にして報告するよう県教委を通じて竹富町に指導したが対応を変えなかったため、より強い権限を行使することにした。
八重山地方の協議会は石垣市、竹富町、与那国町で組織される。

是正要求
地方自治体などの事務処理に法令違反があるときや、明らかに公益を害していると認められる場合に、国が是正を求める制度。
地方自治法で定められている。
自治体側は、改善措置を取る法的義務を負うが、従わなくても罰則はない。
過去には、総務相が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への接続を拒んだ東京都国立市、福島県矢祭町に出した例がある。
地方教育行政法も、文部科学相が教育委員会に是正要求できるとしているが、児童生徒の教育を受ける機会が侵害されていることが明らかな場合に限られている。

10月18日 沖縄タイムス
八重山教科書:文科省が県教委に是正要求

文部科学省は18日午前、八重山地区内で中学校の公民教科書が一本化していない問題で、竹富町教育委員会が教科書無償措置法に違反しているとして、県教育委員会に対して、違反を是正するために必要な措置を求める指示を出した。
政府が地方自治法に基づき、教育行政に対して是正要求を発動するのは初めて。

是正要求「残念だ」竹富町教育長
文部科学省が竹富町の教科書採択で、同県教育委員会に是正要求を指示したことに、竹富町の慶田盛安三教育長は18日、報道陣の取材に「残念だ。教科書を代えることの方が問題だ」と強い不快感を表明した。
県教委から是正要求を受けた場合は、教育委員会を開いた上で対応を協議する考えを示した。
現状で学校現場に混乱はないという。

慶田盛教育長は、石垣市、与那国町とともに組織する採択地区協議会の委員構成が「育鵬社版の採択ありきだった」と問題視。
「国はその点に触れず、なぜ竹富町だけ違法だと言うのか」と疑問を投げかけた。
沖縄県の諸見里明教育長は18日、「残念な思いだが、重く受け止めている」とのコメントを発表した。
23日に開く県教委会議で対応を協議する。

10月18日 沖縄タイムス
教科書是正求める 文科相、きょうにも

下村博文文部科学相は17日、八重山地区内で中学公民教科書が一本化していない問題で、竹富町教育委員会が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう県教委に18日にも指示する方針を決めた。
地方自治法に基づき、教育行政に関して是正要求を発動するのは初めて。
竹富町はこれまで一貫して違法性を否定しており、要求に従わなくても罰則はないため、町が方針転換する見通しは立っていない。
保守色が強い育鵬社版は、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどとして県内で抵抗があるとされる。

文科省は、全国の学校で来春に必要な教科書数がまとまる9月中旬に、協議会で決めた教科書にして報告するよう県教委を通じて竹富町に指導したが、対応を変えなかったため、より強い権限を行使することにした。
八重山地方の協議会は石垣市、竹富町、与那国町で組織。2011年8月の会議で、中学公民は育鵬社版にすることを決定したが、竹富町は地方教育行政法に基づき、町の意思として別の教科書を選択した。
国の無償配布の対象から外れ、12年春以降は、民間からの寄付金で教科書を購入している。

同法は各市町村教委に採択権限があるとしているが、無償措置法は採択地区で統一するよう規定。
この矛盾が問題の背景にある。
問題が持ち上がった当時の民主党政権は、竹富町の独自購入を黙認。
昨年末に自民党が政権に復帰してから、下村氏や義家弘介前文科政務官が違法性を強く主張して教科書の変更を求めていた。

--------------

「八重山教科書問題」の詳報は:
http://teyata.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/03/98_9986.html

谷田部 光昭 T.YATABE
teyata@u01.gate01.com

*******


教科書:「竹富教委に是正要求を」文科相、県教委に指示/毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20131018k0000e040197000c.html
毎日新聞 2013年10月18日 11時12分(最終更新 10月18日 13時21分)

 中学の公民教科書を巡り、沖縄県竹富町教育委員会が八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)の決定に反して別の教科書を使用している問題で、下村博文文部科学相は18日、地方自治法に基づき、沖縄県教委に対して、竹富町教委に是正要求を出すよう指示した。同法に基づく是正要求は、過去に住民基本台帳ネットワークシステムに参加しなかった東京都国立市と福島県矢祭町に出された2009年の2例だけで、教育行政に関しては初めて。

 八重山地区協は11年8月、教科書無償措置法に基づき、保守色の強い育鵬(いくほう)社の公民教科書を採択し、1市2町の中学校で使うことを決めた。しかし、竹富町は地方教育行政法が教科書の採択権限を地元教委に与えていることを根拠に「沖縄の米軍基地問題の記述が少ない」などとして同意せず、国の無償措置の対象から外れたため、同町の中学校は12、13年度、寄付金で購入した東京書籍の教科書を使用している。こうした状況について、下村文科相は「違法状態にある」とし、今年3月には当時の義家弘介政務官を同町に派遣したほか、沖縄県教委を通じて繰り返し「育鵬社版教科書を使うよう」指導してきたが、同町は応じていなかった。

 文科省が今年9月中旬、来年度に使用する教科書の需要数を集約したところ、竹富町が来年度も同様の対応を取ることが判明し、是正要求の指示に踏み切った。

 下村文科相は18日の閣議後記者会見で「来年は(採択ルールが)より明確に(なるよう、法律の)改正も考えたい」と述べた。【福田隆】

 ◇解説 二つの法律に隙間

 竹富町教委の教科書問題では、教科書の採択権を定めた「地方教育行政法」と、無償配布の根拠となる「教科書無償措置法」の二つの法律間に「隙間(すきま)」があることが、事態を泥沼化させた。

 地教行法は、教委の職務権限として「教科書の取り扱い」を定め、採択権があることを定義している。ところが、教科書無償措置法は、採択地区が八重山のように複数の市町村で構成される場合、協議して同一の教科書を採択するよう求めている。地域の教員が共同研究をしやすいことや子供が地区内で転校しても教科書が変わらないことなどが理由とされる。だが、教委の意見が食い違った場合の解決ルールはない。二つの法律は一体的に運用されることが前提で、今回の竹富町のような対応は想定外だった。

****************

読売社説
竹富町の教科書 違法状態の解消迫る是正要求(10月19日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131018-OYT1T01410.htm
違法状態を解消するためには、当然の措置と言えよう。

 下村文部科学相が、沖縄県の竹富町教育委員会に対して是正要求を行うよう県教委に指示した。竹富町教委が教科書採択のルールを守らずに、独自採択した教科書を使用し続けているためだ。

 是正要求の指示は地方自治法上で最も強い措置である。発動は過去に2例しかなく、教育行政では初めてだ。竹富町教委は重く受け止めねばならない。

 今回の問題は、八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)が2011年夏、中学校の公民教科書に育鵬社の教科書を選んだにもかかわらず、竹富町教委だけが別の教科書を採択したことが発端だ。

 「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが執筆する育鵬社版は、領土に関する記述が詳しい。中国との緊張が高まる中、国境に近い八重山地区が育鵬社版を選んだ理由の一つだ。

 一方で、国旗・国歌や日本の伝統文化にもページを割いている育鵬社版に対しては、沖縄県内で反発がある。竹富町教委が採択を拒んだ背景には、こうした事情があるのだろう。

 国費による教科書の無償配布を定めた教科書無償措置法は、複数の市町村からなる広域地区では、同じ教科書の採択を義務づけている。教師が教材の共同研究をしやすい点などを考慮している。

 竹富町教委の独自採択が、無償措置法に反するのは明らかだ。

 混乱を長引かせたのは、民主党政権の誤った対応である。当時の中川文科相は「独自採択は法律に抵触する」という立場をとりながら、竹富町が自前で教科書を購入し、生徒に配ることについては、容認する姿勢を示した。

 その結果、竹富町では町民らの寄付で別の教科書を購入し、昨年4月以降、生徒に配布してきた。政権交代後の今年3月に、当時の義家弘介文科政務官が竹富町を訪れ、決定を見直すよう指導したが、聞き入れられなかった。

 無償配布を受けず、違法状態のまま、義務教育の授業を行っているのは極めて問題である。

 竹富町教委を指導すべき立場にある沖縄県教委が、十分な働きかけをしてこなかったことも見過ごせない。混乱の収束に向け、県教委は、竹富町教委に法令を順守させるという本来の役割を果たさなければなるまい。

 竹富町のような事態が再び起きないよう、文科省も改めて採択ルールの徹底を図るべきだ。

(2013年10月19日01時36分 読売新聞)

よろしければ、下のマークをクリックして!


よろしければ、もう一回!
人気<strong></strong>ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文科省による是正要求は教育にたいする国家権力の介入です (前田佐和子)
2013-10-19 21:36:08
文科大臣の出した是正要求は、教育委員会の教科書採択権を否定した違法なものです。マスメディアの多くがこの点を曖昧にし、竹富町教育委員会が’違法’であるかのように報道しているのは、事実誤認です。経緯は
http://peacephilosophy.blogspot.ca/2012/05/part-ii.html
に書いています。
2011年、八重山の教科書採択協議会で育鵬社公民教科書の採択を先導した玉津石垣市教育長は、市議会で不信任決議されました。いま、市民から辞任要求が出されています。玉津氏の強引で政治的な教育行政により、混乱が生じており、地元の自民党議員までが決議に賛成したのです。今回の是正要求で、混乱に拍車がかかるでしょう。
http://www.y-mainichi.co.jp/news/23373/

教育に国家権力が介入する事態は、竹富町だけの問題ではありません。極小の自治体が、不条理に抗してたたかっています。できるだけ多くの方に、問題を広めてください。一人でも多くの方が声をあげてください。

返信する
Unknown (Unknown)
2013-10-20 14:04:34
元大学教授で宇宙科学研究者の前田佐和子は、2つの論考を発表した[6] [7]。ただし、いずれの論考も沖縄タイムス・八重山毎日新聞といった地元メディアなどからの情報の単なるまとめに終始している
from wiki

前田氏の情報源八重山毎日は、教科書問題の記事を削除している。
当初は東書派を押しまくっていた八重山毎日だったが、なぜか東書派が起こした教科書裁判は「やりすぎ」と言いはじめ、HPでは教科書問題の記事や社説を削除。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。