あの稲田朋美衆院議員(自民・弁護士)ら、「国政調査権」ふりかざし、靖国映画「事前試写(検閲)を」要求

2008-03-09 12:29:05 | 社会
靖国映画「事前試写を」 自民議員が要求、全議員対象に
2008年03月09日朝日新聞
 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画の国会議員向け試写会が、12日に開かれる。この映画は4月公開予定だが、内容を「反日的」と聞いた一部の自民党議員が、文化庁を通じて試写を求めた。配給会社側は「特定議員のみを対象にした不自然な試写には応じられない」として、全国会議員を対象とした異例の試写会を開くことを決めた。映画に政府出資の基金から助成金が出ていることが週刊誌報道などで問題視されており、試写を求めた議員は「一種の国政調査権で、上映を制限するつもりはない」と話している。

 映画は、89年から日本に在住する中国人監督、李纓(リ・イン)さんの「靖国 YASUKUNI」。4月12日から都内4館と大阪1館でのロードショー公開が決まっている。

 李監督の事務所と配給・宣伝会社の「アルゴ・ピクチャーズ」(東京)によると、先月12日、文化庁から「ある議員が内容を問題視している。事前に見られないか」と問い合わせがあった。マスコミ向け試写会の日程を伝えたが、議員側の都合がつかないとして、同庁からは「試写会場を手配するのでDVDかフィルムを貸して欲しい。貸し出し代も払う」と持ちかけられたという。

 同社が議員名を問うと、同庁は22日、自民党の稲田朋美衆院議員と、同議員が会長を務める同党若手議員の勉強会「伝統と創造の会」(41人)の要請、と説明したという。同庁の清水明・芸術文化課長は「公開前の作品を無理やり見せろとは言えないので、要請を仲介、お手伝いした」といい、一方で「こうした要請を受けたことは過去にない」とも話す。

 朝日新聞の取材に稲田議員は、「客観性が問題となっている。議員として見るのは、一つの国政調査権」と話す。同じく同党議員でつくる「平和靖国議連」と合同で試写会を開き、試写後に同庁職員と意見交換する予定だったという。

 「靖国」は、李監督が97年から撮影を開始。一般の戦没遺族のほか、軍服を着て自らの歴史観を絶叫する若者や星条旗を掲げて小泉元首相の参拝を支持する米国人など、終戦記念日の境内の様々な光景をナレーションなしで映し続ける。先月のベルリン国際映画祭などにも正式招待された。アルゴの宣伝担当者は「イデオロギーや政治色はない」と話すが、南京事件の写真で一部で論争になっているものも登場することなどから、マスコミ向けの試写を見た神社新報や週刊誌が昨年12月以降、「客観性を欠く」「反日映画」と報道。文化庁が指導する独立行政法人が管理する芸術文化振興基金から06年度に助成金750万円が出ていたことも問題視した。同基金は政府出資と民間寄付を原資とし、運用益で文化支援している。

 稲田議員は「表現の自由や上映を制限する意図はまったくない。でも、助成金の支払われ方がおかしいと取り上げられている問題を議員として検証することはできる」。

 アルゴ側は「事実上の検閲だ」と反発していたが、「問題ある作品という風評が独り歩きするよりは、より多くの立場の人に見てもらった方がよい」と判断し、文化庁と相談のうえで全議員に案内を送った。会場は、同庁が稲田議員らのために既におさえていた都内のホールを使う。

 李監督は「『反日』と決めつけるのは狭い反応。賛否を超えた表現をしたつもりで、作品をもとに議論すべきだ」と話す。

http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200803080237.html

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靖国 YASUKUNI

靖国神社」には、もうひとつの日本の歴史がある。日本人にとって複雑な思いを抱かせる、アジアでの戦争の記憶をめぐる歴史だ。


日常は平穏そのもののだが、毎年8月15日になると、そこは奇妙な祝祭的空間に変貌する。 旧日本軍の軍服を着て「天皇陛下万歳」と猛々しく叫ぶ人たち、的外れな主張を述べ立て星条旗を掲げるアメリカ人、 境内で催された追悼集会に抗議し参列者に袋叩きにされる若者、日本政府に「勝手に合祀された魂を返せ」と迫る台湾や韓国の遺族たち。 狂乱の様相を呈する靖国神社の10年にわたる記録映像から、アジアでの戦争の記憶が、観るものの胸を焦がすように多くを問いかけながら鮮やかに甦ってくる。


そして知られざる事実がある。靖国神社のご神体は日本刀であり、昭和8年から敗戦までの12年間、 靖国神社の境内において8100振りの日本刀が作られていたのだ。「靖国刀」の鋳造を黙々と再現してみせる現役最後の刀匠。 その映像を象徴的に構成しながら、映画は「靖国刀」がもたらした意味を次第に明らかにしていく。


「二度と平和を侵してはならない」という思いを見る者の胸に深く刻みながら、日々の暮らしが眠る夜の東京の空撮で、映画は静かに終幕を迎える。

映画『靖国 YASUKUNI 』は、日本芸術文化振興基金と韓国釜山国際映画祭アジアドキュメンタリーネットワーク基金の助成作品に選ばれ、 日本、中国、韓国の3カ国の協力により、真のアジア友好を目指す合作映画として製作された。



「靖国」をテーマに10年にわたって取材を続けたのは、日本在住19年の中国人監督、李纓(リ・イン)。 これまで、国民党の将軍として孫文の参謀を務めた後日本に亡命した老人の晩年を描いた『2H』(1999)や、 東京・四谷で中国伝統の味を守り続ける料理店を営む日本人夫婦を描いた『味』(2003)など、 独自の視点と新しいスタイルをもつドキュメンタリー映画を監督し、日本と中国の関係にこだわり続けてきた。 そしてついに、監督自身避けて通れなかったという「靖国神社」をテーマに、 近年稀に見る傑作ドキュメンタリー映画を作り上げた。極めてセンシティブなテーマを扱っているにもかかわらず、 前作と変わらぬその透徹した目線と人間に対する深い愛情が窺える。偏狭なイデオロギーにとらわれることのない、まったく新しい視点での「靖国」の記録。

すでにサンダンス映画祭(アメリカ)やベルリン国際映画祭など、歴史ある映画祭でも連続して招待され、 海外でも大きな反響を呼んでいる。日本人がこれまで見過ごしてきた歴史に、一人の中国人監督が柔らかい感性のまなざしを向けた。



映画『靖国 YASUKUNI 』は、今こそ「靖国神社」に冷静に向き合わなければならないことを、強く訴えかける。 アジアの平和と真の友好のためには何が必要なのか、この映画からは、アジアの未来が見えてくる。

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学習指導要領改定「靖国」派が働きかけ
文科省に 愛国心・国防の意義など要望/しんぶん赤旗

 文部科学省が改悪教育基本法(二〇〇六年十二月施行)に基づき今月末までに学習指導要領を改定しようとする中、日本の侵略戦争を正当化している「靖国」派が、「愛国心の育成」や「国防の意義」などを盛り込むよう同省に働きかけています。

巻き返しの動き
 「靖国」派の総本山・日本会議と連携する日本会議国会議員懇談会の教育改革刷新委員会(委員長・衛藤晟一参院議員)は五日、「新教育基本法に基づく学習指導要領の改訂を!これでは教育現場・教科書は変わらない」とする会合を開きました。会合には民主党の西岡武夫参院議院運営委員長も参加しました。

 同刷新委員会は、改悪教基法の成立を受け「愛国心」「公共の精神」「宗教」などについて学習指導要領の改定の項目を列挙して、文科省に要請してきました。関係者によると、会合では「文科省から十分な対応を得られなかった」と、相次いで不満が出たといいます。

 衛藤氏は五日の会合後の会見で「新教育基本法に基づく学習指導要領の改訂、教育振興基本計画の策定という非常に大事な時期。教育基本法改正までに苦労した内容を要望項目としてまとめ、反映させていきたい」とし、歴代文科相の力も借りて文科省への働きかけを強めたいと述べました。安倍晋三前首相の政権投げ出しで、「靖国」派の政治的影響力が低下する中での、焦りを伴った巻き返しの動きです。

16項目におよぶ
 衛藤氏は、「要望項目」の中身を明らかにしませんでしたが、日本会議機関誌『日本の息吹』三月号は「学習指導要領改訂にあたり16項目の改善点を提案する」として“要望項目”を列記。「愛国心育成を全ての教育活動の目標とする」「天皇に対する理解と敬愛の念を社会科や国語科において育む」「国防の意義や自衛隊が我が国と世界の安全に果たす役割について教える」「日本人の自然観・宗教観の土台にある神道についても教える」などをあげています。

 「近代以降の戦争における当時の我が国の立場や主張についても教える」では、「慰安婦、南京事件、沖縄集団自決などの政治的かつ学説が分かれるテーマについては特に慎重な姿勢で臨み」、「児童生徒の情操、心身の発達に配慮し、戦争などに関する残酷な写真や図版、記事については使用を控える」としています。

 特異な歴史観の教育への持ち込みです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-03-10/2008031001_01_0.html

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映画「靖国」自民国会議員向けに試写/産経新聞
 靖国神社をテーマにしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の内容が「反日的」と聞いた一部の自民党国会議員が文化庁を通じて要請していた試写会が12日夜、東京都内で開かれた。

 国会議員向けの試写は異例。映画は4月の公開予定で、文化庁の所管法人の基金から助成金を受けた。配給会社側は当初「事前検閲だ」と反発していたが、「一部議員ではなく全国会議員が対象ならば」と承諾した。

 午後7時すぎに始まった試写会には議員秘書を含め約80人が参加。試写を求めた自民党の稲田朋美衆院議員は終了後「検閲の意図は全くないが、政治的に中立な映画かどうかは若干の疑問を感じた。イデオロギー的なメッセージを強く感じた」と述べ、今後、助成金について文化庁と意見交換する考えを示した
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/080312/tnr0803122334010-n1.htm
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20 コメント

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どうせインチキなんだよね! (靖国なんてさ。)
2008-03-09 15:59:59
日本刀なんてさ、明王朝が海禁政策を取った当時は、現代の「小型火器蔓延」に相当する、倭寇による日本刀の大量押し売りも海禁の原因の一つなんだったけどさ、江戸末期にはもう、非常に廃れてて!日本刀が日本の魂とかってのも、かなり怪しいのさ。
すっげー名匠なんだけど、奇矯な振る舞いが多くて困った江戸末期の鍛冶師なんて、マジで超貧乏だったから!司馬遼太郎とかも書いてるけどさ、誰も実用的な超優れものの日本刀なんて、買ってくんないのヨ!太平の世どころか、旗本が長州征伐にでたがらないで逃げ回ってるご時世でも、さ。
なあにが、ご神体だよなあ!8千1百振りの犠牲に、どれ程のものがなった事か!
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「国政調査権」をふりかざし? (通りすがり)
2008-03-13 15:18:32
文化庁助成金として税金が投入されている活動内容を政治家が確認することは、けっして 権力をふりかざすことではない。
内容によっては、税金の不正使用として納税者が、政府を訴えることもあるのだから。

すくなくとも民主党、公明党の議員も参加していることを、ブログに明記しておくべきだな。
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映画とは「主観的」なものである (海ラジ)
2008-03-14 00:55:52
 「客観性が問題となっている」などと言っている時点で、映画、というか表現活動に対してまったく無理解であることがわかる。

 客観的な映画などあり得ない。すべての映画は「主観的」なものである。

 気に入らない表現活動を排除しようという意図が見え見えだ。
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騒ぎ立てようとする輩 (たつ)
2008-03-14 12:41:27
気に入らない表現活動を排除するのは問題だが、イデオロギーの衝突になりかねない映画に国が助成金を出すことが問題なんでしょ。
そういう類なものに税金使うのは反対。

靖国を取り上げたことだけで監督のスタンスがある程度解ってしまう。
遺族や一般人は慰霊の場所なんだからそっとして欲しいと考えるだろう。

靖国をインチキとかいってる輩もいるが、そしたら全ての宗教はインチキと言ってるようなもの。
どの宗教にも他者から見れば胡散臭いところがあるでしょ?
それを理解・尊重するものなのに、靖国だけインチキと宣伝する。
恥ずべき行為。
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靖国原理主義の本質は (政府・官僚の無能を免罪する事にある。)
2008-03-15 15:00:24
天皇でさえ只の飾りであって国家を崇拝する国家神道カルトの、官僚教として生き延びた末は、結局『免罪符発行所』となる事だった。
戦争も不況も、ありとあらゆる事が全て『天災』であり、政府・官僚の仕事は庶民の生き血を吸う事だけでイイのだ。
ソレをインチキと言って何が悪いか!!!馬鹿者。
靖国原理主義がまるで、さも宗教であるかのようなデマを流す、貴様らヤクザやカルト構成員等のB層右翼こそが日本国の恥辱だ。
靖国原理主義がどれ程愚かか、ソレを世界に配信されては困る輩が、せめて日本でだけは目隠しを続けさせたい!とばかりに抑圧を与える心算で汚い真似をし、処がヤッパリ余計に騒ぎになってしまい、逆に墓穴を掘るのはお約束だが。
最近の動きだけでも、ワシントン・ポストの従軍慰安婦非難決議『促進』広告から、ずっと続いている光景だ。
心底愚かであると、自分の心象風景での狙いと、現実の勝利とが結びつかないと言うよりは、全く180度逆の効果を挙げるから。
(ここいらで負けを認めた方が利巧であるが、60年も馬鹿で居続けた輩は、矢張り軌道修正出来まいが。)
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彼女のような胡散臭い保守が多い件 (一般人)
2008-04-03 01:38:27
という事は、助成金を得た外国人の作った映画は、保守的な国会議員の期待にそったものでなくてはならない事になるのか・・・
仮に保守的な映画を作ったら左翼は政治的にどうのこうのケチをつける権利を得る事になりませんか?

事実上、稲田朋美の検閲行為でしょ
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取り合えず、テレビで見れれば・・・ ((。・_・。)ノ)
2008-04-04 15:02:41
「映画 Tibet」もつくるのかな? そのうち・・・
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素晴らしい考え (Unknown)
2008-04-08 12:45:08
靖国の刃物は片刃で日本刀ではないのです。
出演承諾もしていない人(刀匠)をキャストとしたり、たまたま参拝に来ていた自衛隊員を勝手に撮影し、その上映画のポスターに使うような輩は監督ではない。
政治以前の問題。駄作!
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日本人の反骨に火をつけた (自虐右翼は止まる所を知らない)
2008-04-08 16:41:15
ワシントンポスト紙の逆効果自虐広告で従軍慰安婦非難決議の後押しをしたとか、沖縄ノート裁判で逆に集団自決への軍関与が決定的に歴史に記銘されたとか、自虐行為に事欠かないB層右翼であるが、その華々しい敗北の歴史に肖像権裁判も加えようとは!橋下ブレルもさぞ、足手纏いに悩む事となろう。
しかし、例の尖閣諸島に放した山羊が生態系を破壊した上、島自体が崩壊の危機に瀕してる件に関しては如何する心算な訳?ソレこそ、第二次世界大戦に突入した時の次点位の重要度で、言い訳が効かないぞ!南麻布の米軍秘密施設ニュー山王ホテル素っ破抜きとは、深刻さがまるで違うんだぞ!判ってんのか?!
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東映もプリンスも皆 (靖国原理主義与党と住吉会の下僕)
2008-04-08 16:45:21
TOKYO (AP) -- Several Japanese movie theaters canceled showings of a documentary about a controversial war shrine after at least one theater received threats, a cinema official said Monday.
Callers objected to ''Yasukuni,'' a film by Chinese director Li Ying, because they considered it anti-Japanese, according to a spokesman for theater operator Humax Cinema.
Manubu Matsumoto said Humax canceled showings at one theater after callers threatened the company. He refused to detail the threats.
''I personally think the decision is regrettable. I don't think the movie is anti-Japanese,'' Matsumoto said.
Five theaters have canceled screenings of the documentary, the Kyodo News agency reported. Some theaters are still scheduled to show the film in April, the report said.
The documentary takes a critical look at Tokyo's Yasukuni Shrine, which honors some 2.5 million Japanese war dead, including some war criminals who were executed.
In recent years, Japanese leaders have enraged China and South Korea by going to the shrine. Critics say the visits show Japan has failed to fully atone for invasions and atrocities of World War II.
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