原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)10月20日 自主避難賠償に大きな成果

2011-10-21 10:42:00 | 社会

昨日20日に行われた原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)について、
満田夏花さん(FoEJapan)のホットな報告を転送します。
当初は審査会の議題にすら入っていなかった「自主」避難者への賠償問題が、
避難者自身や支援者の粘り強い努力によって、やっとここまで来たという印象です。
まだ油断は出来ません。
あとひと押し、ふた押し、頑張っていきましょう。

杉原浩司(福島原発事故緊急会議/みどりの未来)
-----------------------

みなさま

FoE Japanの満田です。
今日の原賠審、自主避難に関して、関係者の意見聴取が行われ、大きな成
果があがりました。
最後に能見会長が、「自主避難は、賠償しなければならない対象である。残
っている人たちへの賠償も検討をしながら解決をはかっていきたい」と結論
づけていました。

議題が4つあるなか、自主避難は最後で、17:20くらいからはじまったと思い
ます。自主避難については、瀬戸・福島市長、福島県弁護士会所属の渡辺
弁護士、子ども福島の中手さん、北海道に避難された宍戸さんが意見陳述
しました。そのうち文科省のHPでも公開されると思いますが、中手さんの資
料は下記で閲覧できます。
http://dl.dropbox.com/u/23151586/111020_nakate.pdf

瀬戸市長は、福島原発事故以来、福島での分裂・反目というものを強調して
いました。また、少なかろうが多かろうが放射能は怖い、低線量被ばくを受
け続けている福島市としては、賠償をしてほしい。(渡利や大波の除染の話
しをしたときは、私としては、「住民は納得していないぞ」と野次を飛ばしたく
なりましたが、必死になってこらえました)。結論としては、自主避難した人た
ちも残った人たちも補償すべきであると。

続く渡辺弁護士は、いわき市で弁護士として、日々相談をうけている経験か
ら、また自ら家族を自主避難させている身として発言。感情を高ぶらせなが
ら、自主避難、とどまった住民の苦境を訴えられました。ただ、ひっかかった
のは、「損害賠償としてではなく、生活保障や復興の助けとしての補償。必ず
しもお金ではない」と強調していたことです。
ここについては、私は、きっちり、かっきり損害賠償としての賠償を求めなく
てはならない、「見舞金」「補助金」で、ことを曖昧にされてはならないと感じ
ました。

続いて、子ども福島の中手さんが発言。自分の体験に基づいて、原発事故
後、どのような状況であったのか、どのような情報を住民が判断のよりどこ
ろにしてきたのかについて話しました(詳しくは資料をご覧ください)。ポイン
トとしては、日付でわけることはできない、また、国・東電の情報の信用がだ
んだんなくなり、市民団体や独立した立場の科学者、チェルノブイリの経験
などの情報を自ら探すようになった。また、既存の法令(公衆の被ばく限度
1ミリシーベルトなど)に判断の基準を求めるようになったなど。

最後に宍戸さんが、自主避難者の福島への思い、自主避難に対する賠償
を認めるということの意味、これはすなわち、避難をすることの正当性に対
する社会的な認知となるということを切々と訴えられました。

中島委員からは、「何を判断のよりどころとしたか?」。宍戸さん、中手さん
から、「やはりインターネット情報などを自分で探した人が多い」「マスコミも
当初は安全情報しか出さなかったので、これはおかしい、自分で探そうとし
た」などの回答。

能見会長・大塚委員からは、「原発事故直後の自主避難と、線量に関する
情報がでてきたからの避難を二つのカテゴリーに分けるのは妥当では。た
だ、後者についても賠償の対象にすべきとは思っているが。」との発言。
中手さん「それはそうかもしれないが、日付で分けることはできないのでは」。

大塚委員が、山下氏の発言(100マイクロシーベルト/時まで安全、その後
訂正)が訂正された日付を質問。

面白いことに、いわゆる原子力ムラの草間委員をはじめとする委員は、一
言も発しませんでした。

最後に能見会長が、「自主避難は、賠償しなければならない対象である。
残っている人たちへの賠償も検討をしながら解決をはかっていきたい」と結
論づけました。

今日の意見聴取で、自主避難への賠償に向けて、かなり勝ち取れる可能性
が高くなってきたと思います。あとは、「どこまで」という点です。次回あたりに
一定の結論がでそうです。注視していきましょう!

--
満田夏花 MITSUTA Kanna
携帯:090-6142-1807
国際環境NGO FoE Japan/tel: 03-6907-7217 fax: 03-6907-7219
--------------------------------------------------------
★【署名】渡利の子どもたちを守ろう!
http://www.foejapan.org/energy/news/111007.html
--------------------------------------------------------
------------------
「非国民扱い」されながら~福島の親が「原賠審」で意見陳述/レイバーネット
10月20日、第15回原子力損害賠償紛争審査会(以下「原賠審」)が文科省で開催され、避難の権利を求めて福島県の2人の親が意見陳述した。
家族を岡山県に避難させ、自らは福島に残り「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表として活動している中手聖一さん(福島市在住)は、「そもそも専門家の中でさえ意見がわかれる問題について、我々親が決断を下さなければならない状況に追い込まれているのです」と語り、福島県伊達市から札幌市に避難し、避難先で避難者自治組織を作って活動をしている宍戸隆子さん(写真)は、「はじめは福島から避難するというだけで、『非国民扱い』をされました。それでも避難したのは子どものためなのです」と語った。
会のしめくくりに「現陪審」会長の能見義久氏は「自主避難の賠償と福島に残っている人の賠償の問題は、同時に検討し解決していきたい」と結んだ。(湯本雅典)
報告
動画(YouTube)


------------------

「自主的」避難の補償、前向きに検討~原賠審で初ヒヤリング(ourplanet20日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1254

 東京電力福島第1原発事故の賠償の枠組みを検討している文部科学省の原子力損害
賠償紛争審査会(会長・能見善久学習院大教授)は20日の会合で、自主避難に関す
るヒヤリングを実施し、自主避難者に幅広く補償する可能性を示唆した。また、避難
しなかった人についても賠償の対象として検討する方針を確認した。次回の会合で方
向性が示される。



ブログ内・関連記事

よろしければ、下のマークをクリックして!


よろしければ、もう一回!
人気ブログランキングへ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。