自民党幹事長・衆院議員 石破茂様。歴史修正主義の本家本元がお咎めなし?/太田光征さんから

2013-06-05 22:58:02 | Weblog
CMLから
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橋下「従軍慰安婦」発言では日本維新の会ばかりが批判の的になっています。同党の支持率は急落。でも「本家本元」は安泰?
福島原発事故で民主党の対応がもっぱら批判されてきたのと同じ構図です。「本家本元」の責任を追及していかなければなりません。
以下を「平和への結集」をめざす市民の風として自民党の石破幹事長にファクスしました。

太田光征

分家の従軍慰安婦発言が批判され、歴史修正主義の本家本元がお咎めなし?
http://kaze.fm/wordpress/?p=463


2013年6月5日

自由民主党幹事長・衆議院議員 石破茂様

 従軍慰安婦をめぐる橋下発言によって、来る参院選においては「日本維新の会」が不利となり「自由民主党」が有利になったという見かたがあります。現に渡辺「みんなの党」代表までが「独り勝ちした後の自民党の先祖返り」を懸念しているようです。
 いい気分でしょうか? これで参院選はとったとお思いでしょうか? もし本気でそう思っておられるのだとしたら、おめでたい。

(橋下発言について)「日本の過去の歴史に関し、不適切な発言を繰り返し、周辺諸国に誤解と不信を招いた」「安倍政権は、そのような発言や歴史認識にくみするものではない」(小野寺五典防衛相、時事通信 6月1日)

 貴党の橋下発言批判は「目くそ鼻くそを嗤う」のたぐいで、橋下発言の本家本元は安倍自民党なのだと炯眼の士はとうに見抜いています。炯眼の士でなくても、それくらいのことはだれにもわかります。

 根も葉もないことだと、もし仰るのでしたら、残念ながら、政党としての見識に欠けると言わざると得ない。いえ、黒を白と言いくるめる詐術にすぎないでしょう。

 貴党が橋下発言を批判するのは、諸外国、とりわけアメリカ合衆国からこの発言に対する批難が相次ぎ、わが身に火の粉が降りかかってきそうになると判断するからではありませんか。

 安倍首相は2007年、米国議会下院で慰安婦問題に関して日本政府に謝罪を求める決議案が準備されていることを受け、国内向けに「米決議があったから、我々が謝罪するということはない」(下記辻元清美衆議院議員2007年3月8日質問主意書)と語り、ブッシュ前米大統領と4月に会談した際、慰安婦問題について「ブッシュ大統領が『首相から釈明があった』と発言した」との辻元清美衆院議員の指摘を否定しておきながら、「元慰安婦の方々に、首相として心から同情し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と同前米大統領に発言したとの答弁書を決定しました(毎日新聞 5月18日)。

 ところが、米国大統領に釈明した安倍首相は2012年、多数の自民党国会議員などとともに、従軍慰安婦制度の強制性を否定する意見広告を米紙に出したのです。

日本軍「慰安婦」 強制を否定/安倍首相が賛同/米紙に意見広告 4閣僚も/国内外の批判は必至/昨年11月
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-06/2013010601_01_0.html
 
 2007にも既に同じ意見広告がやはり多数の貴党国会議員などによって米紙に出されています。

村野瀬玲奈の秘書課広報室 |2007年6月14日 ワシントンポスト紙 従軍慰安婦(性奴隷)強制文書否定広告署名国会議員(衆議院、参議院、五十音順) (2007年6月15日作成) 和文表記
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-266.html
 
 その後も安倍首相らは従軍慰安婦制度の強制性を認めた河野談話を見直す考えを示し、米国による批判を受けて同談話をしぶしぶ継承すると決定したのです。橋下氏が風俗店の活用発言を米国に謝罪したのも、こうした安倍首相らの精神性をそっくりなぞるものです。

 このように安倍首相らは米国向けには本音を否定して、またさらけ出すということを繰り返してきました。

 言いかえれば、貴党は、このところ「国民感情」が貴党のもともと望んでいた方向へ動きだしていることに気をよくして、かなり「思い切った」政治的発言をもって「国民感情」のいっそうの誘導をこころみてきたのではないでしょうか。橋下・石原といったひとたちの言説をも巧みにとりこみ利用してきたのではなかったでしょうか。

 そこでハプニングがおこった。おなじスタートラインに並んだ仲間からフライングする走者が出たのですね。老獪さを欠いた青二才が、血気にはやって、本来なら小出しにすべきことがらを一挙に出してしまった。正直すぎたってわけです。

 橋下発言とは、貴党の総裁である安倍晋三氏が慰安婦問題に関してくりかえし発言してきた認識に誘発されて出て来たものです。日本が国家として女性を脅迫・拉致して性奴隷にしたと諸外国から非難されるような不名誉をこうむった原因は河野談話にあるのだから、これは見なおさなければいけないなどといった発言は、安倍晋三氏の物言いを真似たというより、鸚鵡返しにくりかえしたにすぎないのではなかったか。

 実際、辻元清美衆議院議員が指摘しているように、安倍首相は第1次内閣で2007年に「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書を「初めて」閣議決定した、「閣議決定を多くの人たちは知らない。河野談話を修正したことをもう一度確定する必要がある」と虚偽を述べ、この虚偽を橋下氏が借用したのです(ほぼ同じ内容の閣議決定は1997年に橋本内閣が行っている)。

橋下徹大阪市長の慰安婦を巡る発言の背景となった安倍首相の「閣議決定」に関する発言について
http://www.kiyomi.gr.jp/blogs/2013/05/23-933.html

 要するに橋下発言は自由民主党の本音を増幅吹聴してまわったにすぎません。橋下氏は貴党の拡声器だった。貴党が歴史修正主義の本家本元であり、そこを出自とする「従軍慰安婦は自ら身体を売って稼いでいた」の石原慎太郎氏、「従軍慰安婦は戦地売春婦」の平沼赳夫氏、「化けの皮がはがれた」中山成彬氏を擁する日本維新の会は、貴党の分家に他ならないのです。

 こういった解釈に、もしご不満であるのなら、貴党は、たんに橋下発言を批判するポーズをとり国民を欺くことによって、自党の支持率上昇を計ろうなどといったさもしい根性は棄てて、歴史修正主義の本家本元の店じまいを明瞭に宣言すべきではないでしょうか。

 具体的には、「軍や官憲によるいわゆる強制連行」に関して国会議員から出されている質問主意書に改めて誠実に答えるとともに(2007年の質問から6年が経過した2013年の同じ内容の質問を調査していないのは、極めて不誠実)、上記意見広告に賛同した貴党議員を除名することではないでしょうか。

安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する再質問主意書(「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」資料、2007年4月10日、辻元清美衆議院議員)(ほぼ同じ内容の2013年の質問: http://goo.gl/kKwE0
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166168.htm

バタビア臨時軍法会議の証拠資料と安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問主意書(2007年5月28日、辻元清美衆議院議員)(ほぼ同じ内容の2013年の質問: http://goo.gl/kKwE0
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166266.htm

陸軍中尉による強制的な慰安婦の徴用(2013年4月23日、紙智子参議院議員の質問主意書)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/364811549.html

「海軍航空基地第二設営班資料」と慰安所開設における中曽根元総理の「取計」に関する質問主意書(2013年5月16日、辻元清美衆議院議員)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a183081.htm
安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する質問主意書(中曽根康弘元首相による慰安所の設立・運営、2007年3月8日、辻元清美衆議院議員)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a166110.htm
「海軍航空基地第二設営班資料」原資料
http://fujihara.cocolog-nifty.com/tanoshi/2011/10/post-191b.html
http://fujihara.cocolog-nifty.com/tanoshi/2011/10/post-4383.html

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「平和への結集」をめざす市民の風
http://kaze.fm/

2013年参院選が改選となる歴史修正主義者たち
村野瀬玲奈の秘書課広報室 |民主党 慰安婦問題と南京事件の真相を検証する会(仮称)呼びかけ人国会議員 名簿 (衆議院・参議院混合、五十音順) (2007年3月7日)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-119.html
会の呼びかけ文(河野談話の見直しを目的に掲げる)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-120.html

大江康弘(無所属、辞職して自民から比例区で出馬へ)

村野瀬玲奈の秘書課広報室 |2007年6月14日 ワシントンポスト紙 従軍慰安婦(性奴隷)強制文書否定広告署名国会議員(衆議院、参議院、五十音順) (2007年6月15日作成) 和文表記
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-266.html

該当なし

米「スターレッジャー」紙への 「慰安婦」否定意見広告連名者/ハイナンNETの日常 から - 薔薇、または陽だまりの猫
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/886f0823c16907f85317dd62cbee8d7b

世耕弘成(参・和歌山)、塚田一郎(参・新潟)、西田昌司(参・京都)、江藤晟一(参・比例)、義家弘介(参・比例)(以上、自民党)、中山恭子(参・比例)(日本維新の会)


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4 コメント

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安倍自民の代弁ではない (とおりすがり)
2013-06-27 01:00:38
橋下発言の致命的なところは、日本の風俗を使えと発言したこと、ただそれ一点に尽きる。
それは沖縄に限らず全ての米軍において、タテマエ上の「買春禁止」が伝達されているからで、自民党員なら誰でも知っていることです。
したがって、代弁などというスリカエは通用しませんよ。

通用しないところからの関係ない事象への話の展開方法は民主党のお家芸ですねw
石破氏は鼻で笑ってポイしたことでしょうw
Unknown (Unknown)
2013-06-27 08:48:24
太田光征さんのおっしゃることは理解しがたい。歴史修正主義ってなんですかね。正しい歴史認識を唱えると修正主義になるんですかね。もし貴方の主義主張が正しいと思うなら政党でも立ち上げて対峙したらどうですか。
慰安婦問題は彼の国の日本批判のための戦略とは思いませんか?慰安婦問題を唱えているのは2名の学者のようですが他の多くの研究者の見解も得て正しい歴史認識することが大切ですよ。
精神科医 (宮地 達夫)
2013-06-27 20:45:12
Unknown (Unknown)さんへの答え
ウィキペディアから
通俗的な用法としての「歴史修正主義
上述のような学術的用法に対し、通俗的な用法として、ある特定の歴史家が、反対者の歴史観に対して、否定的な印象を広く一般に植え付けるためのレッテルとして用いることがある。この用法による「歴史修正主義」とは、「客観的な歴史学の成果を無視し、都合の良い過去は誇張や捏造したり、悪い過去は過小評価や抹消したりして、自らのイデオロギーに従うように過去を修正するもの」であったり、「既に修正された歴史観の再修正をするもの」という意味で使用される。つまり、意味内容としては、ほぼ「否認主義」の類義語・同義語として用いられている従来の歴史観を持つ者が、違う歴史観を唱えた人物に対して、特定の史料の矛盾を根拠に仮説全体を否定しているとし、特にその背後に特定のイデオロギーによる「ねじれ」が働いていると判断した場合、その歴史観を「否認主義」や「歴史修正主義」と呼ぶことが多い。また、実証的・客観的・論理的・科学的・学問的に構築された歴史学のモデルから逸脱し、特定のイデオロギーに沿って独自の修正を加えている思想・歴史観であるとして蔑称するときに用いられることもある。ただ一部の人間に都合のいい修正の場合は「再評価」などと言われることもある。
元々歴史修正主義とは上記にある「歴史学における用法」のように「新たに歴史を検証する試み」であり、否定的な意味は持っていなかったが、西欧においてホロコースト否認論者たちが自らを「歴史修正主義者」と規定したことから、否定的な言葉として使われるようになった。日本では1990年代後半から、南京大虐殺などの存在を否定する勢力を、それを肯定する側が批判する言葉として使うようになり、これは西欧のホロコースト否認主義の連想が働いたためとも言われている
例えば、下村博文である
1997年、自民党内の保守系議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の設立に中心メンバーとして参加した[7]。経緯については、「(以前より)もっと徹底したマルクス・レーニン主義による自虐史観の教育が行われていることに対し、とても看過できないということで、歴史教科書を考える議連をつくった」と述べている[7]。また、日本の教科書検定基準に盛り込まれている近隣諸国条項を批判している
第1次安倍内閣の内閣官房副長官だった2006年10月25日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、従軍慰安婦問題で旧日本軍の強制を認めた1993年の河野洋平内閣官房長官(当時)の談話に関して「私自身の今後の検討課題」としながらも、将来的には見直すことも必要だとの考えを示した[8]。慰安所の設置・管理や慰安婦の移送については、2007年3月に自身の見解として「日本軍の関与はなかった」との認識を示した
教科書検定:見直し 自民・教育再生本部「教科書法、制定を」
毎日新聞 2013年06月26日 東京朝刊
 自民党の教育再生実行本部は25日、教科書検定の見直しに向けた議論の中間まとめを、安倍晋三首相に提出した。教科書の基本的な在り方を定めた「教科書法」の制定や教科書検定でアジア諸国に配慮する「近隣諸国条項」の見直しを示した。時期や具体的方針は今後の検討課題としたが、教育への政治関与には抵抗も強く、実現には曲折がありそうだ。
 中間まとめでは「多くの教科書に自虐史観に立つなど問題となる記述がある」とした上で、検定基準について、歴史的な事実に関して政府見解や判例があればきちんと触れ、諸説ある場合は多数説や少数説をバランスよく取り上げることを求めた。確定的な見解がない事案は断定的な記述を避けることも盛った。また、将来的には教科書の定義、検定、採択などの在り方を定めた教科書法の制定を目指すとした。近隣諸国条項については「見直し」としただけで「廃止」などの具体的な方向性は示さなかった。
 一方、下村博文文部科学相は25日、外国報道関係者向けの記者会見で「歴史には光と影の部分があり、バランスよく教えることを考えたいが、近隣諸国条項を今、見直す考えはない」と説明した。【福田隆】
http://mainichi.jp/feature/news/20130626ddm012100159000c.html
精神科医 (宮地 達夫)
2013-06-28 04:22:06
近隣諸国条項は自虐史教育 下村文科政務官が批判
 下村博文文部科学政務官は6日、都内で開かれたシンポジウムで講演し、教科書検定基準にアジア諸国への配慮を求める「近隣諸国条項」が盛り込まれていることについて「(以前より)もっと徹底したマルクス・レーニン主義による自虐史観の教育が行われていることに対し、とても看過できないということで、歴史教科書を考える議連をつくった」と述べ、同条項を厳しく批判した。  下村氏は1997年、超党派議員による「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」を中心メンバーの一人として設立した。  また下村氏は、2006年度から中学校で使う教科書について「教育委員会ではなくて、現場の先生、実際は日教組(の主張)に偏った採択が行われてきた。ぜひ正常な形で、正しく教科書が採択されるように」と述べ、採択は現場の教員の意見に左右されるべきではないとの考えを示した。

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