竹中平蔵、一巻の終わり/日刊ゲンダイ Dailymail Business 2006年 5月27日号

2006-06-01 08:39:16 | 社会
とうとう無用と始末されそうになっている竹中平蔵経済財政 諮問会議の流れ。今度は財政経済一体改革会議だそうだ。無学無責任首相はヌケヌケと言い放った「とっくに消費税を上げておかなければいけない状況だが、いまだに上げずにきている…」。ポスト小泉は大増税が必至だ
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小泉政権の5年間、ずっとデカい顔をしてきた竹中平蔵大臣(55)がついに一巻の終わりだ。首相にも遠ざけられ、最近は総務省の大臣室に“引きこもり”状態らしい。ざまあ見ろだが、一体何があったのか。「小泉首相が竹中大臣を疎んじるようになったのは、ポスト小泉がらみです。小泉政権が終わった後も日のあたる場所にいたい竹中氏は急に安倍官房長官にすり寄り、中川秀直政調会長と一緒になって安倍応援団で動き始めた。小泉首相からすれば、自分の政策ブレーンなのに政治的に動き過ぎだと映る。それで遠ざけられた。では安倍氏がかばうかというと、竹中氏は党内で評判が悪く、敵が多すぎる。安倍政権になっても重用するのは無理です。虎の威を借りてやってきた竹中氏だけに、後見人がいなければタダの人。周りを見たら四面楚歌で、居場所がないというわけです」(政治評論家・浅川博忠氏)

 活躍の舞台だった政府の経済財政諮問会議でも、主役の座は後任の与謝野経財相に取って代わられ、発言力はガタ落ち。これまで格下の学者である竹中に遠慮してきた吉川洋・東大教授などにやり込められているそうだ。
 前出の浅川博忠氏が言う。「9月に小泉政権が終わったら、竹中大臣の政治生命も完全に終わりです。その後は、ヒラの参院議員として残り任期4年を寂しくまっとうするか、それとも議員辞職して米国の教授にでもなるかの選択でしょう」「もはやこれまで」と見て、知恵袋だった官僚たちの「竹中秘書官チーム」も解散の準備を始めているという。

◆ 日本破壊のエージェントだったのか ◆

 だが、お払い箱になるから、全部チャラとはいかない。いつのまにか政権の中枢に入り込み、この国の政治経済をかき回してきた竹中が残した負の遺産はあまりに大きい。経済アナリストの森永卓郎氏が言う。「ムチャクチャな竹中路線によって、この国は“あり得ない”とされたことが当たり前になってしまいました。終身雇用なんて過去の遺物で、クビ切りや給与カットが日常茶飯事。サラリーマンの年収は7年連続でダウンし、街に年収100万とか200万で食うや食わずの人が溢れている日本なんて一体誰が想像したでしょうか」
 
アメリカかぶれの規制緩和や自由化で「弱肉強食社会」を輸入した結果だ。ウサンくさいホリエモンや村上ファンドのような一握りの者が富をむさぼり、大多数は下層階級に突き落とされた。
「金融不安解消」や「不良債権処理」を評価する声もあるが、冗談だろう。冷静に振り返れば、金融コンサルタントだった木村剛らの人脈を使って、大銀行を追い込み、危機をつくり出して公的資金を引っ張り込んだだけの話ではないか。暴落した銀行株を買っていた外資は不良債権まで二束三文で買い漁り丸儲けだが、貸し渋りや貸しはがしで潰された中小企業、失業・自殺に追い込まれた人たちは救われない。
 結局、竹中の正体は、国民生活を豊かにする学者でも政治家でもなかった。この国を潰し、オイシイところだけアメリカに売り渡すために政権に潜り込まされた「どこかのエージェント」とでも呼ぶしかない。
 おまけに民営化と称して、怪しい元銀行頭取を社長に据えて郵貯まで外資に引き渡そうとしているのだから、空恐ろしくなってくる。
 こんな男を5年間も泳がせ、今になって「お役御免」と突き放す小泉首相の無責任デタラメには本当に腹が立つ。


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