戦争を語る時に、今日の若い世代には米軍広報のテレビゲームもどきの印象
が強く、戦争が殺りく行為であることのリアリティがあまりないので、議論
も観念的になりがちな感じがあります。
その戦争のリアリティですが、ご存じの方も多いと思いますが、標題の『ファ
ルージャ 隠された大虐殺』は、まさに現今のイラク<戦争>のリアリティを
そのまま描いた作品です。この作品はイタリアの国営テレビが制作したドキュ
メンタリーで、死体、一般市民や特に子供の惨殺死体がごろごろ出てくる、
現在の日本やアメリカの放送局では考えられない一編です(約30分)。
Cf. いけだよしこ「人体の内側から焼く兵器、その名は『ウィリー・ピート』
~イタリアRAIニュース報道」
<http://teanotwar.blogtribe.org/entry-3f16205b292bc9f07303103b2cb16af9.html>
この作品は当のイタリアの放送局
<http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/video/fallujah_ING.wmv>
のほかインターネット上の各所に転載されていますが、例えば
「イラク・ホープ・ネットワーク」の
「ファルージャ 隠された虐殺 RAI(イタリア放送協会)」
<http://www.iraq-hope.net/event_report/051124.htm>
でも、オンラインで視聴することやファイルをダウンロードが可能です(約44M)。
残念ながらイタリア語のほかは英語版・アラビア語版しかないようですが、
いくつかの場所でボランティアの方が「日本語シナリオ」を作ってくれてい
ます。
FWF-フットボールは未来の兵器である-
<http://www.doblog.com/weblog/myblog/7844/2037678#2037678>
イラク・ホープ・ネットワーク
<http://www.iraq-hope.net/event_report/japanese_tr.html>
反戦翻訳団
<http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50136112.html>
この番組は特に米軍による「白燐弾」の使用を報道したものですが、これに
よって「丸焼け」になった子供の死体などが続出するので、日米の放送局で
放映されることは考えられないでしょう。これを紹介した日本のサイトでも、
心臓の悪い人、妊婦は見ないほうがいい、自信のない人はまず写真版を見て
から、など注意書きを付けているところもあります。
写真版(右のsuccessiva >>をクリック)
<http://www.rainews24.rai.it/ran24/inchiesta/slideshow.asp?gallery=1>
Fallujah Pictures
<http://electroniciraq.net/news/1747.shtml>
「ファルージャからの写真(ジャマイル)」
<http://teanotwar.blogtribe.org/entry-df891f29f2b310588f1dad6afd51eab5.html>
ビデオは、冒頭、ベトナム戦争のナパーム弾の映像から始まります。日本人
写真家が撮ってピュリッツアー賞を受けた、裸の女児が両手を広げて逃げる
有名なシーンもあります。「ナパーム弾」と「白燐弾」、ベトナムとイラク、
遠くて近いことのわけです。イタリアの放送局のスタンスはしっかりしてい
て、淡々とその事実を追っています。
Cf. "US 'Uses Incendiary Arms' in Iraq", BBC, November 8, 2005
<http:// news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4417024.stm>.
「TUP速報584号 巻き添え被害と白燐〈リン〉砲弾」
<http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/633>.
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島川雅史 mshmkw@tama.or.jp
mshmkw@jca.apc.org
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