2009年5月21日
台湾アップル社への抗議行動へ
労働者への搾取を止めよう
血まみれの「アップル」を拒否しよう
時間：2009年5月21日
場所：アップルコンピューター台湾支社（台北市敦化南路二段333号，敦化南路-
基隆路口）
連絡：自主工聯執行長 朱維立
米企業アップルコンピューター（以下Ａｐｐｌｅ社）は、金融危機などどこ吹く
風がごとく、2009年第一四半期は15%の利益増を実現した。それは台湾と中国の労
働者を搾取した血と汗の成果に他ならない！
Ａｐｐｌｅ社の主要な受託企業である勝華科学技術公司（経営首脳：黄顕雄、本
社：台中県潭子郷台中輸出加工区建国路10号、以下ＷＩＮＴＥＫ）は、携帯電話
小型パネル、タッチスクリーンの市場占有率は台湾トップであり世界でも第三位
に入る。この一年のあいだに、台湾、中国においてリストラと搾取労働が相次い
だ。
ＷＩＮＴＥＫ社は、2008年12月に予告もなく台湾工場の労働者600名以上を解雇し
、残った労働者も賃下げ、無給休暇、残業代カットなどを行ない、急な注文の際
には一人に何人分もの仕事を押し付け、サービス残業を強いてきた。台湾政府に
よる労働検査でも多くの違法状態が発覚していた。また中国広東省東カン市にあ
るＷＩＮＴＥＫ傘下の萬士達公司では、残業代や手当てのカットが行われ、提供
される食事も劣悪な品質であった。さらにはストライキに参加した19名の労働者
を違法にも解雇した。
Ａｐｐｌｅ社およびＷＩＮＴＥＫ社は暴利をむさぼり、労働者を違法に搾取して
きた。世界各地の労働団体はこの行為を許さない共同アピールを発した。
台湾の労働運動団体とＷＩＮＴＥＫ争議団は、世界各地からの賛同署名をもって
、2009年5月21日（木）午前10:00からＡｐｐｌｅ台湾支社に対して抗議し、以下
の要求を提示し、5月31日までに要求に応え、台湾と中国の労働者に対する搾取を
やめるよう訴える。
要求
１．Ａｐｐｌｅ社は納品業者行動規範にのっとり、ＷＩＮＴＥＫ社による台湾と
中国での解雇を撤回させ、事後報復を行わないよう確約させること。
２．Ａｐｐｌｅ社は納品業者行動規範にのっとり、ＷＩＮＴＥＫ社の労働条件を
改善させること。
３．Ａｐｐｌｅ社は、ＷＩＮＴＥＫ社に対して、第三者機関として労働団体によ
る労働安全衛生検査を受入れ、事件を公開し、責任を負うよう要求すること。
４．Ａｐｐｌｅ社は労働者代表の要望を尊重し、労働者が自主的に選出したＷＩ
ＮＴＥＫ社の台湾と中国の両工場の労働者代表と直接対話を行ない、企業監視に
有効性を持たせること。
賛同署名
台湾：全国自主労工連盟、勝華科技（ＷＩＮＴＥＫ）争議団、団結工聯（台北市
産業総工会、桃園県産業総工会、新竹県産業総工会、苗栗県産業総工会、台南県
産業総工会、高雄県産業総工会）、青年労働九五連盟、工作傷害被害者協会、人
民火大行動連盟、台湾労働者資料教育協会、工人民主協会、台湾国債労働者協会
、台湾漂緑網
香港：全球化監察、大学師生監察無良企業行動(SACOM)、職工会連盟(HKCTU)、中
国労働透視(Labour Action China)、香港女性労働者協会、香港街坊工友服務セン
ター
中国：中国工人研究網
日本：アジア太平洋労働者連帯会議（Asian Pacific Workers Solidarity Links
）日本委員会
韓国：民主労総ソウル本部-ソウル京畿仁川移住労働者組合(MTU)、ALL TOGETHER
（資料）勝華科学技術公司（WINTEK）の違法な搾取を糾弾する共同アピール
http://www.labornetjp.org/news/2009/0424china/
-------------------------------------
会員の稲垣です。
4月に中国・東カン市の台湾系企業で発生したストライキに参加した労働者の投書
が、このストライキを伝えた台湾のウェブサイト「苦労網」（http://www.coolloud.org.tw/
）に掲載されました。
このストライキについてはレイバーネットにも掲載させていただきました。
◎中国・台湾～液晶パネル工場で争議発生
http://www.labornetjp.org/news/2009/0424china/
ストライキの写真はここ↓です
http://www.labornetjp.org/image/2009/0424china2/viewd
以下、中国からの投書の超訳でーす。
萬士達ストライキをふり返って
小王
（原文）http://www.coolloud.org.tw/node/40200
解説
以下は苦労網（http://www.coolloud.org.tw/）にメールで届いた投稿である。中
国に進出した台湾資本の萬士達社の労働者による匿名の投書。この工場では先日
、中国の法令に違反する残業代の不払いおよび劣悪な食事が原因で、山猫ストラ
イキが発生した。台湾本社の勝華科技社（WINTEK社）でも、予告なしの解雇や長
時間労働、残業不払いなどで、多くの争議が発生している。台湾、香港、中国東
カンの三地域の労働者団体の情報の交流を通じ、闘争の矛先を主要な納品先であ
るアップルコンピューターに定めた。明日5月21日午前10時、アップル社台湾事務
所ビル前で、企業の社会的責任の遵守と超搾取工場における搾取行為の規制を求
める労働団体の抗議行動が行われる。
■萬士達でのストライキ
小王
萬士達に就職する前から、この会社の名前は知っていた。地元では大きな企業だ
ったし、賃金や待遇など、条件もよかったし、応募条件も厳しかった。
2007年、ぼくは萬士達社の一員になることができた。だけど、高賃金のためには
、毎日必死に働いて残業しなければならないことを、入社してはじめて知った。
身をすり減らした代償だったなんて。敷地内に残っていた芝生も、ぼくが入社し
てまもなく新たな工場棟が建った。ぼくらには毎日コンクリートの壁しか見えな
い。
金融危機がやってきて、ぼくらの平穏で拠り所のない生活が変わった。注文が減
り、残業が減り、それにつれて賃金も減った。基本給の数百元程度しかもらえな
くなった。ほんのわずかの残業もなくなったことが悔しい。
年末を迎え、いい正月を迎えたいと考えていたが、年末ボーナスがなくなってし
まうという話を聞き、一部の同僚は、憤激してストライキで自分の権利を主張し
た。だけど、結局、台湾から来た管理者が、一人ひとりに１０元のお年玉を包ん
で、ストライキは終わってしまった。お笑い草だ。
それでも地球は回っているし、ぼくらは生きていかなければならない。仕事につ
かなければ。２００９年、工場ではたくさんの注文を受け、みんな必死になって
残業した。去年の不愉快なことなど忘れたい。今年は数百元ぽっちの賃金だけな
んてまっぴらだ。だけど誰が想像しただろう。一通の通知がぼくらの平穏な生活
を揺さぶったのだ。２月２８日に工場に張り出された通知では、３月１日から、
総合労働時間制（フレックス制度。）を導入することが周知された。規定では休
日の残業代は２倍で計算していたが、それ以降は土曜,日曜の残業代は１．５倍で
計算されることになった。そのころ、毎日毎日残業があり一日あたり１２時間も
働いていた。怒った同僚たちは政府の労働部門に問い合わせたところ、労働部門
の担当者は、たしかにフレックス制を導入するという申請はあったがまだ許可し
ていない、とのことだった。だけど会社は、フレックス制を強行した。その言い
草は政府の許可が下りた、同意書にサインせよ、サインしないと残業代を支払わ
ない、というものだった。みんな気持ちが不安になって、何をやるにも力が入ら
なくなった。
2008年10月、会社は食事の支出基準を一人8.5元から4.5元に切り下げた。節水、
節電、人減らしなどで食器の洗浄もおろそかになっていた。その結果4月初めには100
人が食あたりを起した。
2009年4月15日は給料日だった。土曜日の残業代が1.5倍で計算されていることを
知った同僚たちは、もう一度ストライキでそれに応えることにした。15日の夜勤
シフトからストライキに突入した。16日には怒り心頭の日勤勤務者たちが正面ゲ
ートを突破して桑園工業路いっぱいにひろがり、一キロ先の高速道路まで歩き出
した。17日もストライキは続いた。会社側はその日のお昼に通知を張り出し、三
か月分の残業代を支払うことに同意した。そのかわりにその日の午後3時までに仕
事に復帰すること、復帰しなければ雇用契約は自動的に解除されると言ってきた
。そのときは、この主張が間違っていることが分からず、大部分の同僚が3時まで
に戻ったが、19人がストライキを継続して、解雇された。
5月4日は「青年の日」で休日だった。なのに会社は、政府からの通達で半休だと
いう。本当に政府がそんな通達を出したのかどうかは分からない。
結局、いままで奪われてきた権利や劣悪な給食体制は何にも解決していない。
中国にはこんなことわざがある。「屋根の下では頭を下げざるを得ない」（他に
選択肢はない）。明日も仕事だ。命を削って稼ぐしかないさ！だけどみんな不満
と恨みだらけで、いつまで耐え続けることができるかわからない、ということだ
けはみんな感じているはずだ。
残業を拒否して処分が出された同僚たちに対して、結局管理者は無理矢理サイン
させることはできなかったようだ。だけどこれからのことを考えると工場にいづ
らくなるだろう。ひどい仕打ちが待っているだろうから。
2009年5月7日 夜
レイバーネット
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台湾アップル社への抗議行動へ
労働者への搾取を止めよう
血まみれの「アップル」を拒否しよう
時間：2009年5月21日
場所：アップルコンピューター台湾支社（台北市敦化南路二段333号，敦化南路-
基隆路口）
連絡：自主工聯執行長 朱維立
米企業アップルコンピューター（以下Ａｐｐｌｅ社）は、金融危機などどこ吹く
風がごとく、2009年第一四半期は15%の利益増を実現した。それは台湾と中国の労
働者を搾取した血と汗の成果に他ならない！
Ａｐｐｌｅ社の主要な受託企業である勝華科学技術公司（経営首脳：黄顕雄、本
社：台中県潭子郷台中輸出加工区建国路10号、以下ＷＩＮＴＥＫ）は、携帯電話
小型パネル、タッチスクリーンの市場占有率は台湾トップであり世界でも第三位
に入る。この一年のあいだに、台湾、中国においてリストラと搾取労働が相次い
だ。
ＷＩＮＴＥＫ社は、2008年12月に予告もなく台湾工場の労働者600名以上を解雇し
、残った労働者も賃下げ、無給休暇、残業代カットなどを行ない、急な注文の際
には一人に何人分もの仕事を押し付け、サービス残業を強いてきた。台湾政府に
よる労働検査でも多くの違法状態が発覚していた。また中国広東省東カン市にあ
るＷＩＮＴＥＫ傘下の萬士達公司では、残業代や手当てのカットが行われ、提供
される食事も劣悪な品質であった。さらにはストライキに参加した19名の労働者
を違法にも解雇した。
Ａｐｐｌｅ社およびＷＩＮＴＥＫ社は暴利をむさぼり、労働者を違法に搾取して
きた。世界各地の労働団体はこの行為を許さない共同アピールを発した。
台湾の労働運動団体とＷＩＮＴＥＫ争議団は、世界各地からの賛同署名をもって
、2009年5月21日（木）午前10:00からＡｐｐｌｅ台湾支社に対して抗議し、以下
の要求を提示し、5月31日までに要求に応え、台湾と中国の労働者に対する搾取を
やめるよう訴える。
要求
１．Ａｐｐｌｅ社は納品業者行動規範にのっとり、ＷＩＮＴＥＫ社による台湾と
中国での解雇を撤回させ、事後報復を行わないよう確約させること。
２．Ａｐｐｌｅ社は納品業者行動規範にのっとり、ＷＩＮＴＥＫ社の労働条件を
改善させること。
３．Ａｐｐｌｅ社は、ＷＩＮＴＥＫ社に対して、第三者機関として労働団体によ
る労働安全衛生検査を受入れ、事件を公開し、責任を負うよう要求すること。
４．Ａｐｐｌｅ社は労働者代表の要望を尊重し、労働者が自主的に選出したＷＩ
ＮＴＥＫ社の台湾と中国の両工場の労働者代表と直接対話を行ない、企業監視に
有効性を持たせること。
賛同署名
台湾：全国自主労工連盟、勝華科技（ＷＩＮＴＥＫ）争議団、団結工聯（台北市
産業総工会、桃園県産業総工会、新竹県産業総工会、苗栗県産業総工会、台南県
産業総工会、高雄県産業総工会）、青年労働九五連盟、工作傷害被害者協会、人
民火大行動連盟、台湾労働者資料教育協会、工人民主協会、台湾国債労働者協会
、台湾漂緑網
香港：全球化監察、大学師生監察無良企業行動(SACOM)、職工会連盟(HKCTU)、中
国労働透視(Labour Action China)、香港女性労働者協会、香港街坊工友服務セン
ター
中国：中国工人研究網
日本：アジア太平洋労働者連帯会議（Asian Pacific Workers Solidarity Links
）日本委員会
韓国：民主労総ソウル本部-ソウル京畿仁川移住労働者組合(MTU)、ALL TOGETHER
（資料）勝華科学技術公司（WINTEK）の違法な搾取を糾弾する共同アピール
http://www.labornetjp.org/news/2009/0424china/
-------------------------------------
会員の稲垣です。
4月に中国・東カン市の台湾系企業で発生したストライキに参加した労働者の投書
が、このストライキを伝えた台湾のウェブサイト「苦労網」（http://www.coolloud.org.tw/
）に掲載されました。
このストライキについてはレイバーネットにも掲載させていただきました。
◎中国・台湾～液晶パネル工場で争議発生
http://www.labornetjp.org/news/2009/0424china/
ストライキの写真はここ↓です
http://www.labornetjp.org/image/2009/0424china2/viewd
以下、中国からの投書の超訳でーす。
萬士達ストライキをふり返って
小王
（原文）http://www.coolloud.org.tw/node/40200
解説
以下は苦労網（http://www.coolloud.org.tw/）にメールで届いた投稿である。中
国に進出した台湾資本の萬士達社の労働者による匿名の投書。この工場では先日
、中国の法令に違反する残業代の不払いおよび劣悪な食事が原因で、山猫ストラ
イキが発生した。台湾本社の勝華科技社（WINTEK社）でも、予告なしの解雇や長
時間労働、残業不払いなどで、多くの争議が発生している。台湾、香港、中国東
カンの三地域の労働者団体の情報の交流を通じ、闘争の矛先を主要な納品先であ
るアップルコンピューターに定めた。明日5月21日午前10時、アップル社台湾事務
所ビル前で、企業の社会的責任の遵守と超搾取工場における搾取行為の規制を求
める労働団体の抗議行動が行われる。
■萬士達でのストライキ
小王
萬士達に就職する前から、この会社の名前は知っていた。地元では大きな企業だ
ったし、賃金や待遇など、条件もよかったし、応募条件も厳しかった。
2007年、ぼくは萬士達社の一員になることができた。だけど、高賃金のためには
、毎日必死に働いて残業しなければならないことを、入社してはじめて知った。
身をすり減らした代償だったなんて。敷地内に残っていた芝生も、ぼくが入社し
てまもなく新たな工場棟が建った。ぼくらには毎日コンクリートの壁しか見えな
い。
金融危機がやってきて、ぼくらの平穏で拠り所のない生活が変わった。注文が減
り、残業が減り、それにつれて賃金も減った。基本給の数百元程度しかもらえな
くなった。ほんのわずかの残業もなくなったことが悔しい。
年末を迎え、いい正月を迎えたいと考えていたが、年末ボーナスがなくなってし
まうという話を聞き、一部の同僚は、憤激してストライキで自分の権利を主張し
た。だけど、結局、台湾から来た管理者が、一人ひとりに１０元のお年玉を包ん
で、ストライキは終わってしまった。お笑い草だ。
それでも地球は回っているし、ぼくらは生きていかなければならない。仕事につ
かなければ。２００９年、工場ではたくさんの注文を受け、みんな必死になって
残業した。去年の不愉快なことなど忘れたい。今年は数百元ぽっちの賃金だけな
んてまっぴらだ。だけど誰が想像しただろう。一通の通知がぼくらの平穏な生活
を揺さぶったのだ。２月２８日に工場に張り出された通知では、３月１日から、
総合労働時間制（フレックス制度。）を導入することが周知された。規定では休
日の残業代は２倍で計算していたが、それ以降は土曜,日曜の残業代は１．５倍で
計算されることになった。そのころ、毎日毎日残業があり一日あたり１２時間も
働いていた。怒った同僚たちは政府の労働部門に問い合わせたところ、労働部門
の担当者は、たしかにフレックス制を導入するという申請はあったがまだ許可し
ていない、とのことだった。だけど会社は、フレックス制を強行した。その言い
草は政府の許可が下りた、同意書にサインせよ、サインしないと残業代を支払わ
ない、というものだった。みんな気持ちが不安になって、何をやるにも力が入ら
なくなった。
2008年10月、会社は食事の支出基準を一人8.5元から4.5元に切り下げた。節水、
節電、人減らしなどで食器の洗浄もおろそかになっていた。その結果4月初めには100
人が食あたりを起した。
2009年4月15日は給料日だった。土曜日の残業代が1.5倍で計算されていることを
知った同僚たちは、もう一度ストライキでそれに応えることにした。15日の夜勤
シフトからストライキに突入した。16日には怒り心頭の日勤勤務者たちが正面ゲ
ートを突破して桑園工業路いっぱいにひろがり、一キロ先の高速道路まで歩き出
した。17日もストライキは続いた。会社側はその日のお昼に通知を張り出し、三
か月分の残業代を支払うことに同意した。そのかわりにその日の午後3時までに仕
事に復帰すること、復帰しなければ雇用契約は自動的に解除されると言ってきた
。そのときは、この主張が間違っていることが分からず、大部分の同僚が3時まで
に戻ったが、19人がストライキを継続して、解雇された。
5月4日は「青年の日」で休日だった。なのに会社は、政府からの通達で半休だと
いう。本当に政府がそんな通達を出したのかどうかは分からない。
結局、いままで奪われてきた権利や劣悪な給食体制は何にも解決していない。
中国にはこんなことわざがある。「屋根の下では頭を下げざるを得ない」（他に
選択肢はない）。明日も仕事だ。命を削って稼ぐしかないさ！だけどみんな不満
と恨みだらけで、いつまで耐え続けることができるかわからない、ということだ
けはみんな感じているはずだ。
残業を拒否して処分が出された同僚たちに対して、結局管理者は無理矢理サイン
させることはできなかったようだ。だけどこれからのことを考えると工場にいづ
らくなるだろう。ひどい仕打ちが待っているだろうから。
2009年5月7日 夜
レイバーネット
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