築地署と検察の「偽造公務執行妨害事件」 築地市場で暴行・傷害でっちあげ逮捕/MyNewsJapanから

2012-12-14 23:29:37 | 社会
築地署と検察の「偽造公務執行妨害事件」 築地市場で仕入れ後、暴行・傷害でっちあげで逮捕、19日間勾留
林 克明 06:08 12/14 2012

東京・新宿で寿司店を営む二本松進氏(当時59歳)が築地市場で仕入れ仕事の後、運転席で待つ妻のもとに戻り出発しようとしたところ、高橋巡査(女性、当時54歳)が立ちはだかった。「先を急ぐのでどいてもらえませんか」と言うと、その女性警官は「法定禁止エリアだ」と怒鳴り、事情を説明すると、「暴行されている」と虚偽の通報。駆けつけた築地署員は公務執行妨害と傷害の疑いで二本松氏を逮捕、19日間も勾留した。二本松氏は09年10月29日、約914万円の国家賠償請求訴訟を起こし、年明け1月以降に証人尋問が始まる予定。「ヒステリーを起こした高橋巡査が、虚偽告訴・職権濫用という権力犯罪を犯した事件なのに、築地署も一体となって不祥事を正当化した」と話す二本松氏に、事の顛末を聞いた。(訴状と被告準備書面はPDFダウンロード可)

--------------------------------------------------------------------------------
【Digest】
◇平身低頭しない二本松夫妻に怒る女性警官
◇『謝りもしないで。今日は絶対に行かせないから!』と女性警官
◇『暴行! 暴行!』と警官が言い始めた
◇『俺だってあんな婦警に遭ったらかなわんよ』と取調べ刑事
◇左手負傷のはずが翌日は右手負傷に
◇「暴行無し、警官の傷は自傷」と検事が認める
◇「これは、脅迫だと思いました」
◇疑問点が続出 年明けに証人尋問へ
◇本当は何も起きていなかった?
--------------------------------------------------------------------------------
◇平身低頭しない二本松夫妻に怒る女性警官
 事件は、2007年10月11日の朝に起きた。
 築地市場の朝は、仕入の車でにぎやかだ。駐車場では収容しきれず、付近の路上には、二重駐車や、歩道の上、交差点のなかにさえ仕入のための車が駐車してある。二本松氏は視力が悪く運転できないため、奥さんが運転し、二本松氏が買出しを終えて戻るのを車内で待っていた。

 二本松氏は一度、買った食材を車に積み、買い忘れた枝豆を思い出し再び近くの場外市場で買って奥さんが待つ車へと急いだ。

「妻は、女性警察官の高橋眞智子巡査(当時54歳)が車に近づくとほぼ同時にエンジンをかけ、5mほど移動した後ハザードをつけ、私に「移動する」と知らせるため電話をかけました。電話を受けた私は『早くして』と聞くや『もう着いたよ』(車から約20m)と返事し約10秒程で車に戻ったのです。

→車に乗って店に帰ろうとすると警官が立ちはだかった。(再現写真)

 エンジンがかかったままなので急いで助手席に乗り込もうとしましたが、助手席のドアが路肩のガードレールに当たらないよう、安全のため妻に『車を少し前に出して』と言って一旦ドアを閉めた時、ふと車の前に高橋巡査が立っているのを発見したのです。」

 この時のやり取りを二本松氏の話から再現してみる。無言で車の前に立っていた女性警官の高橋巡査に、二本松氏は声をかけた。

『今出ますので、そこを退いてもらえませんか』

 高橋巡査からは、意外だったのかなんの反応も無かった。

『すいません、先を急いでいるので、そこを退いてくれませんか』

 高橋巡査はまだ無言。その真意を測ろうと顔をみようとしたが、二本松氏は目が悪く、警官の微妙な表情は読み取れなかった。だからこそ、奥さんに運転を任せていたのだが・・。

『ここは法定禁止エリアだ!』とだけ、高橋巡査は告げた。

→二本松氏と高橋巡査長が押し問答。(再現写真)

 この言葉を取締りと勘違いした二本松氏は、


『法定禁止エリアでも、運転者がエンジンをかけていてすぐに運転できる状態にあるだけでなく、今出ようとしているんだから違反にならないはずじゃない。だいたい出ようとしている車を止めるのがおかしいよ』

と返した。

『いや、ここは法定禁止エリアだ』
『私も40年間免許を持っていろいろな場面を見てるけど、向こうの法定禁止エリアの放置車両には何もしないで、運転手が出発しようとしてる車を妨害して即取り締まる警察官など見たことないよ』

 二本松氏は、このように納得できない旨を口にしたという。

◇『謝りもしないで。今日は絶対に行かせないから!』と女性警官

実は、周辺には数十台の車両が歩道に乗り上げて駐車してあったり、T字型交差点内にも駐車してあり、その多くにはドライバーがいなかった。というのも、築地市場と築地警察署の所謂「協定」で、朝は仕入の車は取り締まらないことになっていたからだという。

 運転者が離れた場所におり、路上や歩道に駐車している数十台の車ではなく、目の前でエンジンをかけて移動し、一時停車してから再び発車しようとしている車両に対して、警官が『法定駐停車禁止エリアだ』と言って発車を妨害しているわけである。


『婦警さん、いじわるは止めてよ。今日は本当に忙しいんだから。これは営業妨害と同じだよ』
 10時に約束があったので二本松氏は困った。「法定禁止エリアだ」と高橋巡査は繰り返すばかりだ。そうこうしているうちに周囲に野次馬が30人以上は集まってきた。高橋巡査は、運転者である奥さんと車の方に指差しながらヒステリックにこう言ったという。


『謝りもしないで。今日は絶対に行かせない!この車は乗用車』。

 「謝る」とは、誰が何に対して何を謝るのだろうか。

◇『暴行! 暴行!』と警官が言い始めた
 さらに二本松氏に聞いてみる。


「もうひとりの女性警官・渡邊すみ子巡査部長(当時48歳)が、標識を見ましょう、と言ってきたので約20m離れた場所まで行くと『貨物の集配中の貨物車を除く』と書かれた標識がありました。
 渡邊巡査部長いわく『貨物車はいいけど、乗用車はダメ』。しかし『集配中』という専門用語を「仕入中」(買い物、食事も含む)と拡大解釈して、仕入に来た車の放置駐車を大目に見るという「協定」なのだから、車種で貨物車だけに限定するのは理不尽です。

 バイクでも乗用車でもワゴンでも仕入なら許すべきであるし、現実に長年許されていました。そして、市場に到着した朝7時から運転手が乗ったままで、しかもエンジンまでかかっている一時停車した車が再び発車しようとしていたので、そもそも道交法違反はしていなかったのです。

 渡邊巡査部長に標識を見せられて問答をした直後、車のところでは高橋巡査が、感情的に妻に『謝りもしないで』と指差しながら『今日は絶対に行かせないから!これは乗用車!』と喚いたあと、なぜか急に声のトーンを低くして『逮捕するよ』と脅したのです。


→渡邊巡査部長(左)と高橋巡査長(右)が黒カバン(反則切符入りケース)を突きつけ、二本松氏はガードレース押し付けられるようなかたちに・・。(再現写真)
 2人の警官は目配せしたかと思ったら、いきなり『免許証出せ!』と口走りながら車の後部まで突進してきて黒カバンを私に突き付けてきたのです。(後からわかったことだが、これは警察官の公務執行妨害逮捕狙いの典型的な手段だそうだ)思わず『あなたたち何するの?!』と私は後ずさりしたら後ろのガードレールにぶつかりよろめいてしまいました。
 今度は、高橋巡査が黒カバンから青切符の束(交通反則切符)を車のトランクにバシッと音が響くほど投げつけ『免許証出せッ!!』と怒号したのです。その時の顔はまるで夜叉のようでした。

 『私は運転者でもないし、違反もしてないのに、何で免許証を出さなければならないのか?』

 『免許証を出せッ!』

 それからまた黒カバンをしつこく突き付けてくるのです。私が逃げ回るような形になり追いつめられ、『もう、いい加減に勘弁してくださいよ。こっちは忙しいんだからもう帰らせてよ』と言いながら妻とともに運転席ドアの辺りまで来ました。


→この位置関係で問答したが、高橋巡査長は、ドアの内側にいたと主張し「被疑事実」(画像参照)にも、そのように記載されている。

 運転席に入ろうとした妻は、高橋巡査が外側でドアを掴んでいたので、諦めて出てきて、妻と入れ替わるかたちで私がドアの内側に入り立ったまま、再び問答していたのです。
 その間も高橋巡査はドアを掴んで押すようにしたので、私は車体とドアに挟まれる格好で体を移動させて出てきてドアを閉めました。

 その後、高橋巡査は、渡邊巡査部長とバンパーの横で何やらヒソヒソ話して目配せしたかと思うと車の前に1人で移動し、無線で『暴行、暴行、暴行を受けています』と通報したのです。


→パトカーが到着する直前、左手首を負傷したとアピール。翌日以降、右手に変更。

 通報した後、何故かわざわざ交差点の真ん中の方へ移動して、右手で左肘を支えるかのようにして左手を高くかざし、50人ぐらいに膨れ上がってきた野次馬に対して『暴行、暴行!』とアピールしたのです。
 私は驚いて『どこ? 見せて? 何これ? この薄い線が暴行の痕? どうやって付いたの?』と迫りました。彼女の左手首にはうっすらと白っぽい線らしきものが見えていました」

◇『俺だってあんな婦警に遭ったらかなわんよ』と取調べ刑事

 「まもなく、パトカーが6台くらいやってきて、有無を言わせず後ろ手に手錠をかけられてパトカーに押し込められ、築地警察署に連行されました。何でいきなり逮捕されたのか、私も妻もさっぱりわかりませんでした。
 相当な人数でやってきたのは、おそらく私が暴力団関係者とか特別に粗暴な人間だと思われたんじゃないですか。妻は築地署に向かう車内で私服警官(男女)に『何だ、暴行を受けているというから、みんな暴力団かと思ったじゃない・・』とも聞いたそうです。警察官に対して暴行を働くというのは、普通は考えられませんから。

 周辺の野次馬たちにだけでなく、刑事たちが駆けつけた時も、暴行されたと主張した高橋巡査は、左腕を右手でパンパンと叩きながら見せていたと、後から目撃者から聞きました。

 築地署では、刑事たちは暴行したのを認めろ、と私に自白を迫るばかりです。しかし、運転者でもない私に青切符を突き付けること自体が違法だし、ドアに挟まれたと狂言する高橋巡査を徹底的に取調べるべきだ、と私は言い続けました。

 私の取調べを担当したのは、組織犯罪対策課盗犯捜査第二係長の中島有侍警部補。そして同じ課の暴力犯捜査係主任の前橋淳一巡査部長でした。

 いったん逮捕してしまったからには、勾留を長引かせ、軽微であっても暴行をふるったと自白させよう、という意図のようなものを感じました」


 釈放されて知ったことだが、二本松氏が唖然としたことがある。

 「妻が聞いたことですが、取調室の外の広い部屋で1人の刑事の電話の声が聞こえてきて、はっきりと聞こえたその言葉は、『なんかシミか痣みたいです』『はい、はい』『実際は何でも無かったみたいです』という声だけは今でもはっきりと記憶にある、というのです。その後の『何でも無かったみたいです』と聞いた瞬間ホッとしたそうです」

 上の言葉の「なんかシミか痣みたいです」とは、高橋巡査が負ったという傷のことを指すと思われる。それよりも二本松氏が怒りを感じたのは、次のような発言を中島警部補の口から聞いたときだと言う。

 『警察官といっても、所詮50過ぎの独身女なんだから、ヒステリーを起こさせる方が悪いんだよ。通常、そんな状況だったら、謝ったり、なだめたりしていたら、青切符も切られないんじゃないかな。いい年をして、そのくらいわかるだろう。俺たちだって、あんな婦人警官に遭ったらかなわんよ』
 これは事件が起きた当日、留置場に入れられる直前に聞いた言葉ですが、私が法を犯したのではなく、高橋巡査のヒステリーによる逮捕だと、つまり不法な逮捕だと、取調官が言っていたということになります。

 事実は警察官による虚偽告訴と職権濫用という犯罪であることを認識していながら、一度逮捕したからには客観的証拠は隠蔽し、主観的証拠を偽造してまでも警察としては罪にさせなければ済まない、と暗に言っていたと見なさざるを得ません。絶対に許せない」


 これでは、法を犯す行為があったのでなく、警察官に対して平身低頭しなかったから、気分を害した警官が激情に駆られて市民を逮捕したことになる。しかも、他の刑事たちもわかっていながら、築地署一体となって被害者を犯罪者に作り上げようとしたことにならないだろうか?
 なお、上記の取調べ担当官の発言に関して、被告・警視庁(東京都)は、最初の準備書面で否認したままだ。

◇左手負傷のはずが翌日は右手負傷に


「逮捕された翌日、検事調べがありました。そのとき『なぜ逮捕されたのか』と私は検事に聞きました。すると検事は、私が肘をL字型に挙げて7~8回も高橋巡査の胸を突いたというのです。
 どうやってそのような肘で相手の胸を突けるんでしょうか。反則切符を入れた大きな黒カバンを武道もたしなむ警察官が持っていたのに、ですよ。7回も8回も連続して左右交互に突くことを想像してみてください。私はカマキリですか?

 さらに検事は、高橋巡査が右手を傷めたと言っている、と説明したのです。 『えッ、本当ですか!』『昨日は左手首に暴行されたと言っていましたが・・』『昨日は左手を掲げて暴行! 暴行!と野次馬や駆けつけた刑事たちにアピールしていましたが』と検事に伝えました。それにしても、左手負傷が右手負傷に変わっていると知り、驚きました。

 また、『逃走しようとしたでしょう』と言われました。そういう心算は毛頭ないし、必要も全くありません。オックスフォードグリーン(深い緑)のBMWで目立つ車で、しかも会社の所有。番号も控えられているわけです。

 築地署の偽造文書には、私が逃げようとして2m走らせたところで、2人の女性警察官は身の危険を感じながらも止めたことになっています。これは全くの作り話で、普段から車の運転もしないばかりか、運転席に足も踏み入れていません。要するに、私が運転手でなければ全てが職権濫用になるからでしょうか」


◇「暴行無し、警官の傷は自傷」と検事が認める

「組織ぐるみで無法を実行しようとしているな、と思いました。取調べ時に司法取引も要求されたのです。
 逮捕されて16日後の10月27日土曜日の夕方のことでした。担当の中島警部補に取調室に呼び出され、五島真希検事(東京地検検察官)から提案が出ていると説明されたのです。

 その内容は、『傷害』を『防衛(暴行)』にする。また『7~8回胸を突いた暴行』も回数を減らして表現するがどうか、でした。この提案に同意するかと聞かれたのですが、きっぱりと断りました」


 この話が本当なら、実際には罪など犯していないのに、警察は一度逮捕したからには何が何でも罪にしたい。それを実現するには、暴行の程度を軽くして罪にしておこう、ということなのか。この取引についても、警視庁(東京都)は、準備書面(1)で否認している。
 釈放当日の10月29日には、五島検事から、さらに脅しがあったと言う。


「その日は勾留理由開示裁判が予定されており、五島検事と対面しました。五島検事は『肘で胸を連続して打ったということはなし。傷害も自傷』と、被疑事実であった暴行も傷害も無かった、と認められました」

 これで不当な嫌疑が晴れたと思いきや、信じられない展開になったのである。

◇「これは、脅迫だと思いました」


「五島検事は続けてこう言ったのです。
『でも、お互い興奮していたことは事実でしょう。あなたの手が高橋巡査の黒カバンに触れ、その振動が胸に伝わった、ということは有り得る事じゃない?』

『高橋巡査は、胸に当たって痛かった、初めての経験でとてもショックだった、と言っているのよ。あなたは男性としてそれを可哀そうだと思わない?』

 さらに五島検事は刑法判例集の特定の頁を指して、『警察官の黒カバンに触れただけでも公妨罪(公務執行妨害罪)になるという判例もあります。このことも認めず事件を争いますか?判例と闘いますか?』『これに同意しないなら起訴します』と脅されたのです。

 認めなければ、また過酷な勾留が続くことになる。裁判で訴えるにしても、勾留されたままでは大変で、しかも公務執行妨害罪は国家に対する犯罪なので、罪は重い。これは、脅迫だと直感しました。

 もちろん否定したかったんです。しかし、カバンを突き付けられて追い回されていたんですから、全く体が触れなかったとは言い切れないかもしれません。また、私は起訴有罪率99.9%の日本の裁判の恐ろしさは知っていたので、しばらく考えて同意せざるを得ませんでした」


 二本松氏によると、逮捕された翌日に五島検事は、肘で7~8回高橋巡査を突き、右手(当日、当事者の高橋巡査は左手に暴行を受けたと主張)に傷害を負わせていた、と言っていたのである。10月29日の検事の発言から、傷害での立件に失敗したことが明確になった。
 そのため、もうひとつの罪状である公務執行妨害を無理やり成立させようという目論みに転換したのだろうか。それも、警官が不当に突き付けた黒カバンに触れたか触れないかという正当防衛的な、呆れた内容だ。

 この「認めなければ起訴する、と脅したことについて」は、被告・国は「否認ないし争う」としている。


「こうして私は、警察官がもつ黒カバンに触れたという虚偽の自白調書―逮捕時の被疑事実とは全く異なる調書にサインさせられ、19日ぶりに釈放されました。そして無罪ではないが起訴はしないという意味の『起訴猶予』処分にされたのです」

◇疑問点が続出 年明けに証人尋問へ
 釈放されてからも、理不尽な扱いに怒りがおさまらず、法律関係を自分で調べ、釈放からちょうど2年経った2009年10月29日に国家賠償請求訴訟を起こした。このときの訴状は二本松氏自身が書いた。
原告は二本松氏、妻、会社(寿司店の経営母体)の社長の3名で、被告は警視庁(東京都)、国(法務省)である。

 これまでに8回の口頭弁論と14回の弁論準備が行われ、第1回文書提出命令により証拠文書を5点新たに提出させ、年明けに証人尋問申請手続きを本格化させるところまで漕ぎ付けたのである。


「14回の弁論準備で、虚偽告訴・職権濫用・偽造公文書作成行使などの争点が少しずつ整理されてきました」

 と二本松氏は言うが、現場検証では、ドア閉め時の二本松氏と高橋巡査の位置関係が逆になっているという。このように基本的な事実関係で不審な点も明らかになり始めている。
 裁判が始まって3年が経つのに警察は現場写真を1枚も提出しないなど、不利な証拠をほとんど開示していない。また、何人もの目撃者がいるのに目撃証言を隠蔽したままだ。彼らを法廷に呼んで証言させる必要があるだろう。

 この種の裁判では、警察や検察が証拠提出を拒むことが問題になっており、二本松氏はこれまでに文書提出命令の申し立てを二度している。二度目は昨年7月で、申し立て内容は次のとおりだ。

 2回目の実況見分調書、二本松氏の自白供述書、検察官作成の不起訴裁定書及び目撃者A氏の供述調書、目撃者B氏の電話録取書、検察事務官作成の目撃証人C氏の電話録取書などだ。

 どれも基本中の基本の証拠であり、これらの証拠類が最初から出されないで約3年間も裁判が続けられたこと自体がおかしい。

 実は、警察と検察が作成を義務付けられた「類型証拠文書」と言われる一連の証拠文書類は約40種もあり、裁判で真実を解明するためには公妨罪を証拠付けるための客観的証拠文書を裁判所に提出して、吟味しなければならない。

 そのうえで、原告の二本松氏らをはじめ、警察官2人、複数の目撃者らの証人尋問を法廷で実施すれば、さらに事件が明確になる。最後に二本松氏は、心情をつぎのように語った。

◇本当は何も起きていなかった?

「ヒステリーを起こした高橋巡査が、虚偽告訴・職権濫用という権力犯罪を犯した事件なのに、築地署は一体となってこの警官不祥事を正当化するため、客観的証拠を隠蔽しながら主観的証拠の偽造をしたのです。
 さらに、無実が判明した後、検察官による被疑事実と異なる軽微な被疑事実の捏造、裁判官の無精査勾留認可と連鎖したのです。

 これらをきっちり究明し、日本の狂った刑事司法を正すべく、私は国家賠償請求訴訟を起こしました」

 それにしても、二本松氏の身に起きたことは、事件と呼べるのか疑問である。雨が降ったら警官の機嫌が悪くドライバーや同乗者が逮捕され、晴れれば逮捕なし、というレベルのものではないのか。

 「妻が運転席に座っていて窓を閉め、朝早くから巡回している警官たちに挨拶も無かったから『ムッとした』だけ。その後『法定禁止エリアだ』と言ったのに対し夫婦どちらも『謝らなかった』だけでなく、私が正論を述べて立場を失ったことから気分を害した警察官が私を逮捕したのです」

 二本松氏夫妻が、平身低頭し深く腰を曲げて「申し訳ありません。お勤めご苦労様です」と言えば何事もなかったのか・・。
 年明けからの証人尋問がどれだけ実現するか、そして証拠がどこまで開示されるのか。交通パトロールの警察官から発生した事件なので、誰にでも起こり得るケースであるだけに、目が離せない裁判なのだ。

■訴状

■被告・東京都の準備書面1(上記の訴状を補充した原告・準備書面1に対する認否)

■被告・国の準備書面1(同上)

*リンク・写真など多数。以下で全文を
http://www.mynewsjapan.com/reports/1735



よろしければ、下のマークをクリックして!


よろしければ、もう一回!
人気<strong></strong>ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。