生のユーザー声を届けるハーモニーblog

Webアクセシビリティに関連するユーザーの声を届ける

顧客中心に変化してきているWeb

2005年11月30日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

25日の「ウェブアクセシビリティ・シンポジウム」は、主催した私自身が色々な面で、参加者から新たな変化を感じ取ることが出来ました。前回にくらべ、すごく様々なユーザーのことを真剣に考え、Webはだれでもが使えるものであるように考えてくださってる方々が多いことに、勇気を頂いたし嬉しく思いました。

アサヒ・コムさんとヨミウリ・オンラインさんの2社のWeb担当者のお話の中で、2社とも、お客様の意見には、非常に機敏に対応なさっているのには、ビックリしました。

例えば、ヨミウリさん
高齢者からの声:
「文字を大きくしたり小さくしたり調整するものが、前はホームページの上のほうにあったのに、なくなってしまい字が見えにくく不便」と、そのシステムを取り外したとたんに、声が届いたそうです。そこで、ヨミウリさんは、すぐに以前とおなじように字の調整をするシステムを再度サイトへ盛り込んだそうです。

また、アサヒ・コムさんも同じような例があるとお話くださいました。
視覚障害者の声:
「相撲の行司表が色だけの説明なので意味がわからない?」と言う声があり、アクセシビリティの基本を思い出し、言葉で色を説明し、視覚障害者にもわかるようにしたそうです。

このお話を伺い、ユーザーの声はちゃんと反映されていくんだ~と改めて思いました。読み手や使い手は利用者なんですが、結構ここを忘れ情報発信してきたことも
今までは多かった時代もあったのでは?今回のシンポジウムでの感触は、第1回目・5月のときより、更にアクセシビリティの広がりを肌で感じることが出来ました。

第2弾ウェブアクセシビリティ・シンポジウム終了

2005年11月26日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

昨日、お陰様で大盛況にて「第2弾ウェブアクセシビリティ・シンポジウム」を終了
することが出来ました。福岡県からのお客様あり、アジアからのお客様あり、本当にビックリするくらい広範囲からお越しいただき、感謝です。参加くださった皆様、ありがとうございました。

ボランティアスタッフも、今回は専門学校の生徒さんが多く参加いただき、とても活気がありました。

このシンポジウムの内容は後ほど編集し、後日DVDにて全国へ頒布する予定です。今回、参加できなかった皆様、そして、遠方でなかなかこのようなシンポジウムへ参加できない方々へ、ぜひ、後ほど見ていただきたいと思います。ご期待ください!

完成は、編集時間がだいぶかかりそうなので、来年になってからだと思います。




見えづらい人がこんなに?!

2005年11月18日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

昨日のシニアの話でも老眼鏡はPC用と通常用2つもっていて、かけかえしてPC画面を見ているなんて言う、お話が飛び出していて、まだ老眼にはなっていない私には、とても新鮮なお話だったんですが、今日のニュースで30代で既に8割が老眼の症状を感じているという方がいるという、ビックリするデータを見つけました。
(共同通信 11月16日付け)

ってことは、高齢者に配慮したサイトというのは、ある意味ほとんどの方へも使いやすいサイトということにも、なるんではないでしょうか。




情報発信大好き~なシニア達

2005年11月17日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

今日は、シンポジウム「パネルディスカッション」へ出演するユーザーとの最終の事前うち合せ。いや~本当に、面白い体験談や意見の連発。コーディネーターのNTTデータ・島田氏も、思わず身を乗り出しノリノリで打ち合わせは進みました。
当日、1時間25分しかお話できないのが少し残念なくらいです。こぼれ話を後ほど、コラムにでもできれば・・と思うほどです。

シニアの方でPCの達者な方は、今、結構blogをやってる方も増えてきて、自分の情報を発信することに喜びを感じてるらしいです。今回出演のシニアユーザーも、お2人とも何らかの形で自分から情報を発信しています。

若い方のほうが、根気よく続ける発信が苦手では?という話がでました。そういえば、小さな子供を抱えて働きに出られない主婦にも、blogにハマッテル方が多いと、ある特集で先日言っていましたが・・・その辺、シニアも同じで社会との接点をもつ為の1つの手段になるので、きっと楽しいのだと思います。

シニアAさん
「今から、私がこの世からいなくなった時に、今毎日更新してるホームページがどうなるのか?心配なんだよね・・」と。

昔のシニアにはない、現代社会ならではの悩みですね~。
思わず頷いてしまいました。




音声ソフトでPDFを・・さて?

2005年11月15日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

今回のアクセシビリティシンポジウムの際に、
IBMのホームページリーダーの新バージョン3.04が、PDFにも対応したタイミングと合ったので、そのデモをすることになっています。現在、高知システムさんの、
PC-talker XPが既に以前から対応してるのに加え、ここに来て、アメディアの
ボイスサーフィンもいよいよ、今月末くらいに対応するというニュースも飛び込んできています。

これで、もう視覚障害者にとってPDFなんて恐くない!バッチリOKと大手を振って言いたいところですが、実際、まだまだすべてのPDFが読めるわけでもないし、なぜか良くフリーズはするし、アドビリーダーのバージョンも7には今回はホームページリーダーは対応していなく、PC-talkerも本格的には、まだ7には対応してません。なかなか、技術の追いかけっこが続く中、そこへ視覚障害者一般のユーザー自身もついていけていないしというのが現状で、正直言って安易にPDF利用していいのか?ということは問題のように感じています。

とても良くPDFのアクセシビリティということで「音声スクリーンリーダーとPDF」を研究なさってる論文がありますので、ご参考までに紹介いたします。
吉本浩二氏, 渡辺哲也氏の研究http://www.nise.go.jp/research/kogaku/twatanab/Achievement/PDFAccess/PDFAccJp.html

昨日の視覚障害者の今回のパネラーとの会話
私「Aさんの、パソコンにインストールされているアドビリーダーのバージョンはいくつ?。今度にホームページリーダーでは、Ver6での対応になってるけど・・」

Aさん「えっ???バージョンがあるの?どこで確認できるのかな?音声環境で確認できる?まったくそんなこと知らなかった。」

これが、きっと高齢者も含めて一般ユーザーの感じかと思います。
さて、どうなふうなデモに当日はなるのでしょうか?

生のユーザーとのシンポジウムうち合せ(その4)

2005年11月13日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

10日夜に、シンポジウムに出演いただく、シニアユーザーとの打ちあわせをしました。このユーザーさんは、60代前半で、前職は大手電気メーカーでSEなどをしていたそうです。そして現在は、仲間と、今ブームの「アンチエージング」関係の会社を経営し始めた、アクティブシニアの代表です。

前回の、シンポジウムでは70代~80代までの高齢者ユーザーに出演していただいたので、今回は60代という、ひとつ若い世代のユーザーさんへ出演していただくことにしました。う~ん、やっぱり10年一昔とよく言われるように、ずいぶんと前回と違う発見が多い、うち合せになりました。

この世代、結構介護世代でもあるようで、このユーザーさんも介護を必要としている、お母さんがいらっしゃるそうで、その辺でのWeb利用も話の中に多くでました。

前回の障害者の方とのうち合せでも感じたのですが、結構、Web利用は本人だけの必要性だけではなく、その周辺に関係する人々の背後に潜んでる利用という部分が、シニア・シルバー・障害者の方には健常者より多いように感じました。

そんな、お話も当日はきっと出るかと思います。
お楽しみに!



生のユーザーとのシンポジウムうち合せ(その3)

2005年11月09日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

ユーザーのパネルディスカッションうち合せの際に、視覚障害者の方から「別ウィンドウはやはり使いづらい」と言う声がでまして、実はハーモニーの今回のシンポジウム告知サイトも最初は、1つだから良いだろう~とついつい、避けたほうが良いとはわかっていましたが、別ウィンドウにしていました。そこで、その視覚障害者ユーザーに、1つくらいなら「別ウィンドウが開きます」と言葉を挟めば、良いですか?と素直に聞いて見ましたら、1つでもやはり使いづらいという意見をいただいたので、今日で「別ウィンドウ」は止めました。

最近ネット銀行やネットショッピング等でも、アクセシビリティに配慮しました~とリュニーアルしているところもありますが、肝心の申し込みのところで、別ウィンドウだらけになっているのを見受けます。
結構、音声ユーザーには別に立ち上がると言うのは、確かにきついのは事実です。
閉じてるうちに操作を間違え、すべて閉じてしまい、また最初から・・と言うことが実際、高齢者などにも多いようですし・・
なるべく避けた方が良いのは、確かなようです。


生のユーザーとのシンポジウムうち合せ(その2)

2005年11月06日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

11月25日の第2弾ウェブアクセシビリティのユーザーのパネルディスカッションのうち合せで、新ためて感じたことがあります。障害者の方が出かける時は、ネット使用可能な方、また当事者が使えないとしてもその介助者や家族が、かなり事前にネットを利用し情報を調べているということを、更に今回強く感じました。

例えば、車椅子の方であれば、各駅のエレベーターの有無と、その状況。状況というのは、たまに故障していたりして運転されていないことがあるので、事前にきちんと、そういったことまで調べておきたのだそうです。また、駅や会場には車椅子で利用できるトイレがあるのか?どこにあるのか?など、本当にちょっとのお出かけでも、事前に調べることが多いようです。

視覚障害者であれば、何両目の何番目のドア付近に乗車し降りれば、どこどこ出口に近い階段があるのか?など、とにかく、予想以上にネットでの情報収集は、多いようです。出かけた先でも、確認のために再度携帯からネットで情報へアクセス。いった先で飲食店も、見えないだけに事前に美味しい評判の店など調査。

こんなに、生活の中で生きたネット利用をせざるおえない需要が障害者にはあるのだな~と、日ごろ接していながら、また改めて感じました。

さて、こんな人々が日ごろ、どんなサイトを便利と思ってるのか?また困ってるのか?リアルな意見が当日は聞けるかと思います。


生のユーザーとのシンポジウムうち合せ(その1)

2005年11月05日 | Weblog
ハーモニーの馬塲です。

今日は、11月25日に開催する「第2弾・ウェブアクセシビリティシンポジュウム」のユーザーの声を届けるパネルディスカッションの打ち合わせをしました。

四肢麻痺の出演者の方と、神保町の駅で待ち合わせをしていたので、まずはお出迎えからスタート。改札を出てきた彼は、口に割り箸を加え、電動車椅子にくくりつけてある携帯電話を、非常に器用に操作していました。やはり、割り箸で操作しやすいボタンは、大きめで、ボタンとボタンとの間がくっきりとしてる物が使いやすのだろうな~などと考えつつ、彼と介助の方と打ち合わせの会場へ向かいました。

そして、会場につき視覚障害者の方や、シニアの方・コーディネーターと、いよいよ「うち合せ」開始です。
前回のシンポジウムでもそうでしたが、本当にこの打ち合わせの様子を逆に公開したら・・と思うほど、色々な面白い皆さんの具体的なお話が飛び出してきます。

今回は、若い視覚障害者の方も出演するので、パソコンでのWeb閲覧だけにとどまらず、携帯と連動したWeb閲覧などの話も出たり・・と、また新たな話を引き出すことが出来そうな気配です。

何度聞いてもユーザーの声は、私に新鮮な発見をさせてくれます。


  

普通の生活の延長線上にある『アクセシビリティ』

2005年11月03日 | Weblog
ハーモニーの馬場です。

来週、明治大学の情報コミュニケーション学部で講座をさせていただくことになっており、さてどんな講座にしようか?と、少し頭を悩ませております。もちろん、視覚障害者が実際にインターネットを利用している様子をみていただきたいので、視覚障害者の会員1名を同伴し、音声ブラウザがインストールされたパソコンを持参で行くことだけは決まっていますが。

私は、講座等を依頼されたときは、視覚障害者の方となるべくいっしょに行くことにしています。ほとんどの方が、まだまだ、目が見えない人が、インターネットを実際の生活の中で、これだけ役立てているという現実を知らないことがほとんどだからです。また、どんな文章を並べるより、ユニバーサルな情報の大切さを体全体で感じ、理解するのには有効だからです。その入り口ともいえる「Webアクセシビリティ」ということですが、それも国内では、今やっとスタートにたったという感じかと思います。

ハーモニーでは、さらに理解が進んでいくよう、また引き続き
「第2弾・アクセシビリティシンポジュウム」を、11月25日に開催するのですが、前回のシンポジウムの様子が、今回も基調講演で出演くださる、梅垣正宏氏が情報通信研究機構の
「役立つトピックの紹介」で記事にしてくださっています。その中で、ハーモニー会員パネラーのコメントが取り上げられておりますが、2人とも普通のおじさん、おばさんの中途視覚障害者です。普通の生活の中でのネット利用で「自分で選択することの出来る喜び」という共通の話題を語っています。日常生活に根ざしたネットの利用、それが普通に容易にできると言うことは、特別なことではないわけで、それが実現出来るようにするためには、周りの理解と実行が必要になるわけです。

ですので、これから社会へ巣立っていく、情報を扱う方々へはどんどん生での体験を通して勉強して欲しいと思っていますので、シンポジウムへも気軽に参加していただきたいと思います。また、出前講座もいたしますので、どんどん声をかけてください!