きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

空白

2022年03月25日 | 日本

 

「空白」の英題は「intolerance」、不寛容という意味。

感情のままに暴言を吐く、他人の感情を推し量ろうとしない、そして娘に無関心だった父。
店長はひたすら謝るだけ、人との関わりがとても苦手そうな人。後ろ向きな思考で感情が見えにくい。

開始早々に死んじゃった娘ちゃんが可愛そうだった。
存在感が薄くて、意思表示が苦手で、友達に何の印象も持たれないまま、この世から消えてしまった。
絵が上手だったんだよ、描くことで自分を表現していたんだね。

彼女は万引きをしたのか、真実はわからない。
店長は彼女にいたずらをしたのかも事実はわからない。
責任転嫁するように、あえて青柳の噂程度の話を父親に耳打ちする学校に嫌悪を感じた。

スーパーで働くベテラン店員は間違ったことははっきり正す、そしてボランティア活動に精を出し、自分を善意の人として自覚することで立っている人。
でも頑張っているのに周りと全く噛み合わない。

不協和音ガンガンなりまくりの方々。
疲れる、、現実にそうやって疲れてる人はたくさんいる。 

「どうやって折り合いをつけるんだろう」
最後に古田新太さんが放った言葉でなるほどとちょっと納得した。

折り合いをつけることがとても苦手な人たちの物語だったんだなって。

でもラストに起きた些細な出来事で少しだけ気持ちが救われた。
すれ違いながら、不協和音を奏でながら、折り合いをつけることは簡単じゃなく、
でも結局は人との触れ合いにホッとしながら生きていくもんなんだろな。

演技の巧い俳優だけで作ったって監督さんが言うくらいですから、本当に面白かったし、だからこそ観ていてずっしり疲れた(笑)
今回も自らの脚本でオリジナル作品。吉田恵輔監督作品は期待を裏切らない、ほぼ傑作です。

 

 

空白(英題:intolerance)  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
出演:古田新太、松坂桃李、伊東蒼、田畑智子、藤原季節、趣里、寺島しのぶ

スーパーの店長に万引きを見咎められた女子中学生は、逃げて車道に飛び出したところ、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。彼女の父親である添田は、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めようと、マスコミを巻き込みながら激しい憎悪をエスカレートさせていく。

 

No.8



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