12月6日、「恐怖」の意識レベルである『特定秘密保護法』が成立してしまった日、人種隔離政策アパルトヘイトに抗して27年間も投獄されていた、そして、新生南アフリカの父となった、ネルソン・マンデラ氏の訃報が届いた。
そういえば、日本という国は、1980年代、世界各国がアパルトヘイトを批判して経済制裁を行っていたなか、かの国から「名誉白人」という、どこが名誉なんだかよくわからない称号を頂いて、南アフリカ最大の貿易相手国になっていたのを思い出した・・・。
東京新聞には、12月8日の朝刊1面に、『秘密保護法』成立について、政治部長の金井辰樹氏の署名入り記事が掲載された。
とてもとても共感したので、転載させていただきます。
12・6を忘れない
◆政治部長 金井辰樹
反対の声が議事堂を包む中、耳をふさぐように採決に突入し、特定秘密保護法案は「法」になった。
国会の責任は、政府と与野党の論争を国民に提供して知る権利に応えること。そして民意を吸い上げながら法律をつくること。ところが、その責任を放棄し、知る権利をおびやかす法律を成立させてしまった。
法案の修正協議で先頭に立った自民党の中谷元・副幹事長は採決を前に「サイレントマジョリティー(声なき多数派)」の理解を得たと言った。声を上げない人は理解者と解釈し、反対の声は「大音量」の雑音だと思っているのだろうか。だから健全な民主主義の表現であるデモをテロに例えた石破茂自民党幹事長のことも、党内ではさほど問題視されなかったのだろう。
成立したばかりの条文を読み返してみた。三十カ所以上にちりばめられた「その他」の文字が、秘密の範囲を無限に広げ、知る権利を脇に追いやる構成になっている。
似た文章を思い出した。昨年、自民党がつくった憲法草案だ。随所にある「公益」や「公の秩序」が基本的人権を縛りつけている。二つの文をみて、この政権は、民より上に国家が君臨する社会をつくろうとしているのだと感じる。
責任は自民党だけでない。平和の党を自任する与党・公明党は「戦争する国」に道を開くとも指摘される政府案を、わずかな修正で了承してしまった。官僚支配の打破を訴えてきた日本維新の会やみんなの党は、官僚が秘密を意のままに操る懸念が強く残るまま与党と修正合意。これを機に巨大な安倍自民党との関係を深めようという党利党略が先行していた。反対姿勢を鮮明にするのが遅れた民主党も含め「国民の権利をどう守るか」という意識は希薄だった。
法律は成立した。しかし、終わりではない。国会でできた法律は、国会で改正も廃止もできる。反対論の全国的な広がりは、今回は法成立を阻止できなかったが、政権側は相当追い詰められていたのも事実だ。揺るぎなく声を上げ続けることで、政治を動かすことはできる。
そして、有権者にとって最も効果のある手段が選挙だ。私たちの一票で選んだ国会議員が、どんな発言をしたか。賛成したか。反対したか。きちんと胸に刻んでおく必要がある。政治家は「国民はしばらくしたら忘れる」と、たかをくくっているかもしれないが、そうはいかない。次の選挙まで十二月六日のことを、しっかりと記憶にとどめたい。
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思えば、ネルソン・マンデラ氏は、アパルトヘイトに反対して、終身刑の判決を受け27年に及ぶ獄中生活が続いた。
長い長い間、独房で、何を思っていただろう。同じ境遇に置かれたら、多くの人達は絶望のなか、白人社会を恨み続けてしまうのではないか。
しかし、マンデラ氏は、その人柄で、希望を捨てずに憎しみを捨て、白人と対立するのではなく、肌の色がどんな色であっても、調和し共存できる虹の国を目指したのだ。
その強い意志と愛は、高いパワーのあかし。
私達も、憎しみを捨てても希望は捨てなかったマンデラ氏のエネルギーを受け止めて、諦めずに、嫌なことは嫌だと、おかしいことはおかしいと言い続けよう。
★参考サイト
世界が共感! ネルソン・マンデラ氏が歴史に残した名言7選:心に響くマンデラ氏の言葉
マンデラ氏の独居房(ナショナルジオグラフィックニュース)
そういえば、日本という国は、1980年代、世界各国がアパルトヘイトを批判して経済制裁を行っていたなか、かの国から「名誉白人」という、どこが名誉なんだかよくわからない称号を頂いて、南アフリカ最大の貿易相手国になっていたのを思い出した・・・。
東京新聞には、12月8日の朝刊1面に、『秘密保護法』成立について、政治部長の金井辰樹氏の署名入り記事が掲載された。
とてもとても共感したので、転載させていただきます。
12・6を忘れない
◆政治部長 金井辰樹
反対の声が議事堂を包む中、耳をふさぐように採決に突入し、特定秘密保護法案は「法」になった。
国会の責任は、政府と与野党の論争を国民に提供して知る権利に応えること。そして民意を吸い上げながら法律をつくること。ところが、その責任を放棄し、知る権利をおびやかす法律を成立させてしまった。
法案の修正協議で先頭に立った自民党の中谷元・副幹事長は採決を前に「サイレントマジョリティー(声なき多数派)」の理解を得たと言った。声を上げない人は理解者と解釈し、反対の声は「大音量」の雑音だと思っているのだろうか。だから健全な民主主義の表現であるデモをテロに例えた石破茂自民党幹事長のことも、党内ではさほど問題視されなかったのだろう。
成立したばかりの条文を読み返してみた。三十カ所以上にちりばめられた「その他」の文字が、秘密の範囲を無限に広げ、知る権利を脇に追いやる構成になっている。
似た文章を思い出した。昨年、自民党がつくった憲法草案だ。随所にある「公益」や「公の秩序」が基本的人権を縛りつけている。二つの文をみて、この政権は、民より上に国家が君臨する社会をつくろうとしているのだと感じる。
責任は自民党だけでない。平和の党を自任する与党・公明党は「戦争する国」に道を開くとも指摘される政府案を、わずかな修正で了承してしまった。官僚支配の打破を訴えてきた日本維新の会やみんなの党は、官僚が秘密を意のままに操る懸念が強く残るまま与党と修正合意。これを機に巨大な安倍自民党との関係を深めようという党利党略が先行していた。反対姿勢を鮮明にするのが遅れた民主党も含め「国民の権利をどう守るか」という意識は希薄だった。
法律は成立した。しかし、終わりではない。国会でできた法律は、国会で改正も廃止もできる。反対論の全国的な広がりは、今回は法成立を阻止できなかったが、政権側は相当追い詰められていたのも事実だ。揺るぎなく声を上げ続けることで、政治を動かすことはできる。
そして、有権者にとって最も効果のある手段が選挙だ。私たちの一票で選んだ国会議員が、どんな発言をしたか。賛成したか。反対したか。きちんと胸に刻んでおく必要がある。政治家は「国民はしばらくしたら忘れる」と、たかをくくっているかもしれないが、そうはいかない。次の選挙まで十二月六日のことを、しっかりと記憶にとどめたい。
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思えば、ネルソン・マンデラ氏は、アパルトヘイトに反対して、終身刑の判決を受け27年に及ぶ獄中生活が続いた。
長い長い間、独房で、何を思っていただろう。同じ境遇に置かれたら、多くの人達は絶望のなか、白人社会を恨み続けてしまうのではないか。
しかし、マンデラ氏は、その人柄で、希望を捨てずに憎しみを捨て、白人と対立するのではなく、肌の色がどんな色であっても、調和し共存できる虹の国を目指したのだ。
その強い意志と愛は、高いパワーのあかし。
私達も、憎しみを捨てても希望は捨てなかったマンデラ氏のエネルギーを受け止めて、諦めずに、嫌なことは嫌だと、おかしいことはおかしいと言い続けよう。
★参考サイト
世界が共感! ネルソン・マンデラ氏が歴史に残した名言7選:心に響くマンデラ氏の言葉
マンデラ氏の独居房(ナショナルジオグラフィックニュース)
どんなことになろうと、あきらめるな、というマンデラ氏からのメッセージと受け止めて、声を上げ続けたいと思います。
中心に愛がある限り、いつかは、伝わると信じて。。。
マンデラ氏の苦難の道を思えば、なんのこれしき、です。
>国会でできた法律は、国会で改正も廃止もできる。
東京新聞の記事にもあるように、日本という国は法治国家で、民主主義の国ですからね!
諦めたり、忘れたりしないで、しっかり政治家の言動を見ていましょう。