虹色オリハルコン

命にエネルギーを与えるパワーの力

命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

奇跡の杉

2009年12月03日 | 期待の技術

奇跡の杉―「金のなる木」を作った男 船瀬俊介(著)


前の記事で少し紹介した「奇跡の杉」という本。リンゴの木に起こった奇跡は、杉の木にも、起こっていたのです。
このところ、こういうことがどんどんわかってきて、やっぱり21世紀だなあと単純にうれしい私です。
どういうことなのかと言いますと。

本の帯には、杉の学名「クリプトメリア・ジャポニカ」は、”隠された日本の財産”という意味。すなわち「杉は宝だ」と、書かれています。

中小企業「愛工房」の社長・伊藤好則さんが、杉の奇跡的な乾燥技術を作ったのです。
もともと伊藤さんは、化学物質過敏症の人たちの問題から、防腐剤など薬剤にまみれた輸入材の使用をやめて、日本自前の安全な木材の必要を痛感し、門外漢ながらこの取り組みを始めたものでした。

今現在の主流の乾燥方法は、100℃の高温の蒸気で短期間に乾燥させる方法です。
そしてその方法以外の方法はないものと、誰もが疑うことはありませんでした。(戦前は自然乾燥だったが)
ところが、伊藤さんは、今まで、無理だ、信じられないと思われてきた杉の赤身の乾燥を、自然界の魔法の温度45℃で成し遂げたのです。
その結果、今までの杉の概念を覆すことが起きました。

高温乾燥の杉は、表面は乾くけれど、内部はパサパサで、粘りがないので耐久性能もなくなる。水分といっしょに、木本来が持っている、防虫・防菌成分もぬけてしまい、カビがはえ、ダニがわく。それで業者はひそかに、防腐剤・防カビ剤・防蟻剤などを注入、これがシックハウスの原因ともなってしまう。
45℃の乾燥だと、中心から水分がぬけていって全体が均一に乾燥する。防腐効果のある芳香な精油成分は、全体に行き渡り、材木の表面のつやまで出来上がる。
色・艶・香りが高温乾燥の杉とまったく違うものになるという。
しかも、この方法だと、乾燥スピードは今までの20倍も速く、超低コスト、全体に精油成分が行き渡っているため、乾燥後水分を再吸収することが少なく、加工後の変形(反り)が出ないなど、良いことばかり。

・・そして、今までの乾燥方法では、「草」とまで言われ捨てられていた杉の間伐材すら、銘木に変わってしまったのです。まさに信じられない、奇跡の杉。

漢方の世界では、45℃は魔法の温度と言われ、「薬草が変色しない」「薬効が生きている」乾燥温度なのだということです。
同様に、杉も薬草の一種と思えば、杉の木本来が持っている薬効をも生かしている温度なのでしょう。
私達は、今まで、杉が持っている本当の力を知らずに、もったいない使い方をしていたのかもしれません。
詳しくは、本書をぜひ読んで欲しいと思います。
でね、この愛工房の杉で建てられた家に住みたい、と思いましたよ。
なんたって、家の中で、本当に森林浴ができるんですもの。

伊藤さんの「木だって生き物。地球上に存在しない高温はかわいそうだ」という言葉が、心に残りました。
こういう気持ちが、奇跡のような発見、発明を成し遂げる原点になるんだと、思いました。



鳩山首相は先日、「日本は資源がない国だから科学技術は大切である」といっていましたが、日本の先人が残してくれた杉の木という資源が、十分に有効活用されずに眠ったままです。
もちろん、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんや「森は海の恋人」の畠山重篤さん、この「奇跡の杉」の伊藤好則さんなど、そしてこれからまだまだ現れてきてくれるだろうパワーの「人」という資源も、日本にはあります。

 奇跡の杉 「金のなる木」を作った男 
    目次 
      第1章 「乾かない」から、使わない?
      第2章 木が微笑んだ発明
      第3章 「杉おこし」に挑んだ男
      第4章 “山の草”がお宝になった
      第5章 この木材を使いたい!
      第6章 「杉の国」の夜明け


★関連サイト
 愛工房 http://www7a.biglobe.ne.jp/~ishikou/

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 気になる仕分けの行方・追記あり | トップ | 温泉猿 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
田口幸央さまへ (金木犀)
2009-12-27 18:28:54
はじめまして。
コメントいただき、ありがとうございます。
この分野では、民主党にかなりの期待しておりますので、この記事を見つけていただき大変うれしく思います。
菅さんも、林業のことを話しておられましたものね。

輸入材のように移動の際のCO2が出ない、シックハウスなどの解決につながるなど、環境面でも良いことづくめ、この本を読んで、私も目からうろこでした。

コンタクトとのことですが、大変光栄ではありますが、この件に関して、私は本の紹介をしただけですし、この本に出ている以上の知識を持ちません。
ぜひとも、直接、愛工房の伊藤さんとご連絡を取られたらいかがでしょうか。
愛工房のhpを、記事に追記しておきますね。

なお、このブログの、右サイドバーの一番下の、「メッセージを送る」をクリックしていただきますと、直通メールとなりますので、何かございましたらそちらから、よろしくお願いいたします。
返信する
田口様 (金木犀)
2009-12-27 18:52:29
すみません、いただいたコメントに携帯電話の番号が書かれていましたので、
一応、表に出ない設定に変えさせていただきました。
ご了承ください。
返信する
あらためてご挨拶 (田口幸央)
2011-05-15 18:53:28
あらためて本技術の価値を活かした事業モデルをと思います。ご助言をお願いいたします。
返信する
田口幸央さま (金木犀)
2011-05-16 11:11:02
お知らせ、ありがとうございます。
そうでしたか!素晴らしいですね。
私が助言など、とてもとても・・・、ど素人ですから、ご勘弁くださいませ。

でも、田口さんの地域で事業が成功すれば、地産地消で雇用も増やすことができ、今後の被災地の復興にも役立つモデルケースにも、なりえますよね。
CWニコル氏が、杉の間伐材で仮設住宅をと、提案されていましたが、愛工房の杉なら、仮設どころか本住宅として使えますものね。

かげながら、一生懸命応援させていただきます。
返信する
追記です (金木犀)
2011-05-16 16:51:44
知り合いからの受け売りですが・・・

樹皮や倒木などの材木にならない捨てる部分で、木質ペレットをつくる。
木質系のペレットストーブに補助金を出し、ペレットストーブの普及を合わせて進める。
将来のエコ住宅に、奇跡の杉を使い、ペレットストーブの起き場所を備えた住宅の提案などどうでしょうか。
電気や化石燃料を使った冬のエネルギーを抑制できます。

今ある技術で、東北地方の雇用創出と菅さんが提案していたエコタウンにもすぐにでも応用できるのではないかと、知り合いが、言っていました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

期待の技術」カテゴリの最新記事