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脱温暖化・ドイツの取り組み・おまけあり

2008年01月06日 | 地球環境・温暖化・気候変動
お正月は、テレビもどうでもいいようなものも多いけど、玉石混交で時たま「きらり」と光る番組があるから、ばかにできない。特に地球温暖化に関して、NHKは再放送も含めてとにかくいろいろと目白押しでがんばっていた。北欧諸国やドイツの温暖化対策はとても参考になった。今後も良質の番組はどんどん再放送して欲しい。


ヒマラヤの氷河が解けて水かさが増し決壊寸前の氷河湖

また、4日のテレ朝の特番「地球危機2008」はまるでテレビの中から地球に怒られているような気分になって正直、本当に辛かった。長時間ということもあったが、悲しくて全部見られなかった。本当は、きちんと見ないといけないんだろうけど。
ふるさとがいずれ海に沈むだろう南の島の人たち、ヒマラヤの氷河が解けた氷河湖の決壊の危機と共に暮らしている下流の村人たち。彼らは、地球温暖化の原因を何一つ作っているわけじゃないのに、真っ先に被害を受ける人たちだ。森林伐採や山火事で住処をなくしたオランウータン、空腹に耐えかねて番犬を襲う北極のシロクマ・・・彼らには、何の罪もない。


そんな中、NHKBSの「地球特派員スペシャル カーボンチャンス ~温暖化が世界経済を変える~」は、希望が見えた。以下ドイツの環境対策の大雑把な内容と感想です。

○環境対策へ国家の強い意志
私たちが目指すべきは、ドイツの環境政策だと思った。
長いこと環境問題を通して感じたことは、残念なことだが、環境への高い配慮を人々のモラルに訴え続けても、絶対に無理だ、ということだ。多くの人々にとって環境問題は、危機感はあるけど、やっていても目に見える達成感もなければ、減税などの法的なご褒美もない現状だから、よほど志のある人でない限り、優先順位が目先の利益や便利さに先を越されてしまうのは仕方のないことだと思う。
より多くの人々の意識を変え、行動を起こすためには、温暖化防止のために活動することは、お金になるという動機づけが必要なんだってことだ。

そしてドイツは、そのやり方をうまく使って、CO2の削減において成功を収めつつあると、番組を見ていて感じた。
そのために何が必要か・・・それは番組でも何度もいっていたけど、「国家の強い意思」です。
環境問題は個人がひとりでやっても微力です。私だって時には「ハチドリのひとしずく」という自己満足や慰めにしかならない現実に、時々むなしくなるときもある。だけど、国を挙げてこれに取り組むなら、絶対に成果は出るんだという実例をドイツが教えてくれた。希望がわいてきた。未来に希望がわいてくる政治こそ、本物の政治っていうもんでしょう。

○国民のやる気を法律が支える
ドイツでは、「緑の党」が連立政権に加わったことで、2000年「再生可能エネルギー法」という法律ができた。
この法律は、「自然エネルギーで作られた電力は、電力会社が20年間にわたり、それを作るために使ったコストよりも高く買い取らねばならない」というものだ。この法律によって、今までコストがかかりすぎるので見合わされてきた自然エネルギーで電力で作ることが儲かることだと国民に浸透していった。

私の好きな江川紹子さんが取材していた、人口800のユーンデ村では、豚舎や牛舎から出る糞尿を発酵させ発生したメタンガスから発電を行っている。このシステムは村長以下村の140人で組合を作って資金を出したのだけれど、この「再生可能エネルギー法」によって、2年で早くも黒字になったという。また発電所で作られた温水が各家に配られて暖房費も節約になったという。

またミュンスターでは、1990年に比べなんと22%のCO2削減に成功した。
この町は、自転車の町といわれていて、市長自ら江川さんを自転車で、お出迎え。車のストレスがないっていいなあ。幅広い道は、自転車と歩く人ばかり、みんなゆったり移動している。自転車専用道路は、総距離100キロを超えるのだという。
スーパーだって、レジ袋はもちろんのこと、トレーもラップもむだな包装が一切ないから、買い物のときも楽チンだ。袋は要りませんっていちいち言わなくてもいいんだもの。白いトレーは洗ってリサイクルなんて手間もない。当然、ゴミだって出ない。生ゴミは、コンポストで土に変わり、外壁断熱を希望すれば市から補助金が出る。

○衰退工場が、世界第2の太陽電池の会社へ
企業もがんばっている。
例えば、東西ドイツ統一により衰退していた化学工場のキューセルズは、低価格のシリコンを使って、コストがかかるという理由で進まなかった太陽電池を低価格で作ることに成功した。
その結果、キューセルズは、世界第2位の太陽電池の会社に生まれ変わり、ドイツは太陽光発電発生量世界一となった。これに伴って、多くの雇用者も生み出すという効果もあった。
またあのBMWは、水素エンジンで動く車を作った。これは、素晴らしいことにCO2をまったく出さない。

○政治と企業と国民がひとつとなって
このように、ドイツでは、「国家の強い意思」で行政が主導して、企業、国民がひとつになって省エネと自然エネルギーへの転換をしている。空き地があれば、風車が回っているという風景もこの数年で急に増えたという。空き地があれば駐車場に変わってゆく日本と大違いで、本当にうらやましかった。

○日本とアメリカは・・・
日本では、同じころ、小泉政権の規制緩和でなんでも民間委託、すべて市場競争に任せるという放任主義が、国として環境対策への求心力をなくした。結果、格差を生み、京都議定書を守るどころか経済優先でCO2排出量を増やすことしかできなかった。議長国として、失望する限りだ。
この番組では、アメリカの温暖化対策も紹介したが、ブッシュ政権が出してきたのは、今さら原発推進だそうだ。どこまでも「脳足りん」な人たちであることか。
今年はようやく大統領選がある。日米ともども、さっさと政権交代をして、温暖化対策の失われた8年間を取り戻すべきだとつくづく思った。

再放送ありますよ
1月06日(日)午後11:00~午前0:40 NHKBShi
1月19日(土)午後01:00~3:00(N中断あり)NHKBS1


【追記おまけ】

ぼくだって、温暖化はやだよー

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2 コメント

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CO2 (iina)
2008-04-19 11:33:57
なるほど、良心やモラルに頼るだけでは限界がありますね。
お金に換算させてCO2減のやる気を募るのいう一手でしたか。
人間は、どこまでもエスカレートしていく考えを冷さなくてはいけませんね。
ただ、何にでもマネーゲームに化けてしまうというのは残念です。
『地球危機2008』を見たかったです。
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iina様 (金木犀)
2008-04-19 23:53:33
iinaさま、ようこそ。
コメントありがとうございます。

きっかけはなんでもいい、とりあえず環境にいいことを習慣付けるために、こういう手もあるかなと思ったしだいです。
それが結果的に環境に良いほうが、楽しい、気持ちいい、という方向にいけばいいと思うのですが・・・
しかし、行き過ぎたマネーゲームに変化してしまう可能性があるとすれば、残念だし、改善しなければならないですよね。
返信する

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