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国会事故調、最終報告書と直前の報道の不思議

2012年07月06日 | パワーかフォースか
福島第一原発事故に関して、国会事故調査委員会の640ページにも渡る報告書が作成された。
それによると、事故は東電の安全対策を怠った人災であり、東電の対応と責任がより厳しい言葉で書かれていた。
非常にもっともな多くの人たちが納得できる内容だったと思う。(菅さんの対応については、私には少しだけ異論もあるけれど、それはそれとして)




 ◯根本的原因は、3.11前の安全対策
   規制する側とされる側の「逆転関係」が起き
   規制当局は電気事業者の「虜」となっていた
 ◯地震による損傷がなかったとはいえない




東電は、官邸の過剰介入や全面撤退との誤解を責めることが許される立場にはなく、むしろそうした混乱を招いた張本人であった。
(写真はクリックで拡大・テレビ朝日モーニングバードより)



 

しかし、この内容公開に先立ち、この報告書を報じる読売新聞は言うに及ばず、NHKや朝日新聞までが「菅前総理介入が混乱の要因である」ということだけをクローズアップして、報道していたのである。
蓋を開ければ、全く違う意味だったのに・・・一体どうしてこのようなおかしな報道がなされてしまうのだろう。
ここに、昨年来マスコミに、より異様に感じていた違和感が連なってくる。





昨夜の報道ステーションで、事故調の黒川清委員長が出演し、朝日新聞論説委員の三浦俊章氏が問いかけた。
(以下、会話をそのまま文字起こししました。)


三浦論説委員

非常に問題意識が鮮明で、提言も突っ込んだものだと思います。
ただ、私のまわりでも、今日の最終報告書を読んで驚いた人も多かったです。
今までの論点整理とか、あるいは委員会の質疑を聞いていくと、官邸の介入、特に菅総理の・・・そこにずっと焦点が当てられていて・・・えー、どうも東電に甘いという印象を持たれていたところがあるんですけれども。
実際出てきたものを見ると、過剰介入は批判しているんだけど、それを東電が責める立場にはない、しかも、そういう混乱を招いてきた張本人だと、大変厳しい指摘がある。
それは、議論していくうちに、変わったんでしょうか。最終段階で何があったのか?と・・一瞬、思ったのですけれど。


黒川委員長

実はそうではなくて、私どもの中でも議論はあったのですけど、論点整理というのが、普通こういう会議って中間報告をするとか、いろんなこと、あるんですけれど、それが出来るだけの時間的な余裕がなかったので。
今日も言いましたけど、論点整理というか、ここでいくつかのポイントを皆さんに共有してもらった、ということで、あくまでも最終の報告が、報告ですよ、と。
そういう意味では、私としては、私どもとしては、全然違和感がないんですけど。


黒川委員長の発言を論点整理すると、
本来ならこういう会議は、論点整理した中間報告をするのだけれど、時間がなくてできなかった。
この番組に出て、説明してたように、これが最終の報告で、報告である。
質問の疑問に対して、最終段階で変わったというような違和感はない。


というところだろうか。
(個人的には、黒川さんが「私としては」と言ったあとに、「私どもとしては」と言い直した部分が少し引っかかった)

ここで疑問なのは、朝日新聞では、国会事故調の中間報告として菅前総理の介入が混乱の原因というような、内容の記事だったのに、委員長の口から中間報告はできなかった、と言っていること。
中間報告がなかったのに、あたかも中間報告があったかのような報道と菅批判のセット
どういうことなのか。
じゃあ、一体誰が、中間報告があったかのように、マスコミに伝えたのか、あるいはマスコミはあえて伝えたのか。
マスコミも確信犯なのか、あるいは三浦論説委員のように、間違った情報を信じこまされていたのか。

番組では、これでスルーだったけれど、いつまでこんなことが続くのかと思う。

実は、民主党政権交代前夜から続いた、小沢、鳩山、菅バッシングへの同様の違和感があった。
マスコミが伝える情報には、嘘があると随分と感じ続けてきた。
昨年は、普通の人々が、その論調にだまされて、私の周辺でも菅さんを逆賊扱いする人までいた。・・いまだに、そう思っている人もいるだろう。

人の意識レベルは、特に矢面に立つ人が激しいネガティブな攻撃にさらされ続けると、よほど高い意識レベルでない限り、下がってしまう傾向にある。だからリーダーになる人は、心底強い意志を持っていなければならない。その意味では、小沢さんも鳩山さんも、お気の毒だったと思う。野田さん然り。
(なお、「パワーかフォースか」の中で「強い」というのは、「我を通す」とか「ぶれない」という意味ではなく、どれだけ自分を捨てて人のために尽くせるかという意味です。)


民主党のかつてのトロイカは、今や見事に分断されてしまった。これを喜んでいる人もいるのだろう。
確かに、戦後ずっと続いてきた体制を変えるなんて、非常に重たいことだし、既得権で守られ、おいしい思いをしてきた人には、政権交代は、全く面白くないことかもしれない。
それにしても、裏で暗躍するのは誰ですか。

ところで、前の記事のコメント欄、デリケートな内容でしたので、筋肉テストさせていただくと、ぜひ掲載したほうがいいという答えでした。
   ↓
http://blog.goo.ne.jp/hanamiduki87/e/e1bcbf533cf30e57ec6e2b95eff80b74#comment-list


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3 コメント

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原発事故レビュー (xtc4241)
2012-07-06 19:06:47
金木犀さん、こんにちは(いま7月6日pm6:50頃です)

640ページの報告書、すべて読む事は無理です。
政府事故調、民間事故調、東電事故調、そしてこの国会事故調。
僕自体、すべてを読み込んだわけでもないし、マスコミの要約を読んだにすぎない。それを前提に4つの調査から、僕なりにその責任主体について考えてみました。
罪の大きい順に・・・
①自民党(長年原発を推進してきた罪・・・それも原爆との連動のなかで)
②経産省(変えるチャンスはなんどもあったのに、結局は省益に堕してしまった罪)
③東電(国策としての原発を押し付けられたある意味では被害者ともいえる。その後はその金にものを言わせて傍若無人になった)
④保安員、委員会をはじめとする学者連中(結局は、科学よりも政治的、自己に有利な流れに乗ってしまった)
⑤菅元首相など政府官邸(大混乱のなか、よくやったあともいえるが、スピーディの公開の遅れ、識者などの委員会の乱立)

僕はその時期だけの検証だけではなく、そこに至った経緯の検証が必要だと思っています。

返信する
Unknown (MJJ)
2012-07-07 03:13:25
私も三浦さんと同じ感想を持ちました。
6月9日の論点整理の後事故調の誘導質問や東電擁護の姿勢が一部ジャーナリスト達に厳しく批判されたので報告書を少し書き換えたのではないでしょうか。菅前総理批判はmustなのでそれは何が何でも残し東電批判を加えたと。だから官邸対応に関する記述が支離滅裂というか、因果関係が破綻しているとあちこちで批判されています。3.11以前の体制を批判しながら自民党の政治家にヒアリングしていないのですから余りに政治的思惑のある事故調でした(せっかく一番権限の強い事故調だったのに)。
民間事故調の報告書は購入し読んだのですが今回のはPDFだし読む気が失せております。。。
返信する
コメントありがとうございます (金木犀)
2012-07-08 14:46:25
★xtc4241さんへ

自民党>経産省>東電>保安院>官邸

もともとが国策として原発を推進してきた自民党ですからね。
平和利用の影に、核保有のための技術保持があったからこそ、何が何でも原発推進だったのでしょうね。
自民党(及び各関係者)は、それら批判の矛先が自分たちに回ってこないように、隠そうとして、菅批判に走ったようにも感じました。


★MJJさんへ

今回の事故調の報告は、絶賛する方もいらっしゃいますが、菅批判マストとおっしゃったように、私も一部、納得できない部分があります。
(稀に見る国家存亡の危機にあって、責任を取るべき専門家が、右往左往するなか、それを見極めた首相の強いリーダーシップは、緊急避難として必要なことだったと思っていますから。)

>3.11以前の体制を批判しながら自民党の政治家にヒアリングしていないのですから余りに政治的思惑のある事故調でした

そうですねー。
中曽根康弘氏へのヒアリング、お元気なうちにちゃんと聞いて欲しいものです。
返信する

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