浜田屋遼太

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チャーシューの地位

2016-05-05 | B級グルメ

チャーシューは、ラーメン丼の中ではとてもエラソーにしている。

海苔、メンマ、もやしなどと一緒に並んでいると、一族の長という貫禄さえ感じる。

ラーメン屋でラーメンを注文し、ラーメンが到着すると大抵の人はその全容を点検する。

スープの光具合、ネギの浮き沈み、メンマの数、海苔の水没度などを点検したあとチャーシューを見る。

その眼差しは、海苔やメンマやネギに投げかけたときとは全く違う尊敬の眼差し。

チャーシューはラーメンの丼の中では間違いなくスターである。

ネギはいくら頑張ってもネギ止まりで終わる。

ところがこうしたチャーシューも、配属先が変わると様子が一変する。

ビールなども出すラーメン屋では、チャーシューをおつまみとして出す。

ちっぽけな皿に四、五枚のチャーシューが少しずつずらされて並んでいる。

スターが折り重なっているのだ。

ラーメンの丼の中で、あれほどゆったりとくつろいで、我が世の春を謳歌していたチャーシューとは思えない、全員板のように硬直し表情も硬い。

実際口に入れても、ラーメンの丼の中にいたときの、あの美味しいチャーシューとは思えないほど味気ない。

配属先が変わるとこうも変わるんだ。

ラーメンのスープがチャーシューを美味しくしているのだ。

このようにラーメンの周辺では権勢を誇るチャーシューも、ひとたび高級中華料理店に配属されると地位はさらに低下する。

チャーシューは、コース料理の最初の前座として出てくる。

蒸し鶏、クラゲ、ピータン、アワビの冷製などと一緒に皿に並ぶ。

どう見てもこの皿の中ではチャーシューの地位が一番低い。

ラーメン屋ではスターだったのに、ここでは扱いが粗末だ。

チャーシューはラーメン丼の中が一番居心地がいいのであった。

コメント
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