古本の新潮社版マルクス・エンゲルス選集(全16冊)を入手した。
昭和48年版で16刷とあるが、カバーの背に少しヤケがあるものの、状態は悪くはない。以前の持ち主がいかにこの本を大切に保持してきたかがわかる。
いくつかの巻にはうすくえんぴつで線引きがしてあった。でも、その線引きも、実に紳士的で繊細。
わたしも、線引きをよくするが、わたしのはめったやたら、乱暴にページが破れるような勢いで線を引く。しかも、大事なところを線を引くというよりも、ただ線をひっぱってると、文章をかじってるという気がするからだ。頭だけでは理解できず、肉体の作業をしないと読めないからだ。
この古本は以前の持ち主の知性と性格を感じる。わたしとは大違い。きっと、全巻を静かに根気よく読んだにちがいない。どんな人物だろう。ボーナスをはたいて全巻を購入し、少しずつ読み通したのだろうか。わたしのようながさつな人間ではないのはたしかだ。
今頃になって、やっとマルクスを読んでみたくなった。
なによりも、その発想、視点が今の日本の言論界に欠けていると思うからだ。
かつて、40年ほど前は日本のマルクス研究は世界のトップレベルだといわれたことがある。
マルクス経済学者というのはどこの大学にもたくさんいたようだ。
しかし、かれらは、今、何を研究しているのだ?いったい、かれらは、何ものだったのだ?
マルクスに群がり、マルクスを奉じ、マルクスを解説する学者が姿を消したことは、しかし、いいことかもしれない。
余計な解説者なしに、それぞれが、直接にマルクスに向き合えるようになったのだから。
わたしなど、おそらく、10のうち、9も理解できないだろうけど、10のうちせめて1くらいは、なるほど、そうか、と納得できる部分もあると思う。それで十分だと思う。
昭和48年版で16刷とあるが、カバーの背に少しヤケがあるものの、状態は悪くはない。以前の持ち主がいかにこの本を大切に保持してきたかがわかる。
いくつかの巻にはうすくえんぴつで線引きがしてあった。でも、その線引きも、実に紳士的で繊細。
わたしも、線引きをよくするが、わたしのはめったやたら、乱暴にページが破れるような勢いで線を引く。しかも、大事なところを線を引くというよりも、ただ線をひっぱってると、文章をかじってるという気がするからだ。頭だけでは理解できず、肉体の作業をしないと読めないからだ。
この古本は以前の持ち主の知性と性格を感じる。わたしとは大違い。きっと、全巻を静かに根気よく読んだにちがいない。どんな人物だろう。ボーナスをはたいて全巻を購入し、少しずつ読み通したのだろうか。わたしのようながさつな人間ではないのはたしかだ。
今頃になって、やっとマルクスを読んでみたくなった。
なによりも、その発想、視点が今の日本の言論界に欠けていると思うからだ。
かつて、40年ほど前は日本のマルクス研究は世界のトップレベルだといわれたことがある。
マルクス経済学者というのはどこの大学にもたくさんいたようだ。
しかし、かれらは、今、何を研究しているのだ?いったい、かれらは、何ものだったのだ?
マルクスに群がり、マルクスを奉じ、マルクスを解説する学者が姿を消したことは、しかし、いいことかもしれない。
余計な解説者なしに、それぞれが、直接にマルクスに向き合えるようになったのだから。
わたしなど、おそらく、10のうち、9も理解できないだろうけど、10のうちせめて1くらいは、なるほど、そうか、と納得できる部分もあると思う。それで十分だと思う。